2020年12月5日(土)zoomでのIPS勉強会のご報告

2020年12月5日(土)15:00-16:30にIPS東京勉強会をzoomで開催しました。

本日も、さまざまな地域からご参加くださりありがとうございました。今日は18名のご参加でした。久しぶりに土曜日の午後の勉強会で、日曜の朝とはまた少し違う時間の流れを感じました。

今回は、前回11月の振り返りからです。
例4の、「松本さんと長谷川さんという、同じ組織で働き思いを互いに共有し合う関係でいて、組織の中でピアの声を作り上げていることを誇りに思っています。ある日、廊下で、医師が長谷川さんに、長谷川さんの担当している利用者の一人がどんな具合か尋ねているのを耳にします。長谷川さんは、その人は調子を崩し始めていて、変わろうとする気がないと答えています。」についてです。

  • ピアサポートって、相手を変えることではなくて、寄り添うことなんじゃないか。
  • 相手に何かがあったから、理解できない行動をしているのでは。相手のことを知りたいと思う。
  • 廊下で話してるのを誰かが聞いていたらどうしようとドキドキしてしまうと思った。
  • 調子を崩すことは悪いことではない。かけがえのない経験として価値あることはないかと思う。
  • ピアが一人なのはきついだろうなと思う。複数いれば、あれ?と持ったら声をかけられる。一人で他の専門家の中でやっていったら、自分のあるべき姿から外れていっても気付かないでいってしまうこともあるかも。これはどうかなと声をかけられる人がいるって大事だと思った。
  • 長谷川さんは、医師と話した後にどんな気持ちでいただろう。後から自分のことを責めたのではないか。そういう気持ちを共有することって難しい。どうやったらそういうことを一緒に話したり考えていける場が職場にあるとよい。
  • 本人のいないところで本人の話をしないという、ピアサポートの大事なことがあるのであれば、それを職場の人にもそれについて知っておいてもらわないと、この二人だけでどうにかできることではない。そうでないと、上司から聞かれたら、そう答えざるを得ない立場に追い込まれてしまう。
  • 本人のいないところで本人の話をしないということについて職場の人たちに話すとよいのでは。
  • お互いに信頼し合っている関係であること大事。
  • 期待に応えたい、求められたら応じたい、という気持ちは誰にでもある。だけどその期待に応じることが自分の魂を傷つけることになってしまうこともある。
  • 誰かを責めるのではなくて、大きく考えていけるとよい。

などなどの話をしました。

そして、弱っているとき、あるいは日々の自分に必要なもの、助かるものについて、みなで話し、ピアサポートってなんだろうという考えに入るあたりで今日の勉強会は終わりの時間となりました。

勉強会全体の感想として
  • 他の人の話を聞くことで、そういえば、と思い出したり思いついたりすることを体験した。
  • 自分は寄り添うだけじゃなくて待ってもらってもいる。
  • 相手を理解すること、相手に何が起きているんだろうと知ることが大事だと思った。
  • 自分にも「長谷川さん」と同じことをやる可能性があることに気付いて愕然とした。
  • いろんな話を聞いて、自分の経験と重ね合わせたり驚きもあった。
  • 仕事としてピアサポートをすると、孤独になってしまうことがある。ピアだけでなく、みんながそれぞれの立場でつらい思いをしている。どうやってみんなで乗り越えていけるか。
  • 意図的なピアサポートは、意図して成長して、幸せになろうということを意図している、がんばるピアサポートだと思った。自分もそういうのをやりたいと思った。
  • パワーを役割で持つこともある。自覚的に振り返って、地道でゆっくりな自分になりたい。
  • なぜ自分がピアサポーターになりたいと思っているのか考えたい。
  • 自分にとって助かるのは、人だと思う。
  • 自分だって疲れてるんだよと絶叫したくなるときに、何をするべきか。それが自分のピアサポートの原点。
  • インテンショナルピアサポートは、トラウマインフォームドピアサポートと元々は言っていたと知った。それぞれが経験した傷つき体験にも意識を向けながら支え合ういとなみということかなと。
  • 深いテーマだった。
今回も時間が足りず、でした。ピアサポートについて、また引き続きお話できたらと思いました。
ご参加くださったみなさま、どうもありがとうございました。ブログに記載してある内容などで気になる点などありましたら、いつでもご連絡いただければと思います。

これで今年のIPS勉強会は終了です。今年は忘年焼き大会を開催できず、残念ですが、今年も皆さんとのやりとりからたくさん学びがありましたありがとうございました。。来年もまたどうぞよろしくお願いいたします。

次回:2021年1月 10日(日)13:00-14:30(ZOOMによる開催)

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

-私(ゆっきぃ)のひとりごとです-
今日も心動かされる瞬間がたくさんありました。さまざまな場面でいろいろな葛藤や逡巡を抱えながら誰もが毎日一生懸命過ごしていることも感じ、皆さんへの愛(気持ち悪いかもだけど)をさらに感じてしまいました。いろいろな心の声や迷い、思いを共有してくださりありがとうございます。
-ひとりごと終わり-

今日の勉強会の進行↓
-
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2020年12月5日(土)15:00-16:30 場所:zoom
1.はじまりの確認(チェックイン)
① 呼んで欲しい名前   ② 何に動かされてここに来ましたか?
2.これまでの振り返り
医療・支援サービス機関で働くこと (7巻 p.3~)
ここでは、他の人たちの行動や考えとは違って見えたとしても、ピアサポートをしていくことに焦点を当てます。従来の精神保健サービス(医療や福祉)に関わっていると、いろいろな問題が持ち上がってきます。何がピアサポートによってもたらされるのかに焦点をあて、ピアサポートではない役割に陥らないようにし、私たちは何をしていて、それはどうしてなのかを明確に説明できることが大切です。
例4
松本さんと長谷川さんは、地元の精神保健センターで一緒に働き始めてしばらくたちます。お互いに思いを共有し合う関係でいて、組織の中でピアの声を作り上げていることを誇りに思っています。しかし、松本さんは、長谷川さんが自分のことをスタッフと呼び、“自分の担当利用者”について話していることに気付き始め、長谷川さんが、ピアサポートの視点を失いつつあるかもしれないと心配しています。ある日、廊下で、医師が長谷川さんに、長谷川さんの担当している利用者の一人がどんな具合か尋ねているのを耳にします。長谷川さんは、その人は調子を崩し始めていて、変わろうとする気がないと答えています。ここでは何が問題になっていますか?松本さんは何をすべきでしょう? 
 
ここにはいろいろな問題が絡んでいます。第一に、長谷川さんがそこにいない人のことを医師と話をしているという事実は、ピアサポートの核となる価値「私たちに関することを私たちのいないところで行わない」に反しています。第二に、長谷川さんは、長谷川さんの気になっていることについて、医学の枠組みを使って表現しています。これはその利用者の人に影響をもたらすだけでなく、自分の感情に責任をとっておらず、ピアサポートに基づいた話をしていません。
松本さんは長谷川さんをコントロールすることはできないのですが(そうすべきでもありません)、大切な学びについて、協力し合う関係を作ることはできます。
3. テキストから少し離れて:ピアサポートってなんだろう?
①弱っているときに、自分に必要なもの、助かるものって?
②日々の自分に必要なもの、助かるものって?
③ピアサポートってなんだろう
4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

【今後の予定】 1月:1/10(日)13:00-14:30 ZOOM 

2020年11月7日(日)zoomでのIPS勉強会のご報告

2020年11月7日(日)10:30-12時にIPS東京勉強会をzoomで開催しました。

本日も、東北地方から九州までさまざまな地域からご参加いただきありがとうございました。今回はいつもより少し多めの22名のご参加でした。

東京のIPS勉強会が、もうすぐ満10年というお話を今日の勉強会で少ししました。
意図的なピアサポート (Intentional Peer Support: IPS) は、2008年12月にシェリー・ミード(Shery Mead)さんとクリス・ハンセン(Chris Hansen)さん、久野恵理さんに日本にいらしていただいて、「IPSピアサポート研修」として研修会(5日間)が久留米で開催されたのが日本で多くの方が関わり始めた最初だと思います。その後も京都や東京での研修会にシェリーさんにいらしていただきました。そして当時米国に住んでいらした久野さんがスカイプでつながってくださりながら、千葉県の市川市やほかの地域でもIPSの勉強会が開催されたり、久野さんによるIPS研修会が開催されたりしている中、東京のIPS勉強会がはじまりました。(東京の勉強会の初回は2011年1月16日(日)でした)

そんなこんなでもうすぐ11年目になろうとしている東京の勉強会ですが、このところは、IPSのワークブック7巻の、精神保健の医療や支援の機関で働き「ピアサポート」をしていくことについてがテーマです。

まずは先月の振り返りで例3の、
「村上さん(あなた)は、江川さんとピアスタッフとして関わっています。村上さんと江川さんは何でも話すことが出来ているようです。そしてある日、江川さんは村上さんに「あなたが私と会って話すのは、ここで雇われているからですよね」と言います。村上さんは何と言うでしょうか?」という例について話しました。
  • 自分にも似たような経験あり。今の自分はあなたの声が聞きたいとは言えないな、というようなことを言っていたら、また違う会話、関係になっていたかも。
  • テーブルの上に出すというのがすごくいい表現だと思った。
  • 勉強会としては、村上さんの側に立って考えるのだと思うが、自分は江川さん側に感情移入をしてしまう。こういう肩書だからできていた関係性なんだなと考えちゃったり。
  • 自分は雇われている人に目一杯お金を払って目一杯話をしたい、それを心地よいと思っている患者である。
この話もまだまだ続けたいところではありましたが、続いて、今日の題材です。

例4:「松本さんと長谷川さんは、地元の精神保健センターで一緒に働き始めてしばらくたちます。お互いに思いを共有し合う関係で、組織の中でピアの声を作り上げていることを誇りに思っています。しかし、松本さんは、長谷川さんが自分のことをスタッフ(職員)と呼び、“自分のクライアント(担当利用者)”について話していることに気付き始め、長谷川さんが、ピアサポートの視点を失いつつあるかもしれないと心配しています。ある日、廊下で、医師が長谷川さんに、長谷川さんの担当している利用者の一人がどんな具合か尋ねているのを耳にします。長谷川さんは、その人は調子を崩し始めていて、変わろうとする気がないと答えています。」

これについても、たくさんの意見や考えが出されました。メモから少し抜粋します:
  • パワーバランスとか対等性
  • 長谷川さんに何があったのかな。自分が自信を取り戻してきているから結果としてマウントを取るみたいな感じになっちゃってるのかな、そんな気持ちをわかってあげたい気持ちもありつつ。
  • 松本さんの考えるピアサポートの視点ってなんだろう?
  • お金をもらって話をしている側とお金を払って話をしている側と、それって対等でいいの?
  • 利用者の評価をしているのは問題かなぁ。
  • 長谷川さんの声で気持ちを聞いてみたい。
  • お給料をもらって職員の名札をつけているという事自体がパワー。そこに自覚的でいられるかどうか。
  • 自分は組織の中で働いていて、何かを失いかけているのではないかと落ち込んだり。ピアのスーパーバイザーみたいなのがいたらいいのに。
  • 医師が致命的なミスをするのでなければ、ある程度ほっておいても良い状況なのでは。
  • ピアサポーターの役割の記述などが契約書面とかにあるのでは?
  • 上司ではない、スーパーバイザーに相談ができるといい
  • 職場で、ピアサポーターの仕事は、判断をくだすことではなく、当事者の情報を聞き出してほかの専門職に情報として提供することだと言われた。
  • 長谷川さんが医師のやることに寄って行っちゃっているというのが、ピアサポートの役割としてどうなのか。そうじゃないのをみんな求めているはずなのに。
  • 本人のいないところで本人のことを評価して決めるというのはナンセンス。
  • ピアの視点を失いつつあるんじゃないのと言ってしまうと喧嘩がおきるかもしれないので、ピアサポートの視点、大事にしていることなどを行き交わせていければ。
  • 廊下で、というところがとても気になった。
  • ピアだからできることってなんだろう。調子を崩し始めていてどんなところが苦しいとか、同じ苦しみを持つものとして聞けたらいいのかな。
そのまま話をしながら感想です。
  • 今日は自分の立場をすごく考える日だった。
  • 支援員として雇われて、一人で活動しないといけなくて、専門職の人とやらなければいけない人もたくさんいると思う。
  • ピアであるということを忘れちゃいけないと思った。
  • コントロールすることはできないのです。というのが良い。
  • 正しい答えがあるわけではなくて、私はこう思う、といろいろな見え方を出して話し合いができるっていう事自体に意味があると思う。
  • 自分がいない場所で、調子を崩しているって自分のことを言われていたら、こんな悔しいことはないなと思った。
  • 意図的なピアサポートと当事者のサポートは違うなと感じてる。
  • 長谷川さんをむりくり本来の属性に引き戻すのも暴力的。こうもりだよ、って示唆してあげるのがいいかな。
  • 専門知識をもつと分析的になってしまうと自分で感じる。
  • 「変わろうとしていない」と自分のことを決めつけられたことを思い出していた。
  • お金、役割、パワーに自覚的でありたいと思う。自分はピアであることを手放したくないと思っているのだなと改めて感じた。
今回は時間が足りず、でした。また引き続きお話できたらと思いました。
ご参加くださったみなさま、どうもありがとうございました。

次回:12月 5日(土)15:00-16:30(ZOOMによる開催)
(久々に土曜日午後の開催です!)
東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

-私(ゆっきぃ)のひとりごとです-
さまざまな場で、「ピアサポート」の名で活動している方たちがたくさんいること、しかし、雇われている場合には組織の考え方によっては、ピアサポートで大事にしたいことをそこなってしまう行動を求められたりすることもあるのだろうと強く感じました。組織や他の専門職の人には悪気はなくても、視点の異なる文化が続いてきている組織の中で、ピアサポートで、あるいは一人の人間として大事にしたいことを考えるほど、葛藤が大きくなることも多いだろうとも思いました。そういった葛藤や、ピアとしての関係で大事にしたいことってなんだろう、ということなどを話せる場があることは大事だなと思いました。
-ひとりごと終わり-

今日の勉強会の進行↓
-
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2020年11月8日(日)10:30-12:00 場所:zoom
1.はじまりの確認(チェックイン)
① 呼んで欲しい名前   ② 何に動かされてここに来ましたか?
2.これまでの振り返り
医療・支援サービス機関で働くこと (7巻 p.3~)
ここでは、他の人たちの行動や考えとは違って見えたとしても、ピアサポートをしていくことに焦点を当てます。従来の精神保健サービス(医療や福祉)に関わっていると、いろいろな問題が持ち上がってきます。何がピアサポートによってもたらされるのかに焦点をあて、ピアサポートではない役割に陥らないようにし、私たちは何をしていて、それはどうしてなのかを明確に説明できることが大切です。
3 
村上さん(あなた)は、江川さんとピアスタッフとして関わっています。村上さんと江川さんは何でも話すことが出来ているようです。そしてある日、江川さんは村上さんに「あなたが私と会って話すのは、ここで雇われているからですよね」と言います。村上さんは何と言うでしょうか?
村上さんは、江川さんの“語られていない”ストーリーを聞けるとよいのかもしれません。二人の関係は、この時点まで、とてもうまくいっていたわけなので、江川さんが、パワーの不均衡を感じたのは、何かがあったからなのかもしれません。時に人は、強いつながりを作ると、相手が離れていってしまうのではないかと恐れます。その思い込みに触れずにその周辺を行き来するよりも、そのような感情をテーブルの上に置いてしまったほうが(お互いに見えるように出すほうが)、はるかによいでしょう。
3.医療・支援サービス機関で働くこと 続き (7巻 p.4~)
例4
松本さんと長谷川さんは、地元の精神保健センターで一緒に働き始めてしばらくたちます。お互いに思いを共有し合う関係でいて、組織の中でピアの声を作り上げていることを誇りに思っています。しかし、松本さんは、長谷川さんが自分のことをスタッフと呼び、“自分の担当利用者”について話していることに気付き始め、長谷川さんが、ピアサポートの視点を失いつつあるかもしれないと心配しています。ある日、廊下で、医師が長谷川さんに、長谷川さんの担当している利用者の一人がどんな具合か尋ねているのを耳にします。長谷川さんは、その人は調子を崩し始めていて、変わろうとする気がないと答えています。ここでは何が問題になっていますか?松本さんは何をすべきでしょう? 
 
ここにはいろいろな問題が絡んでいます。第一に、長谷川さんがそこにいない人のことを医師と話をしているという事実は、ピアサポートの核となる価値「私たちに関することを私たちのいないところで行わない」に反しています。第二に、長谷川さんは、長谷川さんの気になっていることについて、医学の枠組みを使って表現しています。これはその利用者の人に影響をもたらすだけでなく、自分の感情に責任をとっておらず、ピアサポートに基づいた話をしていません。
松本さんは、長谷川さんと二人で話をしたいと伝えるか、状況によっては、スーパーバイザーを交えて話をしたいと言うことが出来るかもしれません。松本さんは、廊下でのやり取りが松本さんには居心地の悪い思いがしたこと、長谷川さんがどうしてそのような対応をしたのかを理解したいと言うことが出来るかもしれません。このやり取りが、ピアサポートの知識と価値をどのように反映しているかを聞くことも出来るでしょう。松本さんは、自分が同じように難しい状況に置かれたとき、軌道(ピアサポートの道)から外れてしまったときに、どうやって戻ってきたかについて話すことが出来るかもしれません。松本さんは長谷川さんをコントロールすることはできないのですが(そうすべきでもありません)、大切な学びについて、協力し合う関係を作ることはできます。
4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
【今後の予定】 12月:12/5(土)15:00-16:30 ZOOM

2020年10月11日(日)zoomでのIPS勉強会のご報告

2020年10月11日(日)10:30-12時にIPS東京勉強会をzoomで開催しました。

本日も、東京の方が多数ではありつつも、北海道から九州までさまざまな地域から13名の方がご参加くださいました。

ここ何ヶ月かは、IPSのワークブックの7巻の、精神保健の援助機関で働いていると生じるかもしれない状況の例を題材に、ピアサポートについて考えています。

まずは先月の振り返りで「向井さんは、自宅で暮らす精神疾患を有する方への訪問支援チームで、ピアサポートスタッフとして働くことを依頼されました。チームについて説明を受けたとき、薬を処方された通りに飲んでいない人がいたら、即座にチームに報告することが職場の決まりであることがわかりました。 向井さんは、強制治療を良いものだとは感じていません。向井さんはどうするでしょうか?」という例からでした。

  • 薬を飲んでいるか飲んでいないかということを知るだけであれば強制治療ではないけれど、飲みなさいと言うとしたら矯正治療で、そうなるとしんどい部分が出てくる。
  • 自分がこの状況にあったら言わないかも。今の医療の現状の中で、心の声に照らすと苦しい感じ。
  • スタッフと職場のはざまで身動きが取れなくなった経験があるので身につまされる。
  • せっかくピアスタッフなので、自分の薬を飲んだ経験とか、当事者である部分を利用したい。
  • このチームが矯正治療をするということとは限らないのではないか。
  • 自分がチーム伝えたことで、薬を飲んでないって向井さんから聞きましたよ、と、その人に治療が強制されたりするのは嫌かも。

などの話が出ました。また、先月、ピアサポートとしてしたいことは、薬を飲んでるかどうか確認したりチームに報告したりすることではないのではないか。といった話もしたことも共有されました。

続いて、今日の勉強会の題材の例です。

村上さん(あなた)は、江川さんとピアスタッフとして関わっています。村上さんと江川さんは何でも話すことが出来ているようです。そしてある日、江川さんは村上さんに「あなたが私と会って話すのは、ここで雇われているからですよね」と言います。村上さんは何と言うでしょうか??

  • 「そうですね」といいそう。自分がここで働いていたから、江川さんと出会えました、とは思う。
  • 何をもってこのことを言っているのかを知りたいと思う。もっと会いたいとかそういうことなのか、どんなつもりでそう言ってるのかなと知りたい。
  • 働く人、仕事をする人になりたいから言っている場合もある。
  • 親しくなりたいという相手の気持ちがわかったとしても、自分の気持をテーブルの上に出すのも怖い。
  • これも、誰が鍵を持っているか、に関わる話と通じると感じた。
  • ご縁とか運命とか、あいまいなものに預けてもよいのかな、とも思う。
  • 仕事と違う場で支援者の人と会ったときにつっけんどんで、自分のそれまで知っていたその人の親切だったり優しかったりというのは仕事だったからなんだなと思ったことを思いだした。
  • お金が介在すると混乱してくる。自分がやっていることと、受ける利益。

以下、勉強会全体の感想も交えながら
  • テーブルに置く、自分にも相手にも見えるように差し出す、というような表現が好き
  • 義務感からやるのは嫌だ、自分の心が喜ぶことをしたい。
  • ここで雇われているからですよね?と、ピアスタッフだから言ってもらえることかもしれない。
  • お金のためにやっていることではなくても、お金が生じてしまうと、周囲も感覚が変わってしまう。
  • 当事者の架け橋、代弁者、先ゆくものとして、といった言葉が心に残った。
  • 村上さんもピア(同じ立場の仲間)を持つのがよいのでは。
  • すぐ行動したり思考が働くことをおさえる、ゆっくりとかみしめる、みたいなのを味わう。
  • お金をもらっているかどうかよりも、心の距離が気になった。触れられる近さだと、殴ったり傷つけたりもできてしまう。
  • どうこたえていいかわからなかった。
  • 仕事だから話聴いてくれてるんでしょ?って、考えようとしても、江川さんの気持ちや、自分の問題が入ってきてしまった。
自分に見えていなかった視点や、考え方に触れられた勉強会でした。ご参加くださったみなさま、どうもありがとうございました。

次回:
11月8日(日)10:30-12:00(ZOOMによる開催)
東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

-私(ゆっきぃ)のひとりごとです-
自分の心が喜ぶことをしたい、こうしなきゃ、と思ってやるのは苦しい、という参加者の方の言葉に、ほんとにそうだなぁと感じました。つい、お給料もらうならこれをしないといけないのでは、とか、職場から求められることに従わなければならないのでは、と思ってしまいがちだけれど、そう思っている自分に気づいて、自分の心が喜ぶことをできたらいいなぁと思いました。
-ひとりごと終わり-

今日の勉強会の進行↓
-
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2020年10月11日(日)10:30-12:00 場所:zoom
1.はじまりの確認(チェックイン)
• 呼んで欲しい名前
• 何に動かされてここに来ましたか?
2.これまでの振り返り
医療・支援サービス機関で働くこと (7巻 p.3~)
ここでは、他の人たちの行動や考え、見方とは違っているように見えたとしても、ピアサポートをしていくことに焦点を当てたいと思います。従来の精神保健サービス(医療や福祉)に従事していると、いろいろな問題が持ち上がってきます。なので、何がピアサポートの貢献なのかに、しっかりと焦点をあてている必要があります!そのためには、ピアサポートについてよくわかっていて、他の役割に陥らないようにし、私たちは何をしていて、それはどうしてなのかを明確に説明出来ることが大切です。
例2 
向井さんは、自宅で暮らす精神疾患を有する方への訪問支援チームで、ピアサポートスタッフとして働くことを依頼されました。チームについて説明を受けたとき、薬を処方された通りに飲んでいない人がいたら、即座にチームに報告することが職場の決まりであることがわかりました。 向井さんは、強制治療を良いものだとは感じていません。向井さんはどうするでしょうか?
向井さんは、“鍵を持っているのは誰か”を連想させる、とても難しい立場にいます。向井さんは、決まりにただ従い、これも仕事の一部だと思うことも、あるいは、それに対して何が出来るかを考えることもできます。また上司に、ピアサポートの役割と価値について話し、こういった報告はピアの関係を損なうものだと示すことも出来ます。もしこの決まりに交渉の余地がないのであれば、向井さんは、この環境でピアサポートを本当に出来るかどうか、倫理的な判断をしなければならないかもしれません。
3.医療・支援サービス機関で働くこと 続き (7巻 p.4~)
例3
村上さん(あなた)は、江川さんとピアスタッフとして関わっています。村上さんと江川さんは何でも話すことが出来ているようです。そしてある日、江川さんは村上さんに「あなたが私と会って話すのは、ここで雇われているからですよね」と言います。村上さんは何と言うでしょうか?? 
 
「お金をもらっているからじゃないよ!お金もらっていなくても、江川さんと会いたいと思うよ」と言えば、気分よく感じるでしょう。でも、大切な点を見逃しています。一つは、村上さんはお金をもらっているから、そこにいるのです。そしてまた、意図を持って、そこにいます。本当の気持ちを言っているかもしれませんが、ピアサポートの役割と友達の役割との違いをはっきりさせる必要があります。村上さんは、江川さんの“語られていない”ストーリーを聞けるとよいのかもしれません。二人の関係は、この時点まで、とてもうまくいっていたわけなので、江川さんが、パワーの不均衡を感じたのは、何かがあったからなのかもしれません。時に人は、強いつながりを作ると、相手が離れていってしまうのではないかと恐れます。その思い込みに触れずにその周辺を行き来するよりも、そのような感情をテーブルの上に置いてしまったほうが(お互いに見えるように出すほうが)、はるかによいでしょう。 
村上さんは、江川さんに、より本物のつながりと感じるためには、どうする必要があるのかを訊くことも出来ます。最後に、彼らが友達になれば、片方が報酬を受けている関係から離れ、少し違った役割に変わることについて、どんな感じがしそうかも話しあう必要があるでしょう。
4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
【今後の予定】 11月:11/8(日)10:30-12時 ZOOM

2020年9月13日(日)zoomでのIPS勉強会のご報告

2020年9月13日(日)10:30-12時にIPS東京勉強会をzoomで開催しました。

本日は12名のご参加でした。参加したくて、でもzoom等での参加が難しい状況にある方も参加できるためにどんな方法があるかについてや、支援組織の中でピアサポートスタッフとして働くことについて話しました。

まず、個人でインターネットにつながる端末がない、インターネット環境がないなどで、現時点でzoom等での参加が難しい状況にある方もいることについて。
  • zoomの環境がある人のところへ行き、一緒に参加する
  • zoom環境にない人に限定して参加できる場所を設ける
  • この時間だけネットカフェに行くとか(カメラとマイクはオフでチャット参加ならできそう)
  • 公共施設等でパソコンを開放している機関の活用 
    参考:東京都障害者IT地域支援センター https://www.tokyo-itcenter.com/700link/tonai-kaiho-23ku.html
  • 地活でPCを貸してくれるところもあった
  • ネットへのアクセス権は現代社会で人権でもあるという考え方もある
  • どんな人もインターネットを利用できるように整備すべきとも思う
  • 人によってはデバイスを持ってしまうと依存症になってしまうことも。通信制限の中でやることも。
  • zoomは便利、遠い人も参加できる
  • zoomは便利だが、対面とはやはり違う

などさまざまな意見やアイディアが出され、また今後も引き続き情報や懸念の交換をしていくこととなりました。

続いて、今日の題材です。今日も前回からの続きで、「医療・支援サービス機関でピアサポートスタッフとして働く」ことについてです。

例として、「訪問チームでピアサポートスタッフとして働くことになりそうなときに、薬を処方されたとおりに飲んでいない利用者さんがいたら、即座にチームに報告することが決まりであるとわかった」という例です。

たくさんの考えが共有されました。ご意見やご感想をご紹介します。

  • 本人がどうして飲んでいないか、状況を確認したい。そのことをふまえてチームに報告するのがいいのかな、と思うが、それまでは言わずにおく可能性がある。薬を処方されるのが本当にそれが正しいかどうか。薬剤師の人に、こういう状況なのですが、と聞きたい気もする。
  • 決まりではあるので、報告するということもあると思う。報告することになっているけどどうする?と本人に聞くことはするだろうなと。本人はどうしていきたいのかを聞くかも。処方されたとおりに飲まないことにどのような意味があるのか。を聞きたい。
  • 「Aさんは服薬してません」を情報として周知するのはアリだとは思う。そのうえで、(1)「飲ませる強制的な行動に出る」のか(2)「なぜ飲まないのか?なぜ飲みたくないのか本人に聞く」チームがどういう行動にでるのかが問題だと思った。(2)に導けるのはピアスタッフだと思う。
  • どういうことでこういった決まりがもうけられているのかを聞いてみる。自分の知らなかった情報が出てくることで、お互いに工夫する余地が出てくるのかなと。
  • ちゃんと飲むためにはやめるプロセスも含まれているということも聞いたことがあるので、チームでプロセスを見守るためなら報告することはしてもよいのかなと思う。一方で、無理やり薬を飲ませようとする、入院させるのであれば、それは見方や考え方を話し合うことが必要と思う。
  • ピアサポートスタッフの自分を守るという意味で、報告はした方がよいのだろうと思った。一人の考えで突っ走る、閉じこもるということだけでなく、職場全体で共有するということをした方がよいのだろうなと思った。しかし、このことが即強制治療につながるかどうかを知っておく必要があるし、自分が良いとは思わないということを言うべきだと思うし、本人と話していくことは必要だろうと思う。
  • チームに報告しても、それがどのようにチームの中で話し合われるかわからないので、チームに報告される前に、もしそういうことがあった場合に、チームではどういうことが行われますか、とチームと対話したい。
  • 薬を飲まないことで悪いことが起きていないか、健康を確認する。今はよかったとしても、今後わからないから飲むことをすすめる。 飲んでもらえるようにコミュニケーションを取る。ピアスタッフとして心配だから、他の人に伝えるよ、と言う。飲まないで症状が悪くなったとか、経験があるから話せることを話して、考えてもらう。
  • 「誰が鍵を持っているのか」という立場について。ワークブックに”向井さんは、“鍵を持っているのは誰か”を連想させる、とても難しい立場にいます。向井さんは、単に、決まりに従って、これも仕事の一部だと思うか、あるいは、それに対して何が出来るかを考えるかもしれません。ずっと以前に決まりが作られていることがあるので、向井さんは、どのようにして、いつ、決まり(職場の規約)の見直しが行われるのかを尋ねることが出来るでしょう。もしそういう機会がないのなら、規約の見直し委員会を立ち上げようと提案出来るかもしれません。また上司に、ピアサポートの役割と価値について話し、こういった報告はピアの関係を損なうものだと示すことも出来ます。もしこの決まりに交渉の余地がないのであれば、向井さんは、この環境でピアサポートを本当に出来るかどうか、倫理的な判断をしなければならないかもしれません。”とある。
  • 自分が働いていた職場で、利用者の方と自分をへだてている感じに最初違和感があった。しかしそういうことに麻痺してきてしまって。自分は鍵を持つ方の人間になって、それに対する違和感を忘れちゃいけないのかな、と。支援者もどきになっちゃいけない。
  • 規約を変えるというのは、正直しんどい。規約を変えるには時間がかかる。だから、最初から、自分の立ち位置、考え方を伝える、就職の最初から伝える、でもそうするとそこには就職出来なかったり。
  • 報告することには重きを置いていない。病院側に、なんで報告しなければならないのか?聞いてしまうかも。規約を変えることにパワーをさきたくない、あきらめているところもあるかも。
  • 薬のことって、公的なことというよりは、プライベートなことのように自分は思うので、勝手に他者に共有されるのは、人権侵害なのではないかと思ってしまう。
  • 薬を飲むか飲まないかは本人が決められることだという思いがある。それをできないなら利用しちゃいけないとか言われるとすると人権侵害なのではないかな、と。
  • ピアでないスタッフの人達が、決まりだから、薬をのませてください、と言うのであれば、自分はピアだからそれはできない、と答えることもできる。ピアであることの強みは、共感し寄り添うこと。なので、薬を飲ませることは、共感し寄り添うことではない。なので、ほかのスタッフがやってくれ、と。
  • 一緒に働いている支援者、上司に、「支援者にならないでね」、と言われたことがある。支援者に自分もなりかけているのではないか、と思った。
  • 難しい立場。答えはないのかもしれない。向井さんはこういった状況について考えるのも、対応するのも一つだけど、あらためて、自分はピアサポートスタッフとして、どういうことを期待されているんですかね、と職場と話し合ったり、ピアスタッフの仲間と、ピアスタッフの倫理ってどういうことなのかね、と自分の学びを深めていくことで、この難しいことを深めていくのかな、と思う。
  • 意図的なピアサポートは、社会変革の一つなのだとシェリーさんから聞いたことがある。でも、社会変革は一人でやるのはつらい、皆で話し合いながらやってくこと大事そう。
  • 「一方だけが鍵を持つ」というのは権威づけとして重いこと。向こう岸とこっちの岸をわけてしまうのが印象的でした。規約に疑問を持って、毎回、組織と戦うことになったら向井さんは疲労してしまう(ピアサポスタッフが長続きしない)、そんなことが心配でした。
とても重要なテーマについて、さまざまな話をでき、濃密な時間でした。
ご参加くださった皆様、どうもありがとうございました。

【次回の勉強会予定】
10月:10月11日(日)10:30-12時(ZOOMによる開催)

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

-私(ゆっきぃ)のひとりごとです-
ピアサポートとは、何をすることか。仲間、ピアとは、誰かに何かをさせようとする人ではなくて、共感して寄り添ってくれる人だとすると、仲間としてピアサポートをするということと、支援組織で働くということは、すごく大変な葛藤をかかえたり、いろんなことに苦しくなったりもあることだよなと思いました。。今日、いろいろな意見や考えについて皆さんとお話しをすることができて本当に感謝です。
-ひとりごと終わり-

今日の勉強会の進行↓
-
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2020年9月13日(日)10:30-12:00 場所:zoom
1.はじまりの確認(チェックイン)
• 呼んで欲しい名前
• 何に動かされてここに来ましたか?
2.これまでの振り返り
医療・支援サービス機関で働くこと (7巻 p.3~)
ここでは、他の人たちの行動や考え、見方と相反するように見えたとしても、本当のピアサポートを維持することに焦点を当てたいと思います。従来の精神保健サービスに従事していると、いろいろな問題が持ち上がってきます。なので、何がピアサポートの貢献なのかに、しっかりと焦点をあてている必要があります!そのためには、ピアサポートについてよくわかっていて、他の役割に陥らないようにし、私たちは何をしていて、それはどうしてなのかを明確に説明出来ることが大切です。
例1 
細川さんは、ピアスタッフとして、支援センターで働き始めたばかりです。初めは(職場の)人々は友好的で、親切だったのですが、細川さんが自分の意見を主張し始めたら、見下されているか、問題を理解していないと言われるかのどちらかであるように細川さんは感じるようになりました。細川さんは長い間働いていなかったので、この仕事を続けたいと強く願っています。 細川さんはどうするでしょうか? 
こんな風に言えるかもしれません。 「私は違う見方をしていて、あなたの理解の仕方とは違うと思われるだろうということも、想像出来ます。時間がかかることでしょうが、私は、自分の見方をあなたに話し、そのとき、あなたがどんなふうに反応したと感じたかを、もう少しあなたに伝えることができればと思っています。そして、あなたの見方と、私がこの仕事をしていることに対して あなたがどう感じているのかを、聞かせていただけると嬉しいです。」
3.医療・支援サービス機関で働くこと 続き (7巻 p.3~)
例2
向井さんは、自宅で暮らす精神疾患を有する方への訪問支援チームで、ピアサポートスタッフとして働くことを依頼されました。チームについて説明を受けたとき、薬を処方された通りに飲んでいない人がいたら、即座にチームに報告することが職場の決まりであることがわかりました。
向井さんは、強制治療を良いものだとは感じていません。
この状況に向井さんはどのように対処するでしょうか?

向井さんは、“鍵を持っているのは誰か”を連想させる、とても難しい立場にいます。向井さんは、単に、決まりに従って、これも仕事の一部だと思うか、あるいは、それに対して何が出来るかを考えるかもしれません。しばしば、機関が大きく変化するずっと以前に決まりが作られていることがあるので、向井さんは、どのようにして、いつ、決まり(職場の規約)の見直しが行われるのかを尋ねることが出来るでしょう。もしそういう機会がないのなら、規約の見直し委員会を立ち上げようと提案出来るかもしれません。また上司に、ピアサポートの役割と価値について話し、こういった報告はピアの関係を損なうものだと示すことも出来ます。もしこの決まりに交渉の余地がないのであれば、向井さんは、この環境でピアサポートを本当に出来るかどうか、倫理的な判断をしなければならないかもしれません。
4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
【今後の予定】 10月:10/11(日)10:30-12時 ZOOM

2020年8月9日(日)zoomでのIPS勉強会のご報告

 2020年8月9日(日)10:30-12時にIPS東京勉強会をzoomで開催しました。

本日は12名のご参加で、ピアサポートについてや、相手を尊重しつつ、自分の気持ちを言うことについてなど話しました。

今日の題材は、前回からの続きで、「医療・支援サービス機関で働く」にあたり、はじめは職場の人は親切だったが、自分の意見を主張し始めたら、見下されているか、問題を理解していないといわれるかのどちらかであるように感じるようになった、、、というIPSのワークブックの例と、そのような状況の中で、敬意を示しつつ、対話を作ることについてです。

今日の勉強会で出た話題や感想を順不同にご紹介します。

  • 常識がつらいのに、ピアサポートで常識にとらわれたり他の当事者に常識を押し付ける場になってしまうことに対する疑問
  • ナイーブな声がどんどん出るところが豊かな場所
  • 普通こうでしょ、とか多数派の意見が強いみたいな感じがするが、弱い立場、少数派の意見こそ大切にしていきたいと思う
  • 敬称や肩書ではなく「さん」で呼ぶことで、関係が変わったり。
  • お互いに「さん」で呼ぶ文化の中から、そうではない場(たとえば、〇〇部長、とか、医師のことは「先生」と呼ばないといけないとか)に行ったときに、どうふるまうべきかとか悩んでしまったり、そこの文化に屈してしまったり。
  • 何か意見を言って、主張し始めた、って言われちゃうようなところだと怖くなってしまうので、IPSのグループとか、実はこう思っているということを話せるグループにいると、気持ちが元に戻せる。
  • 率直に思うことを話せる場、素の自分でいられるのが楽。今の自分を否定して、一生懸命努力すると、このままではだめだという気持ちになってしまうが、今のままで十分いい、と。たとえ言葉をかけなかったとしても、ほっとすることある。
  • みんなでいろんな意見を言うと、衝突があったり、表面がきれいではなくなるけど、いろいろあるけど楽しいな、となるのでは。言い合いとか意見のぶつかりってあるけれど、話し合うことに意味がある。
  • 主張にしにくい人の意見をひろいあげることができるようになれるといいなと思う。
  • それぞれに歴史があって、経験とかも影響を与えているかも。
  • 自分が正しいと主張したり相手を言い負かすのではなく。自分が見下されて怒りがわくということは自分もしているからかもしれないと最近気づいたところ。
  • 哲学対話というものがある。また、いきなりいろんな利害関係のあるようなことを話すのではなく、普段からお互いに話をしておくと、考え方などわかってよいと聞いた。
  • ピアサポートという仕事が、大切な仕事だと理解され、確立されることも大事。良いものは取り入れ、悪いものは変えていく、一人では変えていくことができないことも、誰かが一歩踏み出すことで、あとの人が賛同してくれたり限界を超えることができるかも。
  • 他人と比べる気持ちを手放したり、病気である自分を手放す、とか、そんな時間が自分にはよかった。そういったことがピアサポートで大事にされるとよいのかな。
  • 相手を尊重する対話。相手の中で起こっていることを聴いていくことが自分にできているだろうかと感じた。
  • 気持ちを聞くと、気持ちには寄り添える感じはあると思った。
などの話をしました。
今日もピアサポートについてや、対話についてお話しできて、学びの多い濃い時間でした。ご参加くださったみなさま、どうもありがとうございました。

【次回の勉強会予定】
9月:9月13日(日)10:30-12時(ZOOMによる開催)

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

-私(ゆっきぃ)のひとりごとです-
自分はこう感じたんだ、とか、自分の気持ちを言える場があるということは、とても重要だと感じました。また、こうすべき、とか、そういうことではなくて、自分はこんな風に感じたんだな、とか自分の気持ちに気づくことで、相手にとってはどんな風な世界が広がってるのかな、と思いをはせることもできるかもと思いました。
-ひとりごと終わり-

今日の勉強会の進行↓
-
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2020年8月9日(日)10:30-12:00 場所:zoom

1.はじまりの確認(チェックイン)
①呼んで欲しい名前  ② 何に動かされてここに参加しましたか?

2.これまでの振り返り
ピアサポートって?どんな場?
医療・支援サービス機関で働くこと (7巻 p.3~)
 ここでは、他の人たちの行動や考え、見方と相反するように見えたとしても、本当のピアサポートを維持することに焦点を当てたいと思います。従来の精神保健サービスに従事していると、いろいろな問題が持ち上がってきます。なので、何がピアサポートの貢献なのかに、しっかりと焦点をあてている必要があります!そのためには、ピアサポートについてよくわかっていて、他の役割に陥らないようにし、私たちは何をしていて、それはどうしてなのかを明確に説明出来ることが大切です。
 例1 細川さんは、ピアスタッフとして、支援センターで働き始めたばかりです。初めは(職場の)人々は友好的で、親切だったのですが、細川さんが自分の意見を主張し始めたら、見下されているか、問題を理解していないと言われるかのどちらかであるように細川さんは感じるようになりました。細川さんは長い間働いていなかったので、この仕事を続けたいと強く願っています。 細川さんはどうするでしょうか?

3.医療・支援サービス機関で働くこと 続き (7巻 p.3~)
 例1はそれほど珍しいことではありません。周りにあわせたいと強く思い、自分の知識の基盤に疑問を持ち始め、どんどん伝統的な役割を取ることになります。結局のところ、“波紋を起こす”よりも、文化に溶け込むほうが、簡単で、安全です。別の落とし穴は、意識しないうちに自分にされたことをしてしまうことです。これらの方向に進むことは、グループの一員と感じることの助けになるかもしれませんが、もはや、ユニークな視点を持ち込むことはないでしょう。
 敬意を示しつつ、自分の考えを保持し、対話を作りながら、この状況にチャレンジする方法がいくつかあります。まず第一に、問題を感じている人と直接話をすることが出来るでしょう。こんな風に言えるかもしれません。
「私は違う見方をしていて、あなたの理解の仕方と矛盾しているように思えるかもしれないということは、想像出来ます。時間がかかることでしょうが、私は、自分の見方をあなたに話し、そのとき、あなたがどんなふうに反応したと感じたかを、もう少しあなたに伝えることができればと思っています。そして、あなたの見方と、私がこの仕事をしていることに対して あなたがどう感じているのかを、聞かせていただけると嬉しいです。」

4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

【今後の予定】 9月:9/13(日)10:30-12時 ZOOM
-

2020年7月12日(日)zoomでのIPS勉強会のご報告

2020年7月12日(日)10:30-12時にIPS東京勉強会による「IPSやピアサポート勉強会」を開催しました。 3月からずっと、いつも会場としている大学の教室を使えておらず、今回もzoom(ズーム)での開催です。
今日も日本各地から15名のご参加がありました。
前回(6月)から、お話や近況報告だけでなく、意図的なピアサポート(IPS)のワークブックも一部参照しながらの勉強会に戻っています。

今日は、「ピアサポートから得ているものは何か?」ということをまず話し合いました。
それぞれの経験から

  • 自分の気持ちをわかってもらえた気がする
  • そんな見方があるんだ!と発見がある
  • ほかの人のやったことなどを聞いて、自分もそれしてみたい!と思ったり。
  • ほかのひとにこんなこと話しても。と思ってなかなか言えないことも、話して共有できることがある。大事なことを気づかせてもらえる
  • いろんな考え方があることにを見つけられる場
  • 安全な場。自分が受け入れられているという感じを受ける。自分がいてもいいんだと思える。尊重される。存在が肯定される。
  • 人の話を聞いて、自分も成長できる、回復していく感じ。どんな薬よりも。
  • ほかの講座では「自分の経験を生かして働いてみませんか」ということだったが、IPSでは学びとか変化とか、人とのつながりとかについて扱っていてピアサポートにも少し違いも感じる
  • 自分を知りたい。人の話を聞いていると、自分だけでは出てこなかった自分が相手の中にいたりする。自分がどんどんほどかれて、癒されていく。
  • 脳の握手が起きている。相手の人の視点が入る。自分が変わったり。
  • ほかの人にはわかってもらえないことも、自助会に行くと、すごく苦労している、頑張っているとわかってくれて、やっと理解者がつながってくれたという感じ
  • 仲間から、いろんな面で支えてもらった。自分がやりたかったことをあらためて気づくことができて、いろんなことにチャレンジしてみようと思った。
  • 自分が調子を崩していたときに何も言わずにそばにいてくれた。ああしなさい、こうしなさいとか言わずに。どうこうしようとしないスタンスが大事だと思っている。
  • 自助グループに通い始めたときに、挨拶されて、よくきたね、と声をかけてもらえたのがうれしかった。寄り添い感。

などなど、たくさんのものが出てきました。

そのようなピアサポートの関係となっていきたいと考えていても、たとえば、医療や支援機関で「ピアサポート」に関わる人として働いたり活動することになったときに、大事にしたいと思っていることが制限されたりすることがあります。
そのようなとき(ピアサポートでしたいと思っていること、ピアサポートで大事にしたいことと、職場のほかの人たちの行動や考えとが違うとき)にIPSの考え方に基づいてどんなことができるでしょうか?
そのことについて、ワークブックの7巻に記載があり、今日はそれについて後半で話し合いました。

後半は、小グループで話し合いたい方と大グループが良い方とで分かれて意見交換をしました。 
(こちらについては、今日は時間切れとなってしまいましたので、また来月も継続したいと考えています。)

チェックアウトと感想です。

  • 以前面接に行ったところでは、その施設の言うことを聞いてくれる当事者だけが欲しいと感じたことがあった。
  • テーマが難しかった。
  • 周囲と自分と考えが違うときには、相手や周りが変わりたくなるようになるには自分は何ができるんだろうかと考えたいと思った。
  • ピアサポートの活動をしていても、他の職種とやりとりをすると、よほど芯を強く持っていないと、相手の圧倒的な経験や知識などを感じてしまい、自分の経験とかがどれだけ役立つんだろうと思ってしまうことがある。ぶれないような何かをもっていないと。自分の中でも振り返っていく必要があるのだと思った。
  • 自分がピアスタッフだったら、利用者さんが何か伝えてくれたら、そのことに感謝をして、そういったことを言いやすいような状況や関係性を作れるようなことをしたい。
  • (今日の話の中で)考えるべきだという話を聞いてざわめきが起きている。

ここまでで時間オーバーとなってしまいました。勉強会終了後に残りたい方で残って、さらに意見交換をしました。

今日もいろいろな考えをお聞きすることができて、自分にとってはとても学び多い時間でした。ご参加くださったみなさま、どうもありがとうございました!
またお話できるのを楽しみにしております。

【次回以降の勉強会予定】
8月:8/9(日)10:30-12時(ZOOMによる開催)
東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

-私(ゆっきぃ)のひとりごとです-
ピアサポートから、尊重される感じ、寄り添われている感じ、自分もチャレンジしてみようと思ったり、見方が広がる、ということが今日の話の中でもたくさん出てきました。しかしながら、ピアサポートをしてください、と言われている職場でも、こうした、ピアサポートで大切にしたいことが達成されないような仕組みや周囲の世界観の違いなどがあることも多いと感じています。そのようなときに、ピアサポートで大事にしたいのはなんだっけ、とか、この状況でどんなことができるだろう、ということを振り返ったり考えたりする時間や、その振り返りや考えを支持したり応援する仕組みがあることは、患者・利用者さんのためにもですが、大切なことをしたい人のたましいが傷つかないためにも、重要だと感じました。
-ひとりごと終わり-


今日使ったワークブックの箇所↓
(IPSワークブック7巻 p.3~)
医療・支援サービス機関で働くこと 
ここでは、他の人たちの行動や考え、見方と相反するように見えたとしても、本当のピアサポートを維持することに焦点を当てたいと思います。従来の精神保健サービスに従事していると、いろいろな問題が持ち上がってきます。なので、何がピアサポートの貢献なのかに、しっかりと焦点をあてている必要があります!そのためには、ピアサポートについてよくわかっていて、他の役割に陥らないようにし、私たちは何をしていて、それはどうしてなのかを明確に説明出来ることが大切です。職場の同僚への教育も非常に重要です。その人たちは、この種のピアサポートについて何を知っているでしょうか?彼らが持っているピアサポートについての思い込みはどのようなものでしょうか?その機関のより大きな文脈の議論に、どの程度私たちを参加させるつもりでしょうか。また、多くの機関では、臨床家がピアにスーパービジョンをすることになっています。すべてのスーパービジョンは、ピアサポートにしっかりと根ざしていて、この種の援助は何が違うのかについて学ぶつもりがなければなりません。
<中略>

まず、援助機関で働いていると生じるかもしれない状況の例を挙げます。それから、それらの状況で、どのようなピアサポートの技法が使えるかを考えてみましょう。

例1
細川さんは、ピアスタッフとして、支援センターで働き始めたばかりです。初めは(職場の)人々は友好的で、親切だったのですが、細川さんが自分の意見を主張し始めたら、見下されているか、問題を理解していないと言われるかのどちらかであるように細川さんは感じるようになりました。細川さんは長い間働いていなかったので、この仕事を続けたいと強く願っています。
細川さんはどうするでしょうか?

例2
向井さんは、ACTチーム(包括的地域生活支援チーム)で働くように頼まれています。チームに紹介されたとき、薬を処方された通りに飲んでいない人がいたら、即座に報告することが規約の一つであることがわかりました。向井さんは、強制治療を信じていません(あるべき姿だとは思っていません)。
この状況に向井さんはどのように対処するでしょうか?

2020年6月14日(日)zoomでのIPSお話し会のご報告

2020年6月14日(日)10:30-12時にIPS東京勉強会による「IPSやピアサポートお話しの会」を開催しました。
3月、4月、5月に引き続き、zoom(ズーム)での開催です。

今回も日本各地から16名のご参加がありました。

3-5月は、毎回1時間で実施していたのですが、始まりの確認をしたら、もう感想の時間!みたいな感じで大忙しだったので、今回は90分にのばしてみました。

いつも対面で集まっていた会場に、この夏の間は集まるのが難しそうなこともあり、zoomでのIPS勉強会の試行錯誤を今日もさせていただきました。
今日は、2月の勉強会(自分が同意できないことを誰かから言われたとき)の振り返りをしてから、7巻の「電話相談でピアサポートを活用する」にあることを考えるためのお題で話し合いました。

お題は「電話、zoom、対面でピアサポートは何が違うでしょうか?」です。
小グループで話したい方は小グループに、大きなグループが良い方とどちらでもよい方は大きなグループで話しました。

  • 伝わりやすさが違うようにも感じるが慣れてるかどうかの違いの部分もあるかも。
  • 電話は相手の表情が見えない、zoomだと上半身しか見えていない。
  • そもそも対面していても表情を読み取ることができない自分はzoomでもたいして変わらない。
  • 電話だと個人対個人の関係の良しあしが強くなってしまう側面もあるのでは。
というような話から、 アバター店員さんと話をできる飲み屋さんの話となり、
  • 知っている人・顔を見ているから安心して話せること
  • 相手を困らせたくない、言いにくいことなど、知らない人や顔が見えないから話せること
というのもあるかもしれない。
というような、さまざまな話をしました。

また、

  • ZOOMの場合には、ほかの人たちが話しているところへ入っていくのは難しい。
  • 話の軌道修正を提案してくれる人もいるとよいかも。
  • zoomは接続するまでのエネルギーがかかる。
  • zoomにも次第に慣れて、使いこなせるようになるとよいかも。

というようなお話がありました。


今日の感想で「いろんな人の意見や考えを聞くこと、とても豊かになる」という感想を言ってくださった方がいて、
私もみなさんの声を聴いたりチャットを読んだり、いろいろな意見や視点に触れ、とても豊かな気持ちになりました。

ご参加くださったみなさま、どうもありがとうございました。

次回もZOOMでの開催です。
7月12日(日)10:30- を予定しています。

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoomお話し会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

2020年5月17日(日)zoomでのIPSとなんでもお話し会のご報告

2020年5月17日(日)11-12時にIPS東京勉強会による「IPSやピアサポート何でもお話しの会」を開催しました。
3月、4月に引き続き、zoom(ズーム)での開催です。

 今回は日本各地から24名のご参加がありました。
ひとり暮らしをしていて、誰かとお話ししたくてご参加くださった方、 
このお話し会の自由な雰囲気が良いとご参加くださった方、
人とつながれる機会ととらえてご参加くださった方など、さまざまです。
人と話す機会がなかなかない、とおっしゃる方が多かったですが、 
お仕事は続いている方もいたり、さまざまな状況をお聞きできて 
ずっと家の中で過ごしていた私も、
なんだか少しまた世界とつながった感じがしました。

今回はZOOMのブレイクアウトセッションという、
グループごとに話す機能を使うことにして 
4人グループの小人数でお話ししたい方と大きなグループに残りたい方と
分かれてお話ししました。

お話し会が終わった後も、
ZOOMの話、社会の話、リカバリーの話など
ゆったりお話しができてうれしかったです。
どうもありがとうございました。

次回もZOOMでの開催です。
6月14日(日)10:30- を予定しています。

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoomお話し会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

2020年4月19日(日)zoomでのIPSとなんでもお話し会のご報告

2020年4月19日(日)11-12時にIPS東京勉強会による「IPSやピアサポート何でもお話しの会」を開催しました。3月に引き続き、zoom(ズーム)での開催です。

今日は21名の方にご参加いただき、①呼ばれたい名前と②地域、③ピアサポートや人との関わりでやってみていることや気付いたこと、その他何でもお話ししました。

事業所や職場がお休みとなっている方や在宅勤務となっている方、対人支援や生活必需品の販売店に変わらず出勤している方、オンライン自助グループ等が増えている方など、さまざまな状況の方がいらっしゃいました。

みなさんが今やっていることや気付いたことなども教えてくださいましたので、順不同で少しご紹介させていただきます。

  • オンライン(zoom)で自助グループや交流の場、WRAPをしている
  • 当たり前の生活を送れるようにしてくれている人達に感謝
  • 本を読んでいる
  • これまで当たり前のように思っていたことが当たり前ではなくてすごいことだったと気付いた
  • これまでいかにストレスフルな生活の仕方を送っていたかに気付いた
  • 気持ちが沈みがちだったか、人と関わらないでいるよりはと思って参加してみた
  • 人と会えなくなったが、zoomなどを通じてこうして遠くの人ともつながれることはよい
  • 「この状況が落ち着いた後にしたいこと」のリストを作る
  • 「今だからできるリスト」もいいかも
  • この状況が終わるまで自分がどうやって元気でいられるかを考えている
  • 毎日、知人達に手紙やはがきを出すようにしている。一言と絵をそえたり。いろいろ複雑な思いで過ごしている方達もいると思うので。


など、いろいろな思いや工夫を共有していただけました。

その後、お話し会が終わった後にもしばらくつないでおしゃべりなどをしていました。
その中で、オンライン診療で、主治医から電話がかかってくるというのは、これまでの関係性とは違うと思うのでどんな感じかなと新鮮に思う、とか、
話している最中に、それぞれの場所から空を見た時間があって、場所は違っても同じ空を見ていることに感動したり、
それぞれの生活音に癒やされた、人との声のやりとりに気持ちがなごんだ、との感想もいただきました。

チャットだけでご参加の方もあわせ、お一人お一人を感じられる時間でした。
どうもありがとうございました。

今回は、お話し会の11-12時はカメラオフ(通信環境が人によって異なるので皆のデータ通信量をできるだけ小さくするため)、お話し会の前後の時間はカメラをつけても良い人はカメラ自由、という風にしてみました。まだまだ試行錯誤中です、アイディア等いつでもいただければと思います。

おそらく、5月もZOOMでの開催となります。

【次回予定】
5月17日(日)11時-12時 (ZOOMでのお話し会を予定)

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。
zoomお話し会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

2020年3月15日(日)zoomでのIPSとなんでもお話し会のご報告

2020年3月15日(日)11-12時にIPS東京勉強会によるzoom(ズーム)を通じた
「IPSやピアサポートや何でもお話しの会」
を開催しました。
IPSの東京勉強会では、ウェブ会議を使うのははじめてだったのですが、
16名の方にご参加いただき、お話しすることができました。

本日は資料も配付せず、zoomに集まった方達で
1.はじまりの確認(チェックイン)
2.なんでも話す
3.おわりに何かあれば
というような形でお話ししました。

ピアサポートの場を作ること
IPSで判断ではなく観察の言葉でと言うことについて
自分を観察すること
自分を信じ、疑え
何を感じても自由
人の心の声を聴く耳を持ちたい
といったような話が出ました。

今日は、いつもの勉強会にはなかなか来られない方もご参加くださいました。
皆さんとの声のやりとりもほぼ大丈夫で、
つながることさえできれば、zoomでも、勉強会はできそうだと感じました。
回線さえ大丈夫であれば、お顔も見えることもとてもいいですね。

IPSのワークブックの輪読などはzoomで全国の有志の皆さんと、と
いうようなことも良さそうだね、というような話もできました。

今回、zoomにうまくつなげなかった方もいらっしゃったと思いますし
つながったけれど、音声の接続が難しいとか
いろいろなことがあったと思います。
また今後も試行錯誤していければと思います。

【次回以降の東京のIPS勉強会】
4月19日(日)10-12時
を予定しています。また変更がある場合にはメーリングリストと
こちらのブログに掲載いたします。

3月15日(日)勉強会の中止のお知らせ

3月15日(日)に予定しておりましたIPS東京勉強会は中止とさせていただきます。

そのかわり、11時-12時でzoomでのお話し会を開催します。
zoomのリンクは東京のIPS勉強会のメーリングリストで流しました。
メールを受け取れていない方でzoomでの会にご参加ご希望の方はゆっきぃまでご連絡ください。

次回勉強会は4月19日(日曜日)10-12時を予定しております。



2020年2月8日(土)勉強会のご報告

2020年2月8日にIPSの東京勉強会がありました。

自分が同意できないことを誰かから言われたときに、自分には何が起こるか
相手とは見え方の違うことをどのように伝えるか
などについて考えたり話したりしました。

人に言われたことに同意できないときに何が起きるかについては
・身体がかたくなる
・心の中に不満や理不尽な気持ち、モヤモヤ
・自分がどこかへいってしまう
・相手の言っていることが入ってこなくなる
・なんだと?と思う
・回避しよう避けようとしてしまう
・問い詰めたくなる(認めたくない気持ちがある)
・いらだち、伝えたい、正したい思い、モヤモヤ、不安や迷い
・いらいらして権利擁護をしたくなる
・無力感→安全な状態を作りたくなる
・おなかがぎゅっとなる
・そこから逃げたくてつい同意してしまう
などなど、いろいろなものが出ました。

自分が同意できないことを言われたときには、人には
そのようなことが起きる(ほかにもいろいろなことが起きる可能性がある)
ということを知った上で
相手とは違う意見や見方を、相手にどう伝えられるだろう。
ということを考える途中で今日の勉強会は時間切れとなりました。

今日は気温は低めながら、気持ちよく晴れていて、いつもより多めの18名のご参加でした。
みなさま、どうもありがとうございました。

【次回以降の勉強会予定】
3月:3/15(日)10-12時


-私(ゆっきぃ)のひとりごとです-
相手からの見え方と自分の見え方が違う、相手と自分の意見が違うということは、人と人との間では必ず起きることだと思います。自分と考え方の違う相手とは付き合わないという選択ももちろんあってよいけれど、相手にはどんな風に世界が見えているだろう?と思いを馳せたり、自分にはどんな風な世界が見えているんだなと自分自身の見方に気付き、それを相手にも伝える、というようなことができると、お互いにとって、見える世界や見える景色が広がっていくような、そんな気がしています。それをどんな風にやっていけるかを考えていくことも、IPS(意図的なピアサポート)で大事にしていることなのだろうなーと思っています。
-ひとりごと終わり-

2/8(土)の勉強会の資料内容です↓
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2020年2月8日(土)15:00-17:00 場所:東京大学医学部3号館S102
1.はじまりの確認(チェックイン)
• 呼んで欲しい名前
• 何に動かされてここに来ましたか?

2.12月(12/28)の振り返り
* 前回:ただ聴くことの振り返りと共同スーパービジョンのプロセス
• 学びの環境を作るための合意を作る、使う。
• IPSの価値と原理のリストを作る。
• 学びにつながるフィードバックを提供し、受け取るプロセスを確認する。
• IPSを使った、あるいは、うまく使えなかった、各自の例を共有するように、参加者のすべてに準備してきてもらう。
• 参加者に、自分が観察したIPSの例を示してもらう。

3.静かな時間を味わう

• 息を吸って、息を吸っていることに気付く。息を吐いて、息を吐いていることに気付く。
• 息をコントロールしなくて良い、ありのままの呼吸を感じ取る。ゆるめる。
• ただ受け取る。「沈黙」と共に過ごす。

4.共同スーパービジョンの考察と話し合いのための問い  (6巻p.22~)
① 人が自分のことを振り返るのをサポートするために、私は何をする必要があるだろう?
② 人に言われたことに同意出来ないとき、何が起きるだろうか?
③ 自分の見ている状況を、相手の人は同じように見ていないとき、自分の見ていることに基づいて、どのようにそれを伝えますか?
④ 厳しいメッセージを聞きたくない人に対して、言わなければならないことをどのように伝えますか?
⑤ 誰かの行動や仕事ぶりについて他の人から聞いたとき(たとえばその人のいないところでの陰口など)、どうしますか?

5.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

【今後の予定】
3月:3/15(日)10-12時 4月以降は教室予約ができるようになり次第ご連絡します
場所:いつもの場所(東京大学医学部3号館S102)