2021年4月11日(日)ZOOMでのIPS勉強会のご報告

 4月11日(日)13:00-14:30にIPS東京勉強会がZOOMで開催されました。

日曜午後の開催です。今回もさまざまな地域からのご参加をありがとうございました。この日は20名のご参加がありました。

この日の勉強会も、引き続き7巻で、電話でのピアサポート(ウォームライン)がテーマです。皆さんの電話でのピアサポートの経験についてと、ワークブックの例に対していろいろな感想が出ました。

今日は、「あなたのボタン(反応のスイッチ)を押す電話」です。

皆さんの共有してくださったお考えを順不同で:

  • 自分が電話をかけた側で、受けてくれた人を圧倒してしまったとわかったら、申し訳ないことをしてしまったと思いそう。
  • 電話を受ける側だったとしたら、電話をかけてきてくれた人が個々を気に入ってくれていると聞いたら、ちゃんとしなきゃと思うだろう。だから、相手の話を聞いて圧倒されてちゃうと言えないかもしれない。でも、自分を抑えてまで、相手のことをなんとかしなくちゃって思ったりする関係性はピアとは言えないかもしれない。
  • ピアだからわかってくれるのではという期待は怖い。以前はそう言われて嬉しい気持ちがしていたけれど、今思うとそれについてごめんなさいという気持ちになる。そういうところから正直になりたい。
  • 大多数に向けて、いつでも電話してくださいって言うというのは、相手の何かを解決できるかもしれないと無意識に自負してしまっているとしたら怖いことかもしれない。
  • ピアサポートは自分には荷が重いと思ってきたが、今度加算がつくことになったし、あなたもやらないか、と言われたりしている。真剣に考える時がきたのかな。
  • ピアサポートに、自分の責任感だけで入り込んじゃうのではなくて、豊かな関係性をきめ細かく耕していきたい。土台を固めていきたい。
  • この電話のやりとりを聞いて、自分がかけた側で、こう言われたらびっくりするだろうな。ピアサポートの電話だということを、かける側も知っておくというのは大事だろうな。
  • 電話を受ける側も、自分のできることとできないことがあることをわかっていて、自分でブレーキをかける対応をしたのはすごいなと思った。
  • 相手に自分の気持ちも伝えつつ、ほかの人に電話を変わったりもあるかも。
  • この勉強会で、自分の気持ちもすごく大事で、正直出あることも大事で、それを相手に傷つけないように伝えたり、相手の気持ちも受け取ったりできるといいなと思うようになった。
  • その方にとって「ピアサポート」という言葉の持つ意味が違うときに、関係性が断たれたような…とか一方的なものに感じてしまうのかもと思う。
  • こういう言葉に自分は圧倒されちゃうんだって言われると、悪いことしちゃったって思うこともあるだろうけれど、自分の気持ちを話したいだけで、本当は細部の客観的事実とかが大切なわけではなかったって気付いたりすることもあるかも。ほんとうに話したかったのはもっと違うことだったとかもあるかも。
  • 誠意をもって、相談を受けたり。誠意を持って自分の思いを言えば。ピアサポーターって自分も当事者だから、自分も問題を抱えているし、自分の問題を見つける場でもある、と思った。
  • 頭をずらすとか、椅子をずらすみたいなのが電話ではできにくい気がしていて、余裕がない。余裕がないと役割をおりられない。自分は発展途上じゃなくて、自分はできてるって思っちゃうところがある。相手との関係を作っていくんだよなーと思った。
  • ピアサポートということで、こたえられないといけないのかなと思っていたり、こたえられるのが当然と思って電話かけてくる人が多いのかなと思ってたんだけど、自分の気持ちを伝えることによって、できないこともあるってことがあってもいいんだなということを感じた。こたえられるにこしたことはないけれど、無責任なことは言わなくていい。
  • 相談の中で、一緒に困ってくれるだけでいいんですよ、って。言われたことがある。それは大変だね、ってところから。それだけでいい。どちらにとっても助けになるようなやり方で、話すことが大切だ、と書いてあるので、助けてあげるとかじゃなくて、お互いがよりよくなるために。どちらも当事者だということが、良い意味だと思う。何も考えずに、人の話に静かに耳を傾ける時間。

みなさま、いろんなお考え・つぶやきを共有してくださってありがとうございました。

次回:2021年 5月8日(土)17時-

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。
-私(ゆっきぃ)のひとりごとです- 
支援をすると考えると、支援する側が「この言葉を聞くと気持ちが動揺する」とかは言ってはならない気持ちになることもあるかもなと思います。意図的なピアサポートでの「支援する・されるの関係ではなく、相互的な関係性」と考えると、支援する側ではないし、また、自分の心が騒いでいる状態では、相手の話を心から聞くこともできないので、それを伝えないまま聞いているふりをしているというのも最善ではない(自分にも相手にも誠実ではないし、相手としてもちゃんと聞いてもらえた感じがしないかもしれず)と感じました。相手を傷つけたいというつもりではなく、でも、自分にこんなことが起きているということを差し出すことで、お互いに、自分が向かいたい方向を考えたり気づきがあったり(気持ちを話したいとか、通じ合いたいとか、説明する必要はなかったんだと気付いたりとか)になることもあるだろうなと思いました。

今日の勉強会の進行↓
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2021年4月11日(日)13:00-14:30 場所:zoom
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前  ②何に動かされてここに来ましたか?

2.これまでの振り返り 電話でのピアサポート (7巻 p.9~)

3.電話でのピアサポート [ウォームライン: warmline](7巻 p.9~)
電話をしてきた人が、ピアサポートについて何も知らなかったとしたら、ピアサポート電話相談をどのように説明しますか? 
ピアサポートについて経験のない人には、この種の電話サポートは、問題を解決したり、コントロールするものではないことを説明するかもしれません。個人の経験に基づくアドバイスさえしません。そうではなく、ここは、人々がお互いに話し、お互いにとってうまくいきそうなことを見つけ出し、お互いから学ぶ場です。単に人々の対処を助けるだけではなく、考えることを促すためのものです。行き詰った感じがするときや、古いパターンを破りたいと思っているときにも、ここに電話してほしいと付け加えてもよいでしょう。
ピアサポートの経験がいくらかある人には、どうすれば電話がお互いにとってうまくいくのかを交渉することから始めるとよいかもしれません。たとえば、相手の人が、気分がとても悪いのだけれど、家を出ることが出来ないと言ったとしたら、こう言うかもしれません。「あなたの話を聞かせてもらいたいと思います。それとともに、状況についての私の理解や、私が必要とすることをあなたにお伝えしてもいいですか?」これで、相互性を確立し、私たちが望んでいることに向かってお互いに助けあうためのピアサポートの技法を使うことが出来ます。

ワークブックであがっている例
あなたのボタン(反応のスイッチ)を押す電話
電話サポートの方が、本当につらいことを話しやすいと感じることもあります。相手の反応を見ることが出来ないので、つながりを切ってしまったとしても、そのことがわかりません。電話でも、あなたが見、感じ、必要としていることを伝えることが大切です。

例:
松平さんは、この数ヶ月電話相談に周期的に電話をしています。彼女は電話相談のスタッフの何人かにとても安心出来るようになってきましたが、岩田さんは始めたばかりで、電話を受けながら、少しこころが揺れるのを感じています。
松平さん:この電話相談はすごく助けになっています。今晩は、ちょっと問題があって、それについて話したいんだけど。
岩田さん:岩田と申します。電話相談を始めてまだ日が浅いことをお伝えしておこうと思います。でも、私たちがあなたの助けになっていると聞いてうれしいです。
松平さん:そう、ここは、“わかってくれる”ので気に入っているんです。それで、10月になって、子どものときにこの季節に受けていた虐待のことをいつも思い出していて、そうすると、リストカットをしたくなる・・・
岩田さん:松平さん、ちょっと、話を中断させてもらってもいいですか?松平さんと話しを本当にしたいのだけれど、松平さんの描写を聞いて、少し、圧倒されそうな気がするので。
松平さん:どうかしたの?他の電話相談のスタッフは、何の問題もなかったのに!!
岩田さん(傷ついて):私が新人で慣れていないということもそうなんですが、この電話相談について、私は、私たちのどちらも、自分が見、感じ、必要としていることを言うようにするものだと理解しています。今私は、自分の虐待の経験に少し近い感じがしていて、時間をかけて、私たちのどちらにとっても助けになるようなやり方でそれについて話をすることが、私には必要なのです。どうしたら、そうなるか、試してみてもいいですか?

4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。