次回勉強会は2022年1月29日(土)13:30~ 勉強会を予定

 次回勉強会日程のご連絡です。

次回:2022年1月29日(土)13:30~ 2時間→90分を予定

対面で 東京大学医学部3号館1階を予定

(感染状況や入構制限の状況によってはZOOM開催に切り替えます)


ZOOMで行います。
(1月26日追記)

2021年11月13日(土)のZOOMでのIPS勉強会のご報告

 11月13日(土)13:30-15:00に東京でのIPS勉強会がZOOMで開催されました。この日は18人での勉強会でした。

この日も、引き続きクライシスにおけるピアサポートで、クライシスハウスについてのやりとりをしました。

②クライシスハウス(ピアのいる場)は、治療をするところではない、利用する人は「病人」とはみなされず何かを学ぼうとしている大人の人とみなされることについて

  • 病人なので、お医者さん、なおしてください、しか以前は考えていなかった。自分自体がよくなろうとか治そうとかそういうこととかそういう認識がなかった。がんばらなくていいと言われたので、がんばらなくていいならそれでお願いします、って感じだったと思いだした。
  • 自分自身も高めるための努力をある程度する。
  • 薬の力も必要だというときもあるけれど、自分だってよくなるために能動的に動くということが大切なんだなと感じた。
  • ピアサポートとかクライシスハウスみたいなところでも、主体性を知らない人、自分自身が良くなろうという考えのない人もいると思うから、そういう心の部分も大切なんですよということを伝えるのも大事。
  • IPSやWRAPに出会って、学ぶということを学んだ。学生時代勉強がだいっきらいだったけれど、これについては紹介してくれた人に感謝している。
  • 病気としての側面も持っているから薬ものんでいる。学ぶことも大切だけれど、病気と認めた上でサポートしていく場であって欲しい。
  • 患者さん、と言われて、治してもらいに行くという感覚があって。自分から病人になっちゃってる。受け身。主体的じゃない。IPSやWRAPを学ぶと、責任とか主体性を重視する。主体的ではないままで仲間と集おうとすると、傷のなめ合いになっちゃう。どうしたら主体的になれるかを学び会う場と思ってピアサポートをする素地を作らないといけないんだろうなと思った。
  • 患者さんとかではなくて、社会的に課題を持った人、症状を持った人。人と課題を分けて、その課題についてどう対処するかピアで考えようという姿勢でやってきた。
  • 精神疾患を持っていない人より精神疾患を持っている人は下にいるんじゃないかという感覚の人がいるのではないかという気がしてしまうことがある。単に病気の経験を持っている大人の人ということなのに、一人前の大人としてみてもらえないような気持ちになるときがあるので、何かを学ぼうとしている大人の人とみなされる のがうれしいと思った。
  • ありのままでいい筈なのに、「こうあって欲しい」を押しつけられることがあります。当事者グループも、支え合いが出来ていたのに、支援者・ボランティアが、口を出して来ました… どのような立場でも、お互いに、学び合える場があると、いいと思います!
  • 人生におしつぶされたことは、あなたの責任ではないけれど、そこで立ち上がり、また前を向いて歩き出すことは、あなたの責任であるんですよ。という言葉を思い出した。
  • 学ぼうとしている姿勢って外から見えるものではないし、学ぼうとしている姿勢のように見えても、そうじゃないこともある。クライシスハウスにいるだけで思いやりとか、適度な日光とか適度な水とかを浴びて、学んで成長していっていることもありえるから、周りが見て学んでないとか主体的じゃないということではないと思う。
  • クライシスハウスを使うときにこの言葉を伝えられたら自分はしんどいかもと思っていたけれど、クライシスハウスを運営する側、迎え入れる側が、この言葉を大切にして、来る人を温かく迎えてくれる場所だったら、使いたい。働くとしたら、そういう存在としてありたいなと、そんな言葉が浮かんできました。
  • 当事者は黙ってなよと言われるとしゅんとなったり、自分から病人になりさがったりしてしまっていたことがあった。自分自身に無意識でもちょっと下という感覚があったのかも。対等な相互関係から自分から逃げている自分がいた。そんな気持ちがあったことに気付けてよかった。
  • 学ぶ、高めようとする、より豊かにになろうとすることを忘れないようにしていこうと思った。

今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

  • 勉強会のものごとの進んでいきかた、誰かがお話しされて、自分の心が動いた方が、自分の感じたことを出していって、ひびいた方が自分のひびいたことを出していく、そういうのがつながっていくあり方を久しぶりに味わえて、それがとてもうれしかった。
  • 会議とかに入っていくと、自分の思いをぼんと出して、言いっぱなしになったり、時に対立になったりするのを見てきたので、そうではない、すてきな流れの中に自分がいれて久しぶりにいいところにきたなと感じています。
  • 自分は以前は、主体性とか自分がない人だった。主体性を重んじるのはアメリカナイズドされていて嫌だって感じていた。しかし今では、主体性を大事にして、自分らしく生きていくことが大事というのが、よりよく生きていくために必要なことなんだと今は思っているけれども、そう思わなければいけないわけでもない。
  • 医療の中にピアサポートが入っていくことを考えると、主体性をはぐくんでいくことは大事なんだけど、医師が、患者に主体性はいらないよと思う人もいるだろうなと。他人が言って変わるわけでもない。医療の中にピアサポートを入れていくのは難しいんだろうなと思う。
  • 学ぶ大人という表現があったが、学ばなくてもいい、という視点は必要。その場にいるだけで自然と身につくこともあると思う。ただ、子ども扱いされない、ちゃんと人として扱われるというのが最低限そなわっている場であるといいのかなと思う。
  • 精神科は、人として患者さんが扱われる場ではなかったというところに問題がはじまっているんだなと思った。
  • クライシスハウスって何をもらえるところなの?やすらぎ、心の安定とか?ウェルネスも、そこで手に入るのかなと。ウェルネスとリカバリーのことをここのところ考えているのだけれど、英語だから、日本語に訳すのにどう訳せばいいのか、迷うけれど、「らしさ」「自分らしさ」に向かって。本来の自分らしさに戻っていく、取り戻す道のりなのかな。病院、入院ではなくて、クライシスハウスというのが一つの手段なのかなと感じた。
  • クライシスってまっさらな自分がむき出しになるところだなと思う。自分の場合は、人が見ているところでは、すごい笑顔でがんばって、自分の場に帰ってから寝込んで動けなくなる。明るい自分を捨てるわけにもいかないし、でもこれだともたないし。
  • 病院の先生も障害福祉サービスの専門家にも担えない場がある。ピアの場じゃないとフラットに考えられないなと思った。これで解決してはいないので、そういう場にできるだけ触れていきたい。
  • 「敬意を持って接して欲しい」と感じた経験があるからこそ、今の自分の「人との関わり方」があるのだな、と感じています。
  • 考える必要、変わる必要があるのは医療の側だけじゃなくて、患者自身にも自分で工夫できることがあるんじゃないかと思う。この病気の他に、睡眠時無呼吸症候群と言われて、検索したら、横向き寝がいいとネットに書いてあったので横向き枕を買って使っていた。一泊入院で精密検査を受けたところ、横向きで寝てるから症状は起きていないから、治療はいらない、しばらく大丈夫といわれた。そういう患者側でできる工夫の部分も必要なのでは。
  • 個人のとりくみで、自宅開放しているのもクライシスハウスの1種かなと思いました。個人で自宅開放している人たちの情報には関心があるのですが、なにぶん非公開のことが多い。
  • ピアサポーターというのは傘を差し掛けてくれる人じゃなくて、一緒に雨に濡れてくれる人だと思う。ピアサポートで入院期間が短くなるとか 退院に結びつけないといけないんじゃないかと思ってしまって、退院退院ってならなくても、その人が楽になったら、そんな存在になれたらいいなと思う。
  • 精神疾患の場合は、本人がきついだけじゃなくて、根性無しとか、なまけものとか思われたり正しく理解されない部分もある。そういうところで打ち砕かれた自尊心を取り戻すには、そういうことをわかっている人がいてくれることが、自分を取り戻す助けになるのかなと思った。専門職もわかってるけれど、対応がなれちゃってる、本当に自分事としてせまりくる恐怖とかを実感としてリアルに感じるって難しい。

この日も終了後にいろいろお話しができました。みなさま本当にありがとうございました。
次回は12月18日(土)13:30-15:00 ZOOM です。焼き大会を今年もできず残念。。。
 
東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

そもそも、今、「治療」と言われていることって実際には何をしてるのかな、、、とあらためて考えさせられてしまいました。治療という名のもとで、誰かを「自分には助けが必要」「自分はなおされなければならない」と思わせてしまっている状況があるように感じますが、どんな人もそのままで完全で完璧であって、とても大切な存在であるということを思い出せるように接するというような場に、ピアサポートも医療もなっていくといいなと思いました。


今日の勉強会の進行↓
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会

日時:2021年11月13日(土)13:30-15:00 場所:zoom

1.はじまりの確認(チェックイン)

2.前回までの振り返り クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.16~)

クライシスハウスを利用するかもしれないゲストは、クライシスの前に、ピアサポートワーカーと前もって、どんな風に使いたいかを話し合います。よくある精神科医療のように、かなり具合が悪いとき(クライシス)に面談が行われるのではなく、クライシスハウスの利用のための話し合いは、調子の整っているときに行います。これを事前にしておく理由は、調子が乱れた状態から距離を置いている今の時点でどう感じているかがわかるからです。この視点から始めると、クライシスハウスを使うときに、ピアサポートのあり方を保つ助けとなること(たとえば、相互の責任についてや、パワーを共有すること)を話しておくことが出来ます。このインタビューのやりとりで、クライシスハウスを利用するときに経験するような(ピアサポートの)関係を体験してもらい、緊急時の他のサービスとは違った雰囲気を感じてもらいます。

クライシスハウスを利用するかもしれない人(ゲスト)とどのように使いたいかを話し合う このクライシスハウスは精神科医療とは違っています。ここでは、クライシスは、関係の中で成長し、古いパターンを変える機会だという見方をしています。ですから“治療”はしないし、あなたのケアをすることもしません。その代わり、私たちは誠実さ、思いやり、お互いが責任を持つ関係を提供したいと思っています。 ・・・

3.クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.17~利用するかもしれないゲストとプランを作る) 

インタビューの最初から、避けたいことではなく、望んでいることを明確にしてください。問題にばかり目が行き、問題がなくなりさえすれば、それが肯定的な将来だと思っている人が多いようです。この問題にばかり目が行くことが、私たちを問題に縛りつけ、本当に望むことを見えなくさせているのです。たとえば、もし、「精神科病院への入院でなく、このクライシスハウス(あるいはピアサポートの何か)を使って、それがとてもうまくいったとしたら、あなたの人生はどのように変わるだろうと思いますか」と聞いたとして、彼らが「薬が増えないことだろうか」と言うとします。「薬が増えなかったとしたら、何をしただろうと思いますか?それがあなたの人生をどのように変えますか?」と聞きます。

試してみたいこと:小グループまたは大部屋で①または②を 

①2人組、3人組でお互いに話を聴く(聞いた話は他者には言わない) 「気分のすぐれないときのパターンから抜け出すために、何があなたにとっての助けになりそうでしょうか。」

②クライシスハウス(ピアのいる場)は、治療をするところではない、利用する人は「病人」とはみなされず何かを学ぼうとしている大人の人とみなされることについて

4.勉強会の感想 今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

【今後の予定】ZOOM 12/18(土)13:30- 

IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2021年10月10日(日)のZOOMでのIPS勉強会のご報告

 10月10日(日)13:30-15:00に東京でのIPS勉強会がZOOMで開催されました。この日は世界メンタルヘルスデーでもあったのですね。(昭和うまれの私にとっては10月10日は体育の日、なイメージでした。)この日は21人での勉強会でした。

この日のテーマも、引き続き、クライシスでのピアサポートです。先月に引き続き、シェリーミードさん達のなさっていたクライシスハウスと、クライシスハウスを利用するかもしれない人とあらかじめ話しておくことについての話題です。

この日は、「気分がすぐれないとき、あなたがどのようなパターンに陥りそうか、そして、それらのパターンから抜け出すために何が助けになるか、どのような関係がお互いに成長し、責任を引き受けるためのサポートになりそうかを考えてみましょう。」のあたりを、実際に2-3人で話してみたい人は小さいグループに別れ、大人数でお話ししたい方や聴いているだけを選ぶ方は大部屋に残る形で分かれました。

クライシスについて、ピアサポートでよく使われる「対等」について等の話がありました。

  • 前回のクライシスハウスの勉強会の後であったことから思ったこと。問題行動があったときに入院みたいに受け取られちゃったりすることもあるけれど、癒やしの時間や息抜きとして活用してもらえるようにと思って入院をすすめる医療者もいる。入院が傷を深めるものではなくて、また新たに生活していこうと思えるような、癒やしがあるといいと思う。
  • 病院って、できれば入院したくないところと思われがちだけれど、レスパイトができる、あたたかく受け入れてもらえる、安心して入院できる、そんなところを作っていきたいなと思った。
  • クライシスハウスに対して、ソフトウェアとしてのクライシスに対応する技術やマインドと、ハードウェアとしてのハウス、場所であり、クライシスに対応する人や技術がある場所に行けば確保されるというのは利用者にとってうれしい。
  • 人と人とで関わる、過度な杖を差し出さない。お互いに学び合えるという姿勢を大切にしている。
  • 時に、支援の関係の中で、当事者を自分の子どものように扱われてしまったり(気分が高まっていたら話しかけておさえようとしたり)、対等に見えないことがある。
  • 自分の経験が誰かの力になれたらという思いもありながら、ピアとしての関わりはなかなかできない。
  • 地域のピアサポートの研修会に出席したけれど、その後特にピアサポートをする機会を得られなかった。
  • 一つの言葉で何か傷付けてしまうのではというおそれがある。自分自身が人と対応するのがこわいというのもある。
  • 対等性って幻想なのではという思いがある。殴ったら殴り返せる、言ったら言い返せるとかそういう中でのことでは。
  • 普通に友人としてやりとりしているつもりでも、IPSっぽく接しないで、とケンカになったり、看護しないで、と言われたりして、何も言えないと思うことある。
  • ピアサポートも、どんな支援も万能ではない、ピアサポートならできるはずみたいに思われるのもしんどい話。
  • 自分が傷つくのが怖いというのも、自分も怖いんだけど言ってみるね、みたいに言ってみたり、お互いにいつもドキドキしながら、言ったり泣いたりしながらいろいろ積み重ねてきた。目の前の何かだけではなく、長い時間をかけてのものもあるように思う。
  • 病院内だと、医療に則ったアドバイスや対処方法に限定されるのかな?パターナリズムとかあるのかな?病院外だと医療的な見識に縛られないフリーな応対、対等なつきあいができるのかな?
  • 対等でありたいと思って、人と接したりしていて、そこがうまくいっていなかったと気づき始めて、調子を崩しかけている。相手はそんな気はないのだろうけれど、自分ははねつけられたと感じるやりとり。ピアであることの意味を考えてしまったり、無力感がすごくある。けれどもそこを投げ捨てたくない。ピアの力を最後は信じる自分でいたい。
  • 対等ってあり得るのだろうか?体験でマウントされたと言われ体験を語ることが怖くなっている自分がいる。
  • 「ビレッジから学ぶリカバリーへの道」 M.レーガン 著前田 ケイ 監訳,金剛出版、2005人として尊重され、希望を取り戻し、社会に生活し、自分の目標に向かって挑戦しながら、かけがえのない人生を歩むことについて話せる場が重要ではないかと、影響を受けた。
このあたりからゆるやかに勉強会の感想となっていきます。
  • 対等って軽々しく使えない言葉だと思った。
  • 調子が悪くなったときに自分にとって役に立つのは、友人との雑談。1時間でも30分でも、その時間があるだけで、後々楽になる。開放される時間があるだけで、役に立つ感覚がある。
  • 対等、難しい。ピアの場を運営していても、来る人は運営側に気を遣ってくれてしまう。
  • その場に一人でいるんじゃない、みんなもいる。
  • 関係ってその瞬間その瞬間で変わる。5分後には違う関係になったり。
  • 相手と対等であるか否かは自分が決めることじゃないんだと気付かされた。
  • 対等でありたいという思いが大切なんだなと感じた。
  • 「対等」ができていたと思った場で、その後対等性の挫折感も体験したり。表面的には対等性って作れるけれど、本当に対等になっているかは。長く続けていくには何らかの仕組みは必要なのかなと思う。
  • ピアだと紹介したり使えたりする資源が限られていることもあって、専門家の人達に高度の専門性を求めていくということをしていたり。ピアサポートの人はどうやってそこに影響していけるのか。ピアが専門家になって、そっち側から働き掛けるしかないのかなと無力感を感じたり。
  • 対等って、何らかの関わりの後に感じ得ることができるものだとしたら、もしかしたら振り返ってみたときに、手元に残る感覚なのかも。
  • 色々な人がいて対等じゃなくても面白い空間だなと付き合っていく。何かできるわけでもないけど自分ができることをたんたんと長い目でただ居る。
  • どうしたってパワーのある関係性ってあって。それをなかったことにしたりはできなくて。かといって、どうしたってパワーってあるよねと終わらせることもできなくて。
  • 対等でありたいと思う一方で、対等でと思っているときには対等じゃないのかなとも。こだわっているときは全然離れられていない。
  • 「私たちは、誠実で、心を開き、この関係の中であなたと対等であるという前提のもとに行動することを約束します。私たちは、全身全霊であなたのそばにいるために全力を尽くし、いつでも、あなたからのフィードバックに心を開いています。」全身全霊で全力を尽くしてくださる方々は得難い存在と感じた。
  • 全身全霊ってなかなか出せない。たじろいでしまう。
    • 元のシェリーさんの文はWe will do our best to really be there with you in heart and soul.
    • Weなんですね。支える側は一人じゃない。チーム。

話し足りませんが、このあたりでお開きとなりました。みなさま、この日もありがとうございました。
次回:11月13日(土)13:30-15:00 ZOOM 
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-私(ゆっきぃ)のひとりごとです-
対等であることを目指すというのは、パワーが同じ状態を目指そうとしているわけではなくて、相手も自分も、自身の声を出してよい、出してみようと思えるような関係性を目指すってことなのかもなーと思い至りました。そして、そんな関係性には、パワーの違いだったり、見えている世界など、いろいろなことも影響を及ぼすし、その日の自分の体調も影響するし。なので、どんなに知った仲であっても、毎瞬間、新たな関係性が展開されていくのだろうなとも思いました。

今日の勉強会の進行↓
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2021年10月10日(日)13:30-15:00 場所:zoom
1.はじまりの確認(チェックイン) 呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?

2.前回までの振り返り クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.16~)
クライシスハウスを利用するかもしれないゲストは、クライシスの前に、ピアサポートワーカーと前もってプランを作ります。従来の治療のように、すでにかなり気分が悪いときに、クライシス面談が行われるのと対照的です。クライシスハウスの利用のための話し合いは、調子の整っているときに行います。これをクライシスハウスの利用に先立ってしておく理由は、私たちが今現在どう感じているかがわかり、調子が乱れた状態から、ある程度、距離を置けるからです。この視点から始めると、クライシスハウスを使うときに、ピアサポートのあり方を保つ助けとなること(たとえば、相互の責任についてや、パワーを共有すること)を話しておくことが出来ます。このインタビューは、クライシスハウスを利用するときに経験するような関係のモデルを示すことから始め、他のクライシス対応とは違った雰囲気を感じてもらいます。

3.クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.17~利用するかもしれないゲストとプランを作る)
このクライシスハウスは他の形のクライシス対応とは違っています。ここでは、クライシスは、関係の中で成長し、古いパターンを変える機会だという見方をしています。ですから“治療”はしないし、あなたのケアをすることもしません。その代わり、私たちは誠実さ、思いやり、お互いが責任を持つ関係を提供したいと思っています。
このインタビューを通して、このクライシスハウスが、他のクライシスのためのプログラムとどう違うかをあなたに理解してもらえたらと思っています。気分がすぐれないとき、あなたがどのようなパターンに陥りそうか、そして、それらのパターンから抜け出すために何が助けになるか、どのような関係がお互いに成長し、責任を引き受けるためのサポートになりそうかを考えてみましょう。そして、もしあなたがクライシスハウスを利用するときには、この文書を取り出して、あなたがここに滞在している間、私たちは何をしたらよいのかを見つけるために使います。けれども、これはいつでも変更できるし、あなたのために私たちが目標を設定するということではありません。物事が行き詰ったときに、この文書を使うというだけのことです。私たちの双方にとってです。私たちは、誠実で、心を開き、この関係の中であなたと対等であるという前提のもとに行動することを約束します。私たちは、全身全霊であなたのそばにいるために全力を尽くし、いつでも、あなたからのフィードバックに心を開いています。
①気分のすぐれないときのパターンから抜け出すために、何があなたにとっての助けになりそうでしょうか。

4.勉強会の感想  今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
【今後の予定】ZOOM 11/13(土)13:30-

IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2021年9月11日(土)のZOOMでのIPS勉強会のご報告

9月11日(土)13:30-15:00にIPS東京勉強会がZOOMで開催されました。土曜日の午後、この日は20名での勉強会でした。

この日のテーマは、クライシスでピアサポートを活用する、です。
米国でシェリーミードさんが関わられていたピアサポートによるクライシスハウスの見学をしたときに知ったことなどをご紹介させていただきました。
その後、自由にクライシスやクライシスハウスの話などをしました。
  • 調子の整っているときに話し合いをしておくことが大事なこと。たぶん、クライシスって1000人いたら1000通り。調子の悪い度合いにもよるし、いろんなことがあるから、先に話し合いを持っておく。
  • 食事やお皿を洗うこと、できることをさせて欲しい。
  • クライシスハウスの話を聞いて、ユーザーファーストを感じた。
  • 医療でなくてもできることがあるのではないかと思った。
  • マギーズという、がんの当事者が集まる場所がある。がんセンターなどの近くにあって、がんという病気のことなどでショックを受けたまま家に帰るのではなく、お庭などがきれいで、心を落ち着かせてから帰ったりできるという考え方があると聞いた。
  • 酔っ払ったときに自分のことわかってるよ、って言っている時と、周りの人が外見から見て違う感じの時とか、そんなことを考えた。
  • ビューティフルマインドの映画。幻覚の世界だけれど、本人にとっては、覆しようのない事実が起きているときがクライシスなのかな。
  • シェリーさんの本にあった、「死にたい」というと措置入院がこれまでされてきたけれど、口にするのと実際に行動に移すまでとはかなりの差があって、話を聞いたら楽になれる人がいる。本人は絶望を感じているのだけれど、話を聞いただけでできることがあるかもしれない。そこでお互いに助け合えることがあるのではないか。
  • クライシスの定義がWRAPとは違うのかな。クライシスの中に学びがある。WRAPだと、クライシスを抜けた後に新しい自分に会えたというような表現もなされる。
  • 昔、人生に絶望した日。親が黙って夜道を一緒に歩いてくれたことを思い出した。また別のときに起きたクライシスの時も、責めたり正そうとしたりせずにそばにいてくれた人の存在が一番ありがたかった。
  • 精神病院に体験入院してみたらどうだろうって言ったら不謹慎だと言われた。でも、本来の精神病院ってクライシスハウスを担っているのではないか。
  • 自分の近くにクライシスハウスがあったら登録したいと思った。自分でもそういうところを作りたいと思った。
  • 家を借りてとかだとお金もかかるけれど、今の時代なら、ネットでもできることがありそう。たとえば並んで歩くことはできなくても、ネットでつながりながら散歩したり、つながりながら一緒にご飯食べながら話を聞くとかできそう。
クライシスの話題のまま感想などの時間に入りました。
  • 電話相談は向こうの人の表情が一切わからない、誰だかわからない。でも、たかが電話、20分だけなんだけれど、その時間、一緒にいるだけでクライシスに寄り添っているのかもしれない。
  • 入院してなくてもいいな、って人も確かにいるし、入院しないと命の維持ができなさそうな人もいる中で、どこまでクライシスハウスで対応できるのか、線引きは難しいと思いつつ、治療モードじゃなくても、話聞いてもらえるだけでいい、寄り添ってもらえるだけでいいという場もあるといいな。
  • 元気なときにプランを作っておくというのは、WRAPの考え方とも似ているが、たぶんWRAPよりもクライシスの考え方の幅が広い。WRAPの場合、クライシスって言ってしまうと自分ではコントロールできないというイメージがあって。でも、引き金の時にクライシスハウスを利用すると、自分の力で戻ってくることができそうな気持ちになった。
  • 精神保健サービスの中にいると、「治療」や「回復」を中心にしたやりとりが多くなってしまう。その中でだれかに関わるときに、そういった話題ばかりにならないようにしたい。
  • IPSの勉強会は長く続いていて、クライシスハウス、IPSの勉強会と重なるところがあるなと思った。
  • しんどい時に、自分がホッとできるまでゆっくり過ごせる場所があるのはいい。しんどい時に身を寄せられる居場所があると思えるだけでも普段の日常を安心して過ごすことが出来る気がする。
  • クライシスハウス、聞いたことがあっただけで、ほぼはじめて話を聞いた。居場所を作って、それを維持していくって難しいことだと思うけれど、あればきっと、私自身も、他の人にも助けになることがあるんだろうなと興味がわいてきた。利用する人との信頼関係を最初から築いていくことが大事なんだなと思った。
  • 家族と弱火であたたまる。差し出がましいことを少なめにして。低温調理器。
  • クライシスハウスにとても興味あり。病院よりオーダーメイドな過ごし方ができる気がした。「病気が良くなる」より「病気と共に生きる」ことを重視している、ピアの力を大きく活かせる場。作れたらいいな。
  • クライシスハウスってメンタル面でのシェルターみたいな感じかな。立て直す場、安全な場。
  • 事前にお互いのルールを話し合って、与えられるルールは極限まで少なくする。
  • 何気ないことをまかされることで、自分に生きている意味を与えてくれている。
  • すごく調子が悪いけれど、ごく当たり前の日常をできるところ。病人として扱われるのではなくて、普通の人として。
  • 社会的処方っていう本がある。
みなさま、この日も本当にありがとうございました。

次回:10月10日(日)13:30-15:00
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-私(ゆっきぃ)のひとりごとです-
クライシスハウスの話を皆さんとしていて、本当は、精神科医療とかケアが提供しようとしているのは、苦しい思いをした人が、しんどい時に癒やされるためのクライシスハウスのような場だったはずなのに、どうして身体拘束をすることになってしまったり、行きたくない場と思われるようなものになってしまっているのだろう、、、と考えてしまいました。それと同時に、医療者が本当は患者さんにこんな場を提供したいというものを考えたり思い出したりすることができるといいなと思いました。そして、もちろん、これって医療者が、とかじゃなくて、人としてどんな世界の一員でありたいかを考えてみるってことなのだなと思いました。

今日の勉強会の進行↓
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2021年9月11日(土)13:30-15:00 場所:zoom
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前  ②何に動かされてここに来ましたか?
2.前回までの振り返り クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.16~)
 私たちのものの見方(どうしてそう思うようになったのか)を見出し、新しい見方・行動の仕方を試す
 助けが両方向であるように、お互いに責任を持つ関係を作る
 望ましくないこと(たとえば、鎮静)を避けるのではなく、私たちが望むことにむかって進む
①困難なときにあなたが取る反応について考えてください。その反応は、あなたにとってどのような役目を果たしてきましたか?
②将来はどのように対応したいですか?
3.クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.16~)
クライシスの時に、これまでの治療とは違う方法(クライシスハウス=クライシスの時に過ごしたりできる場所)について考えます。
このクライシスハウスを利用するかもしれないゲストは、クライシスの前に、ピアサポートワーカーと前もってプランを作ります。従来の治療のように、すでにかなり気分が悪いときに、クライシス面談が行われるのと対照的です。クライシスハウスの利用のための話し合いは、調子の整っているときに行います。これをクライシスハウスの利用に先立ってしておく理由は、私たちが今現在どう感じているかがわかり、調子が乱れた状態から、ある程度、距離を置けるからです。この視点から始めると、クライシスハウスを使うときに、ピアサポートのあり方を保つ助けとなること(たとえば、相互の責任についてや、パワーを共有すること)を話しておくことが出来ます。このインタビューは、クライシスハウスを利用するときに経験するような関係のモデルを示すことから始め、他のクライシス対応とは違った雰囲気を感じてもらいます。
この話し合いで、これまでとは全く違った種類の関係であり、どちらに期待されていることも今までとは違うことを示すようにします。例えば、こんな風に説明するかも知れません。
このクライシスハウスは他の形のクライシス対応とは違っています。ここでは、クライシスは、関係の中で成長し、古いパターンを変える機会だという見方をしています。ですから“治療”はしないし、あなたのケアをすることもしません。その代わり、私たちは誠実さ、思いやり、お互いが責任を持つ関係を提供したいと思っています。
・・・
4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
【今後の予定】ZOOM 10/10(日)13:30-15:00

IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

次回勉強会は10月10日(日)13:30-です

次回の勉強会日程のご連絡です。

次回:10月10日(日)13:30-15:00 です。

2021年8月17日(火)のZOOMでのIPS勉強会のご報告

8月17日(火)19:30-21:00にIPS東京勉強会がZOOMで開催されました。今回は、3月以来の夜の会です。さまざまな地域からのご参加をありがとうございました。この日は17名での勉強会でした。

まずは前回の振り返りで「居心地の悪さと共にいること 学びにひらかれるために」について出たご意見の一部をご紹介します。

  • 自分の安心だけを求めるのではなく、新しいことをこころみる、自分の安心を乗り越えたチャレンジというのがあるのでは。
  • 以前の自分がはまっていた罠は、離脱症状を恐れるということ。中毒的なところから抜けようと思ったら離脱症状が起きる、でもそれを乗り越えることもタイミングによっては必要。つらいことを我慢して乗り切るという精神論との区別が難しいんだけど、「我慢しちゃダメ」と「自分を守ってしまう」と「乗り切って乗り越えていきたい」の区別。乗り越えるための健全なハードルなのか、自分を傷付ける苦しみなのかを丁寧に感じられるようになりたい。
  • 学ぶということは、以前の自分と変わるということであり、変わるというのは居心地の悪いことでもある。

そして、前回(7月)からの引き続きの今日のお題「クライシスでピアサポートを活用する」
①困難なときにあなたが取る反応について考えてください。その反応は、あなたにとってどのような役目を果たしてきましたか?
②将来はどのように対応したいですか?
について自由に話しました。

  • 望ましくないことを避けるのではなく、望むことにむかって進むことがポイントだと思うけど、自分が望むことをいつもわかっているとは限らない。自分は何を望むんだろうってわからないと、親の言ったことを望んじゃうとか、世間一般の言うことを望んじゃうとか、注意が必要。
  • WRAPの印象から、クライシスの状態というとコントロール不能で自分の主体性をほかのひとにゆだねると感じちゃう。どうしたいか言える状態というのは、クライシスのちょっと前か、ポストクライシスじゃないとどうにかできないという感覚がある。なので、自分が望ましい状態に行く、というのはクライシスにならないようにする、クライシスになりそうなきっかけを先に気付くとか、そういうことが必要になるのかな。
  • ピアサポート。誰かと、人間関係を取っておいて、周りの人に気付いてもらうというのもあり。今後、まわりの人に気付いてもらえるような人間関係を作っておくということが、今後自分のしたいこと。
  • 家族も仲間になり得るんだと思った。親の気持ちがわかってきた。家族会とメールのやりとりをしたり。今は意図して、親に話しかけるようにしてる。
  • コントロール不能なときのことを経験することで、学んだ。自分の信じる人達の声を聞けていなかった。わかってもらって、対応してもらうのが大事。
  • 「自分のことを冷静に伝える。」自分が爆発してしまいそうだ、って冷静に伝えるのって難しいけれど、怒りをぶつけられる立場の視点になったら、脅威。怒ってるっていう情報しか入ってこない。だとすると自分のわかってもらいたい部分は全く相手にはわかってもらえてない。怒ることは大切だし、ダメじゃない。でも怒っちゃうと自分が本来求めたいことが相手に届かなくて、これでは意味がないと気付いた。大声を出したいくらい怒ってるんだよ、ということを冷静に伝えるのは難しいとは思うのだけれど。
  • ①黙り込む。”緘黙状態”。からだは"硬直状態”。この態度は、鎧として自分を守る手立て。②言語化したい。「わたしは混乱してます」のような子供のようなボキャブラリーでもいいので、説明したい。メモでもいい。
  • ①最初にカッとなって怒りが湧いてすぐに相手に反論したくなる。自分がバカにされたような気になるから。ずっとそういう反応をしてきた。今思えば、そうすることで自分を守っていた。②これからは反論ではなく、気持ちを丁寧に言葉にして、相手とやりとりをしたい。
  • 気持ちを言語化したい、対話をしたい
  • 花屋さんに行ったり、声かけたり。支援者とか精神の領域とかじゃない人と話すのはいい。そういうところから対話の糸口をみつける。
今日の感想です。
  • 安住の地から出るのは怖い。安住の地の壁から外に出ようとすると意識が飛んでしまう。身体反応レベルで無意識に。
  • 乗り越えるべき困難と、世間的な常識に支配されて我慢していることを区別をつけるようにしている最中。
  • 怒っている人、落ち込んでいる人、泣いてる人に、どんな風にできるだろう。自分だったらどうして欲しいだろう。あなたのその状況に気付いている、という空気を出しながら、ただ黙って頷いたり。へたな言葉は何も言えない。
  • 井戸端会議は、なんだか居心地が良さそう。内容がわからなくても、何を言っても話を引き取ってもらえるような、そんな場なのだろうか。
  • クライシスが医療の分野でいうと入院しないといけないような危機的状況だと考えると、今の精神科医療で「クライシスでピアサポートを活用する」というのは難しかったり、支援者が優位な支援になってしまうこともあるかもなと思った。
  • 怒ってる相手に限らないけれど「今どんなことが浮かんでますか?」と聞くことがあります。
  • 自分の感情に敏感になり、自分の感情を大切にすることができると、相手の気持ちも想像することができるかも。
このほかに、当事者としての経験を持ちながら福祉など支援の資格を取ることについてや、怒りについて、ピアサポートという言葉は使っていないけれど仲間との関わりの良さなどなどいろいろな話がありました。みなさま、ありがとうございました!

次回:9月11日(土)13:30-15:00
東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

-私(ゆっきぃ)のひとりごとです-
自分がありたい方向へ向かうために乗り越える困難と、世間的な常識にとらわれて越えねばならぬと思い込んでいる困難の区別についてのお話がありました。それがつけられて、自分で選んでいけるといいなぁと思いました。自分の進みたい方向ではないところから飛び出てくるもので自分を追い込んでることが私は多いなぁと感じました。自分の中心に戻って自分の感情を感じること、大事なんだなぁと思います。

今日の勉強会の進行↓
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2021年8月17日(火)19:30-21:00 場所:zoom
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前  ②何に動かされてここに来ましたか?
2.前回までの振り返り   クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.16~)
3.居心地の悪さと共にいること 学びにひらかれるために
4.クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.16~)
クライシスが“治療”の経験になってしまうことがあります。私たちの多くにとって、クライシスは、困難な経験に対する、パターン化された反応になっています。しかし、精神保健システムでは、それは私たちに降りかかる何かだと教えられてきました。もしその信念を持ち続けているとすると、私たちに出来る最善のことは、できるだけ体裁よくそれを通り抜けることです。そのような困難なときを“通り抜け”続けているとしたら、私たちはどうやって、その経験を全く新たに考え直すことが出来るでしょうか?ピアサポートではどのような問題であれ、私たちには、3つの基本的な課題があることをお互いに思い出すようにすることが大切です。 
  • 私たちのものの見方(どうしてそう思うようになったのか)を見出し、新しい見方・行動の仕方を試すこと 
  • 助けが両方向であるように、お互いに責任を持つ関係を作ること 
  • 望ましくないこと(たとえば、鎮静)を避けるのではなく、私たちが望むことにむかって進むこと 
①困難なときにあなたが取る反応について考えてください。その反応は、あなたにとってどのような役目を果たしてきましたか? 
5.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
【今後の予定】ZOOM 9/11(土)13:30-15:00

IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

次回勉強会は9月11日(土)13:30-です

 前回(8/17)のご報告がまだできていないのですが、まずは次回の勉強会日程ご連絡のみさせていただきます。

次回:9月11日(土)13:30-15:00 です。

2021年7月4日(日)のZOOMでのIPS勉強会のご報告

 7月4日(日)10:30-12:00にIPS東京勉強会がZOOMで開催されました。 今日もさまざまな地域からのご参加をありがとうございました!今日は21名での勉強会でした。

まずは前回の、居心地の悪さと共にいることについてからです。

  • 自分は居心地の悪さを自分で作り出してると思ってきたけれど、前回の勉強会で、相手によって作られる居心地の悪さもあると気付いた。また、居心地の悪さを自分で作り出すって考えがあるんだと気付いたと前回の感想で言っている人がいて、これこそが共有するということだと思った。
  • 居心地の悪さと共にいるというのは、自分とはちょっと違う考えも受け入れることじゃないかと言われた。
  • 居心地が悪いのは自分の感じ方に問題があるのかと思ってしまっていたことがあって、明らかに不当な扱いを受けていたのに、自分に問題があると思ってしまった。自分だけの判断だと精神状態によっては判断できないことがあるので、他の人の話を聞いて、過剰反応をしているなとかの感覚を取り戻すことを大切にしている。
  • いつも居心地の悪い経験をしている。
  • 居心地の悪さと共にいることについてIPSで言っているがこれは、不当な扱いや環境を我慢しろと言っているのではなくて、それについて話をする居心地の悪さにチャレンジしようというようなことだと思う。
  • 言い方。自分がどういう感情があるからこういう風に思うというのを整理して話すと怒りをぶちまけるみたいにはならない。丁寧に話す。
  • これまでさまざまな居心地の悪い環境や環境の中をくぐってきた、より良いところを探してきた。

というような話があがりました。

今日は第七巻の「クライシスでピアサポートを活用する」です。まずはみなさんにとっての「クライシス」のイメージを聞きました。

  • 日常が中断されちゃう状況
  • 困難な経験に対する、パターン化された反応。トラウマ反応。フラッシュバックとか過覚醒とか。
  • クライシスは、専門職があつかうものみたいな感じでプライベートの関係の人が入り込めない感じになっている。さわってしまったら、熱いフライパンみたいなのにさわっちゃうみたいな感じで、友達とかも、そっとしておくしかないな、みたいな。でも本当はもっとできることがあるような気がする。
  • 自分で自分のことがコントロールできなくなる感じ
  • コントロール不能な危機的状態のようなイメージ
  • がーんとなって、頭が真っ白にあるような事態とか状況とか。

といったイメージや思いが出てきました。

ここから、そんなときにどうなるか?そしてそれは自分にとってどのような役目をはたしてきただろう?ということを話し合いました。今日は、ZOOMの少人数の部屋で話したい人と、大きい部屋とで分かれて話しました。

  • 眠れなくなって、おなかがいたくなって、動けなくなる。おなかもこわす。そうすると、動けないし行動できなくなって、ドクターストップじゃないけど結果的に休息を取ることになる。
  • 怒りがわいてくる、怒鳴り散らすが第一段階。これは、相手を近づけないために、自分のことを守るために、相手に牙をむく。自分にとって、怒ることは必要なこと。その次の段階で身体が動けなくなる。
  • 考え込んでしまって、ODをした。(考え込んでしまうことから離れたり)楽になりたかった。
  • 権利擁護をしてもスルーされて、再度権利擁護をして、その繰り返しのパターンでストレスが限界に達してクライシスになる。
  • 大声を出して怒りで暴れてしまう。それは、周りの人達への「助けて」というメッセージだと感じる。
  • 大声で暴れるなどのクライシスを出すと、まわりの人達が寄ってきて、「大丈夫だよ」と言ってくれる。
  • 困難なときにはうつがひどくなる。自分でひきこもるという対処を取れるとよいがそれができなくて入院を勧めてもらって入院した。入院したことで困難から少しの期間離れられてその間は楽になった。
  • 困難なとき、怒りになる。自分にとっての良き理解者を探しているのになんでわかってくれないんだという怒りの反応。
  • 過食。特に健康に悪いものをいっぱい取り込むことでストレスを発散。それに耐えられなくなると薬を足す。
  • うつの時にはデイケアに行ったりして「弱ってる自慢」をする。
  • 今思うと、自分の怒りとかを、症状ととられずに冷静に伝えるということを自分が若いときにできていたらと思う。
  • リストカットをしていたときがあった。怒りをぶちまけた自分に対する自罰行為。怒ることで相手を傷つけちゃった、という思いとか。でもしゃべる力もないし、動けないし。自分に困難があるということをわかってもらいたい。でも一から細かいことを説明する元気もない。そんなときに傷があるとまわりが気付いてくれる。
  • さらに進むと、なんにも感じなくなる、全てが止まる。心が動かなくなって無になる。魂が抜ける感覚。自分を守るために、そうやって生きていくしかなかった。
まだまだ話をしたいところでしたが、今日も時間切れでした。続きは来月以降にまた。
全体の感想です。

  • この場が好き。ここで皆が心の内から出た言葉をとつとつと話してくれているのが、心に触れたような感覚がする。
  • 個別でお話しすることができて、いろんな気づきがあった。昔のクライシスの気づきがあった。
  • 怒りが出てしまうというところに心がいった。そういうときどうしたらいいのか考えながら。
  • IPSのクライシスのいろんな考えを身につけたい。
  • IPS的な人とは考えが深まるけれど、誰かを傷付けることでスカッとする人というのもいる。そんな人とわかり合えない自分はクズだ、みたいになっちゃっていたけれど、自分なりに自分を守ることを適切にやっていきたい。
  • 先月、相手がただ立っているだけでも傷ついてしまうことがあると言ってた方がいて、相手が何をしたとかでなくても、傷ついてしまうことがあるのは自分だけじゃないことに安心感を感じた。この場は安心していられると今日も感じた。
  • あっというまだった。もっともっと知りたいと思っている。
  • IPSの勉強会、自分が今困っていることに、シンクロするような内容だと思った。
  • WRAPのクライシスプランもなかなか作れていなくて。自分のクライシスと自分が向き合うことに不慣れ。そういうヒントを自分も考えていけたら。
  • 他の人がそういう状況にあったときにお互いに良い方向にいけるようになれたら最高。
みなさま、今回も心からのやりとりをさせていただきありがとうございました。

次回:8月17日(火)19:30-21:00 ←平日夜です。

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

-私(ゆっきぃ)のひとりごとです-
今日も心ゆさぶられる言葉がたくさんありました。ありがとうございました。クライシスは、苦しい状況に陥っている中で自分を守るための仕組みなんだよなぁとあらためて感じました。そして、怒りもクライシスも、その奥底にあるものを感じたり言えたりできたらまたもう少し違うものがうまれることもあるのかなぁと思ったり。また、休んでいるのに休めていないとの言葉も印象的でした。どうしたら休める、ゆるめられるようになるのか知りたいです。

今日の勉強会の進行↓
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2021年7月4日(日)10:30-12:00 場所:zoom
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前  ②何に動かされてここに来ましたか?
2.前回までの振り返り   電話でのピアサポート(7巻 p.9~15)・居心地の悪さ
3.居心地の悪さと共にいること 学びにひらかれるために
4.クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.16~)
クライシスが“治療”の経験になってしまうことがあります。私たちの多くにとって、クライシスは、困難な経験に対する、パターン化された反応になっています。しかし、精神保健システムでは、それは私たちに降りかかる何かだと教えられてきました。もしその信念を持ち続けているとすると、私たちに出来る最善のことは、できるだけ体裁よくそれを通り抜けることです。そのような困難なときを“通り抜け”続けているとしたら、私たちはどうやって、その経験を全く新たに考え直すことが出来るでしょうか?ピアサポートではどのような問題であれ、私たちには、3つの基本的な課題があることをお互いに思い出すようにすることが大切です。 
  • 私たちのものの見方(どうしてそう思うようになったのか)を見出し、新しい見方・行動の仕方を試すこと 
  • 助けが両方向であるように、お互いに責任を持つ関係を作ること 
  • 望ましくないこと(たとえば、鎮静)を避けるのではなく、私たちが望むことにむかって進むこと 
①困難なときにあなたが取る反応について考えてください。その反応は、あなたにとってどのような役目を果たしてきましたか? 
5.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
【今後の予定】ZOOM 8/17(火)19:30-21:00

IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

なお、今後もしばらくはZOOMを用いての勉強会の開催となりそうですが、対面での勉強会も、また再開したいと思っています。とはいえ、せっかく全国からZOOM勉強会にご参加いただけているので、対面が復活しても、ZOOMでの勉強会も何らかの形で継続したいとも話しています。

2021年6月12日(土)のZOOMでのIPS勉強会のご報告

6月12日(土)13:00-14:30にIPS東京勉強会がZOOMで開催されました。 今日もさまざまな地域からのご参加をありがとうございました!今日は21名での勉強会でした。

IPSでは、学びにひらかれていくために、それまでとは違うことにも挑戦していくこともあり、そのような居心地の悪さとも共にいる、というようなことを話したりします。
そこで今回は、「居心地の悪さと共にいる」ことについて、皆で自由にお話ししました。
  • 学びにひらかれる:自分が再構築される、擬似的な自分の死を分解して組み立て直す
  • 以前の自分は白黒思考が強くて、自分と同じだと居心地がいいが反対側の意見だと居心地が悪くて、あれはだめだと否定してた。しかしいろいろやっていくと、自分が規定した白黒だけではないと徐々に気付いた。グレーゾーンを許容する力。
  • ほんとの自分と自分の考えを距離を持って自分なりに考えたら良いなと。
  • 居心地が悪いときは自分に何か受け入れられないものがあるのだろうと考えまずはどうして居心地が悪いかを確認するためにそこにいるように心掛けている。自分の居心地の悪さがわかったら、去るか、その場で話すか、許容できる範囲か考えている
  • 自己反省会をしてしまう、しゃべりすぎたんじゃないかとか、誰かを傷つけたんじゃないかとか。
  • 相手はこうして欲しいのではないかとか忖度をしてしまうのが自分の居心地の悪さ。
  • 居心地が悪い、悪かった、と言えるこのIPSのような場があると、自分はこうしてるとか言える。居心地が悪いと言うことを堂々と言う、テーブルの上に出すのが良さそう。
  • 自己反省会は誰でもするし、どんなに良かれと思っても、何で誰が傷つくかはわからない。
  • 居心地の悪いことを認めて何かをするというのは、大人の文化。
  • 学校でも者会でも、空気を読むことに疲れ果てちゃって。相手がどう思うかばっかり気にしちゃって。IPSでは主体性とか価値観と向き合うこととか人間関係を構築するとか出てくるんだけど、どうしても空気を読もうとしちゃったり。
  • 講演をしたり雑誌に書き込んだりしているが、以前はこんなに楽しくやってます、ということばかりいってたが、今は、苦しいこともあるんですよ、とか、伝えるようになってきている。本音を話すと、本音で感想を返してもらえたり。
  • 言いたいこと伝えたいことを誤解されたり真意が伝わらないときや、自分の表現がうまく伝わらないときに居心地の悪さを感じる。さらに居心地が悪いのは、場が話がはずんでいて口をはさめないとき。対話の流れを変えたくないので。
  • 居心地の悪さ なんでそう思うんだろうって見つめるようにしている。
  • IPSで衝撃的だったのが、居心地が悪いっていうのを言ってもよい場なんだ、ということ。
  • 気付かないうちに自分がパワーをふるってさえぎっちゃうこともなかったわけではない。そういうことにも後悔してたり。自分がパワーをふるっているという自覚があるとよいのかも。
  • 人との意見の違いを考えて、すりあわせることが、居心地の悪さを考えること。
  • 感受性が高くて空気を読みすぎて苦しくなってしまうタイプ。思い出し笑いよりも思いだし死にたいが90%くらい。
  • 自分がうつでどうしようもなかったときは立ってる人というだけで傷ついちゃって泣いちゃったり。嫌な思いさせてしまうこと、気をつけようがない。
  • いつい言い過ぎちゃって。うざがられたり避けられたりして、自己嫌悪に陥ることがたびたび。
居心地の悪さについての話で勉強会の時間がいっぱいになりました。
ここから先は、居心地の悪さについての思いも交えながらの勉強会の感想です↓。
  • 一人一人の言葉に心が動いているのを味わいながら過ごしていた。
  • 今日の1時間半はあったかい場。居心地の悪さのための合意、初耳だったので楽しかった。
  • 安心のための合意は、居心地の悪さを受け入れること。自己反省は、始終なので、そのことを皆さんと考えられてよかった。
  • これまで相手の顔色を見てきた、相手に合わせることに重きを置いていきてきたんだ、とあらためて思った。俯瞰して、自分の人生は苦しい人生だったんだな、と気付けたら楽になる。
  • 相手の感情にまで責任はもたなくて良いという言葉を思い出していた。自己反省とか自分がしちゃうのは、良き自分でいたいというのがあるんだろうな。
  • 自分の中で起きている居心地の悪さもあること、なんとかできることもあるかもしれないと思った。
  • 「違っていてくれてありがとう」という言葉を、受け入れられるようになってきたときがあった。それを忘れてしまっていた。
  • 自己反省会をよくひらいて、なんであんなこと言っちゃったんだろう、とか、傷つけちゃったんじゃないかとか思うんだけど、かえりみるに、自分が悪くみられたくない。自分をよくみせたいということに自分はつながっている。
  • 自分の居心地の悪さと相手の居心地の悪さを持ち寄ったら何が起きるのだろうと思った。
  • 「違うこと」をお互いに発信できて受け入れられれば居心地の悪さは違う方向性に向かっていくのかな。
  • みんな考え方が一緒だとつまらないのにみんなと一緒でありたいと思うのはなんででしょうね。
  • 周りの人の居心地の悪さが気になって、自分の意見どころじゃなくなってしまうところがあったが過剰に反応してたんだなと気付いた。せっかくの集まりの機会に、まわりの表情ばかり気にしている自分に、違うよ違うよ、って肩をとんとんして言ってあげたい。
  • 私の悩みって私だけじゃないんだな。それを少しでも共有できたのはよかった。
  • アメリカでもIPSの勉強会とかがあるなら参加してみたい
  • 良い時間だった。
  • 自分の今の思いを言うことができて晴れ晴れとしている。
  • 自己反省会をすることが多いので聞けて良かった。
みなさま、今回もお考えやつぶやきを共有してくださってありがとうございました。

次回:2021年 7月4日(日)10:30-12:00
東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

-私(ゆっきぃ)のひとりごとです-
私は一人反省会をしてばかりです。いつも反省ばかりだけれど、こんな思いをするならもう人と話さないとか、人の集まる場にはいかないとかではなく、また次の機会に向かっていくことも、自分にとっては居心地の悪さも受け入れつつ学びにひらかれていることなのかもな、とも思いました。違っていてくれてありがとう、という言葉が心に残りました。

今日の勉強会の進行↓
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2021年6月12日(土)13:00-14:30 場所:zoom
1.はじまりの確認(チェックイン)
① 呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.これまでの振り返り 電話でのピアサポート (7巻 p.9~15)
3.居心地の悪さと共にいること 学びにひらかれるために
4.クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.16~)
(本日行わず)
5.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
【今後の予定】ZOOM 7/4(日)10:30-12:00
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2021年5月8日(土)ZOOMでのIPS勉強会のご報告

5月8日(土)17:00-18:30にIPS東京勉強会がZOOMで開催されました。 今日もさまざまな地域からのご参加をありがとうございました!今日は23名での勉強会でした。
これまでの「電話でのピアサポート(ウォームライン)」のこれまでのテーマに触れつつ、電話相談について思ったことを出し合いました。 

 皆さんの出してくださったことを順不同でご紹介させていただきます。 
  • ピアサポート電話で自己開示をしたら、電話をかけてきた相手が私の心配をしはじめてしまった。
  • ピアサポートの共感と、自己開示がどのようならよいのか。。 
  • 日本では、「いつでも電話してきて良いですよ」と言っても社交辞令のことも多い。 
  • 自分のスイッチが押されるような話を一方的にされてしまい、自分の体調が悪くなってしまったことがある。上司に相談して他の人が変わってくれたりもしたが、どうやって負担を分かち合うとかができるのかな。事例で出てきた岩田さんのように言える域には達していない。 
  • 相談を受けていたが、コミュニケーション能力が低いと相手から言われたことがある。 
  • 死んでやる、と電話を切られたことがある。ほうっておいてよいのか、時間をおいてかけたらいいのか、と思ったことがある。 
  • 電話した人が、相手の責任だと思ってしまうことがあるが、何かをやってあげるとかは健全ではない気がする。 
  • いざ現場に入ると、そういうことをするからにはその苦悩に耐えなければいけないというような前提があるが、自分がつぶれちゃって調子が悪くなるなどは本末転倒、矛盾を感じる。 
  • 自分も相手も障害者ということを強く感じる。健常者ならうまくかわせるところをかわせなかったりする。対応が難しい。
  • 相談に乗れるのはここまでで、それ以上は限界があります、って言うとか。
  • 役に立とうとする必要はないのでは、というのがIPSにはある気がする。
  • 続けられる支援とはどうしたらいいんだろう。どちらにとっても助けになるってどういうことなんだろうな。
  • 自分がしてきたことの後悔。寄り添うことは自分にもできるけれど、その人の主体性や意欲を、自分一人が抱え込んだりしていないか。
  • ピアカウンセリング、アドバイスをしたくはない。相手が話すことを、そのまま受け止める。助言をするのではなくて、話すことによって相手の頭の中の整理ができて、自分の気付くきっかけとなるといなと。助言ではない、話を聞く。
  • ピアカウンセリング ひたすらまず聞く 悪い方向にさせないための。わたしたちの電話は20分間って決まっている。かけてきたときよりも少しでも楽になることを目指していて。
  • 電話だと一対一になってしまい。関係を意識しちゃったり。大勢の中で言葉を投げかけるのが、聞く方も話す方も楽なのかなと。
  • 電話相談はすごくむずかしい。顔が見えない。横になりながら長々と話せちゃうところもあって、受ける側のストレスは絶対にある。話を聞けると自分の心が決まった日、時間に受けるようにするとか。

 このあたりから、電話相談について考えたことと、今日の勉強会の感想との両方となりました↓ 

  • 教えてあげる、アドバイスをする、というのではなくて、どこが悩みで、どういう風なことをしたいんだ、と相手が気付くように話を聞けるとよいのかな、と思った。
  • 傾聴ができないので、よく傾聴して相手の真意を考えたいと思った。
  • 相手をどうこうしたいという欲、煩悩があったのかなと気付かされた。
  • 相手になんて言おうって思ってるときは相手の話を聞けていない。それと、相手がよい方向にならないと自分の力がないから、とか妙な方向に自分を責めたり。それも全部自分の欲でしかない。
  • そうなんですね、って聞いてくれるのが後味がいい。話してる最中は、ものたりなく感じたけれど、後からよかったなぁと思ったことがあった。
  • アルコールを飲みたい飲みたいという仲間に、以前は「飲んじゃだめだ、ひどい目にあうぞ」とか「私はあなたに飲んで欲しくない」とか言っていたけれど、今は言ってなくて、「どうして飲みたいのか、とことん聞くから教えて欲しい」ってお願いしている。死にたいって人にも、死にたくなるほどつらい気持ちを私に教えてください。ってお願いしている。
  • 1「ズバリ言うわよ系」と2「気づきを与える系」の占い師であると、1は情報を与えた/与えられたが明確で、2は相談者がはっとする部分があると後で反すうしたり考えを促されたり。ピアで話を聞くときは2が頭の中の整理に結びついて理想的なのかなと思った。
  • 「ここで今何が起きているのかを共有できるといいよね。」というフレーズが印象に残っていた。電話相談の場面で、自分も話を聞いているうちに、受け止めないと、とか、何かをこたえなければという気持ちになることがある。話を聞き、解決とか、おとしどころのようなものを返すというのが、相談のワンセットだと自分の中で相談をとらえていたんだなと今日の話を聞きながら思った。
  • なんで一生懸命自分が相手に反応しようとしているかを考えたときに、自分がしんどかった経験があるからこそ、相手にこたえたいと思ってしまったり。電話かけて良かった、って思って欲しい自分がいる。
  • ボランタリーな精神や価値に根付くものと、職務的な要素を含むもの、匿名性が高いものとそうでないものなど、何を大事にしていきたいか(またはすることが必要かなど)で少し違ってくるのかもな。
  • 聞くことに意味があるなと思った。相手が話すことを聞くことはできるかもと思った。
  • 電話に関わらず相談で「解決したい」とか「助けてもらいたい」と思うのは最初は相談する側の発信からかもですが、受け手がそこに感化されて「解決したい」とか「助けになりたい」と思うのは受け手側がすっきりしたいから、とかあったりするのかな・・・。
  • 相手の人に役に立たないと意味がないと思ったり、他人からの承認がないと不安定になるとか、大事なテーマ。
  • 人間だから、承認欲求みたいなものはやっぱりある。
  • コミュニケーションできないことを言われるのは私のボタンを押す感じがあってつらい。
  • 居心地の悪さを味わう、というワークを思い出した。
みなさま、お考え・つぶやきを共有してくださってありがとうございました。

次回:2021年 6月12日(土)13時-
東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。
-私(ゆっきぃ)のひとりごとです-
相手の役に立ちたい、とか、自分は欲だらけだなぁ、と感じました。しんどそうな人が楽になりますようにと願うことは、人間としての自然な感情であって、その純粋な思いが根底にあるとは思うのだけれど、相手が楽になることに自分も貢献したいとか、誰かの役に立つ自分でありたい、とかは、また少し違った感情で、そういった感情が自分にあることに気付ける自分でありたいなと思ったり。そして、やっかいなことに、楽になる、とか、よい状態というのは、人によって違うのに、自分の価値観で無意識に思い込んでしまったりも多そうで、わざとではないにしても、相手にとってうれしくない状態へと貢献しちゃったりも起こりえるわけで、、とかいろいろ考えました。でも、人間だから、いろんな感情や欲もあるし、そういうのも含めて、経験を積み重ねながらいろいろ感じていくことが大切なんだろうなと思いました。今日もみなさんのいろいろな声に、いろいろな気づきがありました。ありがとうございました。

今日の勉強会の進行↓
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2021年5月8日(土)17:00-18:30 場所:zoom
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前  ②何に動かされてここに来ましたか?

2.これまでの振り返り 電話でのピアサポート (7巻 p.9~)
他の電話相談を使ったことがあったとしたら、電話でのピアサポートについて、どのような思い込みがあるでしょうか? サポートを求めて緊急電話窓口に電話をしたら、警察が玄関に来ていたという経験を持つ人が沢山います。命の電話に電話をしたら、ありきたりの返答、「暖かいお風呂に入って、まだつらい思いが続いているようだったら、あとで電話してください」といわれただけだったという人もいるでしょう。よく経験することは、積極的な傾聴(最もいい場合)、あるいはアドバイスや強制ということさえあります。
相互的な、双方向の関係を電話相談で経験したことのある人はあまりいないかもしれません。これまでの電話相談で経験してきたかもしれないことを考えることは、電話でのピアサポートの出会いがどのようなものであるかを考えるのに役立つでしょう。
もし電話をしてきた人がピアサポートについて何も知らなければ、電話の始めに違いを説明することは重要です。(会話があまり先に進む前に)ピアサポートについて相手の人が知っていることを尋ね、この電話相談に何を期待しているのかを聞くとよいかもしれません。

3.電話でのピアサポート [ウォームライン: warmline](7巻 p.9~15)全体を通じて
 ただ話がしたい電話
 死にたいと伝える電話
 あなたのボタン(反応のスイッチ)を押す電話
私たちが難しいと感じるかもしれない電話の例はもっと沢山あるでしょう。でも、根底にあるものは同じだということがわかっていただけたかと思います。
①これまでの例からどんなことを考えたでしょう?

4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2021年4月11日(日)ZOOMでのIPS勉強会のご報告

 4月11日(日)13:00-14:30にIPS東京勉強会がZOOMで開催されました。

日曜午後の開催です。今回もさまざまな地域からのご参加をありがとうございました。この日は20名のご参加がありました。

この日の勉強会も、引き続き7巻で、電話でのピアサポート(ウォームライン)がテーマです。皆さんの電話でのピアサポートの経験についてと、ワークブックの例に対していろいろな感想が出ました。

今日は、「あなたのボタン(反応のスイッチ)を押す電話」です。

皆さんの共有してくださったお考えを順不同で:

  • 自分が電話をかけた側で、受けてくれた人を圧倒してしまったとわかったら、申し訳ないことをしてしまったと思いそう。
  • 電話を受ける側だったとしたら、電話をかけてきてくれた人が個々を気に入ってくれていると聞いたら、ちゃんとしなきゃと思うだろう。だから、相手の話を聞いて圧倒されてちゃうと言えないかもしれない。でも、自分を抑えてまで、相手のことをなんとかしなくちゃって思ったりする関係性はピアとは言えないかもしれない。
  • ピアだからわかってくれるのではという期待は怖い。以前はそう言われて嬉しい気持ちがしていたけれど、今思うとそれについてごめんなさいという気持ちになる。そういうところから正直になりたい。
  • 大多数に向けて、いつでも電話してくださいって言うというのは、相手の何かを解決できるかもしれないと無意識に自負してしまっているとしたら怖いことかもしれない。
  • ピアサポートは自分には荷が重いと思ってきたが、今度加算がつくことになったし、あなたもやらないか、と言われたりしている。真剣に考える時がきたのかな。
  • ピアサポートに、自分の責任感だけで入り込んじゃうのではなくて、豊かな関係性をきめ細かく耕していきたい。土台を固めていきたい。
  • この電話のやりとりを聞いて、自分がかけた側で、こう言われたらびっくりするだろうな。ピアサポートの電話だということを、かける側も知っておくというのは大事だろうな。
  • 電話を受ける側も、自分のできることとできないことがあることをわかっていて、自分でブレーキをかける対応をしたのはすごいなと思った。
  • 相手に自分の気持ちも伝えつつ、ほかの人に電話を変わったりもあるかも。
  • この勉強会で、自分の気持ちもすごく大事で、正直出あることも大事で、それを相手に傷つけないように伝えたり、相手の気持ちも受け取ったりできるといいなと思うようになった。
  • その方にとって「ピアサポート」という言葉の持つ意味が違うときに、関係性が断たれたような…とか一方的なものに感じてしまうのかもと思う。
  • こういう言葉に自分は圧倒されちゃうんだって言われると、悪いことしちゃったって思うこともあるだろうけれど、自分の気持ちを話したいだけで、本当は細部の客観的事実とかが大切なわけではなかったって気付いたりすることもあるかも。ほんとうに話したかったのはもっと違うことだったとかもあるかも。
  • 誠意をもって、相談を受けたり。誠意を持って自分の思いを言えば。ピアサポーターって自分も当事者だから、自分も問題を抱えているし、自分の問題を見つける場でもある、と思った。
  • 頭をずらすとか、椅子をずらすみたいなのが電話ではできにくい気がしていて、余裕がない。余裕がないと役割をおりられない。自分は発展途上じゃなくて、自分はできてるって思っちゃうところがある。相手との関係を作っていくんだよなーと思った。
  • ピアサポートということで、こたえられないといけないのかなと思っていたり、こたえられるのが当然と思って電話かけてくる人が多いのかなと思ってたんだけど、自分の気持ちを伝えることによって、できないこともあるってことがあってもいいんだなということを感じた。こたえられるにこしたことはないけれど、無責任なことは言わなくていい。
  • 相談の中で、一緒に困ってくれるだけでいいんですよ、って。言われたことがある。それは大変だね、ってところから。それだけでいい。どちらにとっても助けになるようなやり方で、話すことが大切だ、と書いてあるので、助けてあげるとかじゃなくて、お互いがよりよくなるために。どちらも当事者だということが、良い意味だと思う。何も考えずに、人の話に静かに耳を傾ける時間。

みなさま、いろんなお考え・つぶやきを共有してくださってありがとうございました。

次回:2021年 5月8日(土)17時-

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。
-私(ゆっきぃ)のひとりごとです- 
支援をすると考えると、支援する側が「この言葉を聞くと気持ちが動揺する」とかは言ってはならない気持ちになることもあるかもなと思います。意図的なピアサポートでの「支援する・されるの関係ではなく、相互的な関係性」と考えると、支援する側ではないし、また、自分の心が騒いでいる状態では、相手の話を心から聞くこともできないので、それを伝えないまま聞いているふりをしているというのも最善ではない(自分にも相手にも誠実ではないし、相手としてもちゃんと聞いてもらえた感じがしないかもしれず)と感じました。相手を傷つけたいというつもりではなく、でも、自分にこんなことが起きているということを差し出すことで、お互いに、自分が向かいたい方向を考えたり気づきがあったり(気持ちを話したいとか、通じ合いたいとか、説明する必要はなかったんだと気付いたりとか)になることもあるだろうなと思いました。

今日の勉強会の進行↓
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2021年4月11日(日)13:00-14:30 場所:zoom
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前  ②何に動かされてここに来ましたか?

2.これまでの振り返り 電話でのピアサポート (7巻 p.9~)

3.電話でのピアサポート [ウォームライン: warmline](7巻 p.9~)
電話をしてきた人が、ピアサポートについて何も知らなかったとしたら、ピアサポート電話相談をどのように説明しますか? 
ピアサポートについて経験のない人には、この種の電話サポートは、問題を解決したり、コントロールするものではないことを説明するかもしれません。個人の経験に基づくアドバイスさえしません。そうではなく、ここは、人々がお互いに話し、お互いにとってうまくいきそうなことを見つけ出し、お互いから学ぶ場です。単に人々の対処を助けるだけではなく、考えることを促すためのものです。行き詰った感じがするときや、古いパターンを破りたいと思っているときにも、ここに電話してほしいと付け加えてもよいでしょう。
ピアサポートの経験がいくらかある人には、どうすれば電話がお互いにとってうまくいくのかを交渉することから始めるとよいかもしれません。たとえば、相手の人が、気分がとても悪いのだけれど、家を出ることが出来ないと言ったとしたら、こう言うかもしれません。「あなたの話を聞かせてもらいたいと思います。それとともに、状況についての私の理解や、私が必要とすることをあなたにお伝えしてもいいですか?」これで、相互性を確立し、私たちが望んでいることに向かってお互いに助けあうためのピアサポートの技法を使うことが出来ます。

ワークブックであがっている例
あなたのボタン(反応のスイッチ)を押す電話
電話サポートの方が、本当につらいことを話しやすいと感じることもあります。相手の反応を見ることが出来ないので、つながりを切ってしまったとしても、そのことがわかりません。電話でも、あなたが見、感じ、必要としていることを伝えることが大切です。

例:
松平さんは、この数ヶ月電話相談に周期的に電話をしています。彼女は電話相談のスタッフの何人かにとても安心出来るようになってきましたが、岩田さんは始めたばかりで、電話を受けながら、少しこころが揺れるのを感じています。
松平さん:この電話相談はすごく助けになっています。今晩は、ちょっと問題があって、それについて話したいんだけど。
岩田さん:岩田と申します。電話相談を始めてまだ日が浅いことをお伝えしておこうと思います。でも、私たちがあなたの助けになっていると聞いてうれしいです。
松平さん:そう、ここは、“わかってくれる”ので気に入っているんです。それで、10月になって、子どものときにこの季節に受けていた虐待のことをいつも思い出していて、そうすると、リストカットをしたくなる・・・
岩田さん:松平さん、ちょっと、話を中断させてもらってもいいですか?松平さんと話しを本当にしたいのだけれど、松平さんの描写を聞いて、少し、圧倒されそうな気がするので。
松平さん:どうかしたの?他の電話相談のスタッフは、何の問題もなかったのに!!
岩田さん(傷ついて):私が新人で慣れていないということもそうなんですが、この電話相談について、私は、私たちのどちらも、自分が見、感じ、必要としていることを言うようにするものだと理解しています。今私は、自分の虐待の経験に少し近い感じがしていて、時間をかけて、私たちのどちらにとっても助けになるようなやり方でそれについて話をすることが、私には必要なのです。どうしたら、そうなるか、試してみてもいいですか?

4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2021年3月11日(木)ZOOMでのIPS勉強会のご報告

3月11日(木)19:30-21:00にIPS東京勉強会がZOOMで開催されました。

東京のIPS勉強会ではじめての平日の夜の勉強会の開催です。さまざまな地域からのご参加をありがとうございました。この日は22名のご参加がありました。

この日の勉強会は、引き続き7巻で、電話でのピアサポート(ウォームライン)がテーマです。皆さんの電話でのピアサポートの経験についてと、ワークブックの例に対していろいろな感想が出ました。

  • 何度も電話がかかってくる。自分自身が体調が悪かったりすると切り上げたいなと言う空気がでてしまってそれでもピアサポーターなの?って言われてしまったことがあって、そうならないように、と構えてしまったことがあった。でもこれって関係性がよくわからなくなってしまっている。どうしたらよかったのかな。
  • 連絡先の交換をしないようにガードをはりはじめてしまった自分がいる。
  • 早川さんの例(ワークブックの例)を読んで、こんな風に伝えられたら誠実だなぁと感じた。
  • 自分の気持ちを伝えてみることはできる。相手がどう受け取るかは相手次第。
  • 思いを伝えるときの言葉選びを慎重にいかないといけない
  • 相手から、何か悲しいことあった?って見抜かれた瞬間に、ちゃんと自分の側のことも伝えないといけないなと思った。
  • 相手の感情も大切にしているけれど、自分の感情も大切にしている。嘘偽りのない表現。
  • 一方的に電話で話をされ続ける事があって、結局自分がしんどくなって携帯の電源をいつも切ってしまっていたことがあった。その時に相手にもそして自分の感情にも誠実でなかったと感じている。今回の勉強会のような話が頭の中にありお互いの関係性や感情に誠実であればその人とも違った関係が築けたのかもしれない
  • 自分はいっぱい話したくなっちゃうタイプで、相手が逃げるようになってしまう。ワークブックの例の藤井さんみたいに言ってくれたらいいなと思った。みんながそういう関係性になれたら、世界も怖くなくなる。でも藤井さんみたいに言葉にはできるような感じにたどりつくのに時間がかかる。
  • 相手との関係をよいものにしたいと思う人、自分にとって大切に思う人にしかIPSは使えない。
  • ある電話相談では、20分って時間が決まっている。かける人は、そのこともわかった上でかけている。
  • 自分の願いだったり自分はこうしてもらえると助かるってことを交渉してよかったんだ、と後からわかったことがあった。
  • 人間関係への依存を分散させられると楽になれる。

電話について、人との関係について、ピアサポートについて、いろいろなお話をどうもありがとうございました。

次回:2021年4月11日(日)13:00- 

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

-私(ゆっきぃ)のひとりごとです- 
この日は東日本大震災から10年の日でした。10年前のこの日、久野恵理さんと、IPSの仲間達と一緒にIPSで学んだことについて壇上で話し合うという場にいたことを思い出していました。参加された皆さんが、10年前の体験をお話しされたり、その話を聞いていて思い起こされることがあったり、あるいはその話をしている場にはいられない気持ちになったり、それぞれにとっていろいろな想いを感じずにはいられない時間だったなと思いました。そのように心が動いてしまうときに、どんな風にいられるか、今後の関係性のためにどのようなことをできそうか、あるいはその後でどんなことができそうかということも、クライシス状況のときのIPSの会話と通じるものがありそうだなと感じています。

今日の勉強会の進行↓
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2021年3月11日(土)19:30-21:00 場所:zoom
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前  ②何に動かされてここに来ましたか?

2.これまでの振り返り  電話でのピアサポート (7巻 p.9~)
他の電話相談を使ったことがあったとしたら、電話でのピアサポートについて、どのような思い込みがあるでしょうか?
サポートを求めて緊急電話窓口に電話をしたら、警察が玄関に来ていたという経験を持つ人が沢山います。命の電話に電話をしたら、ありきたりの返答、「暖かいお風呂に入って、まだつらい思いが続いているようだったら、あとで電話してください」といわれただけだったという人もいるでしょう。よく経験することは、積極的な傾聴(最もいい場合)、あるいはアドバイスや強制ということさえあります。
つまり、相互的な、双方向の関係を電話相談で経験した人はあまりいないということです。これまでの電話相談で経験してきたかもしれないことを考えることは、電話でのピアサポートの出会いがどのようなものであるかを考えるのに役立つでしょう。
もし電話をしてきた人がピアサポートについて何も知らなければ、電話の始めに違いを説明することは重要です。(会話が余り先に進む前に)ピアサポートについて相手の人が知っていることを尋ね、この電話相談に何を期待しているのかを聞くとよいかもしれません。
①電話相談でどのようなことを経験してきた可能性があるでしょう?

3.電話でのピアサポート [ウォームライン: warmline](7巻 p.9~)
電話をしてきた人が、ピアサポートについて何も知らなかったとしたら、ピアサポート電話相談をどのように説明しますか? 
ピアサポートについて経験のない人には、この種の電話サポートは、問題を解決したり、コントロールするものではないことを説明するかもしれません。個人の経験に基づくアドバイスさえしません。そうではなく、ここは、人々がお互いに話し、お互いにとってうまくいきそうなことを見つけ出し、お互いから学ぶ場です。単に人々の対処を助けるだけではなく、考えることを促すためのものです。行き詰った感じがするときや、古いパターンを破りたいと思っているときにも、ここに電話してほしいと付け加えてもよいでしょう。
ピアサポートの経験がいくらかある人には、どうすれば電話がお互いにとってうまくいくのかを交渉することから始めるとよいかもしれません。たとえば、相手の人が、気分がとても悪いのだけれど、家を出ることが出来ないと言ったとしたら、こう言うかもしれません。「あなたの話を聞かせてもらいたいと思います。それとともに、状況についての私の理解や、私が必要とすることをあなたにお伝えしてもいいですか?」これで、相互性を確立し、私たちが望んでいることに向かってお互いに助けあうためのピアサポートの技法を使うことが出来ます。

ワークブックであがっている例

ただ話がしたい電話
人は、寂しいとき、自分のことをあまり知らない人と話したいとき、何か助言が欲しいとき、強い感情があって家を出ることが出来ない(出たくない)ときなどに、ピアサポート相談に電話をすることがあります。もし、似たような経験を持つ人、あるいは、深く聞いてくれる人がみつかれば、気分は随分良くなります。しかし、何かを変える意志がほとんどないとか、電話がもっと“緊急事態用”だったとき、何度も繰り返し電話をすると、問題が生じてきます。 

例: 
早川さんは、毎晩、一晩に4~5回、電話相談に電話をしていました。自分の犬のこと、アレルギーのこと、近所の人との問題について話します。ほとんどの電話を藤井さんが受け、早川さんの電話相談の使い方に、幾分不満を感じ始めています。藤井さんは、電話相談の目的を説明したのですが、何も変わる様子がありません。これが早川さんの今晩二回目の電話です。

早川さん:「もしもし、とても気になっていることがあって、話したいのですが」 
藤井さん:「早川さん、またかけてくれてよかった。私もあなたに話したいことがありました」 
早川さん:「へえ」 
藤井さん:「私は、早川さんに説明したようにはピアサポートを十分実践していなかった気がします。このところ、ちょっと批判的になっていたようでした。そのことについて、話をしたいと思うのだけれど、いいですか?」 
早川さん:(ナーバスに)「いいけど」 
藤井さん:「はじめに電話をくれたときに、電話相談について話したことを覚えていますか?電話をお互いにとってうまくいくものにすること、お互いの学びのために使い、“行き詰まり”のパターンを探し出すことについて話したと思います。私が、あなたに対してあまり正直になっていなかったことの一つは、いつも同じ話をしていることに苛立ちを感じ始めていたことです。それと、他の人からの電話がつながらないかもしれないという心配もしていました。私がどう感じているのかを伝えずに、電話を早く切ろうとしていたような気がします。そんな感じがしていましたか?」
早川さん:「うん、ちょっと、気が散っているように感じたけど、前はとてもよくしてくれていたから、どうしてかわからなかった」
藤井さん:「電話相談で早川さんは何を経験したいのかについて考え直して、他の資源についても一緒に考えてみるのはどうですか?それに、私がつながりをなくしているように感じたら、それを伝えるようにします」
早川さん:(防衛的に)「私は何も悪いことをしていたとは思わないけど」
藤井さん:「これが悪いことだとは思ってないのです。それより、もっと強力で、偽りのない関係を作れないかと思うのです」

4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2021年2月6日(土)ZOOMでのIPS勉強会のご報告

2月6日(土)15:00-16:30にIPS東京勉強会がZOOMで開催されました。

本日も、様々な地域からご参加をありがとうございました。土曜日の夕方ということで、今日もお久しぶりの方や初めての方や、さまざまな地域から20名がご参加くださいました。

前回1月は、電話相談をどんな風に体験しているだろう、というお題で、電話相談にかけたときのことがたくさん出ました。その前回の振り返りとして、

  • 死にたいと言われたときにどんな風に冷静に気持ちをきいてあげられるのかな、って考えてた
  • 電話相談を受けているが、電話ではとても攻撃的だった方が、いざ対面でお会いしたら、ただただ泣いていて。前回の勉強会資料に、電話と対面でそれほど違わないとあったが、やはり違うのではないかと思った

というような思いが出ました。

今回も、電話の続きです。(電話でのピアサポート、とかピアサポート電話相談と訳していますが、IPSのワークブックの原版(シェリーさんの英語版)では、ウォームライン(warmline)と言っています)
ワークブックにあがっているいくつかの例のうち、前回の話もあったので、今日は、「死にたい」という電話がかかってきたときの例をお題としました。
まずは、「死にたい」といった電話がかかってきたときの経験や、かかってきたとしたらどんな風な感じだろう?ということを出し合い、それから、ワークブックの中のやりとりを見ながら話をしました。
  • 魔法の言葉はない。丁寧に話をするようなトーンでやりとりをするしかないかも。
  • 何に動かされて電話をしましたか、って話をしたり?
  • 普段は人に相談しない人が、追い詰められたときだけ電話がかかってくる。電話をかけてくる人の情緒が落ち着いていない状況なので、電話がその人からかかってきても電話に出ることができなくなっちゃう、ということが仲間の中で起きた経験がある。
  • 死にたいって言うことで相手が動揺して動かされてしまい、それをやっているうちにエスカレートしてしまうこともあって、うまく対応できないこともあった。
  • 死にたいって気持ちを聞いて、その人がそう思うとしたらそれでいいのかな、とも思ってしまうかも。あなたの死を見届けて、あなたの思いを引き受けて自分も生きていくよとしか言えないのかなと思ったり。
  • ありがちなのが、死んだらだめだよっていう問題解決型。そうではなくて、死にたいってところを問題化しない、死にたいというところに焦点を当てずに、死にたいという言葉の裏にあるものに対して、自分の経験を出す。
  • 当事者同士の電話相談をずいぶん前からしている。死にたいんですって言われたら、よく言ってくれた、吐き出したかったのはそれなんだな、と思って、私で良かったらおはなししてくれませんか、と。
  • 精神科で働いていて、死にたいって言われたときには、次に会う約束をするとか、死なない約束をするとか、そういう風に読んだり聞いたりしたけれど、それはその場しのぎでしかなくて、相手は話を聞いてもらえたとは全然思えなかったと思う。
  • 死なないって約束してくださいね、って今もある。入院したときに、それを約束してもらえないと入院はできません、と。毎回入院のたびに必ず確認される。どうしてそうなったのか?
  • まずは約束をしてもらって、とりあえず時間をいただいて、その間にゆっくり話を聞く機会をいただくというような意図があったと思うが、約束は、大切な人との約束だから果たそうと思うのであって、一医療者や、その場で会った人と約束することに意味があるのだろうか、とも思う。
  • 今の医療は、医療の契約を守れる人だけが入院できるような。サインをさせたり、念書みたいなのを書いたり。何かあるとインシデントと言ったり、看護をしているのか管理しているのか、と思ってしまったり。
  • 自分は常に自殺願望があって、自殺願望が強いときに、主治医に「またここ(外来)に来てください、待ってます」って言われ続けて生きることができている。
  • 話を聞く側も、その発言を聞いたらびっくりしちゃう、とか、胃がぎゅっとする、とか、自分が何に反応しているのかを感じたり、自分に必要なことを伝えるのも大事なのだろうと思う。
そして話は続きながら、感想も、です。
  • 死にたいって思ったときに、全然知らないのに、死んでほしくないって言う人とかいて、この人には話せないな、って思うし、入院しますか、しか言わない医師とか。
  • 相手の言葉に思いを馳せたり、おそるおそる言葉に出すことで何かが伝わったりわかりあえることがあるのかな、とか。
  • 時間の余裕のなさ。時間の進み方がぐるぐる動いている中で、IPSとかピアサポートとかの、ゆっくりいきましょ、みたいな雰囲気がまず難しい。相談する側も、大きな荷物みたいな相談を持ってきて相手に浴びせる感じの風土とか。そういうところから確認し合ってやっていかないと。
  • 変な共感をするとうそっぽい。うそっぽい共感は何の役にも立たない。
  • 語調を感じ取る。自分の神経を研ぎ澄まして、相手の語調を感じ取る。
  • 電話相談をする人達は死にたいという思いはあったとしても何かしら助けてほしいと伝えたいような気もする。自分が本当に死にたかったとき、自分の中で全てを簡潔させたい思いもあったので電話相談をしようとは思わなかった。
  • 何も言わずに死んでしまう人たちの思いをどう汲み取るか。本人が何も語りたくない以上どうしようもないのかもしれない。「死にたい」と発信してくれたならそれを「受け取らせて頂きました」という事が自分にできる精いっぱいかなと思った。
  • 今日のワークブックに「人のために責任をとる昔の役割に、すぐに陥りかけました。」とあった。自分の思う責任の取り方に悩んでしまうことがある。
ほかにもさまざまなご感想をありがとうございました。
ここに記載した内容で削除したいものがあればいつでもご連絡ください。

次回:2021年3月11日(木)19:30-21:00 ←平日の夜です!

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-私(ゆっきぃ)のひとりごとです- 
毎回のことですが、90分があっという間で、もっと皆さんのお話を聞きたいという思いがあります。小グループに分かれて話すと話したい人ももっと話せるだろうかと思ったり、でも、参加されているみんなの話を聞き逃したくないと思ったり。 
今日も引き続き「死にたい」の電話がテーマでした。皆さんといろいろ話す中で、行き詰まっている感じを安心して話せる関係があったり、切羽詰まったときにも、自分は今どんな気持ちになっているかに気付いたり、どんな関係でいたいのかに一緒に焦点を当てたり、ができるような間(ま)を思い出せるといいなと思いました。私にとっては、IPSの勉強会で静かな時間や雰囲気に定期的に触れ、そうだった、こういう間が必要だった、と、思い出す練習を繰り返す機会となっているように思います。

今日の勉強会の進行↓
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2021年2月6日(土)15:00-16:30 場所:zoom
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2.これまでの振り返り  電話でのピアサポート (7巻 p.9~)
電話でのピアサポートが対面のピアサポートと違う点は何でしょう?会う方がピアサポートをやりやすいでしょうか? 違いはあるかもしれませんが、思ったほどの違いはありません。
ここで、IPSの「世界観」の考え方、つまり、ものの見方(どうしてそう思うようになったのか)について理解するために助け合うことに戻ってみましょう。たとえば、他の電話相談を使ったことがあったとしたら、電話でのピアサポートについて、どのような思い込みがあるでしょうか?
サポートを求めて緊急電話窓口に電話をしたら、警察が玄関に来ていたという経験を持つ人が沢山います。命の電話に電話をしたら、ありきたりの返答、「暖かいお風呂に入って、まだつらい思いが続いているようだったら、あとで電話してください」といわれただけだったという人もいるでしょう。よく経験することは、積極的な傾聴(最もいい場合)、あるいはアドバイスや強制ということさえあります。
つまり、相互的な、双方向の関係を電話相談で経験した人はあまりいないということです。これまでの電話相談で経験してきたかもしれないことを考えることは、電話でのピアサポートの出会いがどのようなものであるかを考えるのに役立つでしょう。
もし電話をしてきた人がピアサポートについて何も知らなければ、電話の始めに違いを説明することは重要です。(会話が余り先に進む前に)ピアサポートについて相手の人が知っていることを尋ね、この電話相談に何を期待しているのかを聞くとよいかもしれません。
①電話相談でどのようなことを経験してきた可能性があるでしょう?

3.電話でのピアサポート [ウォームライン: warmline](7巻 p.9~)
電話をしてきた人が、ピアサポートについて何も知らなかったとしたら、ピアサポート電話相談をどのように説明しますか? 
ピアサポートについて経験のない人には、この種の電話サポートは、問題を解決したり、コントロールするものではないことを説明するかもしれません。個人の経験に基づくアドバイスさえしません。そうではなく、ここは、人々がお互いに話し、お互いにとってうまくいきそうなことを見つけ出し、お互いから学ぶ場です。単に人々の対処を助けるだけではなく、考えることを促すためのものです。行き詰った感じがするときや、古いパターンを破りたいと思っているときにも、ここに電話してほしいと付け加えてもよいでしょう。
ワークブックであがっている例

死にたいと伝える電話 
この状況は、対面しているときと確かに異なります。電話をしている人は、ピアプログラムについてよく知らないかもしれないし、あなたはその人について何も知らないかもしれず、その人はすでに何かしているかもしれません。もしくは、とてもつらい感情について、ただ、話したいだけなのかもしれません。 

例: 
横田さんはピア電話相談で働いていて電話を受けます。秋元さん(ピアサポートは初めての人)が電話をしてきました。しばらく雑談をして、横田さんはピア電話相談について少し説明をします。しかしそれほど長く話す前に、秋元さんは、ここは精神保健センターのようでなくてよかったと言います。そこは、彼が死にたいと感じているとき、いつでも警察を呼ぶからと言います。 

横田さん:その人たちは自殺したいという気持ちについて、秋元さんと話そうとせず、ただ、警察を呼ぶのですか?秋元さんは、そうではなくて、彼らにどうして欲しいのですか? 
秋元さん:ただ話を聞いてくれたらと思います。たった一度、大量服薬しただけなのに。 
横田さん:秋元さんが今「たった一度大量服薬しただけなのに」と言ったとき、胃が縮まったように感じました。それで、私は人のために責任をとる昔の役割に、すぐに陥りかけました。それはこの電話で私が望んでいることではないので、お互いのためになるようにこのことを話すには、どうしたらいいでしょうか? 
秋元さん:そうですね、そうしようと思っているわけじゃなく、ただ、それを話す場所が必要だというだけで 
横田さん:私としては、強い感情について話をするために自殺の言葉を使うようになったのかもしれない、というあたりの話が出来るといいけど、あなたにとってはどうですか? 
秋元さん:そういうふうに考えたことがなかったなあ。

4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

本日の勉強会で、当事者同士による電話相談「ポプリ電話相談 https://saitama-popuri.jimdofree.com/電話相談/」のご紹介がありました。

勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2021年1月10日(日)ZOOMでのIPS勉強会のご報告

2021年1月10日(日)13:00-14:30にIPS東京勉強会をzoomで開催しました。

本日も、さまざまな地域からご参加をありがとうございました。今日は18名のご参加でした。

まずは前回の振り返りとして、11-12月に2ヶ月にわたっての「松本さんと長谷川さんの例」と、2020年にずっと皆で話し合ってきた、組織でピアサポートワーカーとして働くことについて扱った例(例1:自分の意見を主張しはじめたら、見下されているか、理解していないと言われるかのように感じる、例2:薬を処方された通りに飲んでいない人がいたらすぐに報告する決まりであると言われる、例3:あなたが私と話すのは、雇われているからですよね?と利用者さんに言われる)を振り返りました。
  • 調子を崩すことも変わろうとしないことも悪いことなのだろうか?生きているんだから調子を崩すこともあるし、変わり続けないといけない人生だとしたらつらい。
  • ピアスタッフになるのも精神科医になるというのも、どちらも回復のお手伝いをする手段でしかないのでは。自分は枠組みにとらわれずに本質や自分の感性からずれない自分の納得できる活動を探していきたい。
  • 自分の感情に責任をとっておらず、ピアサポートに基づいた話をしていないとは?
    • マニュアルや決まりに基づいた話をしていて、自分の気持ちを言っていない
    • 変わろうとする気がない、と、その人に責任をゆだねてしまっている。本当は応援したいのに悔しい気持ちになったり悲しい気持ちになったりとかの感情があるのでは
    • ピアスタッフ自身が調子を崩しているのではないか。
    • 自分の感情に責任を取っていないのは長谷川さんだけだろうか。松本さんも、医師も、誰も感情に責任を取っていないのでは。
    • 自分にはこのように見えてつらい気持ちになっているとか、気持ちや自分の見え方を言えたらいいなと思う。それと同時に、医療の現場や一般の組織で、あなたの気持ちは不要。というような対応をされることも多々ある。
  • 長谷川さんは、廊下で聴かれちゃって、この場で答えないといけないのかな、って迷ったかもしれないし、医師から聞かれたら医学の枠組みで答えねばと思ってしまいそう。後からすごく後悔しているかもしれないし見方が全然違う真実があるかもしれない。そう見えたけどどう?ってテーブルに出して話すことで、長谷川さんも、実はこう思っていたとか言えるかもしれない。
などの感想がありました。どの例も、また振り返りたい気持ちになりました。

そして、今回から、7巻の9ページ、「電話でのピアサポート」に入りました。電話でのピアサポートを考えるために、まずは、電話相談に対する見え方、電話相談についてのこれまでの経験や見聞きしたことについて話し合いました。
  • 人を殺したくなったと救急車に電話をしたことがある。パトカーと救急車がきて、家族が迎えにくるまで、とにかく死なないように、行動にうつさないように見張られていた体験がある。
  • いのちの電話は、かなり深刻なときには地域の警察に連携すると聞いたことがある。
  • 生活が苦しくどうすればいいかと電話してみたら、申し訳ないが知識がないということで終わってしまった。最後のエネルギーを振り絞って電話しているので、そこで力尽きて次の手段にいってしまう人もいる。
  • いのちの電話、時間が決まっているが、ひたすら傾聴してくれて、またいつでも電話してきていいよと言ってくれた。
  • いのちの電話は、電話がつながりにくかったということを覚えている。切羽詰まった人が電話したときにつながらないというのがあるのは心配。
  • いのちの山彦電話、みんなネットの電話相談、障害者福祉相談など、よいところもたくさんあって、元気なときにチェックしておいて覚えておくのもよいと思っている。
  • 自分のことを知っている人に相談したことがあるが、相手がこわがってしまった。一人じゃないよ、みたいなありきたりな返答で、私はそれを背負えない、と逃げるような返事に聞こえてしまった。最後の力を振り絞って、勇気を振り絞って電話してるんだけど、そうなってしまうと、どこにももう話せない。
  • 死にたいときにどうしてほしかったのかなって考えてみると、慰めてほしいわけでもなく、なんで死にたいのか一緒に話したかった。そこを共有できるだけで違ったかもしれない。
  • 電話相談にかけたら、実際に自殺行動を起こしたかどうかを聞かれた、つらい思いについては聴かれないままに。大変なことをしなければ電話しちゃいけないのかと追い詰められてしまった。
  • 電話相談を受ける人もボランティアなので疲弊している、と言われたことがあった。お金が出ない状態で大変だろうなと思うと同時に、その看板を掲げる限りは、そういうこともあるだろうとも思う。
  • 電話で話して、相手をこわがらせてしまい、結果的に関係が壊れたりと言うことを何度か経験してきた。また、自分が相談を受けて、受け止めきれずに結局関係をおわらせてしまったことも。電話ってなんでこんなに難しいんだろう。対面よりも電話はうまくいきにくいような気がする。相手の顔が見えないから、つらいという気持ちを言い過ぎてしまったり。
  • 仕事の一つに相談電話があるが、電話がつながりにくいとか対応がうまくいっていないとかたくさん聴く。LINEを用いての相談を開設しようという案がでている。
  • 自分がどうして死にたくなってしまったのかを聴いてほしい。その経緯や、それに付随する感情とか。
  • 死にたいという電話がかかってきたときに、話してくれたことをメモに書き、こういうことなんですね、と伝えつつ、メモを取っていたことをその相手に言ったら、相手の人が、自分の悩みが合理的にまとまっているので、そのメモを送ってほしいと頼まれたので送った。その人に喜ばれて、それ以降はそのメモを一緒に見ながら話したりした。
  • いのちの電話を受けている人たちも大変だと思う。
  • 苦しいときに電話をしたら、声も言葉も出せなくて無言になってしまい、いたずら電話と思われて結局話せなかった。無言電話の何割かはそういう人と思う。
などなど、さまざまな経験が語られました。そのまま話が続きつつ、感想もシェアされました。
  • 相談への対応が下手な人もたくさんいること、最後の力を振り絞ってそうだったら苦しいから、10回、20回かけたら一つくらいは(良い対応が)あるかもねくらいの認識が大事かも、と話し合っている。
  • 自分が生きていられたのは、誰かがまわりにいてくれたから。だから、おこがましいけれど、自分も一言でもつらい人に言葉を添えることができれば。
  • 死にたいというのは生きたいから。誰かになんとかしてほしいから電話をした。死にたいけど生きていたい。生きたいけど死にたいみたいな。死にたいという人の話をきいていければ。そんなことをこの場でみんなで話していけたら。
  • これまで、死にたいといわれて、アドバイスをしちゃったら切れちゃった。次にこんな経験があったら、なぜ死にたいのか、今後は聴きたい。
  • 電話相談に、そんなに死にたいわけじゃないのにかけてくる人、みたいなことを笑い話のように聴いたことがある。自分にとって電話相談が選択肢になかったのは、そんな話を聞いたからかもしれない。死にたいって気持ちに重さをつけないでほしい。
  • 何がいけなかったのか。どうして止められなかったのか。どうして自分の言葉が届かないのか。
  • 自殺することが悪いことなのかな?選択肢として生きるのも死ぬのも自由だと思う。ただ、相談してくるということは生きたい人たちだと思うので、生きてほしいなとは思う。
  • 電話相談のハードルが高い。10回20回かけていいところ、っていう認識になったらいいかも。
  • 一人の人が話を聞き続けるのは負担だろうと思うから、グループチャットみたいな感じでみんなで話を聞くという枠組みにしたら、負担が減るのかな、ということを考えたりもする。
  • 24時間365日チャットで相談できる(海外にいる人の時差などを利用して日本の深夜でも対応してくれる)サイトがある。https://talkme.jp/
  • 自分の気持ちを包み隠さず話せて、話を聞いてもらったという事実だけでありがたかったなと思うことがあった。何かしてほしいとかじゃなくて。ただ聴いてもらう。
  • みんなの言葉の一つ一つが胸に響いた。
  • つらい気持ちを話すのは勇気がいることだし、聴くことも勇気や力が必要なことだろうと思う。お互いに、安心して自分のことも相手のことも大切にできるような場作りをしていくことをできたらいいな。
さまざまなご経験や思いを共有してくださりありがとうございました。ブログに記載してある内容などで気になる点などありましたら、いつでもご連絡いただければと思います。

次回:2021年2月6日(土曜日)15:00-16:30(ZOOM)
東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

-私(ゆっきぃ)のひとりごとです-
昨年皆で話し合ってきた例を振り返り、それぞれの立場によって、見える世界は異なること、それを差し出し会うことができると世界が広がり理解が深まるということを改めて感じさせられました。
電話相談についても、これまでのいろいろなご経験をお聞きして、そのどれもが自分の経験に響いて、心が動いてばかりでした。苦しかったときの思いやなぜピアサポートを学んでいるかについてなど、思いを共有してくださりありがとうございます。
人として、ピアとしてどんなことができそうかを今後も皆で勉強しながら深めていけたらと思います。それと同時に、どんなに努力をしたとしても相手が楽な気持ちになるような対応ができるときばかりでもなく、電話を受けた側が最善を尽くしても、相手はもう決めていることもあると思うので、相談を受けた人も自分を責めずにいられたらとも思います。「自分のことも相手のことも大切に」する関係性をご一緒に深めていきたいです。
-ひとりごと終わり-

今日の勉強会の進行↓
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IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2021年1月10日(日)13:00-14:30 場所:zoom
1.はじまりの確認(チェックイン)
① 呼んで欲しい名前   ② 何に動かされてここに来ましたか?
2.これまでの振り返り
医療・支援サービス機関で働くこと (7巻 p.3~)
他の人たちの行動や考えとは違って見えたとしても、ピアサポートをしていくことに焦点を当てます。
例4
松本さんと長谷川さんは、地元の精神保健センターで一緒に働き始めてしばらくたちます。お互いに組織の中でピアの声を作り上げていることを誇りに思っています。しかし、長谷川さんが自分のことをスタッフと呼び、“自分の担当利用者”について話していることで、長谷川さんが、ピアサポートの視点を失いつつあるかもしれないと松本さんは心配しています。ある日、廊下で、医師が長谷川さんに、長谷川さんの担当している利用者の一人がどんな具合か尋ねているのを耳にします。長谷川さんは、その人は調子を崩し始めていて、変わろうとする気がないと答えています。 
 
ここにはいろいろな問題が絡んでいます。第一に、長谷川さんがそこにいない人のことを医師と話をしているという事実は、ピアサポートの核となる価値「私たちに関することを私たちのいないところで行わない」に反しています。第二に、長谷川さんは、長谷川さんの気になっていることについて、医学の枠組みを使って表現しています。これはその利用者の人に影響をもたらすだけでなく、自分の感情に責任をとっておらず、ピアサポートに基づいた話をしていません。
松本さんは長谷川さんをコントロールすることはできないのですが(そうすべきでもありません)、大切な学びについて、協力し合う関係を作ることはできます。
3.電話でのピアサポート(7巻 p.9~)
電話でのピアサポートが対面のピアサポートと違う点は何でしょう?会う方がピアサポートをやりやすいでしょうか? 違いはあるかもしれませんが、思ったほどの違いはありません。
ここで、IPSの「世界観」の考え方、つまり、ものの見方(どうしてそう思うようになったのか)について理解するために助け合うことに戻ってみましょう。たとえば、他の電話相談を使ったことがあったとしたら、電話でのピアサポートについて、どのような思い込みがあるでしょうか?
サポートを求めて緊急電話窓口に電話をしたら、警察が玄関に来ていたという経験を持つ人が沢山います。命の電話に電話をしたら、ありきたりの返答、「暖かいお風呂に入って、まだつらい思いが続いているようだったら、あとで電話してください」といわれただけだったという人もいるでしょう。よく経験することは、積極的な傾聴(最もいい場合)、あるいはアドバイスや強制ということさえあります。
つまり、相互的な、双方向の関係を電話相談で経験した人はあまりいないということです。これまでの電話相談で経験してきたかもしれないことを考えることは、電話でのピアサポートの出会いがどのようなものであるかを考えるのに役立つでしょう。
もし電話をしてきた人がピアサポートについて何も知らなければ、電話の始めに違いを説明することは重要です。(会話が余り先に進む前に)ピアサポートについて相手の人が知っていることを尋ね、この電話相談に何を期待しているのかを聞くとよいかもしれません。
①電話相談でどのようなことを経験してきた可能性があるでしょう?
4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

【今後の予定】 2月:2/6(土)15:00-16:30 ZOOM 


勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。