7月20日(日)10:00-11:30に東京IPS勉強会がZOOMで開催されました。今回、13人の参加者でした。
今回は、「はじまりの確認」(チェックインと呼んだりもしています)を3-4人ずつに分かれて(ブレイクアウトルームを使って)、呼ばれたい名前と、何に動かされて参加したかを話しました。そして一度全体に戻り、次に自分にとってのIPSあるいはIPSについて思っていることなどについて、こちらもまた別の小グループに分かれ6人ずつで話をしました。
そしてまた全体で、「最初の会話とことば」についてです。精神科の治療を受け始めたとき、援助(支援、助け)についてどう伝えられたか、ピアサポートでは、どんな風に出会ってどんな風な会話をできるか、についてです。
- 「自分がほかの人とそれほど違っているわけではないと気づき始めた」という箇所を読んで、それまで孤立していたってことなのかなと感じた
- 自分の場合、調子が悪いから控えめに話すよ、とか、調子が悪いよってことを聞いてくれる、ありのままでいさせてくれることのありがたさを思い起こしていた
- ぴあの場で、批判されるのが常だった、という方がいて、アイディアを出す場だから、どんな意見でもいいんだよ、って伝えたら安心したと言われた
- 「問題を抱えているのはいつも私」 私は問題だらけなんだと思っていた。150%私が問題で、医療者とか支援者にはまったく問題がないんだと思っていた
- 支援者とか医療者も人間なのに、この人にゆだねればいいんだ、早くなおしてくださいっておごりもあったように思う
- 援助者だって体調悪いときもあるし、自分だってやろう、よくなろうって思わないと、って当たり前のことに気付けていなかったときがあった。自分だって努力というか、あゆみよったり、進まないといけないんだと。手ばなしで治療者にゆだねるのも違うんだなと思った
というような全体での意見交換をしてから、今度は二人組になっての演習です。2人組では、自分の人生の中にそれぞれIPSを位置づけて話してみる、相手は話し手の見える世界を理解しようとしながら聞く、という演習でした。
全体の感想:
- ブレイクアウトで少人数になって、安心して話せた。
- 二人組の演習で、「相手の世界観を味わいながら聞く」って演習だったので、自分が話す側の時にも、相手は自分のことを理解しようとしながら聞いてくれているんだなという前提をもてた。相手が理解してくれようとしていると思えたら、「言葉でうめなくていい、相手はわかろうとしてくれるんだから」と思えて、安心安全だった。理解しようとする気持ちが根本にお互いにあるということが大切なことだと思った。
- 沈黙の時の方が伝わってくる、味わえることがあるように感じて、不思議な時間だった
- 最初の会話がどうだったらよかったのかな、と結論は出ないんだけど、あっちの話しこっちの話をしながら話せた
- 今日は体調がいまひとつでうまく話せないんじゃないかという不安がすごくあったけれど、ブレイクアウトで話しやすかった。話していくうちに不安も消えて自分らしくいることができた。くいう場を現実の場でつくっていけたらいいなと思った
- 自分は人間関係がへた。個人から関係、というのを、空間の中で気付いた。空間の中に自分がいる、支援者の中にいること気づいたことがよかった
- 自分の一助になった。
- ペアで15分は短かった。相手の話しと似ている自分のことが出てきて、それについて話すことで自分のことを整理できた
- IPSを自分の人生に位置づけるというテーマで、自分の人生をある程度のスパンで振り返るところがあった
- 相手の話を聞いていて、すごく伝わってきた。分析しなくても伝わる感じがあって、力強いものを感じてとても感動した。
というような感想をいただきました。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
【次回以降の勉強会予定】
8月21日(木)19:30‐21時 (オンライン:ZOOM)
9月13日(土)~14日(日)拡大勉強会
ゆっきぃのひとりごと:今日もありがとうございました。今回は、前回の振り返りで出たアイディアを早速やってみて、はじまりの確認と、IPSと自分のところを小グループでやってみました。最初は、みんなの話しが聞けないのは寂しいのではないかと思っていたのですが、大グループで話しているときよりも焦らずに話をできるし話を聞くことができたと私は感じましたし、皆さんからも好評だったように思います。そして、話をしっかりできた感じを受けつつ、オンラインの予定の90分で勉強会が最後まで行き(いつもは結局90分では終わらなくて延長している)、皆さんと話し合いながら一緒にこの場を作って行けること、とてもありがたくうれしく思っています。
勉強会後に15分程度、勉強会の進行の振り返りや次に試してみたいことを有志で話し合っています。その内容も、このブログに記載することについても振り返りにいたメンバーがOKだったので、今後も残すことにします。
勉強会の振り返り:
- ブレイクアウトルームの前に全体でまず2人くらいがしゃべってからブレイクアウトでも良いかもしれない
- いきなりグループワークは唐突かなと心配していたので、最初に少し話してからはよいアイディアだと思った
- 小グループにするとしゃべらない人がいるんじゃないかと思っていたけれど、自分が属したところでは活発だった
- ロールプレイについて
- ゆっきぃが余ってしまって二人組に入れなかったとのことだが、三人組になるところもあってよいのでは
- ロールプレイを観察する人がいるのも良いのではと思う。世界観とか、スペースに何を持ち込んでいるか、という人もいるのもありかなと思った。話してる本人たちはわからない気づきにくいところが出されてくるのが勉強になるのではないかなと思った。
- 時間の問題(3人で回すとなると必要な時間が長くなる)
- 観察者がフィードバックするとしたら、批判とかダメ出しではないという留意は必要。観察者もIPSを意識して感想を伝える
- ブレイクアウトルームだと話しやすくなる。安心できる。ほかのルームにいる人にも聞かれないようにすることができる
- この振り返りの時間がとても大切。ここでしゃべってることとかを、1人でもんもんしちゃうから。振り返りの時間も大切な時間
- 東京でのIPS勉強会のブログのURLがわからなくなっちゃう
- メーリングリストに投稿されるメールの末尾に毎回表示されるように設定する
- この勉強会の振り返りも、IPSの共同振り返り コリフレクションをしながら進んでいくということと合致していると思う
- 今日のテーマの「最初の会話がもつ意味」で、もとのテキストには「出会い」を「会話」にかえたのはよかった
- であい方というと、出会う場に意識をもっていかれてしまうかなと思って「会話」にしてみた
- 会話の方がつながり感が深い 出会いも大切なんだけど、会話の方がつながり感がある
- IPSのテキスト ワークブック 勉強会をしているが、言葉がわかりにくいところがあるので言葉をわかりやすくしていきたい
- 3章(違った聞き方をするとか、家のたとえとか、技法もいろいろ)どうやったらいいかなと考えている
- みなさんも3章についてアイディアがあったら教えてもらえるとうれしい
- (IPSの学びの場)ありのままの自分を受け入れてもらえる、それがIPSそのものだなと思った。いろんなことを学んでいるけれど、そのものだなと思った。
- 次回 8/21(木)
- 勉強をすすめずに、夏休み企画的に。IPSどうやってるとか。IPSの原理とか。こうやって活用してますとか。
- チェックイン:普段来ない人がいるなら、全体
- はじめは全体でやって、活用はブレイクアウト、報告的な時間を長めにとる
- IPSの勉強会という時間は取りたい
- →はじまり(大または小)、IPSの原則(小)、IPSの活用(小)、共有・感想(大)
7/20の勉強会の資料内容です。
IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2025 年7 月20 日(日)10:00-11:30 場所:ZOOM
1.はじまりの確認(チェックイン)①呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートとは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすることです。 IPSはトラウマの経験(圧倒されるような体験)を考慮したピアサポートです。
IPSで大切だと考えている4つのこと:
(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
IPSの3つの原則(principles):「助け」から「学び」へ、「個人」から「関係」へ、「恐れ」から「希望」へ
3.前回までの振り返り(前回は6/22 土対面,5/17 ZOOM)前回:最初の会話とことば
4.最初の会話とことば(2巻 p.3~ )
1. 最初の会話が持つ意味と重要性について理解すること
2. 最初の会話が出来るようになること
3. 言語が現わしている世界観に気づき、言葉を意識的に使う大切さを理解すること。
精神科の治療を受け始めたとき、援助(支援、助け)について、どのように伝えられたかを考えてみてください。
ピアサポートでは、初めて会うときから、違った会話で始めることがとても大切です。
シェリーミードさんの場合:
「私の周りには、精神医療・福祉関係の支援者しかいないように感じていた時期がありました。
あなたは、そう感じたことはありませんか?
問題を抱えているのはいつも私で、人は私の問題を解決し、私を援助するためだけに、私と時間を過ごしているかのようでした。そのような助ける側-助けられる側という一方通行の関係のあり方が、支援者以外の人間関係にも及んできて、私は自分を問題の塊のように感じ始めました。
しばらくそういう時期が続いていたのですが、やがて、私の考えを認めてくれ、私が自分自身や人との関係で責任を引き受けるのを期待し、時には私に助けと支えを求める人たちと出会い、私は自分が他の人とそれほど違っているわけではないと思い始めました。私にとって最高の関係は、その時々の、ありのままの私でいられるスペースを与えてくれ、そして、私に気づきを促すような問いかけをしてくれる人たちとの関係でした。それをお互いにできる関係です。
そういう関係の中で会話をしていると、病気についてはそれほど話すことはなく、その代わり、お互いにとって新しい視点を導き出すような、いろいろな考えを出しあうようになりました。このような人との関わりが、私の人生を変えるのに役立ちました。
あなたは、そんなふうにお互いを認め、学びを促しあえる人と出会ったことがありますか?」
♪演習:最初の出会いのロールプレイ
1.各自が意図的なピアサポートの自分自身の理解を確認します
2.意図的なピアサポートを自分の人生の中に位置づけてみます(それぞれが考える時間を皆でとります)
3.ペアになって、相手にその話をしてみます。会話がどう進むかに注目してください。
(うまく話したり、相手を説得する必要はありません。浮かんだことを言葉にしてみてください。)
あなたにとって優先度の高いことがあったら、その話をするのもOK。
その場合、その相手になる方は、:話し手の見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。
(話し手の世界観を味わいながら、お互いの間に流れているものにも意識を向けてみながら。)
5.勉強会の感想:心に響いた事、印象的だったこと、あなたの世界観に影響したことはありましたか?
★次回までに今日のテーマについて考えたり、他者の世界観も意識してみるのはいかがでしょう
ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。