2021年7月4日(日)のZOOMでのIPS勉強会のご報告

 7月4日(日)10:30-12:00にIPS東京勉強会がZOOMで開催されました。 今日もさまざまな地域からのご参加をありがとうございました!今日は21名での勉強会でした。

まずは前回の、居心地の悪さと共にいることについてからです。

  • 自分は居心地の悪さを自分で作り出してると思ってきたけれど、前回の勉強会で、相手によって作られる居心地の悪さもあると気付いた。また、居心地の悪さを自分で作り出すって考えがあるんだと気付いたと前回の感想で言っている人がいて、これこそが共有するということだと思った。
  • 居心地の悪さと共にいるというのは、自分とはちょっと違う考えも受け入れることじゃないかと言われた。
  • 居心地が悪いのは自分の感じ方に問題があるのかと思ってしまっていたことがあって、明らかに不当な扱いを受けていたのに、自分に問題があると思ってしまった。自分だけの判断だと精神状態によっては判断できないことがあるので、他の人の話を聞いて、過剰反応をしているなとかの感覚を取り戻すことを大切にしている。
  • いつも居心地の悪い経験をしている。
  • 居心地の悪さと共にいることについてIPSで言っているがこれは、不当な扱いや環境を我慢しろと言っているのではなくて、それについて話をする居心地の悪さにチャレンジしようというようなことだと思う。
  • 言い方。自分がどういう感情があるからこういう風に思うというのを整理して話すと怒りをぶちまけるみたいにはならない。丁寧に話す。
  • これまでさまざまな居心地の悪い環境や環境の中をくぐってきた、より良いところを探してきた。

というような話があがりました。

今日は第七巻の「クライシスでピアサポートを活用する」です。まずはみなさんにとっての「クライシス」のイメージを聞きました。

  • 日常が中断されちゃう状況
  • 困難な経験に対する、パターン化された反応。トラウマ反応。フラッシュバックとか過覚醒とか。
  • クライシスは、専門職があつかうものみたいな感じでプライベートの関係の人が入り込めない感じになっている。さわってしまったら、熱いフライパンみたいなのにさわっちゃうみたいな感じで、友達とかも、そっとしておくしかないな、みたいな。でも本当はもっとできることがあるような気がする。
  • 自分で自分のことがコントロールできなくなる感じ
  • コントロール不能な危機的状態のようなイメージ
  • がーんとなって、頭が真っ白にあるような事態とか状況とか。

といったイメージや思いが出てきました。

ここから、そんなときにどうなるか?そしてそれは自分にとってどのような役目をはたしてきただろう?ということを話し合いました。今日は、ZOOMの少人数の部屋で話したい人と、大きい部屋とで分かれて話しました。

  • 眠れなくなって、おなかがいたくなって、動けなくなる。おなかもこわす。そうすると、動けないし行動できなくなって、ドクターストップじゃないけど結果的に休息を取ることになる。
  • 怒りがわいてくる、怒鳴り散らすが第一段階。これは、相手を近づけないために、自分のことを守るために、相手に牙をむく。自分にとって、怒ることは必要なこと。その次の段階で身体が動けなくなる。
  • 考え込んでしまって、ODをした。(考え込んでしまうことから離れたり)楽になりたかった。
  • 権利擁護をしてもスルーされて、再度権利擁護をして、その繰り返しのパターンでストレスが限界に達してクライシスになる。
  • 大声を出して怒りで暴れてしまう。それは、周りの人達への「助けて」というメッセージだと感じる。
  • 大声で暴れるなどのクライシスを出すと、まわりの人達が寄ってきて、「大丈夫だよ」と言ってくれる。
  • 困難なときにはうつがひどくなる。自分でひきこもるという対処を取れるとよいがそれができなくて入院を勧めてもらって入院した。入院したことで困難から少しの期間離れられてその間は楽になった。
  • 困難なとき、怒りになる。自分にとっての良き理解者を探しているのになんでわかってくれないんだという怒りの反応。
  • 過食。特に健康に悪いものをいっぱい取り込むことでストレスを発散。それに耐えられなくなると薬を足す。
  • うつの時にはデイケアに行ったりして「弱ってる自慢」をする。
  • 今思うと、自分の怒りとかを、症状ととられずに冷静に伝えるということを自分が若いときにできていたらと思う。
  • リストカットをしていたときがあった。怒りをぶちまけた自分に対する自罰行為。怒ることで相手を傷つけちゃった、という思いとか。でもしゃべる力もないし、動けないし。自分に困難があるということをわかってもらいたい。でも一から細かいことを説明する元気もない。そんなときに傷があるとまわりが気付いてくれる。
  • さらに進むと、なんにも感じなくなる、全てが止まる。心が動かなくなって無になる。魂が抜ける感覚。自分を守るために、そうやって生きていくしかなかった。
まだまだ話をしたいところでしたが、今日も時間切れでした。続きは来月以降にまた。
全体の感想です。

  • この場が好き。ここで皆が心の内から出た言葉をとつとつと話してくれているのが、心に触れたような感覚がする。
  • 個別でお話しすることができて、いろんな気づきがあった。昔のクライシスの気づきがあった。
  • 怒りが出てしまうというところに心がいった。そういうときどうしたらいいのか考えながら。
  • IPSのクライシスのいろんな考えを身につけたい。
  • IPS的な人とは考えが深まるけれど、誰かを傷付けることでスカッとする人というのもいる。そんな人とわかり合えない自分はクズだ、みたいになっちゃっていたけれど、自分なりに自分を守ることを適切にやっていきたい。
  • 先月、相手がただ立っているだけでも傷ついてしまうことがあると言ってた方がいて、相手が何をしたとかでなくても、傷ついてしまうことがあるのは自分だけじゃないことに安心感を感じた。この場は安心していられると今日も感じた。
  • あっというまだった。もっともっと知りたいと思っている。
  • IPSの勉強会、自分が今困っていることに、シンクロするような内容だと思った。
  • WRAPのクライシスプランもなかなか作れていなくて。自分のクライシスと自分が向き合うことに不慣れ。そういうヒントを自分も考えていけたら。
  • 他の人がそういう状況にあったときにお互いに良い方向にいけるようになれたら最高。
みなさま、今回も心からのやりとりをさせていただきありがとうございました。

次回:8月17日(火)19:30-21:00 ←平日夜です。

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

-私(ゆっきぃ)のひとりごとです-
今日も心ゆさぶられる言葉がたくさんありました。ありがとうございました。クライシスは、苦しい状況に陥っている中で自分を守るための仕組みなんだよなぁとあらためて感じました。そして、怒りもクライシスも、その奥底にあるものを感じたり言えたりできたらまたもう少し違うものがうまれることもあるのかなぁと思ったり。また、休んでいるのに休めていないとの言葉も印象的でした。どうしたら休める、ゆるめられるようになるのか知りたいです。

今日の勉強会の進行↓
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2021年7月4日(日)10:30-12:00 場所:zoom
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前  ②何に動かされてここに来ましたか?
2.前回までの振り返り   電話でのピアサポート(7巻 p.9~15)・居心地の悪さ
3.居心地の悪さと共にいること 学びにひらかれるために
4.クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.16~)
クライシスが“治療”の経験になってしまうことがあります。私たちの多くにとって、クライシスは、困難な経験に対する、パターン化された反応になっています。しかし、精神保健システムでは、それは私たちに降りかかる何かだと教えられてきました。もしその信念を持ち続けているとすると、私たちに出来る最善のことは、できるだけ体裁よくそれを通り抜けることです。そのような困難なときを“通り抜け”続けているとしたら、私たちはどうやって、その経験を全く新たに考え直すことが出来るでしょうか?ピアサポートではどのような問題であれ、私たちには、3つの基本的な課題があることをお互いに思い出すようにすることが大切です。 
  • 私たちのものの見方(どうしてそう思うようになったのか)を見出し、新しい見方・行動の仕方を試すこと 
  • 助けが両方向であるように、お互いに責任を持つ関係を作ること 
  • 望ましくないこと(たとえば、鎮静)を避けるのではなく、私たちが望むことにむかって進むこと 
①困難なときにあなたが取る反応について考えてください。その反応は、あなたにとってどのような役目を果たしてきましたか? 
5.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
【今後の予定】ZOOM 8/17(火)19:30-21:00

IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

なお、今後もしばらくはZOOMを用いての勉強会の開催となりそうですが、対面での勉強会も、また再開したいと思っています。とはいえ、せっかく全国からZOOM勉強会にご参加いただけているので、対面が復活しても、ZOOMでの勉強会も何らかの形で継続したいとも話しています。