12月23日(日)勉強会ご報告

2012年12月23日(日)15:00-17:00に12月の勉強会を行いました。
今回はいつもよりたくさんのご参加があり、さまざまな考えを聞けた会でした。

【前回までの振り返り】
11月の勉強会のテーマ、「沈黙と居心地良く過ごす」についてと、前回参加者と前回いらっしゃらなかった方とでどんな話が出たかなどを共有しました。

【病名に関する会話】
・・・精神科の病名をつけられたことは、良しにつけ悪しきにつけ、人生を変えることだったと多くの人から聞いてきました。世界観のところに戻れば、病名は単に、世界を見るための別のレンズだということに過ぎないと理解し始めることが出来るでしょう。それは、一つのレンズに過ぎず、他の考えよりも、より真実があるわけではないということです。だとしたら、人が私たちに病名について話したときに、どうしたらいいでしょうか?・・・(テキスト 2_p.38)

「病名」あるいは「病気」に関して、いろいろな経験や考えが話されました。
  • 病気じゃない私を見ることができるようになって楽になった。
  • 病気のレンズで人を見ない。
  • 病名でくくられて、状態が悪いときと、すごく軽くなったときとが同じくくりで、あれ?と思う。
  • 病名を言われたことで、上司や職場の人からあたたかく接してもらえてよかった。
  • 病名を言いにくい場もあるけれど、言いやすい場もある。個性の一つであって、堂々としていていいと思う。
  • 自分は病名を言われる前からそれだと思っていて、病名が自分の助けになった。これは症状で、だから調子が悪かったんだ、と思うことができた。
  • 支援者として働いていた頃、この人はどんな病気なんだろうという風に考えながら接していたことがあった。そういう見方をしていると人間としてのその人が全然感じられなくてしんどかった。 
  • 病気の目で見ること、見られることが人をしばることがある。
  • 入院している人と接するときにどんな症状か?と接しているのはとても疲れたが、ストレングスに着目しようとやってみるようになって、とても楽になった。
  • 病名じゃなくて、症状で自分を語ると良いのではないか。病名で語るのはナンセンス。 
  • 同じ時間を過ごした友人が、楽しかったけれど後で疲れが出てしまい自分の病気がまだ治ってないことを実感した、と言っていて、友人と同じように疲れたけれどそれを病気が治ってないからだと自分は思わなかった、病気の目で見ることについて考えた。
  • どうしてその病名を使うか、と考えると、病名を免罪符のように使っている人もいる。
  • 病名、これとこれとこれがあてはまりそうだけど、どうする?と主治医に聞かれたので二人で相談してこれにしておいた。
  • 病名をそのときの目的に合わせて活用したりもする。 
  • 病名をいうことで人に伝わることもある。
  • 病気という言葉の使い方によっては、パワーになってしまう時もある。また、たとえば、病気なので。って一言で言ってしまったりすると、もうその先は話せなくなってしまったりして、(関係・対話を)切ってしまうこともある。

などなど、たくさん話が出てきたのですが、いったんここで休憩となり、後半はピアについて、の話となりました。

【ピアって?】
・・・ピアサポートは、人の経験をその人が経験してきたことと人間関係の文脈の中で理解することに関わっています。もし私たちが病名のレンズを通して人のことを理解しているとしたら、ピアサポートをやっていることにはなりません!・・・(テキスト 2_p.39)

ピアってなんだろう?ピアについて思うこと、でもさまざまな考えが出ました。
  • ピアは誰でもピア。素の人同士。
  • どちらもが影響を受ける。
  • 持ちつ持たれつ。
  • 離れすぎず近すぎず。→ヤマアラシのジレンマ?
  • 上下関係がない。これがIPSのユニークのところだと感じた。
  • 役割にしばられていると、役に立つことをしないと自分の存在価値がないと思ってしまう。。
  • 普通会ったばかりの人に言ったり聞いたりしないようなプライベートなことでも、医療者は(例えば患者さんに)聞いたりする。その情報をなぜ聞くのか?
  • スリランカの悪魔払いは悪魔に魅入られた人(クライシスのような状況になった人)のまわりにみんなが集まってみんなで歌って踊る。
  • 今日はとても混んでいるとか、この時間帯は混みやすいから今度はこういう時間の方がすいているかも、とか教えてくれることで、診察まですごく待った、待たされた、という感覚が全然違う。医師も同じ人間だと感じる。
  • IPSは、何かの療法というよりも、どのような立ち位置、どんな目線で人と接するか、ということなのではないか。
  • カウンセリングで「傾聴の壁」みたいなのを感じたことがあるが、ピアの集まりに言ったら、一日一日とても楽になっていったという経験をした。すごい力があると感じた。

今回は小グループに分かれずに、大きなグループのまま話し合って、ここには書ききれないほどたくさんのさまざまな考えを交換することができました。まだまだ話は尽きませんでしたが、時間切れとなって勉強会は終了となりました。

【感想など】
ピアの中でも役割も上下関係もあるだろうけれどもそれが変化するのがいいのだろうと思った、「ピア」というところを忘れると腐っていってしまうと思った、目を開かされた感じがして来た甲斐があった、穏やかで温かい会だったと感じた、などの感想をいただきました。

今回は滋賀からきたという方もいらっしゃいました。そして、勉強会の後には都合のついたメンバーで忘年会に行き、またさまざまな話をすることができました。
今年も皆様ありがとうございました!

次回:
1月2月は日程の都合上、勉強会をお休みとさせていただきます。また3月以降の日程は2月中にご連絡させていただきます。
また皆様にお会いできるのを楽しみにしています。