2020年12月5日(土)zoomでのIPS勉強会のご報告

2020年12月5日(土)15:00-16:30にIPS東京勉強会をzoomで開催しました。

本日も、さまざまな地域からご参加くださりありがとうございました。今日は18名のご参加でした。久しぶりに土曜日の午後の勉強会で、日曜の朝とはまた少し違う時間の流れを感じました。

今回は、前回11月の振り返りからです。
例4の、「松本さんと長谷川さんという、同じ組織で働き思いを互いに共有し合う関係でいて、組織の中でピアの声を作り上げていることを誇りに思っています。ある日、廊下で、医師が長谷川さんに、長谷川さんの担当している利用者の一人がどんな具合か尋ねているのを耳にします。長谷川さんは、その人は調子を崩し始めていて、変わろうとする気がないと答えています。」についてです。

  • ピアサポートって、相手を変えることではなくて、寄り添うことなんじゃないか。
  • 相手に何かがあったから、理解できない行動をしているのでは。相手のことを知りたいと思う。
  • 廊下で話してるのを誰かが聞いていたらどうしようとドキドキしてしまうと思った。
  • 調子を崩すことは悪いことではない。かけがえのない経験として価値あることはないかと思う。
  • ピアが一人なのはきついだろうなと思う。複数いれば、あれ?と持ったら声をかけられる。一人で他の専門家の中でやっていったら、自分のあるべき姿から外れていっても気付かないでいってしまうこともあるかも。これはどうかなと声をかけられる人がいるって大事だと思った。
  • 長谷川さんは、医師と話した後にどんな気持ちでいただろう。後から自分のことを責めたのではないか。そういう気持ちを共有することって難しい。どうやったらそういうことを一緒に話したり考えていける場が職場にあるとよい。
  • 本人のいないところで本人の話をしないという、ピアサポートの大事なことがあるのであれば、それを職場の人にもそれについて知っておいてもらわないと、この二人だけでどうにかできることではない。そうでないと、上司から聞かれたら、そう答えざるを得ない立場に追い込まれてしまう。
  • 本人のいないところで本人の話をしないということについて職場の人たちに話すとよいのでは。
  • お互いに信頼し合っている関係であること大事。
  • 期待に応えたい、求められたら応じたい、という気持ちは誰にでもある。だけどその期待に応じることが自分の魂を傷つけることになってしまうこともある。
  • 誰かを責めるのではなくて、大きく考えていけるとよい。

などなどの話をしました。

そして、弱っているとき、あるいは日々の自分に必要なもの、助かるものについて、みなで話し、ピアサポートってなんだろうという考えに入るあたりで今日の勉強会は終わりの時間となりました。

勉強会全体の感想として
  • 他の人の話を聞くことで、そういえば、と思い出したり思いついたりすることを体験した。
  • 自分は寄り添うだけじゃなくて待ってもらってもいる。
  • 相手を理解すること、相手に何が起きているんだろうと知ることが大事だと思った。
  • 自分にも「長谷川さん」と同じことをやる可能性があることに気付いて愕然とした。
  • いろんな話を聞いて、自分の経験と重ね合わせたり驚きもあった。
  • 仕事としてピアサポートをすると、孤独になってしまうことがある。ピアだけでなく、みんながそれぞれの立場でつらい思いをしている。どうやってみんなで乗り越えていけるか。
  • 意図的なピアサポートは、意図して成長して、幸せになろうということを意図している、がんばるピアサポートだと思った。自分もそういうのをやりたいと思った。
  • パワーを役割で持つこともある。自覚的に振り返って、地道でゆっくりな自分になりたい。
  • なぜ自分がピアサポーターになりたいと思っているのか考えたい。
  • 自分にとって助かるのは、人だと思う。
  • 自分だって疲れてるんだよと絶叫したくなるときに、何をするべきか。それが自分のピアサポートの原点。
  • インテンショナルピアサポートは、トラウマインフォームドピアサポートと元々は言っていたと知った。それぞれが経験した傷つき体験にも意識を向けながら支え合ういとなみということかなと。
  • 深いテーマだった。
今回も時間が足りず、でした。ピアサポートについて、また引き続きお話できたらと思いました。
ご参加くださったみなさま、どうもありがとうございました。ブログに記載してある内容などで気になる点などありましたら、いつでもご連絡いただければと思います。

これで今年のIPS勉強会は終了です。今年は忘年焼き大会を開催できず、残念ですが、今年も皆さんとのやりとりからたくさん学びがありましたありがとうございました。。来年もまたどうぞよろしくお願いいたします。

次回:2021年1月 10日(日)13:00-14:30(ZOOMによる開催)

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

-私(ゆっきぃ)のひとりごとです-
今日も心動かされる瞬間がたくさんありました。さまざまな場面でいろいろな葛藤や逡巡を抱えながら誰もが毎日一生懸命過ごしていることも感じ、皆さんへの愛(気持ち悪いかもだけど)をさらに感じてしまいました。いろいろな心の声や迷い、思いを共有してくださりありがとうございます。
-ひとりごと終わり-

今日の勉強会の進行↓
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IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2020年12月5日(土)15:00-16:30 場所:zoom
1.はじまりの確認(チェックイン)
① 呼んで欲しい名前   ② 何に動かされてここに来ましたか?
2.これまでの振り返り
医療・支援サービス機関で働くこと (7巻 p.3~)
ここでは、他の人たちの行動や考えとは違って見えたとしても、ピアサポートをしていくことに焦点を当てます。従来の精神保健サービス(医療や福祉)に関わっていると、いろいろな問題が持ち上がってきます。何がピアサポートによってもたらされるのかに焦点をあて、ピアサポートではない役割に陥らないようにし、私たちは何をしていて、それはどうしてなのかを明確に説明できることが大切です。
例4
松本さんと長谷川さんは、地元の精神保健センターで一緒に働き始めてしばらくたちます。お互いに思いを共有し合う関係でいて、組織の中でピアの声を作り上げていることを誇りに思っています。しかし、松本さんは、長谷川さんが自分のことをスタッフと呼び、“自分の担当利用者”について話していることに気付き始め、長谷川さんが、ピアサポートの視点を失いつつあるかもしれないと心配しています。ある日、廊下で、医師が長谷川さんに、長谷川さんの担当している利用者の一人がどんな具合か尋ねているのを耳にします。長谷川さんは、その人は調子を崩し始めていて、変わろうとする気がないと答えています。ここでは何が問題になっていますか?松本さんは何をすべきでしょう? 
 
ここにはいろいろな問題が絡んでいます。第一に、長谷川さんがそこにいない人のことを医師と話をしているという事実は、ピアサポートの核となる価値「私たちに関することを私たちのいないところで行わない」に反しています。第二に、長谷川さんは、長谷川さんの気になっていることについて、医学の枠組みを使って表現しています。これはその利用者の人に影響をもたらすだけでなく、自分の感情に責任をとっておらず、ピアサポートに基づいた話をしていません。
松本さんは長谷川さんをコントロールすることはできないのですが(そうすべきでもありません)、大切な学びについて、協力し合う関係を作ることはできます。
3. テキストから少し離れて:ピアサポートってなんだろう?
①弱っているときに、自分に必要なもの、助かるものって?
②日々の自分に必要なもの、助かるものって?
③ピアサポートってなんだろう
4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

【今後の予定】 1月:1/10(日)13:00-14:30 ZOOM