2013年11月24日(日)勉強会のご報告

今月も勉強会の日がやってまいりました!
本日11月の勉強会、5人での穏やかな時間となりました。

このご報告、あんまり長いと読みにくいだろうな・・・とか、
どういう風に書くとその場の雰囲気が伝わるのだろう?とか
何を書くか、いつも迷うのですけれど、何も書かないよりは、
何かとっかかりがあった方が話のネタになっていいのかな?と思うので、
印象に残ったことを中心に書いていきたいと思います。

感想やら、それ何のこと書いてるの?やら、私はこう思ったなど、
ご意見ご感想がありましたら、いただけると嬉しいです。

今日のお題は、テキスト3巻P19の
パワーの力動5「私はスタッフで、あなたよりリカバリーしている」でした。

自分が相手より「わかっている」と感じたことはありますか?
あるいは、誰かにそのような態度をとられたことはありますか?

自分が経験して乗り越えた壁に、他の誰かがぶつかっているように見えるとき、
そして、その人が、その壁を乗り越えようとしてないように感じるとき、
努力してないように見えるとき、
自分はどのように反応していたか、
その時の自分の行動を責めるのではなく、
その時にどんな気持ちが自分の中にあったのか感じてみる、

そんなことを話題にして話しました。

・人が並んでいる所で、小銭をゆっくり出している人を見ると、
前もって準備しておけばいいのに、と思う
→並んでいる人を待たせて人に迷惑をかけるのではと心配になる
→他の人から白い目でみられてかわいそうだなと思うから

・あの時ああだったから、こうなった、だから今のあなたはこうです、
と、医者から言われると、努力しても報われない気がする。

・誰もが、その時その時は、ベストを尽くしているのに、
あなたはこういう人だ、と言われ続けるのは、
学習された無力感(前回のお題)にもつながると思った。

・この人は知らないだけだ、と思ってしまうことも、思いこみかな

・お酒をやめないで、肝臓を改善する栄養ドリンクを飲む人に、
「お酒をやめれば」と言ってしまうけど、その時の気持ちは、
体が悪くなるのでは?と心配している。
そのことを伝えてなかったので、伝えてみてもいいかな?と思った。

いろんな話が飛び交いました。
仕事と違って、こういうテーマでじっくり話せる時間があるのがいい、
2時間があっという間だった、という感想もありました。

テキスト全7巻が終わるのには、あと7~8年かかりそうですね、
などと笑いましたが、今回も一つのテーマから、
5人多様な連想からの話が出て、楽しかったです。

次回:2013年12月22日(日)15:00~17:00 東京大学医学部3号館S102
 勉強会のあと、同じ会場で懇親会(~19:00)も予定してます。

お知らせ:IPS 5日間研修(東京):2014年2月19日(水)-23日(日)

2013年11月29日(金) 講演会ご案内

『矢が花にかわる』こころの交流  講演会について、チラシの内容を、
以下にご案内をさせていただきます。

5日間ワークショップは、すでに満員御礼のため受付を終了しておりますが、
講演会は、まだまだお席に余裕があり、当日参加もOKです。
ぜひ、お気軽にお越しいただけると嬉しいです。

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 『矢が花にかわる』こころの交流

「いい詩には、ひとの心を解き放ってくれる力があります。いい詩はまた、生きとし生けるものへの、いとおしみの感情をやさしく誘いだしてもくれます。」(茨木のり子 『詩のこころを読む』ページ iii) 

 私たちは、この『いい詩』にたとえられるような、人と人とのこころの交流が広がることを願い、講演会とワークショップを企画しました。『いとおしみの感情』は、苦しみが少しでも和らぎ、喜びや幸せを感じる瞬間の訪れを願う、生きとし生けるものへの慈しみの気持ちにも通じるでしょう。人は本来、つながりの中で生きていて、いとおしみや慈しみに根ざした交流によって関係がつむがれているはずなのに、普段の生活の中では、自分自身や人に対して、こころを閉ざすような在り方でいることも、少なくはありません。 

 今、あなたには、日々の生活の中で、仕事の中で、周りの人とのつながりがどう感じられるでしょうか?もし、つながりが断たれているように感じるとしたら、特に、そこに暴力が介在するとしたら、私たちの多くがそうであるように、あなたも傷つき、おびえ、こころを閉ざした『対応』をしているかもしれません。自分に矢を放たれたように感じる言葉や姿勢に接すると、お互いのこころの奥底にある真実の声を聞くことが、ますます難しくなっているのではないでしょうか。 

 もし、そこにある自分の傷つきやすさや恐れの根元にしっかりと目を向け、受け止め、そこに現れる世界にこころを開くことができたら、相手の人の姿はどんなふうに見えてくるでしょうか?その人の痛みや苦しみにこころを開くことができるかもしれません。そして自分と人への慈しみの気持ちに根ざした、『矢が花にかわる』スペースを開くことができるでしょう。そうしてはじめて、お互いの真実の声を表現し、響き合わせる可能性が生まれるのではないでしょうか。

 この講演会とワークショップでは、人に本来備わっている、慈しみの気持ちの土壌を耕し、慈しみに根ざした、こころの出会いと交流のあり方を、ともに学び、試してみます。案内役のスティーブン・ポクリントン氏は、ジェントルティーチングを学び、通常のコミュニケーションを通してはつながりを作りにくい状況で関係を築く実践を行ってきました。また、ポクリントン氏は日本における WRAP の活動に関わり、2007 年以来 10 回近く来日しています。長年にわたる瞑想の実践者でもあります。 

 講演会ではポクリントン氏の経験を交え、新たな出会いの可能性が見出されるような対話の時間を持ちたいと考えています。5 日間ワークショップでは、さらに実践的に、慈しみの気持ちに基づく交流を感覚的に理解する対話と、それを試みる演習を用意しています。ワークショップの初日から 1 日あるいは 2 日間(週末)のみの参加も歓迎します。 

 経験や職種は問いません。『矢が花にかわる』ような、こころのあり方と交流に関心をお持ちの方々のご参加を、こころよりお待ちしています。
※講演会は、久野恵理氏による通訳があります。  

2013年11月29日(金) 18:30~20:30  受付開始18:00~
参加費:当日参加 2,500円
    事前申込 2,000円(前日まで)
会 場:東京大学医学部2号館本館 (医学部2号館1F小講堂)
   本郷三丁目駅(丸ノ内線、大江戸線)より徒歩10-15分
   赤門(東京大学)からまっすぐお進みください。
会場地図:bit.ly/1eIfMUG

申込み・問い合わせ:ipstky@gmail.com(宮本・尾川)

※講演会の事前お申込みは、前日までに参加者氏名を上記メールまでお送りください。参加費は当日いただきます。直接会場までお越しください。

みなさまのご参加をお待ちしております!

主催:オフィス道具箱 & コンパッションを耕す会
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2013年10月27日(日)勉強会のご報告

みなさまこんにちは。10月の勉強会も5人でしっとり、深い話しをできた勉強会でした。
また、本日は栃木よりお送りいただいた差し入れのかりんとうを食べながら進みました。かりんとう、ありがとうございました!

今回も、ワークブックの3巻です。
前回(9月)に行った「居心地の悪さか身の安全か」「規則対交渉」の振り返りから入りました。
外から言われる規則ではなくて、話し合うことができたら、全然違う気持ちで向き合うことができる、というような話になりました。
香水が苦手な人が自分は香水の匂いが苦手で、と言ってみた話を共有してくれました。そこで香水禁止、という規則ができるのとは全く違うね、という話になりました。
また、何か他人の言動で困る状況があるときに、直接その人と話すのではなく、その場の管理者や事務局の人に言ってもらう、というような例で、「トラブル防止」というような考え方と、相手から直接言ってもらえないショックなどについても話しました。

マインドフルネスは、2分ちょっとしました。マインドフルネスの感想として、
「短く感じた」
「自分のいろんな気持ちが飛び交うのがせわしなかった」
「マインドフルネスをするといつも白くなって、いろんなものが整理される感じがする」
「目をつむると自分の疲れがわかる、自分に意識を向く」
などがありました。

今回の本題は、パワーの力動「学習された無力感」についてです。(3巻_p.17)
他人がその人のために、すべてのことを判断することに完全に慣れてしまった人がたくさんいます。これは、しばしば絶望感につながります(努力したって無駄だ)。
・・(中略)・・
人々は、このように考えるように学ばされてきたのだということ、他にどうすることができるのか知らないだけなのかもしれない、ということを思い出すことが大切です。誰にとっても、慣れ親しんだ見方を変えることは、いかに難しいことなのかを忘れないでください。 

自分が軽視されたと感じるときと、相手が受身的だ、と感じる時について話し合いました。
  • 自分の言ったことを受け取ってもらえないのは軽視されたと感じる
  • 逆に、自分が言ったことを全てそのまま飲まれてしまうのも、自分が尊重されているという感じがしない
  • あなたのためよ、と言っても、その人にとってよいと思うことを押し付けているのではないか
  • 失敗する権利もある
  • 相手が受身的だ、と思うとつい腹がたってしまう
  • 自分は受け取ってもらえないと、次もそうに違いないと思い、もう言うのをあきらめてしまう
  • これまで受身的だと思っていた人も、もしかすると何かいうことをあきらめてしまったのかもしれない

上記のような話をしていて、今回も、あっという間に2時間がたってしまいました。
心にあることを少し出してみることができる、そんな場だったような気がします。また、少人数だったこともあり、匂いの話がいろんな方向に広がったり、アジェンダをきっかけとして深い話ができた、楽しい会でした。
ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました。

【次回の勉強会】
日時:2013年11月24日(日)15:00~17:00
場所:東京大学医学部3号館 S102
地図:http://bit.ly/hVR5pV

 ※12月は、12/22(日)を予定しています。また、12/22の勉強会のあと、懇親会も予定してます。

【もう一つのお知らせ】
2月に、IPS 5日間研修を行う予定です。
日時:2014年2月19日(水)~23日(日)
日程のみ決定、詳細は決まり次第、お知らせいたします!

2013年9月29日(日)勉強会のご報告

9月の勉強会は、5人でしっとり、じっくりした勉強会でした。
なんと、山梨から来てくださった方もおられました!

ワークブックの3巻のパワーの力動の続きで、
今日のお題は、
②の「居心地の悪さか身の安全か」と、
③の「規則 対 交渉」というところでした。

「居心地の悪さか身の安全か」のところでは、
例えば、退院してすぐに薬を飲むのをやめたい、
と話をされた時に、どのようなことを自分は感じるか、
お互いに責任を取り戻すためにどのような会話ができるか、
ここでは診断も評価もしない、感じていることを共有するとはどういうことか、

「規則 対 交渉」のところでは、
そもそも、規則やルールとは何か?
最善の世界では規則はほとんどなく、多くの交渉がなされる、とは?
あなたのまわりには、何かルールがありますか?

演習では、お金を貸してほしいと言われた時の会話について、
それぞれ、みんなで思ったことを出し合いました。

・自分なりのルールを作って、嫌な時は嫌と言うようにしている
・自分で作ったルールに縛られてしまう時もある
・デイケアで理不尽なルールを作られたけど、実際に活動してる人同士で、
最低限のルールについて話し合いを持ったことで幅が広がった
・貸すのを禁止されているのに、それでも「貸して」と言ってこられると、
信頼されているようで嬉しく感じる
・やめさせようと思って話をすると、相手は逃げてしまうように思う

感想、心に響いたことは? では、

・マインドフルネスは、仏壇に手を合わせる時の感覚とにているという話が印象に残った
・「みんな違ってみんないい」と改めて思った
・今後もこの勉強をして、自分が柔らかくなれるといいと思う
・規則を丁寧に話合って作ることは、交渉することにつながるように思った
・一人一人が自分を見つめ直して参加できる場だと思った
・人数少なく、いっぱい話せた感じがする

私が持ってた「規則」のイメージは、堅苦しく無くてもいいもの、だったのですが、
話をしているうちに、じっくり話し合って作るルールは、場が馴染むための道具になることもあるんだなと、「規則」のイメージが変わったのが、おもしろかったです。
あと、お金を貸してと言われて嬉しいわけないじゃない!と思っていたのに、
貸す貸さないは別として、場合によっては嬉しく感じる人もいるんだな、
というのも、新鮮な驚きでした。

言われて一瞬 「えっ?」 と思うことも、どうしてそう思うのだろう?、と
興味を持てる余裕ができたら、もしかすると、
いつもと違う会話になるのかもな、と改めて思いました。

【次回の勉強会】
日時:2013年10月27日(日)15:00~17:00
場所:東京大学医学部3号館 S102
地図:http://bit.ly/hVR5pV 
※11月は、11/24(日)を予定しています。


【もう一つのお知らせ】
2月に、IPS 5日間研修を行う予定です。
日時:2014年2月19日(水)~23日(日)
日程のみ決定、詳細は決まり次第、お知らせいたします!


2013年8月18日(日) 勉強会のご報告

本日も暑い一日でしたが、11人の参加者が集まり、賑やかな勉強会となりました。

チェックインのあと、前回の勉強会の振り返りをし、「ロールプレイや、IPSの勉強は、ときに嫌なことを思い出すものでもある」、「つらいけれども、振り返ることで次の学びにもなる」など、前回の振り返りとともに、IPSって、という話ができました。いずれにしても、IPSを学ぶ途上では、いつでもいい気分でいられるわけではないんだな、と思わされました。

マインドフルネスの後、「権力行使(パワーの関係)」に入りました。

ピアサポートの関係は完全に対等なものだといくら言い張ったとしても、実際には、そうではありません。ほとんどの関係では、常に権力(パワー)の移動が起きています。関係におけるパワーは、それについて話し合い、交渉している限り、あってもかまいません。しかし、それが存在しているにもかかわらず、テーブルの下に隠されているときには、注意しましょう!権力闘争は、多分、他のどの現象にもまして、関係(ピアサポートの全般)にダメージを与えることになるでしょう (3巻_p.12)

まずはこれを聞いて感じることや意味の分からない言葉などについて話し合いました。
「テーブルの下に隠されている」とは?
・見えないところに存在している
・気づいているけれども話題に出さない
・気づいていない
などがあり得るね、と話し合いました。

「対等、と言いながらも、たとえば妬みとか羨む気持ちを表に出さずに関係を続けていると尾を引く」、「テーブルの上に出すと客観的になれる」、なども挙がりました。

次に、「誰が鍵を持っているか」です。

✍あなたを“援助する”ために、権威(ケアマネージャー、看護師、医者など)が使われた時のことを描写してください。 
(例、あなたのためを思って。私たちは、あなたにとって何が最善かをわかっているから) 
✍どんな気持ちがしましたか?関係の質がどうなりましたか?

ここで、ご自身の医師とのいい関係についてのお話や、治りたい自分と治っちゃ困る自分とがいることに気づいた話、支援者に言われたことに納得がいかないけれども、それに従えないのは自分が何か悪いんじゃないかと思ったことなど、権威や援助や関係について、さまざまな思いが出されました。

最後は、小グループに分かれての話し合いとロールプレイです。

例:報酬をもらってピアサポートをしている時の会話。Aさん「あなたは仕事だから私に話かけているだけで、私の話を聴くのは面倒だと思っているんじゃないですか?みんな心配しているふりをしているだけで、本当に親身になって私のことを心配してくれる人なんかいないんです。」  あなたはAさんと、どんな会話を続けますか?

✍あなたはAさんに対して反射的に言いたくなるようなことがありますか? 
✍Aさんはどんなことを感じているようにあなたには見えますか?あなた自身はこう言われてどう感じますか?(お腹で感じてみる) 
✍話題をテーブルに出して話してみる。お互いに主体的であるか、対等であるか、判断をくだしてないかを意識してみる。

これをやってみての、そして勉強会全体の感想です。

  • Aさん役は自然にできるけど、受け止める側になると考えてしまって頭から振り絞った言葉になってしまった。自分の気持を話すことが大事だと感じた。
  • 相手を傷つけるかも、とか、考えてしまって言わないこととかあったが、言ってみたらいいのかも、って思えた。
  • 反射的に言いたくなることは思いつかなかった。
  • うまくロールプレイすることに頭がいっぱいになってしまった。
  • どう答えていいのかな、と思った。
  • 主体的であるか、対等であるか、判断をくだしてないか、というのがわからなかった。
  • こうしなきゃ!ではなくて、みんな正しいんだな、って思った。こうならなきゃ、とか、聞かないと、とか、思わなくていい、って思った。
  • 相手は「判断を下してしまった」と言っていたが、自分にとっては、相手は価値観を出してくれた。正直に言ってくれたら、そこの価値観が違ったとしても、それこそが対話の意味。
  • 新たな発見があってよかった。
  • 相手が自分と考えが違ったり、対話に対する向き合い方が違ったとしても、会話に招待する、ってなれたらいいですよね。

【次回の勉強会】
日時:2013年9月29日(日)15:00~17:00
場所:東京大学医学部3号館 S102
地図:http://bit.ly/hVR5pV
(9月以降は10/26 27 )、11/24(日)を予定しています。)

今日は、最後に勉強会の写真を撮りました。勉強会の会場で写真を撮ったのははじめてです!人数は毎回上下しますが、こんな感じでやっています。
はじめての方も、はじめてでない方も、いつでも大歓迎です。お会いできるのを楽しみにしています。





2013年7月21日勉強会のご報告

7月の勉強会、暑い中でしたが6名集まりました。
じっくり話ができたように思います。

チェックインの後、3分間のマインドフルネスから始まり、
前回と同じく『お互いに責任を持つ(主体的な関係を目指す)ことを実践する』を話題へと進みました。

お互いをケアするのではなく、関係のケアをする。
お互いに責任を持つことは、敬意を示したコミュニケーションとともに、
援助についての考え方を大きく変化させます。
れがピアサポートにおける最も重要な特徴の一つで、
常に実践していることが最も難しいことの一つです。(3巻_p.9~11)

✍互いをケアするのと、関係のケアをすること、どのようなイメージですか?どのような違いを感じますか?
という問いかけや、テキストに載っている例についての話題がありました。

・IPSを知らない人と話をする時に、どのようにしていけばいいか難しい
・ばば~っと話しこられると、逃げられないように感じる
・相手の言うことを絶対に否定してはいけないように感じて言わないことがある

・互いをケアするのは、受け入れなければ見放される感じがする
・IPSをしていると、つながりを切ってはいけないように思うこともある
・してはいけないことは無いのではないか
・離れて時間を置くことで、心が繋ってくることもあると思う出来事があった
などの話が出ました。


また、表面的でなく自分が必要とすることや感じていることを察知するには、ということで、
「お腹で感じる」「自分の声を聴く」とはどういうことだろう?という話題もありました。
腹にたまったもの(例えばストレス)を言葉に出すことで、
気持ちが軽くなることもあるという話が印象的でした。

小グループでは「見て、感じて、あなたが必要なことを伝える練習」をしました。


例:あなたとしてはお互いに学び合う関係だと思っていたAさんが「みんな私のことを見下しているし、きっとあなたもそうだろうし、もう何もかもがいやになった、みんなとも会いたくない」と突然話し始めます。
あなたはAさんと、どんな会話を続けますか?


あなたはAさんに対して反射的に言いたくなるようなことがありますか?
✍Aさんはどんなことを感じているようにあなたには見えますか?あなた自身はこう言われてどう感じますか?(お腹で感じてみる)
✍お互いがどのように世界が見えているかを感じてみて、どちらの真実も尊重されることを大切にしてみたら、どのような会話になりますか?



・自分が非難されているように感じることは、聴くことも難しい
・受け取ったら何か返したくなるし、返さないとほっておくしかないように思う
・逃げ出したくなるような話の時、相手が話さないように自分がしゃべってしまうのは、自分の防御だと思った。
・巻き込まれて不安になりたくないという気持ちも湧いた
・何も話すことが思いつかなかったのは腹を立てていた感情を無視しようとしてたと後で気づいた
・沈黙も不安になるし、少しでも楽になってほしいとも思うのでいろいろ言いたくなる
・重い話をされるのは避けたいと思う
・黙ってじっとされるよりは、言ってくれた方が考えるきっかけにはなる
・ロールプレイの内容で過去を思い出してつらかった
・こう感じるの?など言ってもらえると、自分のお腹に落ちてきやすいように思った
・話をして言ってみることで、自分の感情に気づくと思った
などの感想がありました。

会話がなぜ大切か、ということを改めて考えました。
みんなと会いたくない、なんて言わなくてもいいはずなのに、それをあえて、
なぜ言うのか、ということが話題になりました。

発せられた言葉と会話をするのは簡単で、でも乱暴になりがちで、
発した人の気持ちと会話をするのは難しいけど、
優しい会話になるんだろうなと、そういうことを今後も学んでいけたらいいなと思いました。

【次回勉強会のお知らせ】
日時:2013年8月18日(日)15:00~17:00場所:東京大学医学部3号館 S102
地図:http://bit.ly/hVR5pV

2013年6月30日(日)の勉強会ご報告

6月は、月末の6月30日(日)に東京での勉強会を行いました。

どこからきたか、心に響いたこと、と聞いて何を思い浮かべましたか?ということからチェックインです。
今回もいろいろなご縁の方がご参加くださり、鹿児島からも参加していただきました!この日は9名で話しあったりロールプレイをしたりしました。

今回も、マインドフルネスをしたのですが、人により、どんなことに気を向けてみるかはそれぞれだということがわかりました。

今日のテーマは、「お互いに責任を持つ(主体的な関係を目指す)ことを実践する」(3巻 p.7-11)です。
ピアサポート関係で意図していることは、お互いに責任を果たすために、お互いのケアをするのではなく、関係に対してお互いに対等の責任を持つことです。

これについて、いろいろなイメージを話し合いました。
  • 自分が取る態度が関係に影響を及ぼす。
  • 関係は固定していない、流動的。
  • お互いが主人公である。
  • 自分と相手の間の話をすること。相手の他の人との関係にまで口を出さない。
  • 例えばここで共有された関係は、このテーブルだとして、そこに自分のものをポンと出して、お互い眺め合う感じ。
  • 相手がなにか出そうとするのを妨げたり、あるいは何かを無理やり出させたりしないこと。
  • 尊重しあう。
などが出てきて、ここでいう、対等な責任ってなんだろう?という話になり、
  • 向い合って、逃げないこと。
  • そのテーブルにつくかどうかを決めるのは自分だけれども、そのテーブルについたら、そこにいるということ。
  • 出されたものをそのまま受け取ること。でも、出されたものを飲み込んだりはしなくていい。
など話はつきませんでした。

後半は、「あなたが見て、感じて、あなたが必要なことを伝える練習」をしました。お互いの関係に焦点をあてて、どちらの真実も尊重されることを大切にする、という練習です。3人組でそれぞれ練習をしました。

ロールプレイや勉強会全体の感想です。
  • 相手を尊重しないといけないと感じた。相手の言っていることを否定するんじゃなくて、受け入れること、認めてあげること。
  • 自分はつい、怒りが出るとそのまま伝えちゃう。関係を切ってしまうか切らないかぎりぎりのところになっちゃう気もする。
  • 本音と建前があるなと思った。
  • 相手に何かいうときに、「ちょっといいかな。」と一言前置きをすることで相手に心の準備をしてもらうことは大事だと感じた。
  • 自分は相手に対して思ったことがあってもつい穏便にすませようとしちゃう。
  • モヤモヤしたままです。
ということで、今回の勉強会も、IPSで大事にしている(?)「モヤモヤ」が発生する勉強会となりました。

【次回勉強会のお知らせ】
日時:2013年7月21日(日)15:00-17:00
場所:東京大学医学部3号館 S102
地図:http://bit.ly/hVR5pV 

皆様にお会いできるのを楽しみにしています。初めての方、もっともっと深めたい方、モヤモヤしたい方、モヤモヤしたくない方、どんな方も大歓迎です。

2013年5月6日(祝月)のご報告

今月は、5月6日に勉強会がありました。
7巻分あるワークブックを、一人で読んでいたら眠くなってしまうので、
みんなで読み進めようということで、年単位でちょっとずつ進んでいる勉強会。
ついに、3巻に突入しました。

○どんなことを期待して勉強会に参加していますか?
○IPSで学んだことをふと思い出した瞬間はありますか?
という話から始まりました。

・顔見知りになる、人と関わりたい
・自分のことを確認するため
・変えたい自分を思い出したい
・感情で話をしてしまったのをIPSならどうなるか、と後で思った
・ピアカウンセリングに限界を感じ、ピアサポートについて、
 受け止め方について、もっと学びたいと思った
・前の自分の言動を痛いと思う瞬間もある
・聞き上手になりたい
・ゆっくりじっくり考える時間がほしい

いろいろな想いで参加されているのだなと、しみじみ思いました。
中でも印象に残っているのが、
「和して同ぜず」という言葉が以前はピンとこなかったけど、
調和しながら同じでないという所がIPSにぴったりだと思った、というお話です。
受け止めることと受け入れることは違う、という言葉を思い出しました。

今日のテーマは、(3巻_p.3~7)
『トラウマとなる経験を考慮した、お互いに責任を持つ関係をつくる』でした。

・・・どんな話が出たか、をまとめるのは、とても難しいです。
話をする中で思ったのは、自分を否定するような言動をされ続けると、
知らない間に、そう思い込んでしまって、
それ以外の見方を全く思いつかなくなってしまうんだ、ということでした。
それは、小さい頃だったり教育だったり、いろんな場面で起こっていて、
多かれ少なかれ、誰にでもあることなのかも・・・という話も印象的でした。

まず、自分について自分が信じていることを挙げてみて、
どういうもののの見方になっているか、行動にどのように影響しているか、
そういったことを話題にすることで、会話の中で違う見方が聞けて、
自分を労わることにつながりそうだな、と、ぼんやり思いました。

次回は、2013年6月30日(日)15:00~17:00 です。

2013年4月14日(日)勉強会ご報告

4月のIPSの東京勉強会を4月14日(日)に行いました。風の強い日でした!
この日は8名の参加者が集まり、ついにIPSのワークブック第2巻最終章です。

まずは、この勉強会に期待することや、言い難いことを思わず率直に話したくなる(なった)のはどんな時か?という話題からチェックインです。

勉強会に期待することとして、「技術の一つを得るといいかな」、「対等ってどういうことかをなんとなくわかるようになるといいな」、「考え方の違う人の意見を持って帰る」、「知恵を持って帰りたい」、「IPSに触れて正気に戻る瞬間」、「つながりや聴くこと」、「IPSってなんだかわからなくて来てる」、「日頃、話したくならないような環境に引きこまれているけれど、ここに来ると戻れる」など、様々な期待が話され、この話題だけでももっと続けていたいような、そんな気がしました。

率直に話したくなるのは
  • ひらめきがあったとき
  • 迷惑をかけるかもしれないというおそれを感じたとき
  • 話をきいてくれる人がいるだけで
  • 好きな人に好きだということ
  • このままこの状態が続くのは嫌だと思うとき
などがあがりました。逆に、
  • 拒絶される恐怖があると様子をうかがう
  • 自分が調子悪いときは率直に言えない
  • 一対一では言いにくい
などもあがりました。

さて、今回の勉強会のメインテーマは、2巻の最後「ピアでい続けること」(2巻 p.41-42)です。

はじめに遭遇するかもしれない落とし穴は、“自分にされたことをする”わなに陥るかもしれないことです。診断し、判断(judgment)を下し、“正しいこと”を言い、人の陰口を言いたくなりさえすることがあるでしょう。ですから、ピアサポートであることに集中、集中、集中する必要があります。

ここで、「されたことをするパターン」とはどういうものか、するのはいけないことなのか、「わな」という言葉は強いと感じる、などについても話しました。

軌道から外れたときに、引き戻してくれる助けになるかもしれない、自己評価のための質問には、次のようなものがあります。   
・私は今、どう感じているか?   
・満たそうとしているのは、誰が必要としていることなのか?   
・何のせいで居心地が悪く感じているだろうか?   
・診断や評価をしているだろうか?   
・偽らずに自分のパートを引き受けているだろうか?(例えば、主体的であるか?)   
・“より大きなストーリー”を見出すように聴いているだろうか?   
・自分が必要としていることに正直になっているだろうか?

やってあげてる高揚感とかもあるね、とか、自分にレッテルを貼るような「わな」もあるね、など、自由に出し合いました。

後半は、2グループに別れて「聴きやすい会話の練習」ということで、苦手なパターンとなってしまっている会話あるいは関係を思い起こし、いつものパターンではない会話、率直に話したくなるような会話を試す練習を行いました。

実践してみることで思いついたことがあった、という人もいれば、練習してみて、自分が相手に貼っているレッテルをはがして会話することの難しさを感じた、という人もいて、でも、いずれにしても試してみる事で気付くことがいろいろあるんだなぁ、と思った勉強会でした。

【次回のお知らせ】 
日時:2013年5月6日(月祝)15:00-17:00
場所:東京大学医学部3号館 S102
地図:http://bit.ly/hVR5pV 

感じたことをふと言えてしまう、そんな空間であるといいな、と思います。
皆様とお会いできるのを楽しみにしています。

2013年3月2日(土)ご報告

2か月お休みで、久しぶりの勉強会でした。
テキスト2巻を少しずつ話題にしてきて、残す所もあとわずか!
今回は、11名の人々が集まって話をしました。

前半は全体で、『個人的な変化についての、ふさわしいストーリーを共有する』
というテーマで話をしました。

誰かが病気のストーリーに閉じ込められているように感じるとき、私たちは、苛立ち、批判判断を下し、「人を変えよう」とし始めているかもしれません。気をつけてください!これはあなたの不満であり、あなたが必要としていることであり、その人のものではありません。これは、あなた自身が行き詰っていた時のことを思い出し、どのようにあなたのストーリーを伝えれば、それが「ひらめき」の瞬間を引き起こすことになるかもしれないかを考える、すばらしい機会になるでしょう。

自分で閉じ込められていると感じることは、「病気」だけでなく、
「年だから・・・」というような年齢のこと、
「A型だから・・・」というような血液型のこと、
「彼氏いるの?・・・」というような、一つの価値観からくるもの、
いろいろあるもんだな、と思いました。

後半は、3~4人の小グループで、『ピアって?ピアサポートって?』ということで、
“ピアであるということの意味”という文章をみながら、感じたことや思ったことを話しました。

私たちは、誰かのリカバリーを促すだけ、あるいは、一方的にリカバリーを促されるだけ、という存在ではありません。自分の物事に対する見方(世界の捉え方)や自分の反応に気付き、自分も相手も大切にしながら、互いに学び合い、成長し合い、互いのリカバリーを促すような関係に近づく会話や対話をしていくことができるのです。

ピアであることの中に、お互いの経験を聴くことで希望が感じられる、
という一文があったのですが、小グループでの話や、感想をみんなで話しながら、
まさに、そういう感覚を味わいました。

「みんなが自信満々に発言しているように見える」という話題から、
・自分がしゃべり過ぎてないか終わった後心配になる
・沈黙が自分のせいではないかと心配になる
・失敗が怖く、自分はしゃべってもしゃべらなくてもプレッシャー
・自分の発言に責任を持たないと自分に言い聞かせている
いろいろな見方が聞けたような気がします。

自分の感じていることを、自分の見方で話をすることで、希望を感じられる、
そういう空間って、いいなと思いました。

【次回のお知らせ】
日時:2013年4月14日(日)15:00-17:00
場所:東京大学医学部3号館 S102
地図:http://bit.ly/hVR5pV 

なぜかIPSを話題にしていると優しい空間になるのが不思議。。。
初めての方も大歓迎です。お会いできたらうれしいです。

3月の勉強会は3月2日(土)です。

前回(12月)から少し間があいたのですが、次回勉強会は下記の通り開催されます。 ご関心のある方は是非いらしてくださいませ。

 次回は
日時:2013年3月2日(土)15:00-17:00 
場所:東京大学医学部3号館 S102 
地図:http://bit.ly/hVR5pV です。 

はじめての方も大歓迎です!お会いできるのを楽しみにしています。