2023年3月4日(土)のIPS勉強会(ZOOM)のご報告

2023年3月4日(土)13:30-15:00に東京でのIPS勉強会がZOOMで開催されました。この日は14人の参加者でした。

前回「違いをもたらすもの(クライシスは成長の機会)」の振り返りと、その人がエキスパートであり、関係を築くのはクライシスの時には限らない、などについて、自由に話し合いました。

  • クライシスの時にどんなことがよさそうか:ダメな時、友達とラインする。相手になってくれて癒される。会話することもいいことなんだけど、自分の今の状態をアウトプットするだけで、具合がよくなったり、気持ちが楽になったりする。
  • 相手との関係性の中で、「支援者もつらいんだよということを共有していく」居心地の悪さをテーブルの上に出す、不確定な状況に寛容になる、と前回話したけれど、大変だろうな、痛いだろうなと相手に思わせたことで恐縮してしまう人もいるんだなと思った。昔カウンセリングの技術を習ったときに、カウンセラーが泣いてはだめだ。相談者が泣けなくなるから。って習ったことを思い出した。聴く側の人間がつらいという気持ちをテーブルの上に出してしまうと、話す側がつらくなってしまうことも出てくるのかなぁ。
  • あまり表情豊か(それは大変そうだったね、、、とか)に話を聞いてしまうと、話している人が、聞いている相手に負担をかけてしまっている、と思ってしまうので、聞いているけれど表情はあまり動かさないというような話を聞いたことがある
  • ピアサポートのピアは聴く係ではない。カウンセリングとかはある決まった時間枠で高いお金を払って話をする、というような側面があると思うけれど、ピアサポートは一方的に何かをするというのではないのでは。
  • 精神障害になったときは、大丈夫大丈夫っていう変な扱いを受けてたんだけど、身体の痛みがある今は、「痛いね」って扱われて、身体の痛みはどうだという話しか言われない。相手との接着剤が痛みでしかない。好きなこととか楽しいことでつながれたらいい。
  • 困りごととか病気とか障害でつながってしまうともったいない。医師との話を楽しみにしている友人。具合がよくなっちゃったら医師と話す機会がなくなっちゃうから、、と言っていた。
  • ピアは話を聞く係ではない。という言葉を聞いて、いろんな人の話を聞いてパンクしている今の形は相互的じゃなくて一方的になってるなぁと思った。それと、「ピアサポーターの活用」っていう文言を見て、活用、、、、と思うのと、話を聞く係じゃないよというのが結びついて。便利屋じゃないと思った。どうやったら相互的な関係になれるのか。つらい気持ちや怒りをぶつけられるのって、ドッジボールが顔に当たって鼻血出してるみたいな。このままだと真正面からボールが当たり続けるような状況になっちゃうのでは。
  • ピアサポートの場で、聞いてあげなくちゃ、受け止めてあげなくちゃって思って聞いてた時に、相手の怒りがヒートアップして「殺しちゃうかもしれない」って言ったのを聞いて、こわいと思ったけれど、それくらいつらかったんですね。ということしか言えなかった。でもそのあとでほかの人から、相手に怖いって伝えてよかったんじゃない?と言われた。何か伝えることで新しく生まれてくることもあるかもと思った。ただいるだけも大切だけど、その一方で、こちらの思ったことも伝えてみるとかも大切なんだなと思い出した。
  • 何かの役割を担っていると、自分のことをおろそかにしちゃったり、同僚に弱いことを見せることができなかったり。
  • 相手の気持ちを聞いてみる。こわいと言ってもどういうところが怖いのかは一人一人みんな違う。聞くことが大事かなと思う。
  • 「関係を築く」という言葉が使われている。段階がある感じを受けた
  • 関係を築くのはクライシスの時には限らないということについて。あるピアサポートの会。最初はつらいことを出し合うけど、全然違う楽しい話で盛り上がることもあって、以前は司会をしていて焦って、話を会のテーマに戻そうとしてしまったりしていた。考えてみると、なんでもないときにおかしかった話や楽しかった話をしている人は関係が続いていて、すごくつらいときだけワーッと話にきて、という人は続かない。
  • 病を契機としていたとしても、病気とかクライシスで結びつくことを乗り越えて、つかの間の命をお互いに生きている者同士がふれあっていく。
  • 今日の話を聞いていて、自分は相手のことを、その人自身がエキスパートであり、その人と関係を築くことを楽しみにするという視点が自分にはもっと必要だったんだろうなと感じた。この場を乗り切らないといけないと思ってしまうとその人の困っていることや苦しみに目が向いてしまってなんとかしようと思ってしまう。
  • 具合悪い同士で苦しみを分かち合うのは最初は良いのだけれど、どちらかが良くなっていくと、その関係性が崩れてしまったり、最悪の場合お互いを憎んでしまうことも。
  • ちょっとした話ができるような、曖昧な関係を自然に作れたらいいのかな。お互いに同じ湯につかってあたたかくなるような。
  • 同じ湯につかる、すごくイメージがわいた。あたたかさを一緒に体験して、でもそのお湯はあなたとじゃないと体験できないとかじゃなくて、そのあと一人でも別の人とでも体験しに行ったりもできるとか。
  • ナチュラ ルに、自然体でいて、相手に接する事が大切だと思う、そうでないと、相手の感情に流される自分になってしまったり。相手に接する上では、自分自身の感情は、鏡のように澄み切った湖面の様に。
  • 自分もある意味で強くならないと。自分がしっかり地に足をついて、地球をふみしめていないと、相手の大きな感情の塊がぶつかってきたときに、それに耐えられない。
  • 就労支援のIPSと、意図的なピアサポートのIPSを、就労のIPSと、関係性のIPSって呼び分けたりします、って見たことがある。本当に関係性のことなんだなぁって感じた。
  • 自分もある意味で強くならないと。自分がしっかり地に足をついて、地球をふみしめていないと、相手の大きな感情の塊がぶつかってきたときに、それに耐えられない。
  • 就労支援のIPSと、意図的なピアサポートのIPSを、就労のIPSと、関係性のIPSって呼び分けたりします、って見たことがある。本当に関係性のことなんだなぁって感じた。
  • 職場で相手の話を聞く時間を20分とか30分とかしか取れないと思っていたけれど、時間ではないかもしれない。20-30分だったとしても、可能性ってかぎりなくあるなと思えた。
  • 「私たちは、この関係を可能な限り予防的なことにしたいと思っています。」だけわからなかったけど、クライシスじゃないときに関係を築けていければ、関係が壊れてしまったり途切れてしまうことの予防的なこととして機能するのかもしれない。

いろんな人のご自身の体験に基づいた思いや考えが差し出されていて、本当に一つ一つのお話をじっくり味わった時間でした。ご参加くださったみなさま、どうもありがとうございました。

【次回以降の勉強会予定】

4月:4月2日(日)10:30~ ZOOM 参加費無料、申し込み不要です。

5月以降、対面開催をまた復活させたいと考えています。頻度はわかりませんが、対面の回とZOOMの回をそれぞれ設けていきたいと考えています。

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

ゆっきぃのひとりごと:ピアサポートでしていることは治療ではない、一方的な関係ではない、だけど、役割を担うと、何かをしなければいけないという気持ちになる。そんなあたりが、ピアサポートスタッフとして働くときに、あるいは一人の人間として、人間同士の関係を築きたいと考えるときに思い出したり意識したりできるといいのかなぁ、と考えました。また、今日お聞きしたドッジボールが顔にあたるとか、お湯につかるとかのたとえは、身体感覚としてイメージがわきやすくて、ああ、その感じ!という通じ合う感覚、分かり合う感覚を、比喩を通じても感じました。ありがとうございました。

3/4の勉強会資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2023年3月4日(土)13:30-15:00 場所:ZOOM
1.はじまりの確認(チェックイン)
① 呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.前回までの振り返り(前回は2023年2月5日)
前回:ピアとしてクライシスワークをする・面談するときに(7巻 p.27~)
4)違いをもたらすものを一緒に考える(クライシスは成長の機会)
 誰の経験もそれぞれ異なります
 何かがうまくいって、あなたがとても驚いたときのことを覚えていますか?
 何か新しいことを試して、新しい結果を得た自分自身のストーリーを話してください
 クライシスハウス(クライシスの時に過ごそうと考えている場)でどんなことが今より困難かもしれないか聞いてみる(渦中にいるときよりも話しやすい)
 どのようなことならば試してみてもよいと思っているか聞くこともできる。自分が試してみてうまく行ったことを話すことも。
3.クライシスでピアサポートを活用する・面談するときに(7巻 p.27~ )
↓今月考えてみたい例↓
5)その人のことを受け止め、つながりを作り、その人自身がエキスパートであり、今後も関係を築くことを楽しみにしていることを伝える
関係を築くのはクライシスのときにはかぎらないことを伝える。
私たちは、この関係を可能な限り予防的なことにしたいと思っています。
4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

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