2025年6月22日(日)IPS勉強会 対面

 6月22日(日)10:30-12:30に東京IPS勉強会が対面開催されました。14名の参加でした。

引き続き、IPSで大切にしている4つのことと、助けから学びへ、個人から関係へ、おそれから希望へ、の3つの原則について、話してみたい方に話していただきました。

IPSの原則と前回までの振り返りについて、自由に話しました。

  • 相手の世界観を理解しながら、それぞれの当たり前が違うことを理解する
  • お互いにどうしようかと話すのが相互性
  • 学びについては、自分を学んでいる、自分の世界観を学んでいる
  • 人は、つながりたいという思いと恐れとがある。恐れながらもつながりたい
  • つながってるっていう感覚よりも、つながりが切れたことへの意識や、つながりが切れること、不安への感度が高い。つながりが切れるショックが大きい
  • 世界観は、言葉以外にもいろいろ。発した言葉以外の何か
  • 反応しちゃう。ジャッジしちゃう。アドバイスしたいという欲求
  • 相手の言葉で自分の反応に気づいたり
  • 自分の反応を知ることがつながることに通じると思う
  • IPSの説明で、ピアサポートはこころの健康を築くことを目的にしています、と前回の資料にあった。「メンタルヘルス」と言われるよりも「こころの健康」の方が入ってきた
  • テレビとかではほとんどの人は聞き流すけれど、当事者は深いところまで理解しようとする気がする

今回から、ワークブック2巻「最初の会話とことば」に入ります。

  1. “最初の会話”が持つ意味と重要性について理解する
  2. “最初の会話”ができるようになる
  3. 言語があらわしている世界観に気づき、言葉を意識的に使う大切さを理解する

という目標がこの項では書いてありました。

まず、シェリーさんの「私の周りには、精神医療・福祉関係の支援者しかいないように感じていた時期がありました。~~~。しばらくそういう時期が続いていたのですが、やがて、私の考えを認めてくれ、私が自分自身や人との関係で責任を引き受けるのを期待し、時には私に助けと支えを求める人たちと出会い、~~~。」という文を皆で読み、それから二人組になってロールプレイです。

その後ロールプレイと勉強会への感想を共有しました。

  • 自分がほかの人とそれほど違っているわけではないと思い始めたシェリーさんがうらやましいと思った
  • 相手のことを受け止める、大事なこと
  • (IPSの考え方について)ある程度理解はできたと思うけれど、実践がまだ。助けたくなっちゃう。
  • ピアサポートって、治療じゃなくて仲間、というのが強い。支援提供しているくせに支援するされるじゃなくて、とか。でも、医療の場では支援するされるが必要であるときもある
  • IPSはロープをほどいて一緒に、分けて考えていい
  • これまでなんとなくわかったような気持ちになっていたけれど、今日初めていらした方とペアになって、自分にとっての新鮮な驚きがあってとてもよかった。慣れちゃっていてはだめだと思った
  • 福祉の施設で厳しくしていることをやめたい
  • 人は自分を変えることはできない。自分で自分を癒すことしかできない
  • 自分を攻撃するくせがあるとかいろいろ演習の中で気づいていけたけれど、途中で終わってしまった。演習が一人7分では短い
  • 気づきがいろいろあった。ピアに聞いてもらうことの良さ感じた
  • 今日の机の並びが新鮮だった
  • 自分の中で、支援者であるという背景は、自分のほんの一部分であるのに、支援の関係ではない間柄の友人から支援者として扱われる、支援者扱いしないでほしい、と思う関係がある
  • 待つこと。これまで、恐れから動いていたと気づいた
  • ゆっくり時間をとって考えたりシェアし合うこと、大事
  • 依存先をたくさんもつ。見捨てられ経験はこわい

ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

【次回以降の勉強会予定】
7月20日(日)10時-11:30 (オンライン:ZOOM)
8月21日(木)19:30‐21時 (オンライン:ZOOM)
9月13日(土)~14日(日)拡大勉強会

ゆっきぃのひとりごと:今日もありがとうございました。前回から、はじまりの確認とかをお願いするようになったのですが、自分もやっぱり進行したい部分もあるんだとあらためて気づき、まだまだ試行錯誤中です。また、今日は机もいつものテーブルの形ではなく、ロの字というか、ひしがたみたいな形で、それもまた新鮮で、いろんな当たり前を変えて試してみることにもひらかれていたいなと思いました。そうそう、午前に勉強会を行うことを歓迎してくださる方もいて、私自身は、対面の勉強会を午前に行うと朝出ないといけないのでちょっとな、とか思っていましたが、人によって皆違うなと改めて感じ、発見の多い勉強会となりました。
このところ、勉強会後に15分程度、勉強会の進行の振り返りや次に試してみたいことを有志で話し合っています。その内容も、このブログにも記載してみようと思います。

勉強会の振り返り:
  • IPSについての考えや学びを、全体の輪ではなくて、小さいグループに分けて話してみようって前回話していたのに、それをすっかり忘れて全体で話してしまった、あれ?って思ったら、ぜひ声をかけてほしい
  • みんなにも進行を、と思っていたのに自分が進めてしまった、という思いと共に、自分もこの勉強会に強い思い入れやこだわりがあるのだなということを自覚した
  • 二人組になるときに、はじめていらした方とIPS勉強会歴が長い方とで組めるようにすることも考えたのだが、それはなんとなく先輩風を吹かすみたいな感じになるかな、と思って、もう気にせず二人組にしてしまった
  • ZOOMのブレイクアウトも、気にせずランダムに組んでいる
  • 演習の時間が短いと思う。チェックインに時間がかかるのはもったいない
  • はじまりの確認は、お互いにこんな仲間たちと一緒にはじめるんだ、という意味で、大切に思ってきていて、ここで、急がずに、ちゃんと皆で耳を傾け合うことが重要なのではないかと思ってきた
  • しかし、勉強会なので、演習をしっかりしたいという気持ちもとてもわかるし、いろいろ試してみたい
  • 先日出た別のグループでは、最初に概要説明みたいなのがあって、そのあとは小グループに分かれてやっていた。この勉強会もチェックイン(はじまりの確認)を小グループでやってみるのはどうか?
  • オンラインの勉強会はただでさえ90分と短い。
  • 8月はオンラインで夜はどうだろう?→8/21(木)に。この日は、IPSの勉強会について何でも話す会にするのはどうか?
次回試してみること:次回オンラインのZOOMでは、その時の様子も見つつも、チェックインから小グループに分かれて、2のIPSについての理解のところも小グループで自由に話してみることにしよう。8月の勉強会内容についても、次回7月の勉強会で意見を募集しよう。

6/22の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2025年6月22日(日)10:30-12:30 場所:東京大学医学部3号館1階S10
1.はじまりの確認(チェックイン)①呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートとは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすることです。 IPSはトラウマの経験(圧倒されるような体験)を考慮したピアサポートです。
IPSで大切だと考えている4つのこと:
(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
IPSの3つの原則(principles):「助け」から「学び」へ、「個人」から「関係」へ、「恐れ」から「希望」へ
3.前回までの振り返り(前回は4/12土対面,5/17 ZOOM)前回:ピアサポートの任務
4.最初の会話とことば(2巻 p.3~ )
 1. 最初の会話が持つ意味と重要性について理解すること
 2. 最初の会話が出来るようになること
 3. 言語が現わしている世界観に気づき、言葉を意識的に使う大切さを理解すること。

精神科の治療を受け始めたとき、援助(支援、助け)について、どのように伝えられたかを考えてみてください。
ピアサポートでは、初めて会うときから、違った会話で始めることがとても大切です。

シェリーミードさんの場合: 
「私の周りには、精神医療・福祉関係の支援者しかいないように感じていた時期がありました。
あなたは、そう感じたことはありませんか?
問題を抱えているのはいつも私で、人は私の問題を解決し、私を援助するためだけに、私と時間を過ごしているかのようでした。そのような助ける側-助けられる側という一方通行の関係のあり方が、支援者以外の人間関係にも及んできて、私は自分を問題の塊のように感じ始めました。
しばらくそういう時期が続いていたのですが、やがて、私の考えを認めてくれ、私が自分自身や人との関係で責任を引き受けるのを期待し、時には私に助けと支えを求める人たちと出会い、私は自分が他の人とそれほど違っているわけではないと思い始めました。私にとって最高の関係は、その時々の、ありのままの私でいられるスペースを与えてくれ、そして、私に気づきを促すような問いかけをしてくれる人たちとの関係でした。それをお互いにできる関係です。
そういう関係の中で会話をしていると、病気についてはそれほど話すことはなく、その代わり、お互いにとって新しい視点を導き出すような、いろいろな考えを出しあうようになりました。このような人との関わりが、私の人生を変えるのに役立ちました。
あなたは、そんなふうにお互いを認め、学びを促しあえる人と出会ったことがありますか?」

♪演習:最初の出会いのロールプレイ
1.各自が意図的なピアサポートの自分自身の理解を確認します
2.意図的なピアサポートを自分の人生の中に位置づけてみます(それぞれが考える時間を皆でとります)
3.ペアになって、相手にその話をしてみます。会話がどう進むかに注目してください。
(うまく話したり、相手を説得する必要はありません。浮かんだことを言葉にしてみてください。)

あなたにとって優先度の高いことがあったら、その話をするのもOK。
その場合、その相手になる方は、:話し手の見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。
(話し手の世界観を味わいながら、お互いの間に流れているものにも意識を向けてみながら。)

5.勉強会の感想:心に響いた事、印象的だったこと、あなたの世界観に影響したことはありましたか?
  ★次回までに今日のテーマについて考えたり、他者の世界観も意識してみるのはいかがでしょう

ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。


2025年5月17日(土)IPS勉強会 ZOOM ご報告

5月17日(土)13:30-15:00に東京IPS勉強会がZOOMで開催されました。今回、15人の参加者でした。

今回から、「はじまりの確認」(チェックインと呼んだりもしています)の進行も参加者の方にお願いするようになりました!お久しぶりの方とお会いできたりもして、それぞれに何に動かされてこの勉強会に参加したのかを話していきます。

また引き続き、IPSで大切にしている4つのことと、助けから学びへ、個人から関係へ、おそれから希望へ、という三つの原則について、それぞれの視点からお話をしていただきました。そこからさまざまな言葉が参加者から出てきます。

  • 過去に米国のピアサポートワーカーから見せられた謎の絵、人と人との間でエネルギーが循環していた。エネルギーが流れていくこととピアサポートって似ていると感じ、そこから自分なりのピアサポートを言葉にできて。
  • ピアサポートって、相手を見つめて相手に集中するのではなく、一緒にお風呂につかってる感じ。「トラウマの体験に配慮する」って言うと、私があなたに配慮する、みたいな感じになっちゃうけど、あなたも私もトラウマの影響があるよね。って。
  • 人類全員がトラウマを抱えていると思っている。トラウマのない人っていないんじゃないかな。僕もトラウマあるだろうし、あなたもあるよね。でもそれを特に口にすることではないし。
  • お風呂、確かにそんな感じ。はだかになってお風呂はいる。さらけ出すのははずかしいことでもないし、さらけ出されたら、ただ受け止める。それだけのこと。
  • そこに、愛情がある。
  • クリニックのカウンセラーさんに対して、「カウンセラーの先生」って思ってたけど、同じ趣味があることを知ったり、自分よりひどい頭痛持ちってわかった。それからは、この人も頭痛いんだな、とか、昨日のあの番組見た!?って話せたりとか、安全感安心感を抱いて、もっと知ってもらいたいって思った。友達とかじゃないんだけど、この人と強くつながりたいなという気持ちがあった。
  • あるプログラムで、参加者が同じ動物の絵を見て、ブロックで作ってみるということをやったら、みんな違うものができた。同じものを見ても、みんな違う。一部の人だけがやるんじゃなくて、みんなやって、みんなの違いを受け止める。
  • 自分の作っている場、みんな特徴は違うけれど、お互いが楽しむという部分でつながってる感じ。通じている感じ。

まだまだお話ししたかったですが、今日のお題「向かうこと」へと進みます。ワークブックの説明についても話しました。
  • 従来の精神科領域とIPSの違い?
    医療:薬を飲みましょう、症状があるね
    IPS:Moving Towards 症状とかをおいておいて、どうなりたいの?何をしたいの?ってところに気持ちを向けていく。
    症状じゃなくてそっちに目を向けていくとそれだけで減るというのを大事にしている
  • 「心の健康は、精神の病の反対ではありません。」が印象的。精神の病を抱えている人として見るのではない
  • 「精神科医療は、どうしたらリカバリーに導けるかを考えることに長い時間を費やしています」の部分を読んで、自分が精神科医療につながったときに、早く治してください、みたいな思いやおごりがあったことを思い出した。
  • 一方で、リカバリーに「導ける」という表現にもおごりがある
  • もともと、治療者と回復者とか、スタートはそこじゃない
そんな話をして、二人組で対話の演習をし、あっという間に感想の時間です。
  • 勉強会のメーリングリストに問いかけてくれている方のメールでいろいろ考えることができた。さらに今日の勉強会で深めることができた
  • こうしなければならない、こうさせなければならないということの違いを話すことで、自分のインテンショナルピアサポートのインテンションがよくわかった。主体性みたいなものがインテンショナルなのではないかと直感的にわかった。一番の学び。
  • 精神医学で学んだことをIPSで学んだことに置き換えることをやってみようと思った。こうしないためにこう、じゃなくて、こういう危険もあるけど、それと一緒にいること、共にいることをちょっとしてみようかなと。居心地が悪かったとしても、不全感があったとしても、その人と共に歩む道があるとしたらその方が価値があるのではないかと。そういうことをしていけば世界観が変わるのでは。
  • 二人組の演習で、しっかりと話を聞いているうちに、すてきなものを相手からすごく感じて、すごくいい人だなーと思った。久しぶりに参加できていい気持ち。
  • 言葉にしてしゃべることでからまっていることが整理されていくタイプの自分。自己完結がすごいと言われることもある。聞き手にやっぱり伝えたい、ちゃんと説明したいという気持ちがあって、しゃべっていくうちに気づいていくことがある。聞き手がいてくれることの大きさを感じながら。否定したりしなくて、受け止めてくれている人だという根本がある。聞き手の人いるだけで、自分の頭の中が整理されていく感覚。
  • IPSのテキストを素直によめない。「恐れから希望へ。希望は大事なんだけど、今は恐れを大事にしている。仲間の中で、ふるえるほど緊張していたり、ということをワークの中で分かち合い。
  • 自分は新しい風や新しい生き方を見つけていくことを仲間と一緒にやっていくことを大事にしているんだなと思った。
  • やりたいことをはじめると、嫌なことはいつの間にかどこかにいってしまって、病名の事とかどっかにいっちゃう。そのことを改めて感じた
  • 来るか悩んだが来てよかった。自分が関係することについての構造的なことで悩んでて、もやっとしていることを抱えていて。今日はそれを吐き出した。
  • 嫌な人から逃げられずに、トラウマの傷つきになっちゃうところがあったが、この会で安心なところでゆっくりお話を聞いて、考えられることで、社会も、徐々に態度が変わったりするかもなと思った。みなの前向きな話がとてもよかった。
  • 日常生活が常に聞き手で自分のことを話す機会がほぼほぼなくて。ワクワクすることについて話すと、変に刺激になってしまって相手が嫉妬したりの原因になると思うので、話せずにいた。聞く人がその場にいると話しやすくなる。
  • 向かうことの、向かう先が望むことなんだな、と今日改めて思って、望むことって、どこかでそれでいいの?とか、大丈夫?って思う自分がいたな、ということを再発見した。
  • わからないので教えていただく、なるべく理解したいと思いながら目の前の人の話を聞こうと思っていたが、複雑な思いになってきて、理解したいという自分の欲の中にはまりこんで、自分の理解できる枠の中に相手の話を押し込めようとしている自分がいるかもしれないなと。わからないままのこと、わからないってことも含めて一緒にいることなんだろうな、と思った。
  • みなさんの話聞けて良かった。
  • 向かうこと、ってすごく目的っぽい感じで捉えていたけれど、どこに向かいたいとか意識してなかったり事前にはわからなかったとしても、へー!と思う瞬間とか新たなことに開かれている瞬間、っていうのが、自分にとっての向かってる感じなのかもしれないと気づいた。何かを避けようとしているときは、義務感とかのエネルギーを使ってしまっているけれど、ひらかれているときは軽くて、エネルギーとかいらない。
  • 自分の状況が体感できた。今、とにかく、「何が何でもやる」の状態で、大砲みたいなので弾き飛ばされて、とにかくやらなきゃみたいな速度で、落としどころなんかどうでもいいからとにかく生きていくんだよみたいな感覚でいると感じた。ここに来なければ、そういう体感もなかった、貴重な体験をできた。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

【次回以降の勉強会予定】
6月22日(日)10:30-12:30(対面) 場所:医学部3号館S102
7月20日(日)10時-11:30 (オンライン:ZOOM)

ゆっきぃのひとりごと:今日もありがとうございました。これまで、進行をほぼほぼ私が独占してきてしまっておりましたが、この1年くらいでIPSで大切にしていることを皆さんの言葉でお話ししてもらったり、テキストの部分を読んでもらったりをその日に勉強会に参加している方にお願いするようになり、そして今回からはじまりの確認もお願いするようになりました。自分はIPSが大好きだし、勉強会の司会も好きなのでずっとやってきてしまいましたが、こうやって交代しながら一緒にやっていくの、すごく楽しいな、これまで私が皆さんの機会を奪っていたんだな、とあらためて感じました(反省はしているけれど、自分を責めているというほどではないです)。こういう風に変化していけているのも、一緒に取り組んで、考えてくれる人たちと積み重ねてきているからなんだな、とあらためて感謝しています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

5/17の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2025年5月17日(土)13:30-15:00 場所:ZOOM
1.はじまりの確認(チェックイン)①呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートとは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすることです。 IPSはトラウマの経験(圧倒されるような体験)を考慮したピアサポートです。
IPSで大切だと考えている4つのこと:
(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
IPSの3つの原則(principles):「助け」から「学び」へ、「個人」から「関係」へ、「恐れ」から「希望」へ
3.前回までの振り返り(前回は2025/3/16日 ZOOM,4/12土対面)前回:ピアサポートの任務
4.ピアサポートの任務(ピアサポートですること)(1巻 p.12~ )
任務1 つながり・通じ合う感覚:これがピアサポートの核心です。
任務2 世界観:ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するよう、お互いに助けあう
任務3 相互性:助けるということを、ともに学び、ともに成長する過程として、とらえ直す
任務4 向かうこと:望まないことを避けるためではなく、望むことに向かって進むよう、お互いに助けあう

任務4 向かうこと(Moving Towards)
うまくいっていないことから逃れるためにお互いに助けあうのではなく、自分たちが望んでいること(ビジョンと行動)に向かって進むために、お互いに助けあいます。従来の精神科領域では、問題解決や問題を取り扱う方策を見つけることに焦点が置かれていて、話すことのほとんどは、何がうまくいっていないかに向けられていました。しかし、うまくいっていないことから逃れようとしているときには、その問題にとらわれ続けているのです。私たちは望むことに向かっているときに、そこに到達出来るという信念と行動を生み出すことが出来ます。これは考え方の大変革で、「助け」に関する従来の前提への挑戦です。
精神科領域ではここ10年以上、リカバリーについて語られ始め、研究と経験から、人々は元気になることができ、よい状態になり、精神科医療福祉から離れて生活し、地域の他の人たちと見分けがつかなくなることが出来るとわかってきました。そして精神科医療福祉領域の人たちは、どうしたらリカバリーに導けるかを考えることに長い時間を費やしています。ですが問題なのは、依然として病気の視点から取り組んでいることです。病気に上手に対処することが出来るようになれば、あるいはトラウマと依存の問題を取り扱えば、自立出来るかもしれないと考えています。このような考え方が悪いとか間違っているということではありませんが、ピアサポートで焦点を当てていることではありません。
ピアサポートは心の健康を築くことを目的にしていますが、心の健康は、精神の病の反対ではありません。私にとっては、 心の健康は、引き続き学び成長しながら、家族(あなたにとって、それがどのようなものであれ)の中で、そしてこの世の中で、つながりを感じる力のことです。

♪感じる演習・聴く演習(A さんが自分の世界観や感情に気づくためのワークです。B さんは聴きます)
Aさん:1.“問題”を寄せ付けないように常に努力しているとき、どのようなエネルギーの使い方をしていますか? 
 2.自分が望むことに向かって進むことに関心が向いているとき、どのようなエネルギーの使い方をしていますか? 
 (うまく話す必要はありません。浮かんだことを言葉にしてみてください。考え込むのも沈黙もOK。)
Bさん:Aさんの話を、Aさんに見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。
 (Aさんの世界観を味わいながら、Aさんの立場にたってみて、共感しながら。)

5.勉強会の感想:心に響いた事、印象的だったこと、あなたの世界観に影響したことはありましたか?
  ★次回までに今日のテーマについて考えたり、他者の世界観を意識して関わってみましょう

ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2025年4月12日(土)IPS勉強会 対面

4月12日(土)15:00-17:00に東京IPS勉強会が対面で開催されました。
15人の参加者でした。

IPSは助けから学びへ、個人から関係へ、おそれから希望へ、という三つの原則と
大切にしている4つのこととして
通じあう感覚(つながり)、世界観を理解するために助け合う、相互性、向かうこと
というものがあります。

このところ、参加者の方からこれらIPSで大切にしていることや原則について、それぞれの視点からお話をしていただいています。
  • 学ぶことは相手を理解すること、自分を理解すること
  • 一対一の関係だけではなく、場の中の関係も
  • 希望、向かいたいのは、ありたいのは、どんなありようなのか

  • 利害関係が出てくるとぶつかりあう
  • なんで達成したいんだっけ
  • 抽象的でIPSわからない
  • 何かの答えがなきゃいけないと思って育ってしまった
  • 自分のこうしたいと相手のああしたいが合わないときもある
  • 安心して心を開いたときに傷つけられた
  • 意外で簡単なことでも人って傷つく
  • 傷ついてもよいのでは
  • 自分が辛い経験をしたとしても何か糸口があるのでは
  • 自分は難しい、わからないがあるとわくわくする
  • 違いがあるねと俯瞰したい
など皆さんからもいろいろなつぶやきも出てきました。

そして、今日は、任務4:むかうこと です。
  • どこに向かいたいかわからない、どうしたいかわからない
  • ビジョンと行動をみつけるのを助けて欲しい
  • ピアサポートはつながりを感じる力のこと
  • 学び、成長しながら
  • 不安を感じる関係では、つながりを感じる力は弱まる
  • 「退院促進」と言うと、退院に向かわせようとしちゃう。けれど、ピアサポートでは、どうなってたら心が落ち着くか、とか、そういうことをできるとよいのかな

また、ワークでは、自分はどんなことにエネルギーを使っているのかなどを話してみました。

今日の勉強会の感想の一部です:
  • エネルギーの使い方について考えた
  • 問題を解決しないことが解決だった。
  • ことばにすることで整理できた
  • 安全安心な場でつながりのある場で整理できた
  • 無意識のうちに医療に毒されていた自分に気付いた。ここでは医療のフレームをはずせるからここに来ている
  • 相手の言葉に反応してしまい理解しようとしていない自分に気付いた
  • 伝わるだろうかと考えながら話してしまう自分に気付いた
  • 仕事中はフル回転したり逆回転したり空回りしたりしちゃってる。久しぶりに自分と向き合えた
  • ピアサポートで心の健康を築くこと、ってことは、平温に過ごすこと、できるだけ嫌な人には接さないということも大事なのかな。
  • 聞き方を間違えると一日嫌な気分になって自分の一日をダメにしてしまう

ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

【次回以降の勉強会予定】
5 月17 日(土)13:30~15 時(オンライン:ZOOM)
6月22日(日)10:30-12:30(対面) 場所:医学部3号館S102

ゆっきぃのひとりごと:今日もありがとうございました。「ピアサポートは心の健康を築くことも目指している」「ピアサポートは、共に学び合い、成長し、人とのつながりを感じる力を強めること」というシェリーさんの文言がワークブックにあって、心に響きました。馬鹿にされないように、嫌がられないようにとかじゃなく、お花を見る、美味しいものを食べる、とかそういうときの心持ちをいつもまとっていられるとよいのかしら、とか、いろんなことを感じ考えました。

4/12の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2025年4月12日(土)15:00-17:00 場所:東京大学医学部3号館1階S102
1.はじまりの確認(チェックイン)①呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートとは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすることです。 IPSはトラウマの経験(圧倒されるような体験)を考慮したピアサポートです。
IPSで大切だと考えている4つのこと:
(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
IPSの3つの原則(principles):「助け」から「学び」へ、「個人」から「関係」へ、「恐れ」から「希望」へ
3.前回までの振り返り(前回は2025年3月16日ZOOM)前回:ピアサポートの任務
4.ピアサポートの任務(ピアサポートですること)(1巻 p.12~ )
任務1 つながり・通じ合う感覚:これがピアサポートの核心です。
任務2 世界観:ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するよう、お互いに助けあう
任務3 相互性:助けるということを、ともに学び、ともに成長する過程として、とらえ直す
任務4 向かうこと:望まないことを避けるためではなく、望むことに向かって進むよう、お互いに助けあう

任務4 向かうこと(Moving Towards)
うまくいっていないことから逃れるためにお互いに助けあうのではなく、自分たちが望んでいること(ビジョンと行動)に向かって進むために、お互いに助けあいます。従来の精神科領域では、問題解決や問題を取り扱う方策を見つけることに焦点が置かれていて、話すことのほとんどは、何がうまくいっていないかに向けられていました。しかし、うまくいっていないことから逃れようとしているときには、その問題にとらわれ続けているのです。私たちは望むことに向かっているときに、そこに到達出来るという信念と行動を生み出すことが出来ます。これは考え方の大変革で、「助け」に関する従来の前提への挑戦です。
精神科領域ではここ10年以上、リカバリーについて語られ始め、研究と経験から、人々は元気になることができ、よい状態になり、精神科医療福祉から離れて生活し、地域の他の人たちと見分けがつかなくなることが出来るとわかってきました。そして精神科医療福祉領域の人たちは、どうしたらリカバリーに導けるかを考えることに長い時間を費やしています。ですが問題なのは、依然として病気の視点から取り組んでいることです。病気に上手に対処することが出来るようになれば、あるいはトラウマと依存の問題を取り扱えば、自立出来るかもしれないと考えています。このような考え方が悪いとか間違っているということではありませんが、ピアサポートで焦点を当てていることではありません。
ピアサポートは心の健康を築くことを目的にしていますが、心の健康は、精神の病の反対ではありません。私にとっては、 心の健康は、引き続き学び成長しながら、家族(あなたにとって、それがどのようなものであれ)の中で、そしてこの世の中で、つながりを感じる力のことです。

♪感じる演習・聴く演習(A さんが自分の世界観や感情に気づくためのワークです。B さんは聴きます)
Aさん:1.“問題”を寄せ付けないように常に努力しているとき、どのようなエネルギーの使い方をしていますか? 2.自分が望むことに向かって進むことに関心が向いているとき、どのようなエネルギーの使い方をしていますか? (うまく話す必要はありません。浮かんだことを言葉にしてみてください。考え込むのも沈黙もOK。)
Bさん:Aさんの話を、Aさんに見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。 (Aさんの世界観を味わいながら、Aさんの立場にたってみて、共感しながら。)

5.勉強会の感想:心に響いた事、印象的だったこと、あなたの世界観に影響したことはありましたか?
  ★次回までに今日のテーマについて考えたり、他者の世界観を意識して関わってみましょう

ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

勉強会の後に勉強会の振り返り、次回やりたいことなどの話し合いをしています。
そのときの様子の写真です。(ブログへの掲載OKの方だけで撮影しました)





2025年03月16日(日)勉強会(ZOOM)のご報告

3月16日(日)10:00-11:30に、東京IPS勉強会が開催されました。この日は17名での勉強会でした。

いつものように、呼ばれたい名前と何に動かされてここに来たかを話しました。

その後で、意図的なピアサポートの意図とは「お互いが学び、成長するようにしようとしている」ということと、「IPS」で大切にしている4つのこと:(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと についてと、最近の世界のIPSで出てきている3つの原則(「助け」から「学び」へ、「個人」から「関係」へ、「恐れ」から「希望」へ)について話しました。

それぞれの視点からのIPSを話してもらう、聴かせてもらうということをしていて、今回していただいたお話しから、安心感がないと防衛モードになっちゃう、自分の世界観は自分にこびりついているけれどある程度は変えられる、医療の消費者(コンシューマー)には相互性を感じられず自分の回復することだけに集中しちゃったり。嫌なことから離れようとするのではなくて自分のしたいことや心地よさを意識する方がよい、というような印象的なことがたくさんありました。

  • これまで助けたい、誰かの役に立ちたいと思っていたけれどそれはおこがましかった。相手からたくさんのことを学んでるんだと気づいた、助けから学びへ、というのはすごく実感する。そして、そして、誰かの中に何か問題があるのではなくて、人と人との間とか人と社会の間に困りごとが発生しているんだということも、個人から関係へということとつながる気がした
  • 自分だけで成り立っていることではない、自分から生まれた言葉は、相手がいて生まれてくる言葉だなと思った。そして相手にだけ焦点を当てていたりしていたことがあったけれど、相手と自分があってこそ生まれることだと思った
  • 相互性でかなり悩んでいる。お互いの世界観がぶつかりあってコンフリクトがあった先に向かえる場所を探したい。どうすればいいのか模索中。やってみないとわからないこと
  • 最初はその人が何を言っているのかわからなかったけれど、その人の話に集中するようになって、何か月かかけて、ようやくお互いの世界観が見えてきたような気がする。相手に何かしてほしいとかではなく、お互いに相手の世界観が見えてくる中で見えるものがある。3つの原則が一つにつながったような気がした
  • 自分自身がこりかたまった世界観の中にいた。常識にしばられていて、ちゃんとしなければいけない、とか、ちゃんと場を進行しないといけない、だったり。当事者としてちゃんと薬を飲まないといけないなどの「いけない」が多すぎて。自分が会のファシリテートをした時に、参加してる人たちからは柔軟な意見が飛び出してくるのを見て、自分の方が学ばせてもらったとわかった
  • 世界観を理解するために助け合うためには、まずは自分がどうかを知っていくことが大事って書いてあったと思うけれど、まさにそういうことが起きた。やっぱりやってみるものだと思った
  • 通じ合うのを避けることとか、自分の世界観に閉じこもったりすることがあるなと思った。それと、「向かうこと」が少したくましい感じ。ちょっと元気じゃないとできない。英語では「moving toward」だと思うがMoveすることができないときがあって、現状維持でそこにいるのが精一杯な時もある。そっちの方向に、、と心が開くくらいのスタンスの方が自分にはなじみやすい。元気が出たら、足を進めてみるくらいな
  • 向かう、というよりは、嫌なことを避けるモードになったときに、それに気付けるといいね、みたいな感じかも?
  • 「リスクを避けるのではなく向かう」とかよく言うけれど、いきなり向かうってちょっと。ひらく、と、とじる、くらいな方が自分にはやりやすい
  • 「リスク」という言葉が気になっている。シェリー(ミード)さんのクライシスハウスのインタビューの時に、ここは医療施設ではないから、行動するとなった時に病院に頼ることもある、間に合わないこともある、そういうリスクもあると受け入れ合いましょうというようなことを言っていた

などなどずっとこの話をしていたいとも思いましたが、このあと、今日のお題である「任務3:相互性:ともに学び、成長する過程として、「助け」をとらえ直すこと(Mutuality)」についてと、二人組の演習に進みました。

最後の感想の抜粋です

  • 感じる演習、聞く演習でしているワークで、BさんはAさんの話を聞くことでAさんを助けているという考え方もあるが、Aさんの世界観を味わえることで、Bさんが助けてもらってるとも言える
  • 4つの任務はプロセスなのか、到達するところなのか。今後も考えたい
  • つながりを感じる関係のなかで聞いてもらうことが癒しにつながる。貴重な時間だった
  • 通じ合うことを遠ざけたくなることがある、自分にもそんなことがあって、自分に不安があるときとかは自分の方に意識が向く、というようなことにも気付いた
  • 自分が正解だと思ったこと、正解にこだわっていたと感じてしまった
  • ワークで7分間ただ聞いてもらう、ということ、ワークだとしてもありがたいと感じた。7分間ただ聞いてもらえるということは日常ではなかなかない。すぐに途中で何か言われちゃう。今日は聞いてもらえた感じがした。あともう少しあったら自分の思ったことも整理できそうな気もした
  • 7分間のワークの中で、最初は自分が何を言いたいのかまとまりがなかったけれど、話しているうちに徐々に頭が整理された。お互いの関係性や関わりって大事で、大切にしていかないといけないと感じて、これからも学び続けていきたいと思った
  • ワークを通じて、IPSで大切だとしている4つの要素を実感できた。ここでは直接その人だけでもなく、互いが誰かのピアサポートになっている、意識していなくても、ピアサポートになり得ているような気がした
  • ワークの時間はうまく話そうとしてしまったのではないかと言う思いがあった。Bさんになったときにはその人と近くなった気がした
  • 求められなければアドバイスをしないようにしている。WRAPの学びでもあるし、求めてないときのアドバイスは自分には入らないしと思っているから。しかしアドバイスするしないというよりも、より相手の方の世界観を理解しようとするということは、深まったり、お互いに学び合うことにつながったりする感じを受けた
  • 自分はいい人でいたいのだなと気づかされて、そして自暴自棄になる、というような両極端なことを繰り返してきたが、共にただその場にいるということを体験して、そういう場所に耐えられるようになったのは、IPSを学んだからだと気づかされた
  • 今日のワークを通じて、相手の世界観を聞こうとしているときには、助言をしたりしない。相手を助けようとか、そんな風になっちゃってるときは、相手の世界観を聞こうとしていないなと気づいた
  • この言葉には自分はこう反応するんだなとか気づくところがあった。自分の関係性に、ヒントをいっぱいいただいた。聞いてもらう側になったときについては、過去のことを思い出すことは勇気がいるが、その支えになってもらっている感じ、勇気をもらって、言葉が出た
  • 普段は1人でぐるぐる考えているのが、目の前に聞いてくれる人がいるところで話せることのぜいたくさを感じ、自分だけだとおもいつかなかったことへ幅が広がると感じた
  • 誰がいるかわからないという状況でどうしようと思いながら参加してみたが、あらかじめ知っている人だけではない中でもいられるということを経験できた
  • 正解があると思って生きてきたけれど、その自分の考え方も変化してきていると感じた。IPSの考え方は希望的だなと感じた
  • ただ聞くという、こたえなくてもいいと思えるのはとてもよい

ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
【次回以降の勉強会予定】
4 月12 日(土)15 時~17 時(対面:東京大学医学部3号館)
5 月17 日(土)13:30~15 時(オンライン:ZOOM)

ゆっきぃのひとりごと:今日もありがとうございました。「IPS」とか人との関わりに関心のある皆さんとこうしてつながって、日本の各地のみなさんと一緒に時間を過ごせることにあらためて感謝の気持ちを感じました。相手の世界観に思いをはせるということと相互性はとてもつながっているな、と私の中で今日すごく実感できた気がします。相手の世界観はどうなんだろう、自分はこんな風に思い込んでいたな、とか、そんな風に思える時には相互性が生まれやすくなるというか、相互性があるときには、自分の考えをおしつけよう、とか相手を替えよう、とはならなくて、相手の世界観に耳を傾けられる、そんな気づきがありました。

3/16の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2025年2月15日(土)14:00-16:00 場所:東京大学医学部3号館1階S102
1.はじまりの確認(チェックイン) ① 呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。IPS はトラウマの経験を考慮したピアサポートです。
「IPS」でピアサポートを達成するために大切だと考えている4つのこと:
(1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
IPS の3つの原則(principles):「助け」から「学び」へ、「個人」から「関係」へ、「恐れ」から「希望」へ
3.前回までの振り返り(前回は2025 年2 月15 日対面)前回:ピアサポートの任務
4.ピアサポートの任務(ピアサポートですること)(1巻 p.12~ )
任務1 つながり・通じ合う感覚:これがピアサポートの核心です。
任務2 世界観:ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するよう、お互いに助けあう
任務3 相互性:助けるということを、ともに学び、ともに成長する過程として、とらえ直す
任務4 向かうこと:望まないことを避けるためではなく、望むことに向かって進むよう、お互いに助けあう

任務3:相互性:ともに学び、成長する過程として、「助け」をとらえ直すこと(Mutuality)
「ピアサポートは相互的で持ちつ持たれつの関係です。これは、長い間、患者あるいは利用者の立場を取ってきた人にとって、とても癒されるものです。“よい”精神疾患患者の役割を演じるように社会化され(慣れさせられ)、つまり、“私”に関することだけに没頭するようになっているからです。自分に没頭するように社会化されることは、病院で看護師に、お通じはあったか、夜眠れたかなどを毎日、聞かれることから始まります。「自分のことに目を向ける」ことは、それから何年にも渡って、ケアマネージャー、セラピスト、グループホームの世話人、就労支援者らのすべてからそれぞれに、“調子はどう?”と聞かれることで、引き継がれていきます。“調子はどう?”というのは通常の社会の会話では挨拶の決まり文句ですが、精神科領域の会話では、利用者はその問いを真に受けて、“自分”について、さらにさらけ出して答えることが求められます。そして、たいていの場では、利用者はお互いに助けあったり、誰かを助けたりすることは奨励されていません。そう考えると、今人気の“コンシューマー(消費者)”という呼び方はぴったりです。何かをお返しする可能性のかけらもなく、大きな口をあけてひたすら消費するイメージが思い浮かびます。
自分中心、自分に没頭すること、消費者であることへの社会化は、自分には他の人に提供できる何かがあると気付く機会を多くの人から奪っています。関係がいかに癒しになりうるかという別の理由は、この医原性(医療が原因となる)の傷を負っているからです。必要とし必要とされる、気遣い気遣われる、受け取ることが出来、与えることが出来ると知ることは癒しになります。」(パット・ディーガンのウェブサイトからの抜粋:https://www.patdeegan.com/blog/relationships-can-heal
どのように“援助”を受けてきたかが、自分たちの中にも受け継がれている可能性に、しっかりと注意を払う必要があります。たとえば、いろんな人が、私たちのために何かをすることで援助をしていると思ったり、私たちは不安定だと思い込んでいたとしたら、私たちも、助けとはそういうこと(何かをしてあげること)だと思うかもしれません。

♪感じる演習・聴く演習(A さんが自分の世界観や感情に気づくためのワークです。B さんは聴きます)
A さん:助けられる人/助ける人の役割をとるよう慣れさせられてきたかも?と思い当たることはありますか?
思い浮かんだ場面があれば、その時の感情などを思い出してみてください。
うまく話す必要はありません。浮かんだことを言葉にしてみてください。考え込むのも沈黙もOK。
B さん:A さんの話を、A さんに見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。

5.勉強会の感想:心に響いた事、印象的だったこと、あなたの世界観に影響したことはありましたか?

ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2025年2月15日(土)勉強会(対面)のご報告

2月15日(土)14:00-16:00に、東京IPS勉強会が開催されました。この日は9名での勉強会でした。

毎回同様、呼ばれたい名前と何に動かされてここに来たかを話します。

その後で、意図的なピアサポートの意図とは「お互いが学び、成長するようにしようとしている」ということと、「IPS」で大切にしている4つのこと:(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと についてと、IPSの3つの原則、助けから学びへ、個人から関係へ、恐れから希望へのお話がありました。

助けから学びへ、とは、相手の人が自身を知ることを助ける、それがIPSなのでは。そして、IPSやこの勉強会でしようとしていることは、そんな場を作ることに貢献することなのでは、というお話です。

その際に、お互いに理解するために助け合う、そこで自分の思ったことや感じたことを言うのはとても大事なのだけれど、それをなかなか言えなかったり、過去に否定されたことを思い出して発言できない人もいる。そんなときにどうしたら言いやすいような、そんな場になるのだろう、とのことについて

  • 自分は過去に、まわりが全部正しいと思っていた。自分が言うことなんてダメだと思っていた。意見をもたないのが安全だと思っていた
  • 頑張らなくていい、と言われたときに、その意味がわからなかった。自分が頑張っていたことを自覚できていなかったから。どうしたいの?と聞かれても、相手はどうして欲しいと思っているのだろう?と思っていた
  • 意見を言っちゃいけないと思っていた。自分の意見を押し殺してばかりいたので意見をもたないようになっていた。自分は意見を言っていいといわれて自分が意見をもっていなかったことに気付いた
  • 誰かの近くでその人を支援していたりすると、医療者も家族も本人のことを知っていると思ってしまう。そのような状況では本人も意見の持ちようもない
というようなことが出されました。

この日のテーマは「相互性:共に学び、成長する過程として助けをとらえ直すこと」です。その中で、IPSのワークブックに載っているパット・ディーガンさんのウェブサイトからの抜粋を皆で読み、役割を演じるように社会化されることについて話し合いました。
そして、その後、二人組での聞く演習・感じる演習をしました。
勉強会の終了時には以下のような感想がありました。
  • 演習を何回もやって、話すやり方がわかってきた気がする。具体的な場面を思い浮かべてそのときにどんな風に感じていたのかを思い出してみる、深く振り返るのがよさそうだと感じている
  • 自分の体験を振り返ったり、思いを語れる場、そんな空間をたくさん作っていくことが大事なのだと感じた
  • 7分(の演習の時間)が難しい。尻切れトンボで終わりたくない気持ちや、時間が余る感じとか
  • 皆さんと話しをできて、自分の課題に向き合うことができるかも
  • 過去の自分の存在は不確かだった。生きているか死んでいるかわからない自分がいた。でもあの頃の自分がいるから今の自分があるんだなと思う
  • いつから人から変に思われることを気にするようになったんだろう
  • グループができるとそれぞれの役割ができてしまって違う考え方をするのが難しくなることもある。今日の例は学校でそうだったと感じた
  • アメリカで、患者という言葉ではなくコンシューマーという言葉が使われる様になった頃の文章で、消費者、っていう言葉には、ただ消費しているだけで相互に貢献するとか双方向性は感じられないというところは、確かにそうだな、と思った。いろいろな言葉で受け取られることというのも興味深いなと思った
  • 社会化について。精神科領域では、グループホームとか、就労のところとか、治療をする場ではないのに、調子がどうかと聞かれるのは、人として互いを気にかける以上の精神科的な何かがありそうだと気付いた
ご参加くださった皆様、ありがとうございました!


 【次回以降の勉強会予定】
3月16日(日)10時~11:30(オンライン:ZOOM)

ゆっきぃのひとりごと:今日もありがとうございました。今日皆さんとお話をする中で、意見を持たない方が安全と思っていたという話しを聞いて、私はこれまで生きてくる中で、意見はみんなも自分も言った方がよい、互いの声は聴かれるべきだ、と思う機会を重ねてきたのだなと感じました。それは、私の重ねてきた経験とは異なる人の経験を聞いたからこそ気付いたことだとも思いました。IPSの世界観や相互性、どれも重なり合っているテーマで、お互いに、自分の世界観に気付いていく、そんなことをしようとしているのだな、と思いましたし、IPSの勉強会でそんな時間をもつことができてとてもうれしいです。

2/15の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2025年2月15日(土)14:00-16:00 場所:東京大学医学部3号館1階S102
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。
「IPS」でピアサポートを達成するために大切だと考えている4つのこと:
(1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
3.前回までの振り返り(前回は2024年10月19日(土)ZOOM)前回:ピアサポートの任務
4.ピアサポートの任務(ピアサポートですること)(1巻 p.12~ )
任務1 つながり・通じ合う感覚:これがピアサポートの核心です。
任務2 世界観:ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するよう、お互いに助けあう
任務3 相互性:助けるということを、ともに学び、ともに成長する過程として、とらえ直す
任務4 向かうこと:望まないことを避けるためではなく、望むことに向かって進むよう、お互いに助けあう

任務3:相互性:ともに学び、成長する過程として、「助け」をとらえ直すこと(Mutuality)
「ピアサポートは相互的で持ちつ持たれつの関係です。これは、長い間、患者あるいは利用者の立場を取ってきた人にとって、とても癒されるものです。“よい”精神疾患患者の役割を演じるように社会化され(慣れさせられ)、つまり、“私”に関することだけに没頭するようになっているからです。自分に没頭するように社会化されることは、病院で看護師に、お通じはあったか、夜眠れたかなどを毎日、聞かれることから始まります。「自分のことに目を向ける」ことは、それから何年にも渡って、ケアマネージャー、セラピスト、グループホームの世話人、就労支援者らのすべてからそれぞれに、“調子はどう?”と聞かれることで、引き継がれていきます。“調子はどう?”というのは通常の社会の会話では挨拶の決まり文句ですが、精神科領域の会話では、利用者はその問いを真に受けて、“自分”について、さらにさらけ出して答えることが求められます。そして、たいていの場では、利用者はお互いに助けあったり、誰かを助けたりすることは奨励されていません。そう考えると、今人気の“コンシューマー(消費者)”という呼び方はぴったりです。何かをお返しする可能性のかけらもなく、大きな口をあけてひたすら消費するイメージが思い浮かびます。
自分中心、自分に没頭すること、消費者であることへの社会化は、自分には他の人に提供できる何かがあると気付く機会を多くの人から奪っています。関係がいかに癒しになりうるかという別の理由は、この医原性(医療が原因となる)の傷を負っているからです。必要とし必要とされる、気遣い気遣われる、受け取ることが出来、与えることが出来ると知ることは癒しになります。」(パット・ディーガンのウェブサイトからの抜粋:https://www.patdeegan.com/blog/relationships-can-heal
どのように“援助”を受けてきたかが、自分たちの中にも受け継がれている可能性に、しっかりと注意を払う必要があります。たとえば、いろんな人が、私たちのために何かをすることで援助をしていると思ったり、私たちは不安定だと思い込んでいたとしたら、私たちも、助けとはそういうこと(何かをしてあげること)だと思うかもしれません。

♪聞く演習・感じる演習
Aさん役:①自分が助けられる人/助ける人の役割をとるように慣れさせられてきたかも?と思い当たることはありますか? ②自分にはほかの人に提供できる何かがあると気づいたことはありますか? ①または②、あるいは①②両方について、思い浮かぶことがあればお話しください。沈黙でもOK。
Bさん役:Aさんの話を、Aさんに見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。

5.勉強会の感想:今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2025年1月26日(日)勉強会(ZOOM)のご報告

1月26日(日)14:00-15:30に、東京IPS勉強会が開催されました。この日は14名での勉強会でした。

毎回同様、呼ばれたい名前と何に動かされてここに来たか、その後で、意図的なピアサポートの意図とは「お互いが学び、成長するようにしようとしている」ということと、「IPS」で大切にしている4つのこと:(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと について話しました。

この日も「世界観を理解するために助け合う」がテーマです。

自由な話しがいろいろ出ました。

  • 価値観について:何かを自由にやっている人に対して、なんであんなこと勝手にやってんの、と思っていたけれど、そういうときは我慢すべきだって価値観を持ってたんだなと気づくことがあった
  • 相互性はお互いの正義(正しいと思ったこと)がぶつかった時に相手の世界観が違う時に起こり、お互いの世界観を理解していく過程かなと思っている
  • お互いの正義がぶつかるとき。一緒に学ぼうとしている関係であれば話ができそうだけど、ふつうのときに、そういうアプローチができるか。なかなか
  • 自分の世界観に相手をつれこもうとしてしまう、相手を正そうとしてしまうからぶつかるのかなと思った。自分はただしい。 We Are Right=WAR
  • 価値観がぶつかると、怒りの感情がおきがち
  • 理論武装することある 自分の声、自分が生活の中で出ている声を場に差し出すことはおそれがあったり、こわいと思うことがある
  • 自分が場に差し出すことがこわいことほど、場に差し出すと、場がゆたかな場になる
  • 理屈じゃないのだけれど、その人を感じられたり。悲痛な叫びも含めてその場におかれたときに、明日一日がんばろうという気持ちになることある。頑張っているのは自分だけじゃないと思える
  • 本当はできる人だと思われたい。正しさというのはあると思うけれど、すみません、と言えると楽になったり。本音。差し出すもの、差し出しにくいものほど、人の心には響くのではないか
  • 自分は未熟だなと思いつつ。先行く仲間に囲まれてうれしい
  • WRAPクラスで道具箱で、医師のいうようにやってればいいんだ、っていう当事者がいて、主体性を当事者が放棄してどうするんだ、と怒ってしまった。そういう世界観が自分にはあった。でもあとで話を聞いてみると、医師の言うとおりにやっていればいいんだ、と思うくらい落ち込んでいたといういことがわかった。相手の話を聞こうとしなかった自分がいる。自分がこれが正しいと思っていると、何が起こっているんだろうという思考になかなか変われない。相手のことを思いやれない自分
  • 自分の経験を差し出すことにおそれを覚える
  • 経験を差し出すときのおそれ:つながりの感覚、世界観が影響している
  • 自分のどんな思いで参加しているか。IPSに参加してきて、つながり、世界観、相互性まではいろいろ深まってきた気がする でも、向かうこと はあまりやっていないかも。自分の経験にあまり置き換えていないんだなと感じながらいた
  • 先行く仲間に昨日言われた。「相手だけが本当に悪いのか?」と言われた。説明が具体的でなくて、相手に共有できなかった、とか、そういうことの方が多いのではないか?と言われて
  • 人との対話で、話し合えばわかりあえる、というのはちょっと違うと思う。話し合うと違いがわかる。言ってることが理解できないことがあっても、この人と私はここが違うんだな、とか。そこが自分にとっては大切なのかもしれない。違うところは合わないかもしれないけれど、違いがあるんだ、と認めた上で、その人はそれを大切にしているんだなと思えれば、無理にすり合わせたりする必要もなさそう
  • 世界観というと、それが自分だけの世界観だと気付けないことが圧倒的に多くて
この日も二人組のワークをブレイクアウトして行いました。

  • いろんなことを考えて刺激となった。そんな経験をできてありがとうございました。世界観、自分を知る。それってわかりにくい
  • お互いに会話できた気がした
  • 聞く演習、リラックスしてできるようになった 
  • 「私たちのものの見方を助け合う」を見て、自分も理解してもらうって気持ちが抜け落ちていた。相手のことを理解することにばっかり意識が向いていた 自分も言いたいことがあるのに我慢してたから息苦しかったのかも、と気付いた
  • 豊かな声が聞けた 相手の声を聞きながらの学びでおとしこまれたのか、これが自分の声なんだなと思った
  • 安全安心な場を提供してくれてありがとうございました。他の人の話からも、人生いろいろ経験があって、考えを変えることができてきたり、ワークでも安全安心な場で話をできてよかった。対応できる自分を作っていきたい
  • 話したい人と話すことができた 聞き役のときは話を理解しようとしながら聞くのだが、自分が話してるときはそうじゃない。一方的に思うようになっていることに気付きながら
  • 居場所にさせてもらった
  • 自分の中で感じるものがまだまとまってない。何かを感じながら、涙が出ている自分がいた
といった感想をお聞きしました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました!

 【次回以降の勉強会予定】
2月15日(土)14時~16時(対面:東京大学医学部3号館)
3月16日(日)10時~11:30(オンライン:ZOOM)

ゆっきぃのひとりごと:このところ毎回、2人組になって、聞く演習・感じる演習というのをしています。そのときに、話さなくてもよい、黙っていてもよい、ということもとても大事だと思っているのですが、ZOOMで二人になると、焦って何か話さなきゃ、と思ってしまうこともあるかもしれないな、とか、いろいろ思っています。対面の長時間のワークショップとかだと、一人あたり20分とか時間を取ってゆったりと湧き出る思いを話したり黙ったりしているのですが、そんな時間を勉強会でも持てたらなと思っています。

1/26の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2025年1月26日(日)14:00-15:30 場所:ZOOM
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。
「IPS」でピアサポートを達成するために大切だと考えている4つのこと:
(1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
3.前回までの振り返り(前回は2024年10月19日(土)ZOOM)前回:ピアサポートの任務
4.ピアサポートの任務(ピアサポートですること)(1巻 p.12~ )
任務1 つながり・通じ合う感覚:これがピアサポートの核心です。
任務2 世界観:ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するよう、お互いに助けあう
任務3 相互性:助けるということを、ともに学び、ともに成長する過程として、とらえ直す
任務4 向かうこと:望まないことを避けるためではなく、望むことに向かって進むよう、お互いに助けあう

任務2:世界観;ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するために、お互いに助けあうこと(Worldview)
どのようにしてそう思うようになったのかを理解するのを助けあうとは、自分たちの“認識”から一歩引き下がり、その認識をどのようにして獲得したのかについて考えてみることです。文化的な背景、家族の背景、これまでの個人的な経験のすべてが関わっています。これは時に、ある経験に対していく通りもの理解の仕方があるということを、心から信じられるようになるための重要な一歩になります。
♪他の人には聞こえない声が聞こえるという人を、あなたはどのように表したり説明したりしますか?
♪そのように考えるようになったのはどうしてでしょう?
♪そのように考えたとき、その人を援助する、とは、どのようなものになると思いますか?
♪もし、他の人には聞こえない声が聞こえることは貴重な経験だと考えられている文化の中で育ったとしたら、そのような声が聞こえる人のことをどう思うでしょうか?

私たちのものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解することを助けあうとしたら、まずはじめにすべきことは、自分のものの見方(私は、どのようにしてそう思うようになったのか)について探索してみることです。私自身がとらわれていたら、ほかの人のとらわれを解消する助けになることはできません。

♪聞く演習・感じる演習
Aさん役:自分のことをどのように表現しますか?そう考えるようになったのはどうしてでしょう?
そのことについて話してください。
Bさん役:Aさんの話を、Aさんに見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。(相手の中で何が起きているか聞いてもよい)

5.勉強会の感想:今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。