2022年5月15日(日)のIPS勉強会のご報告

 2022年5月15日(日)13:00-14:30に東京でのIPS勉強会がZOOMで開催されました。この日は12人での勉強会でした。

前回の振り返りをしながら、クライシスでのピアサポートです。

前回の対面での勉強会の時に行った①困難な状況に寛容になること(自分が反応していることに気付く)②その場にいること(判断・審判をせずに)に加えて、今日は③あなたが信じていることを見失わず、同時に、新しい見方を試すことをやってみます。

この、「信じていることを見失わず、同時に新しい見方を試すこと:どうしたら、複数の真実を手にすることがもっとうまく出来るようになるでしょうか?同じことを、あなたが同じように経験していないからといって、それが真実でないということはない、ということを忘れないで下さい。」について。

  • 自分はつい、憤慨したりしちゃう。それは自分の信じていることばっかりに目が行っていて、相手の真実には気づけていない。どうしたら相手の話を聞きながら、相手の真実にもうまく目を向けられるだろうか。
  • 瞑想を毎朝するようにしている。でも無になれない。反応しちゃってたり、自分の考えを聴いちゃったり。でも、今こう感じていると認識すればいい、って教えてくれた方が言ってて。ああ、自分はこんな風に感じてるんだな、って客観的に見て、また、聞くに戻る。そういう風に話を聞くときにもできるといいのかなと思った。
  • これは自分にとって難しい。課題になっていることだなと思う。寛容になることも。自分が信じていることを見失わずに、新しい見方も取り入れるというのも、大変な状況の中で自分が追い詰められていくと、自分が正しいのか相手が正しいのか、みたいな白黒の考え方になりやすいという自覚があって。でのそうなっちゃうと疲れて倒れてしまい、倒れてしまったらやりたかったことができなくなってしまう。これは克服したい自分の課題だなと。
  • 自分はどこでスイッチを押されちゃうのかを公開していくこともしていくといいのかな。自分は言葉を荒げられることが苦手。以前はそれを言うこと自体が怖いことだったけれど、そういうことを言っていくといいのかな。

そのような話を全体でしたあとに、二人組で話を聞く練習をするグループと、大部屋で休憩あるいはお話をするグループにわかれました。
2人組でのお話は、12~13分で交代.話す側は、自分の困りごとを話す。聞く側は黙って聞く。終わった後感想は言わない。ただ聞く。全体に戻ってからも聞いた話について話さない。自分がした話をするのは構わない(2人組で自分の言った話をほかの人に伝えられることはない、という確認)。

感想など
  • 落ち着かない状況を相手の状態の悪さのせいにしてしまう、自分にとってわからなかったり不安になると相手の状態が悪いと決めてしまう
  • 信頼していた人から期待と違う反応(決めつけとか)をされると冷静でいられない(期待していない人からはそんなに動揺しない)
  • 関係を続けたい相手から嫌なことをされたときには、あとからでも自分はあの時こう感じたけれどあなたにとってはどうだったの?と聞いてみたい(なかなかできないけれど)
  • たたかれて、なんでたたいたの?と後で聞いてもそんなことしてない、また妄想がはじまったと言われて相手の思いが全然聞けない。
  • 心の負担が重すぎて自分から切り離してしまう(覚えていない)状況もあるらしいが、そうだとしても、された側はつらいですね。。
  • 黙って聞くって、大事だなと思った。会話の方向性が、想像とは違うほうに向かった感覚があった。ふだんの「議論」だと目的をもって相手の話を聞いてしまって、いつものパターンにおちいっている。今日は反応しなくてもいいと思いながら聞いてみたら、普段の自分は反応しすぎなのかもな、と思った。反応しなきゃいけないという思いとか反応する人の方がいい人みたいな思い込みが自分の中にあるんじゃないかなと思った。お互いに反応し合わなくても話し合える関係性っていいなと思った。
  • 自分は普段言葉にするのが難しくて、言語化しようとすると時間がかかってしまう。それをすると、相手の話が全く聞けなくなる。今日のように、本当に聞くだけでいいと思うと、イメージで相手の世界に入ることができたなと思った。相手の世界観を理解する努力がつながり。はじめて会った人だけど、そこにつながりがかいま見えた気がした。言葉に出さないことがいい方法なんだと気づかされた。
  • 対等な立場で話せるってやっぱりいいな。ピアサポーターを試行錯誤してきて、対等でいたいと思っても、パワーが結果的に発生していて、その中にのまれちゃうという状況にあったと思った。今日の一対一の話で、ただ聞いてもらえる、ただ聞く、シンプルだけど大切なことをやれた。というのは大きい。どっちが正しいじゃなくて、どっちの世界も大事にする、みたいな。そういう練習をちょっとずつやって仕事に戻りたいという気持ちになれた。
  • お話をお聞きしていて、あの人もこんなことしたな、とか、自分もそうだな、とかほかの人のイメージが入ってきて、自分のストーリーと重なったり、ほかの人のストーリーと重なっちゃったりして、純粋に集中できないことがある。自分では状況をイメージして聞いているつもりだったけれど、その人が本当に言いたいことに色付けしちゃってたかもしれない。その浮かぶイメージはこの人のじゃない、とか行きつ戻りつしながら、これまでの自分の聞き方をちゃんと意識してなかったなと思った。今度から、ほかの人は関係ない、まずここにいる人の話を聞きたいな。と考える良い時間だった。
  • アナウンサーの話で、電車の中で窓から流れる景色を見ながら瞬間的にアナウンスする練習をした人とか、修飾語やトークを考えておいて、ライブにはさみこむアナウンサーとか。こういうのは職業アナウンサーのすること。ふつうの人は、話せと言ったってなかなか話せない。私たちが話を聞くときは、相手がわずかに浮かんだ感情のはしはしを話すのを、できるだけ受け取ってっていうことなのかな。わかりあえるなんて、そんな落としどころなんてない。
  • 自分の感情に対して理論的に収められる事には自分の感情を相手の目線から分析されているようで抵抗を感じる。でも、感情に対して感情的にぶつかるのもどうかと思ってしまうところも。理論に偏らずでも感情に振り回される事にもならないようにお互いに対話を重ねるにはどうしたら良いかぐるぐる考えていた。それでも「ただ相手を知ろうとする」姿勢と「自分が何に反応してしまうのか」を知っていく事がお互いに大切になってくるのかなと感じた。
  • 自分にとっては難しいと感じたけれどめげずに次も参加したい。
勉強会後の雑談
  • 人って、本当の意味で話を聞いてもらえる経験ってない。
  • 心の不調があったら早期受診を勧めるとかって、ちゃんと話を聞いてるかな。医療以外にもあるって気づいているだろうか。医療者とか支援者の不安や思い込みはないだろうか。
  • 早く見つけて資源につなげたり、診断をしていくことが自分の価値だと思っていることもあるかも。
  • 支援者側が思い込みに満ちているってことに気づいていないことも。
  • 職業についている人は仕事をしている、したって思いたいというのもあるかも。(何事もなかったというのは仕事してないみたいな。)

【次回以降の勉強会予定】
6月:対面  6/18(土)13:30-15:30
7月:ZOOM 7/10(日)10:30-12:00

参加費無料、申し込み不要です!

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

ゆっきぃのひとりごと:今日も自分の話しも聴いてもらって、ほかの人の話も聞かせてもらって、細かい状況は違うのだけれど、自分の中で共鳴する感覚とでもいうのでしょうか、相手に決めつけられることに対する嫌な気持ちとか、相手の状況に対する新しい見方の感覚を私も感じて話を聞いている、話している、ということに気付きました。ほんと、話を本当に聞いてもらえるって、とても大事でありがたいことだなと思いました。また、話を聞きながら自分の感覚にも開かれたままでいるということを今後もやってみたいなと思いました。

5/15(日)の勉強会の資料内容です↓

IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2022年5月15日(日)13:00-14:30 場所:ZOOM

1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?

2.前回までの振り返り   ピアとしてクライシスワークをする(7巻 p.22~)
クライシスでピアサポートを活用する
限度を設けることと衝突を交渉することについて思い出してみましょう。これらの技法は、他の状況と同じように、クライシスでも使えます。呼吸をし、誠実に、敬意をもって!あなたが見、必要とし、望んでいることを話してください。パワーについてと、双方向の関係を作ることについて話してください。そして、家のたとえを思い出してください。その人は、他の部屋からは閉ざされた部屋にいるのかもしれません。ドアを少し開けるのをどうやって手助け出来るでしょうか?ピアサポートをするとは、自分の居心地の悪さとともにいられるようになることです。

3.クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.22~ ピアとしてクライシスワークをする)
ピアサポートの原理は何があろうと変わりません。もし、どちらかにとってうまくいってないとすれば、それはうまくいっていないのです!しかしながら、クライシスハウスの状況では、より強烈で、もっとボタン(反応のスイッチ)が押されるかもしれないという点を考えたいと思います。
↓4月にやったこと↓
①困難な状況に寛容になること:これはただ、自分が反応していることに気づきやすくなり、何が自分の反応で、何がそうでないのかを見分けることを意味します。
②その場にいること:(判断・審判をせずに)今現在の状況に集中していることを意味します。あなたの評価や思い込みをたくさん持ち込むのではなく、その状況に、十分に心を開くつもりでいることです。
↓今月新たに考えたいこと↓
③あなたが信じていることを見失わず、同時に、新しい見方を試すこと:どうしたら、複数の真実を手にすることがもっとうまく出来るようになるでしょうか?同じことを、あなたが同じように経験していないからといって、それが真実でないということはない、ということを忘れないで下さい。
①~③を意識して二人組で話しを聞く練習(困りごとを話す人の話しを聞く)をしてみませんか。

4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。