2024年2月10日(土)勉強会(ZOOM)のご報告

 2024年2月10日(土)にIPSの勉強会がオンライン(ZOOM)でありました。

この日は20人のご参加がありました。(さまざまな事情によりblog掲載までに時間がかかってしまいました。)

いつものように、はじまりの確認をして、前回(12月)の振り返りをしました。また、1月に仙台で行われたきらりの集い https://kirari-sendai.weebly.com/ でのIPSのワークショップのご報告・ご紹介をさせていただき、また多くの方が仙台にいらしたりライブ(ZOOM)で参加していたので、さまざまな感想の交換がなされました。

今回は、

「私たちがピアサポートと呼んでいることは何なのでしょう?
お金を払って得る友達?誰かの面倒をみること?治療を提供しているの?違います。
お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすること?その通りです。

(1)ピアサポートは、提供することと受け取ることを目的にしている。」

という意図的なピアサポートのワークブックの1巻の文章をご紹介しましたところ、「成長」ってなんだろう?という話になりました。

  • 漠然と成長と言っても、なんなのか?
  • 学びが成長に結びつくのか?
  • 成長しなければならないのか?
  • 意図的なピアサポートとは、リカバリーに意図的なのかなと思うようになって。リカバリーに近づくことが私にとっては成長かなと思うようになってきた。これが正解とかないと思うのだけれど、成長しなきゃいけないのかという疑問を持っていて、学ばなきゃいけないのか、そんなに研究がすごいのか、とか成長できない自分を感じていた。でもリカバリーしている自分を感じたりできたら成長しているって思うかもなと思った。
  • 成長っていうのは、今ここでは実感がなかなかできない。あとで思い出したり振り返ったりしたときに、ちょっと自分の中で上書きができたり更新ができていたり。後で振り返った時にそれが成長なのかなと思うものなのかも。
  • 成長も誤解を生みがちな言葉だなと思った。
  • 成長っていうと一方向にいくようなイメージがありそうだけれど、あっちこっち行ったり来たり。前にいたところとは違うところに動いていってた、みたいなそんな感じと感じた。
  • 成長という言葉がよくない。退院した、就職した、結婚しました、とか、社会のあるべき姿にはまるみたいな。そういうのについてまわりがちな言葉でもあるような気がした。そういうのとは違う。お互いが関わっていく中で、違うところにいけてた、とか、そういうのをめざしていけたら。
  • 成長というと、赤ちゃんがハイハイしたり歩いたり、何かできるような、右肩上がり、できないことができるようになったと思いがち。でも年をとると、どんどんできなくなるけれど、いろいろなことの見え方が違って来る。昔出会った人と出会いなおしをしたり。できなかったことができるようになるのではなく、ものの見方が変わって来る。変化していく。変化が成長ってことかなと。
  • 成長っていうと、プレッシャーみたいに聞こえるんだなとみんなの話を聞いてわかった。
  • 冬になると冬眠した熊みたいに動かなくなっちゃう。とにかくぐでぐで寝ている。動けなくてダラダラしていることをだめだとずっと責めてた時期があった。今は、全く責めなくなって。冬眠モードになったんだね、と。自分にやさしくなれた。
  • 自分は中高年なので、能力とか体力とか、失うもの。知り合いを見送ったり。失ってきた。亡くす痛みとか、喪失体験をした人の気持ちとか、自分が若かった頃よりは自分の考え方が深まった。
  • 自分の中で成長って、気付きって言う言葉に還元される。ちっちゃな花の美しさに気付くとか、自分がこういう傾向にあるんだということに気付くとか、ピアサポートのお互いの関わりの中で自分の内面に気付くとか
  • 成長、人によって考え方がいろいろあると思う
  • 成長したなと思うとやわらかい気持ちになる。そういう体験をすると、一つ成長かなと思う。
  • IPSのやることって、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすること。ここのイメージが実感していれば、進んでいくのかなと思って感動しながら参加していた。
  • 相互にやりとりをするのが普通の人間関係。それができるようになると安心していられるようになる。支援を受けている立場だと、なかなかそうならない。いつまでたっても不安が解消しない。あるべき姿になるために、となると違ってしまう。受け取るだけだと不安のまま。
  • 意図的なピアサポートで、お互いのつながりが切れたり力強く感じたり変化する過程が成長というかつながりの広がり、深みを感じている。今までの人生でこんなことを感じたことはない。今はつながりに成長を感じている
  • 話を聞くことは、相手のために話を聞くんだと思っていたんだけど、相手の傷つき体験を聞いて、自分の傷ついた傷を、あなたはそういう体験をしたんだ、と自分が共感してもらったような気持ちになって。自分の傷ついたものが一つ一つ薄まっていくような気がして。聞くだけで癒されていくような。
  • 人といつも一緒にやれないことに寂しさを覚えていた。今は落ち着いて、違うから分かり合えないこともあるなと、現実として自分が乗り越えなければならないと思ったときには、人と人はどこかですれ違ってしまうものだなと思えるようになってきて。そういう時にIPSができたらいいなと思うようになった。
  • 大事なことは、やってこれたし、人と違ってもいいし、人と同じところがあってもいいんだとみんなと話せてよかった
など、成長やピアサポートにまつわるいろいろな話がありました。
とても深く、そしてそれと同時に視野が広くなるような時間でした。どうもありがとうございました。

    ゆっきぃのひとりごと:ピアサポートとは、相手に何かをさせようとすることではない。相手にとっての見え方を理解しようとすること、相手の声や想いに耳を傾けること。何か一つの正しいやり方があるわけではない。というスティーブン(ポクリントンさん)の言葉をご紹介しました。この日の勉強会も、誰も誰かに何かをさせようとせず、ただお互いの声に耳を傾け、自分の声も出してみる、そんな時間だったなと思いました。本当にありがとうございました。
2/10の勉強会の資料内容です。
日時:2024年2月10日(土)16:00-17:30 ZOOM
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?

2.前回までの振り返り (前回は2023年12月23日(土)忘年焼き大会も)
前回:ピアサポートとはそもそもなんなのか?
3.仙台でのIPSワークショップ(きらりの集い)のご報告・ご紹介
相手に何かをさせようとすることではない
相手にとっての見え方を理解しようとすること
相手の声や想いに耳を傾けること
何か一つの正しいやり方があるわけではない
4.ピアサポートとはそもそもなんなのか?(1巻 p.7~ )
私たちがピアサポートと呼んでいることは何なのでしょう?
お金を払って得る友達?誰かの面倒をみること?治療を提供しているの?違います。
お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすること?その通りです。
(1) ピアサポートは、提供することと受け取ることを目的にしている。
ただ受け取るばかりの関係になってしまっている人が沢山います。たとえば、何らかの支援機関などでは、自分の困っている状況を話して援助を受けます。こういったところでは、援助を受ける側が何かを提供することは想定されておらず、一方通行のように、援助をする人、される人の役割が決まっています。
でも、地域での“普通”の関係では、人はいつでも提供し受け取っています。誰も、永久に受け取る側、あるいは提供する側に居続けるということはありません。このように相互のやり取りが起きていると、傷つきやすい状況(助けが必要な状況)に陥っても大丈夫だと思えるし、助けを提供していることで自信を持つことが出来ます。
私たちの多くは、いつも受け取る側にいることで自信をなくし、人に提供する価値のあるものは何もないかのように感じます。ピアサポートは、それを打ち破ります。どちらか一方の人が報酬を得ているときには、多少ややこしくなりますが、どちらもが学ぶという関係の形にすることで、“地域で暮らす精神疾患患者”ではなく、地域の“普通”のメンバーであると感じるために必要な、実際的なやりとりの練習の機会となります。
5.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
6.今後の予定
3月は3月16日(土)14時~16時 対面 医学部3号館S102
4月はZOOM?

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IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

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