2021年12月18日(土)のZOOMでのIPS勉強会のご報告

 12月18日(土)13:30-15:00に東京でのIPS勉強会がZOOMで開催されました。この日は15 人での勉強会でした。

具合の悪いときの過ごし方の話や、クライシスハウスについての話をしました。

後半は、
「気分のすぐれないときのパターンから抜け出すために、何があなたにとっての助けになりそうでしょうか。」
「この話し合いを、どのように記録しますか?(できれば一緒に何かを書くようにする、とテキストにはあります。)記録されたことはどのように共有しますか?」
ということについて、2-3人の少人数でお話ししたい方と、大きな部屋にいたい人とで分かれて自由に話しました。

記録について、さまざまな工夫や思いが語られました。順不同でメモを書いておくと
  • 白い紙を二人の間において、それをどんどん指しながら、一緒にやっていく。その白い紙を赤ペンで書き足したりして、こういう感じ、と伝えた。
  • 自分自身が診察を受けていて、何を書かれているのかな、と気になったから、自分が誰かとの話を記録するときには、一緒に確認しながら、可視化しながら。
  • 情報って繊細な部分。
  • 情報があるとないとで、スタートラインが違う。(支援するされるのところにいると)そういうことに慣れてしまう。
  • 当事者研究で参加していたグループで、昔こんなことあったねと過去の模造紙を出して、今はどう?とやってるところもある。過去自分が言ったことに整合性を求められるようで、しゃべりたくないという思いがある。
  • 情報共有されることを嫌がる人もいる。本人がどうしたいかを大事にすること大事。強制することをやめたらよくなった。本人の自主性をどこまで重んじられるかが鍵となるのでは。
  • 誰にも言わないでいてくれるからこそ、あなたに言う。これは上の人には言わないで。と言われたことがある。今でもどうしたらいいかわからない。
  • その人やその場にいた人が後で読み返したときに「あの時どんな気持ちだったか」がわかるように記録を残したいなぁと思う。なんとなくWRAPでの「発言をホワイトボードに書く」感じに似てるかなと思う。
  • 自分の話を四字熟語に変換されてしまったり、違う言葉にされたりすると少し傷つく。

助けについて
  • 「大丈夫」って言ってるときは大丈夫じゃないときだと周りが教えてくれたり。こうしてあげたときに元気になってたよ、とか。言われないとわからないこともある。話し合いたい。
  • 助けで一番役に立ったのは、寄り添うでもなくわかるでもなく、話してくれるのが一番ありがたかった。へたな同情が一番うっとおしい。
  • 信頼できる人とゆっくり話す。雑談が一番楽。
  • あなたはそう思うのね。といわれると、そのあとに「私はそう思わないけどね」というのがついてきてる感じがしちゃうときがある。
  • 話をしたり聞いてもらうことが大事というのは実感があるが、現在の社会の制度では、利用登録をしていないと話を聞いてもらうことすらできないことが多くてせつない。
  • 精神症状だけじゃなくて、身体症状が出てきたときに、現実問題として動けないとかのときに、制度の申請ができないとか。そういうときにはピアサポートではなくて専門職の仕事なのかなと思うけれど、合う合わないとかはある。そのつらさを話してほっとしたり、実際に困りごとが解決しない、ってときにピアサポート。


無言の時があったときにピアサポーターはどういう対応をしたらいいのだろう

  • 「沈黙をやぶるのは相談者でなければならない。」と聞いた。とにかく黙って、それもその人の表現なのかなと。
  • 自分自身は沈黙恐怖。何か言わないといけないかなと思ってしまうタイプ。寒くないですか、とか、言ったり。
  • 言葉にならないというのがあなたの部分なのでしょうかねと言ったり。
  • 自分が相談者側だったら泣いてるところも見てもらいたい。
  • 人として信頼してもらえたらうれしい。
  • 自分のペースで、沈黙になってしまう人もいる。一緒に沈黙。沈黙を共有できる存在になりたい。
  • 顔見知りになってきた場合、何気ない会話の中で、いいなと思ったこととかを言ったり。
  • 沈黙もそのままにしてくれるし、アドバイスもしないし、とわかったときに扉がひらいていくのかな。
この日は2021年最後の勉強会でした。結局2021年はずっとオンラインだったなぁと思いつつ、オンラインでもこうしてつながれることに幸せを感じての会でした。みなさまどうもありがとうございました。

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

ゆっきぃのひとりごと:この勉強会の中に限ったことではないのですが、失言をしてしまった、とか、あそこでこんな言い方ができたらよかったと、自分で落ち込むことも多くあります。でも、IPSの勉強会でご一緒する皆さんのお話をお聞きすることができるのを毎月楽しみに過ごしています。


この日の勉強会の進行↓
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会

日時:2021年12月18日(土)13:30-15:00 場所:zoom

1.はじまりの確認(チェックイン)

2.前回までの振り返り クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.16~)

クライシスハウスを利用するかもしれないゲストは、クライシスの前に、ピアサポートワーカーと前もって、どんな風に使いたいかを話し合います。よくある精神科医療のように、かなり具合が悪いとき(クライシス)に面談が行われるのではなく、クライシスハウスの利用のための話し合いは、調子の整っているときに行います。これを事前にしておく理由は、調子が乱れた状態から距離を置いている今の時点でどう感じているかがわかるからです。この視点から始めると、クライシスハウスを使うときに、ピアサポートのあり方を保つ助けとなること(たとえば、相互の責任についてや、パワーを共有すること)を話しておくことが出来ます。このインタビューのやりとりで、クライシスハウスを利用するときに経験するような(ピアサポートの)関係を体験してもらい、緊急時の他のサービスとは違った雰囲気を感じてもらいます。

クライシスハウスを利用するかもしれない人(ゲスト)とどのように使いたいかを話し合う このクライシスハウスは精神科医療とは違っています。ここでは、クライシスは、関係の中で成長し、古いパターンを変える機会だという見方をしています。ですから“治療”はしないし、あなたのケアをすることもしません。その代わり、私たちは誠実さ、思いやり、お互いが責任を持つ関係を提供したいと思っています。 ・・・


3.クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.17~利用するかもしれないゲストとプランを作る) 

気分がすぐれないとき、あなたがどのようなパターンに陥りそうか、そして、それらのパターンから抜け出すために何が助けになるか、どのような関係がお互いに成長し、責任を引き受けるためのサポートになりそうかを考えてみましょう。そして、もしあなたがクライシスハウスを利用するときには、今日話し合った内容を取りだして、あなたがここで過ごす間、私たちは何をしたらよいのかを見つけるために使います。けれども、これはいつでも変更できるし、あなたのために私たちが目標を設定するということではありません。物事が行き詰ったときに、これを見るというだけのことです。私たちとあなたの双方のためのものです。私たちは、誠実で、心を開き、この関係の中であなたと対等であるという前提のもとに行動することを約束します。

試してみたいこと:小グループまたは大部屋で①または②を 


①2人組、3人組でお互いに話を聴く(聞いた話は他者には言わない) 「気分のすぐれないときのパターンから抜け出すために、何があなたにとっての助けになりそうでしょうか。」

②この話し合いを、どのように記録しますか?(できれば一緒に何かを書くようにする、とテキストにはあります。)記録されたことはどのように共有しますか?

4.勉強会の感想 今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

【今後の予定】2022年1月29日(土)13:30- 

IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。