12月23日(日)勉強会ご報告

2012年12月23日(日)15:00-17:00に12月の勉強会を行いました。
今回はいつもよりたくさんのご参加があり、さまざまな考えを聞けた会でした。

【前回までの振り返り】
11月の勉強会のテーマ、「沈黙と居心地良く過ごす」についてと、前回参加者と前回いらっしゃらなかった方とでどんな話が出たかなどを共有しました。

【病名に関する会話】
・・・精神科の病名をつけられたことは、良しにつけ悪しきにつけ、人生を変えることだったと多くの人から聞いてきました。世界観のところに戻れば、病名は単に、世界を見るための別のレンズだということに過ぎないと理解し始めることが出来るでしょう。それは、一つのレンズに過ぎず、他の考えよりも、より真実があるわけではないということです。だとしたら、人が私たちに病名について話したときに、どうしたらいいでしょうか?・・・(テキスト 2_p.38)

「病名」あるいは「病気」に関して、いろいろな経験や考えが話されました。
  • 病気じゃない私を見ることができるようになって楽になった。
  • 病気のレンズで人を見ない。
  • 病名でくくられて、状態が悪いときと、すごく軽くなったときとが同じくくりで、あれ?と思う。
  • 病名を言われたことで、上司や職場の人からあたたかく接してもらえてよかった。
  • 病名を言いにくい場もあるけれど、言いやすい場もある。個性の一つであって、堂々としていていいと思う。
  • 自分は病名を言われる前からそれだと思っていて、病名が自分の助けになった。これは症状で、だから調子が悪かったんだ、と思うことができた。
  • 支援者として働いていた頃、この人はどんな病気なんだろうという風に考えながら接していたことがあった。そういう見方をしていると人間としてのその人が全然感じられなくてしんどかった。 
  • 病気の目で見ること、見られることが人をしばることがある。
  • 入院している人と接するときにどんな症状か?と接しているのはとても疲れたが、ストレングスに着目しようとやってみるようになって、とても楽になった。
  • 病名じゃなくて、症状で自分を語ると良いのではないか。病名で語るのはナンセンス。 
  • 同じ時間を過ごした友人が、楽しかったけれど後で疲れが出てしまい自分の病気がまだ治ってないことを実感した、と言っていて、友人と同じように疲れたけれどそれを病気が治ってないからだと自分は思わなかった、病気の目で見ることについて考えた。
  • どうしてその病名を使うか、と考えると、病名を免罪符のように使っている人もいる。
  • 病名、これとこれとこれがあてはまりそうだけど、どうする?と主治医に聞かれたので二人で相談してこれにしておいた。
  • 病名をそのときの目的に合わせて活用したりもする。 
  • 病名をいうことで人に伝わることもある。
  • 病気という言葉の使い方によっては、パワーになってしまう時もある。また、たとえば、病気なので。って一言で言ってしまったりすると、もうその先は話せなくなってしまったりして、(関係・対話を)切ってしまうこともある。

などなど、たくさん話が出てきたのですが、いったんここで休憩となり、後半はピアについて、の話となりました。

【ピアって?】
・・・ピアサポートは、人の経験をその人が経験してきたことと人間関係の文脈の中で理解することに関わっています。もし私たちが病名のレンズを通して人のことを理解しているとしたら、ピアサポートをやっていることにはなりません!・・・(テキスト 2_p.39)

ピアってなんだろう?ピアについて思うこと、でもさまざまな考えが出ました。
  • ピアは誰でもピア。素の人同士。
  • どちらもが影響を受ける。
  • 持ちつ持たれつ。
  • 離れすぎず近すぎず。→ヤマアラシのジレンマ?
  • 上下関係がない。これがIPSのユニークのところだと感じた。
  • 役割にしばられていると、役に立つことをしないと自分の存在価値がないと思ってしまう。。
  • 普通会ったばかりの人に言ったり聞いたりしないようなプライベートなことでも、医療者は(例えば患者さんに)聞いたりする。その情報をなぜ聞くのか?
  • スリランカの悪魔払いは悪魔に魅入られた人(クライシスのような状況になった人)のまわりにみんなが集まってみんなで歌って踊る。
  • 今日はとても混んでいるとか、この時間帯は混みやすいから今度はこういう時間の方がすいているかも、とか教えてくれることで、診察まですごく待った、待たされた、という感覚が全然違う。医師も同じ人間だと感じる。
  • IPSは、何かの療法というよりも、どのような立ち位置、どんな目線で人と接するか、ということなのではないか。
  • カウンセリングで「傾聴の壁」みたいなのを感じたことがあるが、ピアの集まりに言ったら、一日一日とても楽になっていったという経験をした。すごい力があると感じた。

今回は小グループに分かれずに、大きなグループのまま話し合って、ここには書ききれないほどたくさんのさまざまな考えを交換することができました。まだまだ話は尽きませんでしたが、時間切れとなって勉強会は終了となりました。

【感想など】
ピアの中でも役割も上下関係もあるだろうけれどもそれが変化するのがいいのだろうと思った、「ピア」というところを忘れると腐っていってしまうと思った、目を開かされた感じがして来た甲斐があった、穏やかで温かい会だったと感じた、などの感想をいただきました。

今回は滋賀からきたという方もいらっしゃいました。そして、勉強会の後には都合のついたメンバーで忘年会に行き、またさまざまな話をすることができました。
今年も皆様ありがとうございました!

次回:
1月2月は日程の都合上、勉強会をお休みとさせていただきます。また3月以降の日程は2月中にご連絡させていただきます。
また皆様にお会いできるのを楽しみにしています。

11月25日(日)勉強会ご報告

2012年11月25日(日)15:00-17:00に11月の勉強会を行いました。 
人数が少なめだったこともありますが、テーマが「沈黙」だったこともあり、今回は静かに話し合う会となりました。

【前回までの振り返り】
10月の勉強会のテーマ、「現実を交渉する」について、気付いたことなどを話し合いました。常識とされている考え方についてや、地域による文化の違いについて、WRAPについてなど、さまざまな話が出て、受け止め方はそれぞれで、真実もそれぞれだ、ということを話し合いました。

【沈黙と居心地良く過ごす】
・・・会話をしていて相手の人が長い間黙っていると、あまり居心地良く感じない人が多いようです。 人の文章を自分が終わらせ、何かを言って即座に間を埋め、その人は自分と話したくないのだろうと決めつけさえします。・・・(テキスト 2_p.36)

沈黙が続くとどう感じる?どうしてる?という話題では、
  • この話題じゃないほうがいいのかな、と次に進んでしまいがちになる。
  • 沈黙は以前は苦手だったが、沈黙も大切なコミュニケーションと学んで、沈黙は悪いことじゃない、と頭に置いておくようにしている。
などが出ました。

・・・ある人にとっては、薬によって考えがゆっくりになり、言われたことを聞いて理解し返事をするまでに時間が長くかかることがあります。単にゆっくり時間をかける人もいれば、恥ずかしがり屋、人のことを信頼出来ない、その他、数多くの可能性があります。・・・(テキスト 2_p.36)

黙っている、あるいは沈黙するときはどんな時?という話題では、
  • 自分の喋るスペースがないと感じるときには、沈黙してしまう。
  • 自分の言いたい言葉を適切に表現する言葉にまとめている時。
  • 自分のペースで自分の言いたい時に言いたいのに、あてられたり、発言を促されるのは嫌な気持ちになる。
  • 何かを言うとあとでガミガミ言われると思うと言いたくなくなる。
  • この人に言っても仕方ない、どうせわかってもらえない、と思うと言うのをやめようと思う。
といった話になりました。
自分が沈黙する理由と他の人の沈黙している理由は同じとは限らないということも、あらためて感じさせられました。

発言を促されたり、順番に意見を求められることについても話題となり、「興味を持って、○○さんはどう思う?と聞かれることと、はいそこのあなた、という感じで発言させられるのは違う」、「沈黙を強いられることも、沈黙を破ることを強いられることも、暴力だ。」などの話が出ました。

今回の勉強会では、ロールプレイはせずに自由に話す時間としました。自由に話す中で、沈黙というテーマの他にも、「不機嫌は環境破壊だ」、「恩は遠くから返せ」といった格言(?)や、居心地の悪さと共にいることについてなど、さまざまな話が展開され、これもまたおもしろかったです。

また、今回は終了間際に北海道からのサプライズ参加者もいらっしゃり、斬新な雰囲気の勉強会となりました。
ご参加された皆様、どうもありがとうございました。

次回は
日時:2012年12月23日(日)15:00-17:00 
場所:東京大学医学部3号館 S102 
地図:http://bit.ly/hVR5pV です。

はじめての方も大歓迎です!お会いできるのを楽しみにしています。

10月27日(土)勉強会ご報告

2012年10月27日(土)15:00-17:00 に10月の勉強会を行いました。

お久しぶりの参加の方、はじめてご参加の方、毎回の参加の方など、さまざまな方がいらしてくださいました。

【前回までの振り返り】
前回の9月は2日間にわたる、拡大勉強会だったので、今回は8月の勉強会と9月の勉強会を振り返りまして、
  • 前回の拡大勉強会で他の人と世界観がつながった感じがしたこと
  • 率直なコミュニケーションを試してみたこと
  • 他の人を一方的な見方で見て思い込んでいることについて気付いたこと
などの振り返りがありました。

また、今日は定期的な東京勉強会の中でははじめてマインドフルネスをみんなでやってみました。
マインドフルネスをしたことで「安心感と満足感があった」、「心が静まった」、「瞑想の習慣」、「静寂の音を聴く」、「自分を労り、深める」などの感想や気付きが挙がりました。

【現実を交渉する】
今回のテーマは、「現実を交渉する」です。

・・・真実というのは、単に受け止め方であり、誰の受け止め方にも他の誰かの受け止め方と全く同様に真実なのだという事実について考えるだけで十分です。・・・(テキスト 2_p.36)
・・・実際の会話の中で、自分が信じている真実から一歩引いて、自分にとっての真実を保ちながら、他の人の真実にも深く心を拓くことができている、ということです。・・・(テキスト 1_p.11)

まず、現実を交渉することについての会話の例(テキスト2_p.36)をみんなで読みました。この例の中で、「つながりが途切れたままであればその場を立ち去ることを選択することができる」という文言が出てきて、これについての話も広がりました。
  • その場を立ち去っていいのか?つながりを途切れたままにしていいのか?と思ってしまう。
  • 必ずつながりをいつでも保とうとしなければならないわけではないのではないか。
  • つながりたい人とつながるためのものがIPSだと思われるから、つながりたくない人とまで繋がらなくて良いのでは。
  • この例の状況(自分がひどいことを言われていると感じる)というような状況で、相手が自分のことが怖い、とか思ったことを言わずに、じゃ、また、みたいにすっと友人に離れられたらとてもつらいと思う。
  • 職業としてピアサポートをするときに、つながりたくない人との関係について考えてしまう。関わりは必要だと思われるけれども、その人とつながっている、つながりたいとは思えなくて、でも、もしかするとその人の気持ちを知れば寄り添える気がするのだけれど、、、、。
などなど、もっともっと話していたい話題ばかりでした。

【演習】
このあと、「現実を交渉する」の演習として、3人一組になり、「私はみんなに嫌われているんです、あなたも私のこと嫌いなんですね。」と言われたときの会話をやってみました。
  • 自分の誠実さを試されるような気がしてこわかった。
  • 傷つけたくない、と思って何かをいうことも誠実ではないように思った。
  • つい謝ってしまった。
  • 自分が実際にそういう言い訳を使っていることに気付いた。
  • 男性に嫌われてもいいんじゃないかという意見もあった。
  • あなたも私のこと嫌いなんですね、というところについ反応して弁明したくなるが、みんなに嫌われている、と思っているつらさとかの方に目を向けられると良いかもしれないと思った。
などの感想があり、笑わされたり考えさせられたりでした。

今日も楽しい会でした。ありがとうございました。

次回は
日時:2012年11月25日(日)15:00-17:00
場所:東京大学医学部3号館 S102
です。はじめての方も大歓迎です!お会いできるのを楽しみにしています。

9月22日~23日 拡大勉強会のご報告

今月は、久野恵理さんをお招きし、9月22日~23日 9:30~17:00、
2日間に渡って拡大勉強会を行いました。

1日目22人、2日目17人の集まりとなり、盛りだくさんの充実した2日間でした。
正解があるわけでもなく、誰かが答えを出してくれるわけでもないので、
あ、わかった!・・・ううう、やっぱりわからないを繰り返し、
モヤモヤとして、途中で頭がぷしゅ~とショートしそうにもなりましたが、
人との関係、会話、心地の良い空間、いっぱいいっぱいいろいろ、
みんなでお互いに学び合えるような、そんな2日間でした。

どんな内容だったかを文章にするのが、とても難しく、
全部は、ご紹介しきれないのですが、出来る限りご紹介したいと思います。

【1日目】
・『居心地の悪さ』を迎え入れるための合意
・マインドフルネス(気づき、『今、ここ』に意識を向ける)
 ✍まず2分間、聞こえる音に集中してみる
 ✍2分間、こころ(あたま)に浮かんでくることに気づいてみる

・家のたとえ:それぞれに見えている風景と経験の意味づけの仕方
・成長・進化を促すスペース、つながりの流れ
・開かれたスペースとスペースを開く障壁になること
・写真をもとにストーリー(お話)を作る
 ✍初めて見る写真で、思いついたことでストーリーを各自作る
 ✍3人組になって、お互いに作ったストーリーを聴きあう

・実際のストーリーを聴く:スペースを開く聴き方
 ✍話を聴いて自分の中に起こる反応(気持ちや思考)に気づいてみる

・スペースを開く会話の練習:3人組ロールプレイ
 ✍「この研修に参加して、どんな感じがしていますか?」

・1日の振り返り

【2日目】
・会話で起きている相互作用
 人が泣いている(笑っている、怒っている等など)のをみると、どう思いますか?
 自分の反応のパターンで気が付いていることはありますか?

・言葉を通した交流の特徴
 同じ人が書いた子どもの頃の話、言葉の遣い方の違う2つの話を聴いて、
 どういう印象を受けるか、どんな会話になりそうか、
 どういう関係になりそうか、ということを考えてみる

・自動的な反応を脇においてみると会話はどうなるか?
 小グループの演習
 ✍あまり親しくない人に「休みの日なのに研修会に行くのですか、
  勉強熱心ですね。自分は休みの日は休むようにしてます」と言われた時
  どんな気持ちや考えが浮かびますか?どんな風に答えますか?

・相互的な関係性における自分のパートを引き受けるとは?
 偽らず、率直に心を伝える:障壁となること
・自分のパートを引き受ける練習:全体で
 ✍だんだん約束の時間に遅れてくるようになった人との会話

・自分のパートを引き受ける練習:3人組ロールプレイ
 ✍自分が陥りそうな(苦手な)状況をシナリオにして、練習してみる

・ロールプレイの振り返りと実演

・2日間の振り返り


パワーとは何?という話から、エネルギー、意欲、生きる力、負のエネルギーもある、自分を動かす力、表現されているものがパワー、萎縮してしまうパワーもある、などなど、パワーのイメージについて話が広がったり、
開かれたスペースとは?という話から、そもそもスペースってどこにあるの?ということで、自分のイメージするスペースについて出し合ったりもしました。

2日間の感想では、
・答えが遠くなったり、近くなったり、モヤモヤとしている。
・自分に落とし込むのに、時間がかかりそう、充実、中身濃かった。
・自分のパートを引き受けてみたら、自分自身が変わった。
・おもしろいし、楽しいけど、もやっとしている、役にはたちそう。
・なんとなくの感覚を持って帰れたらいいのかな、と思った
・自分の意思でIPSの学びを続けていきたい
・正解も答えもない、どっかで発見があったらいい
・言葉を乱暴に遣ってた。意図的、意識的にすると、言葉が出てこない
・少しずつがんばります

などなど、いただきました。

どうしてこんなに人の温かさを感じるんだろうと思うのですが、
2日目の最後には、何にかわからない感動でいっぱいでした。
人の強さと優しさはセットなのかもしれないと感じた、というのが、
すごく、個人的な感想です。
これからも勉強会を続けていけたらいいなと、改めて思いました。

今、あ~アンケートを書いてもらえば良かった、と気が付きました。
どんな形ででも、ご意見、ご感想などいただけたら、嬉しいです。

次回は、
日時:2012年10月27日(土)15:00-17:00
場所:東京大学医学部3号館 S102
です。
初めての方も大歓迎です!またお会いできるのを楽しみにしております。
 

8月19日(日)勉強会ご報告

2012年8月19日(日)15:00-17:00 勉強会を行いました。

今回は、率直で、偽りのない、敬意に満ちたコミュニケーションについてでした。

テキストのこのセクションの書き出しは、なんと、
「これは習得するのに最も難しい技術かもしれません。」です。
自分で受け入れがたい感情が湧いた時に、
率直で偽りなく、しかも敬意にみちた伝え方を意識するというのは、
本当に難しいと思いました。

感情的なことが絡んでいると、なおさら難しくなります。卵の殻の上を歩き(用心深く、慎重に)、ちょっとだけ嘘を言い、大きな嘘を言い、その人を避けるようになり、最悪なことに、その人の陰口を言い始める、、、このようなアプローチはとてもよくあることです。というのは、普段の会話には多くの努力を払おうとしないからです。しかし、このようなアプローチを取り始めると、ピアサポートの軌道から外れてしまいます。(テキスト2_p.35)
起きていることに対してどちらもそれぞれの見方、感じ方、ストーリーがあります。相手にはどのように見えているか感じているかを聴かせてもらうために、自分の見方を話します。(2_p.36)

まず、会話の例をみんなで読みました。
腹立つ、ムカつく、何考えてるの!を全面に出した気持ちの伝え方と、
率直で偽りのない、敬意にみちた会話を意識した会話の例です。

あなたが偽りなく思ったことを言い難いと感じることは?
という問いでは、このような意見がありました。

・相手が攻められたと感じるのではないかと思った時、
 相手に自分が悪いと思わせたくない時
・相手に非があると自分が思っている時
・相手がやっていることを、変えさせる、やめさせる時
・言いにくいことを言うとき

言いにくいと思った時に、相手に対してどう感じているか?
という問いでは、こんなことが上がりました。
・恥じらいのラインが違う
・どうせ聞いてくれないと会話を諦めている
・言ったら攻撃されると思う

敬意に満ちたコミュニケーションとは、あなたにとってどのようなものですか?
という問いでは、以下のような話もありました。

・思いやりと感謝を持って、ある程度セーブ出来ている。自分が走り過ぎない。
・頭ごなしにされない。「どう思う?」と聞かれたとき。
・自分の意見も聞いてもらえそうな感じ
・お互いが話を中断しない話し方
・自分の逃げ道がある。たとえば、自分が100%悪い時でも、
 あなたの立場もわかると一言添えてくれた時
・自分が期待するような答えが返ってこない時にも、
 この人間違ってるとは言わず、「どういうこと?」と聞く

そして、3人組での演習もしました。

偽りなく思ったことを言い難いと感じる状況を考えて
1.      思い込みの前提からではなく、どのような見方があるのかを聴かせてもらうために、自分の見方を、率直に、敬意にみちた方法で伝える練習をしてみる
2.      相手役の人、観察役の人は、そのように言われてどのように感じたかを話す

感想としては、こういう声がありました。
・こうこうした時のこと、私はこう思った、こうこうした時は・・・と、
 丁寧に説明されている感じがあり、こういう言い方をすると、
 相手がびっくりしないで話ができるのではないかと思った。
・自分が困っていることを、他の人がロールプレイでしてみてくれて参考になった。
・客観的になるのを、言いにくい強い感情の時にもできるといい
・気持ちに距離があると、自分の状況を説明しやすいけど、
実際にカチンときてる時なんかは、難しいと思う
・自分が悪いと思っていることが多く「相手に言いたいこと」がない
・一番言いにくいのは、主治医。みんな、よくポンポン例ができると感心した
・どうしても、主観的(感情的)になってしまう。客観的にできない。
・質問しようという勇気が足りないと感じた

今回は6人と少人数で、じっくりとお題について話をしたように思います。
自分の中で、相手がこうするのは、こういう理由に違いない、
と思いこんだまま話始めると、相手にとっては、
え?なに?なんのこと?と混乱するのでは?
という話も出ていて、確かにな~と思いました。
自分の気持ちを、相手にも分かりやすいように一つ一つ説明していく、
そういう風に話をしてみるというのを、試してみたいなと思いました。

次回:2012年9月22・23日(土日)拡大勉強会! 東京大学医学部3号館S102
 お申込・お問い合わせ:ipstky@gmail.com (担当:宮本・尾川)
 参加者氏名・PCメールを受け取れる連絡先・参加日をお知らせください。
 はじめての方も、大歓迎です!

7月8日(日)勉強会のご報告

ご報告が遅くなりました!1週間たってしまいましたが、2012年7月8日(日)に行った勉強会のご報告をいたします。

今回の勉強会は前回に引き続き「家のたとえ」からのテーマでした。
今回は、「それぞれの家のつくりを理解すること」です。

誰も実際には人の家の内側を見ることができません。外からは同じように見える家でも、その内側を見ることはできないのです。外からは同じように見えるために、中がどうなっているかわかると思い込んでいるかもしれません。

私たちは、ひとつの部屋やそこから見える風景に閉じ込められているかもしれません。
(テキスト 2_p.22より)


これらは、私たちが見えていると思っていることはいったいなんだろう?ということを、考えるきっかけになる問いだなぁと思いました。

わかるわかる!と思って、そのつもりで聞いてしまうと、相手の話に自分の話をかぶせてしまい、相手の話を途中でさえぎる形になってしまったり、相手が言おうとしていたことでないことに誘導してしまったりという話が参加者から出ました。

後半は小グループになり、下記の演習を行いました。
「とてもよくわかる」または「私と全く同じだ」と感じて全部話さなくてもわかるよと、瞬間的に思うような内容の話を、"どうしてそう思うようになったのか"に着目して会話してみる。

参加者からの気づいたことや勉強会の感想を一部ご紹介します。

  • 話が弾んで会話が広がっていった。 
  • 会話が開かれていった。 
  • 自分がしゃべるのは楽だけれども、聞くのは、どこに着目するかが難しかった。 
  • どうしてそう思うようになったのか、ということについて、どこに注目するのが感じることが必要だと思った。
  • 自分はどうしても他の人の話に割り込んでしまったりする傾向があるけれども、癖を直していくのが課題だと思っている。
  • 話をするのはおもしろかった。
  • 相手が話すのを聞いているのか、自分が話してもいいのか判断が難しかった。
  • IPSは一対一で話せるシチュエーションを作るのが前提だと感じた。


以上です。いろいろな話がでて楽しい会でした。

次回は
日時:2012年8月19日(日)15:00-17:00
場所:東京大学医学部3号館 S102
です。初めての方も大歓迎です!またお会いできるのを楽しみにしております。

6月17日勉強会のご報告

今回のテーマは「家のたとえ」で、
人の内面を家に例えて考えてみたらどうなる?というようなお題でした。

家の作りは人それぞれ違います。
わたしたちはそれぞれ自分の家に住んでいます。
他人から見えるのは外側だけで、他人が私たちの家の中のことを、
完全にわかるということはありません。
家には壁や窓があります。
壁は内側の自分と外側の世界を隔てるものです。
窓は、そこを通して私達が外の世界を見るレンズの役割をしています。
私たちは自分の家の基本的な骨組みをもって生まれます。
そして成長すると共に、家の内装や外壁が形作られていきます。
そして、何年もの間に、私たちの家には多くの変化が生じます。

✍あなたの家に一番強い影響を与えたことはどんなことですか?
✍あなたの家にはどんな部屋がありますか?
✍あなたは、どの部屋で過ごすことが多いですか?その部屋にいるとき、あなたはどんなストーリーを自分に語っていますか?

今回は、人数が6人と少なめだったこともあり、
後半も小グループではなく、みんなでこんな ↓ 演習をしました。

1.      居心地悪く感じたときにする、自動的な反応がありますか?どの部屋に行きますか?
2.      地下室から誰かの“完璧”な庭をみているとしたら、どんな思いがするでしょうか?
3.      あなたの家は、建て替えられたり、内装が変わったりしたことがあったと思いますか?

家の例えを読んで、みんなで思ったことを話す中で、自分の特徴や傾向、
自分の考えや周りとの関わりに影響を与えている事などなど
しっとりじっくり話ができる時間を過ごしました。

できるできないはともかく、「気づく、意識する」きっかけが大切なのかもしれないな、と感じた勉強会でした。

次回:2012年7月8日(日)15:00-17:00 東京大学医学部3号館S102 で~す。
初めて参加の方も大歓迎ですので、お気軽にお越しください!

5月20日(日)勉強会ご報告

2012年5月20日(日)の15:00~17:00に勉強会がありました。
今回のテーマは、「役割に注意して聴く」でした。

“いい患者”である、あるいはいい患者だった人はどれくらいいますか?という問いかけからはじまる、文章を皆で読んで、役割ってなんだろう、とか自分がある役割、あるいは立場を担っている、担っていたと気づいた経験などについて話し合いました。

いい患者であろうとして禁止されてることをこっそりするのは、誰に対してのいい患者なのか、とか、
自分はこうしたい、こう思ってる、と言い出せない、とか、
望んでないときに寄ってくる販売員さんはいや、とか、
いい○○になろうって、結果を考えちゃうとうまくいかない、自分がこれをやりたいからやる、ってしていると、結果としていい○○になっていた、とかそういうことなのでは。
といった考えが共有されました。

後半では、「私たちが陥りやすい“役割”について会話を促すような言い方を試してみる」練習をしました。

勉強会の感想として

  • 自分は一方的に話しすぎるかなぁと思って聞き役になるよう心がけてみたけれど、そもそも話し過ぎと思っていたのが考えすぎだったかもしれないと思った。
  • 相手に気づいてもらえるような会話を心がけられるといいなと思った。
  • IPSのあれをやってみよう!とか思っちゃうとうまくいかないけれど、感じることを大事にして、このままやっていけばいつかはできるようになるように感じた。
  • 自分は役割のことを深く考えすぎてしまって、この人にはこれを言ってはいけないとか思っちゃうことあると思った。
  • 自分が疲れてるときとか、体力がないと人の話を聞くのは難しいと思った。
  • 勉強会でやっていることはわかるのだけれど、この通りにはなかなかうまくいかなくて、実践ではうまくいかない。。。
  • 今日はいつもより人数が少なくて最初はさびしいかな?と思ったけれど、終わってみれば、しっとりしていて良かった。

などの感想がありました。

個人的な感想としては、自分が陥りがちな役割に気づくことも大事だし、接している相手の人は自分自身のことをどんな風にとらえているのか(どんな役割にはまりこんでいるのか)ということをお互いに気づいていけるような、そしてもっと自由になれるような会話ができたらいいな、と思いました。

次回:2012年6月17日(日)15:00-17:00
場所:東京大学医学部3号館S102
地図:http://bit.ly/hVR5pV

7月8月の予定:7/8(日)、8/19(日)いずれも15時-17時

4月29日(日)勉強会ご報告

2012年4月29日(日)17:00~19:00勉強会をしました。
今回のテーマは、「強力な質問をする」でした。
前半は、望ましくないことを避けるのではなく、望むことに向かって前進する、
そんな会話って、どんな会話だろう?ということを出し合いました。

後半は、困っていることをを避け、困りごとを解決することを考えて答える会話と、
「どんなことを望んでいますか?」
「どのように感じていたいですか?」
「どんなことができると思いますか?」と聞いてみる会話の違いを
3人組になって、ロールプレイで練習してみました。

・心が乱される場面や、どんな時にでも使える便利な言葉や技法はないと思っておきたい。
・長い時間をかけて信頼関係を作らないと言えないことのように思う反面、会話の流れによって話せると思える会話を目指しているのかもしれないとも思う。
・難しいテーマで、できていたかわからないけど、ロールプレイの会話は楽しかった。考えるよりやってみた方がいいと思った。
・興味をもって聞けている時はいいが、何とかしてあげたい、役に立ちたいという気持ちがでてきてしまい、それが邪魔に感じた。

などの感想がありました。

ロールプレーでの個人的な感想です。
 イヤな飲み会に行くか行かないか2つの選択に迷って相談したはずが、「どうしたい?」と聞かれて会話が進むと、「私は何に迷っているんだろう?どうしてイヤなんだろう?」と考え始めて、イヤな人がいて行きたくない、でも、その人のせいで自分が楽しい所に行けなくなって損をしそうでしゃくに障る、などど認識してなかったことを自分でしゃべりだしていて、自分ってこう思っていたのか、と発見があったり、最初は選択肢が2つだけだったのに、「行くけどイヤな人と遠く離れて座ればいい」という思ってもみない答えが、ふと浮かんできたり、会話が開かれていくというのは、こういうことなのか、というのを実感した勉強会でした。

次回:2012年5月20日(日)15:00-17:00 
場所:東京大学医学部3号館S102

3月24日(土)勉強会のご報告

3月24日(土)16:00-18:00に3月の勉強会を行いました。

今回の主なテーマは、つながりを築くこと、ありのままの素の自分を知ること、です。

何か心が動くようなことを言われたときに、聞いた瞬間に自分が感じることは何か、自分の感情の動きはどうなっているのかに意識を向けてみる、ということがテーマでした。
というわけで、前半は、何かを言われたときに、聞いた瞬間に感じた自分の感情は何か?思わず言いたくなってしまったことは何か?について感じたことを出し合いました。

そして後半では、聞いたときの自分の感情を意識し、思わず言いたくなってしまったことを、相手が聴けるように伝えてみるロールプレイをしました。

感想として

  • 自分の思ったことをわーっと一気に言ってしまうのではなく、相手も返せるように間をあけるともっと良いと思った。
  • 相手の伝えてくれようとしていることが分からない場合には、これこれこういうことなのでしょうか?とこちらから聞いてみるのも良いかもとヒントが得られた。
  • 人間として関係を深めるためのIPSとのことであるが、何か具体的な教育プログラムというような形から一般に広げるなどしたらわかりやすいのでは。
  • どうしても理屈を言おうとしてしまうが、感情を言えるといいと思った。
  • 自分の話を聞いてもらえると、自分の考えを言ってもいいのだと思える。
  • 理屈や建前で話してしまうと気持ち(心)が離れてしまうと思った。

などの感想が話されました。

自分の感情に気付くことや、自分の感情を話すことを日々の生活の中でどれくらいしているだろう、と考えた会でした。


【次回予定】日時:4月29日(日)17:00~19:00
場所:東京大学医学部3号館S102
地図:http://bit.ly/hVR5pV

2月5日(日)勉強会のご報告


2月5日(日)15:00~17:00に、2月の勉強会を行いました。

今回の主なテーマは、「相手に見えている世界や相手の感じていることをもっとよく知る」でした。

前半は「気持ちを映し出すこと」ということで、人の感情に気付かずに聴いていることについて考えました。
~ある状況での自分の感じ方を知っているために、相手の人も自分と同じ感じ方をしているだろうと思いこんでいることもあります。~<ワークブック第2巻の28ページ(p.2_28)>
小グループで他の人と自分が違った感じ方をしていたときのことを考えました。

  • 自分にとっては負担に感じられる仕事だと思って(自分の感じ方)つらさを話したかったのに、相手からは名誉な役割ですごいね!(他者の感じ方)と言われてしまって話せなかった。
  • タバコと言うだけでダメ人間みたいに言われるけれど(他者の感じ方)、自分にとっては人と話すきっかけを作ってくれるもの(自分の感じ方)。
  • バイクを移動の手段と思う人もいれば、爽快感を感じられるもの、絶叫マシーンのようなもの、といろいろな受け取り方がある。

などなど、いろいろな例が出ました。

これらをふまえて、後半では、「明らかにするための質問をする(もっとよく知るために)」に入りました。
~思い込みをせずに質問をすることは、私たちが大きな構図を見ることの助けになります。~<ワークブック第2巻の29ページ(p.2_29)> 
どのような質問の仕方が考えられるかについて、いろいろな話をしたあとで、小グループに分かれて下記のロールプレイを行いました。

シナリオ:「眠れないんです。」(話す役の人の好きな内容で。)

  1. 自分と同じ感じ方を相手もしているだろうと思いこんでいる返し方。
  2. 思い込みをせずに質問をする。


全体の感想として、

  • みんなマイペースでやっているのが良かった。
  • つい深刻にならない展開ばかりを求めてしまったりもするけれど、痛みや苦しみは避けられないこともある。
  • そのような↑側面もあるけれど、軽やかさも大事。
  • つらい気持ちを聞き出すだけではなくて、どうなったらいいと思ってる?ということも聞いて視野が開けていくような感じも大事だと感じた。
  • 誰かの問題を解決して自分が優位になるだけじゃ意味がないと感じた。生きているあいだは希求し続けるものだと思った。

などさまざまな考えが共有されました。


【次回予定】日時:3月24日(土)16:00~18:00
場所:東京大学医学部3号館S102
地図:http://bit.ly/hVR5pV

(4月は4月22日29日(日)の予定です)

1月22日勉強会のご報告

1月22日(日)15:00~17:00に、1月の勉強会を行いました。

前半は前回(“語られていないストーリー”に耳を傾ける)の振り返りを行いました。

今回の主なテーマは、「受け止めて認めること」でした。
<ワークブック第2巻の27ページ(p.2_27)>
本当に聴いてもらえて、認められたと感じられた会話はどんなときだった?という話や、受け止められなかった、という会話の方ばかり覚えている、という話や、相手の価値観について考えること、自分の学んでいることについてなど、いろいろな話をしたあとで、小グループに分かれてロールプレイを行いました。

  1. 相手に役立つだろう答えを考えて返答する
  2. 自分が聴いてもらえた、受け止めてもらえたと感じられる方法で、相手の話を受け止める
という練習を行いました。


勉強会終了時の全体の感想として、
  • 言葉だけじゃなくて気持ちも大事にしてもらうと受け止めてもらえるように感じる。
  • IPSを意識して会話できると、相手だけでなく自分も、両方が居心地が良い。
  • 問題解決をしないでいれば、相手は自分でみつけていくことがわかった。
  • IPSは練習が大切と思った。
  • 本心を言えるのも大事
などが挙がりました。




【次回予定】日時:2月5日(日)15:00~17:00
      場所:東京大学医学部3号館S102
      地図:
http://bit.ly/hVR5pV