2022年4月16日(土)のIPS勉強会のご報告

2022年4月16日(土)13:30-15:30に東京でのIPS勉強会が対面開催されました!2年ぶりの対面での勉強会で、この日は8人での勉強会でした。

いろいろな思いやとまどいも感じながら会場までお越しくださり、本当にありがとうございました。

まずは前回からの話しの続きで、ボタンを押されるような状況、反応してしまうような状況について危機状況なのではなのではと思ったときに自分の取った行動について、医療者と当人達ではその行動に対する感想が違い、今でもどうしたらよかったのか、、との話しや、「この人死んじゃうんじゃないか」と思ったときのこと、社会の常識とかに合わせちゃうのではなく、ものわかりのよくない方向でいきたい、といった話しがありました。

ZOOMのときには短縮して90分にしていましたが、対面開催で久しぶりに120分開催となり、途中で休憩をはさんで、後半は二人組になって話しを聴く練習です。

この日は①困難な状況に寛容になること(自分が反応していることに気付く)②その場にいること(判断・審判をせずに)今現在の状況に集中して十分に心を開く、ということを意識して話しを聴きました。

話してみて、聴いてみて、の感想も含め、全体の感想です

  • 話してみることで自分の中で伝わってきたことがあった。話してみて、話さないと伝わらないと思った
  • クライシスではたして話しができるだろうかと思った
  • 赤の他人だったり、利害関係のない第三者には話しができるかもしれないけれど、当人同士では話すことは難しいと思う
  • その状況に関係していない人にだから話せることもある。話しを聴いた人が自分が悪かったのではと自分を責めてしまったり、傷ついてしまう人がいるかもと思ってしまうと話せないこともあるが、今日はそういった心配のない相手だったので、安心して話せた部分があった
  • 話してみて、普段の会話では、相手の反応とかを予測しながら自己調整して話していることに気付いた。今日の練習では相手がただ聴いてくれていたので、自分がとりつくろったりせずに話すようにだんだんゆるんでいった。普段はこう返されるだろうとがんじがらめになっていたことに気付いた
  • 自分がどう話すかに囚われてしまって、こういう言葉は使わない方が良いかなとか自分で自分を判断してしまっていた
  • 話しを聴いていて、相手の問題を聞くと問題解決しないと(仲間としての)自分の存在意義を感じられなくなってしまったりもあると思った。今日も一緒に考えよう、と言いたくなった
  • 孤独と一人は違う。社会とのつながりを感じられないと孤独。社会とのつながりを感じながら一人で遊べるのは一人。何かをしなかったとしても、つながりを感じていられれば安心できる。
  • ただ聴いていて、意識していてもやっぱり言いたくなってしまった。
  • 聴いていて、いつもは興味をひかれるとすぐに質問しちゃってたなと思った。でも自分が質問しちゃうとその話になっちゃうけれど、今日はただ黙って聞いてたら、自分の関心とは違う話になっていって、普段は自分が質問しちゃうことで本人の話したいことまで到達できていないことがあるんだなと感じた
  • 自分はうまく話をできただろうかとか、思ってしまいがちだけれど、そういった自己肯定を低めるようなものを差し引いて、話しをただ聴くことで、相手の人間らしさとかが出てくることがあると感じた
  • クライシスとか、緊急切迫している状況って、自分も切迫しちゃう。そんなときに、自分が存在意義を確かめるために何かしたいというのと、本当にしたいというのと、少し違いそう。居心地の悪さに持ちこたえている
  • いつもは実績を出して承認を得たくなる、無価値感からくる切迫感ともいえるようなものがあるけれど、今日はそんな気持ちにならずに話しを聴くことができた。
  • 何か役に立ちたいというような駆り立てられるような気持ちがきっとあり、そしてそれを自覚できていない。

今日は、本当に久しぶりに対面でお話しができました。これまでの自分の対応にどうしたらよかったのだろうと思ったり、いろいろ考えましたし、たとえば「寛容である」とも少し違う感じかな、とか、そんな話しもできました。そして、二人組での練習などもできました。とてもうれしくありがたい時間でした。ご参加いただいたみなさまありがとうございました。

今後も、対面の回とZOOMの回を計画していきたいと思います。

【次回以降の勉強会予定】

5月:ZOOM 5/15(日)13-14:30

6月:対面  6/18(土)13:30-15:30

参加費無料、申し込み不要です!

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

ゆっきぃのひとりごと:困難な状況に寛容であること、自分の反応に気付くこと、しかし切迫した状況だと自分が感じているときにそんな「寛容な」心持ちでいられるのか、など考えさせられました。また、今日、二人組で話しを聴く時間に、自分の話しを聴いてもらっていて、自分で気付いていなかった感情に気付きました。批判審判しないで話しを聴いてもらえる相手に話しを聴いてもらうってとても大事なことなんだなとあらためて感じました。

4/16(土)の勉強会の資料内容です↓
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会

日時:2022年4月16日(土)13:30-15:30 場所:東京大学医学部3号館S102

1.はじまりの確認(チェックイン)

呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?

2.前回までの振り返り   クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.16~)

ピアとしてクライシスに関わる

ピアサポートの原理は何があろうと変わりません。もし、どちらかにとってうまくいっていないとすれば、そのピアサポートはうまくいっていないのです!しかしながら、クライシスハウスの状況では、より強烈で、もっとボタン(反応のスイッチ)が押されるかもしれないという点を考えたいと思います。

①あなたのボタンを押すような状況(あなたが冷静でいられなくなる状況)はどのようなものがありますか?

②それについてどうするつもりですか?

3.クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.22~ ピアとしてクライシスワークをする)

限度を設けることと衝突を交渉することについて思い出してみましょう。これらの技法は、他の状況と同じように、クライシスでも使えます。呼吸をし、誠実に、敬意をもって!あなたが見、必要とし、望んでいることを話してください。パワーについてと、双方向の関係を作ることについて話してください。そして、家のたとえを思い出してください。その人は、他の部屋からは閉ざされた部屋にいるのかもしれません。ドアを少し開けるのをどうやって手助け出来るでしょうか?ピアサポートをするとは、自分の居心地の悪さとともにいられるようになることです。

①困難な状況に寛容になること:これはただ、自分が反応していることに気づきやすくなり、何が自分の反応で、何がそうでないのかを見分けることを意味します。

②その場にいること:(判断・審判をせずに)今現在の状況に集中していることを意味します。あなたの評価や思い込みをたくさん持ち込むのではなく、その状況に、十分に心を開くつもりでいることです。

①,②を意識して二人組で話しを聞く練習(困りごとを話す人の話しを聞く)をしてみませんか。

4.勉強会の感想

今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

5.今後の予定  5月ZOOM 5/15(日)13:00-14:30

6月対面 6/18(土)13:30-15:30

IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。


次回勉強会は2022年4月16日(土)13:30~ 対面を予定

次回: 2022年4月16日(土)13:30-15:30  医学部3号館S102(対面)

です。

2022年3月24日(木)のZOOMでのIPS勉強会のご報告

2022年3月24日(木)19:30-21:00に東京でのIPS勉強会がZOOMで開催されました。この日は14人での勉強会でした。

まずは、前回の振り返りで、これまでの勉強会でこのところずっとでている「クライシスハウス」についての皆さんの印象についてです。

3月24日(木)

  • 駆け込み寺みたいな居場所。治療の場ではない。
  • 疲れちゃったときに休む場所みたいなところ。
  • 自分のクライシスの時には、クライシスハウスがなかった。その頃、お医者さんは自分にとって権威者。あなたは病人なんだから。私が治療してしんぜよう。俺の診断にけちをつけるのか?というような感じで、医者から薬を増やそうと言われると、疲弊しちゃって、本心を言うどころではなかった。疲れ果てた。その後かかった先生はよい先生だったから、本心を全部言ったらきいてもらえたかもしれないんだけど仮面医師と仮面患者のような感じになってしまっていて。そこにクライシスハウスがあれば、真意がさらけ出すことができたかも。さらに先生がかわって、自分のことを白状しようと思った。受けとめてくれる先生だという人を紹介してくれた。そこで、無条件の受容という、スタートラインにたった。
  • 夫婦げんかしたときのカラオケボックス。いったんその場所を離れると空気が変わるから、っていわれて。クライシスハウスとは違うかもだけど、カラオケボックスや漫喫とかどんどん使うとよい。

この日のテーマは、自分のクライシスの時、自分のボタンを押されるときという話題です。大きなグループの部屋と、小さなグループの部屋(ZOOMの)に分かれて話しました。
①あなたのボタンを押すような状況(あなたが冷静でいられなくなる状況)はどのようなものがありますか?
②それについてどうするつもりですか?
について自由に話し合いました。

①自分が向き合いたくないことを思い起こされる人の話は避けたくなる
②どうしたらいいかわからない

①自分の中で正しいと思っていることを否定されたとき
②頭が勝手にヒートアップしてしまって、誰かにとめてもらうしかない。思いついてない。

①力を感じたときが苦手。権力とか財力を感じるのが苦手。職場の中でも役職っていうのがあったりして、ちょっと考えが違った、教育の仕方が、みたいなところに、考えが違うからっていう過程はどうなんだろうかというのを感じると、内の会社はこういうカラーだから、こういうものだから、って言われてしまうと、何も言えないし。従わざるを得ないからって感じると。耳をふさぎたくなる。
②それに対してグルグル回ってしまうのだけれど、それは違うじゃないですか、って声をあげたとしたら、それも力になってしまう。その方法は思いついていない。

①会社でもなんでも、集団で人が集まっているときに、いろんな意見が出る。どこかに統一しないと集団として動けないと思うことがある。会社は権力関係で決めてしまうことがあるかも。気持ちがおさまらないと思うことがある。
②そう言う意見も確かにありますね。話し合うことができたりする。体験としてはある。

①本質的な話しで話しが通じてないなみたいになると、苦しくなる。脳がそういう風にしか考えられてない。後天的な意識の変化とかで補うというのは、ある程度緩和されるだろうけれど、基本的には無理だというスタンスで自分を見つめ直そうと思っている。
②そう言う脳なんだから仕方ないとか。

①考えの違う人間同士、ゆるやかな同意でしかつながれない。議論できると思っているんだろうかとか。
②あなたのおっしゃるとおりです、としか考えられない。否定されているような気持ちになる。30過ぎの大人は言葉で人のいうことは聞かないな

このほかにもいろいろなお話しをありがとうございました。

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

ゆっきぃのひとりごと:「ドアのこちら側でペンを落っことして誰かいるなと思ってもらう。あなたのことを気にかけてますよ。」というお話しが心に残っています。皆さん、いろいろなお話しをありがとうございます。

この日の勉強会の進行↓
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前  ②何に動かされてここに来ましたか?

2.前回までの振り返り   クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.16~)
クライシスハウスを利用するかもしれないゲストは、ピアサポートワーカーと前もって、どんな風に使いたいかを話し合います。(-中略-)この理由は、調子が乱れた状態から距離を置いている今の時点でどう感じているかがわかるからです。この視点から始めると、クライシスハウスを使うときに、ピアサポートの関係を保つ助けとなること(たとえば、相互の責任、パワーを共有することについて)を話しておくことが出来ます。この話し合いの時に、ピアサポートの関係を体験してもらい、他の緊急時支援とは違った雰囲気を感じてもらいます。(全文は2枚目にあり)
クライシスハウスを利用するかもしれない人とどのように使いたいかを話し合い記録する
考えるための例その2(p.21): あなたの職場の上司(山田さん)が、自分のクライシスの時の利用のためにとあなたとの面談を申し込みました。この上司(山田さん)のことを、周囲を気にかけてくれる、とても頼もしく有能な人だとあなたは思っています。上司の山田さんは、自分の弱さをあなたに共有すると、あなたの山田さんを見る目が変わってしまうかもしれないと思い少し心配になります。
3.クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.22~ ピアとしてクライシスワークをする)
ピアサポートの原理は何があろうと変わりません。もし、どちらかにとってうまくいっていないとすれば、そのピアサポートはうまくいっていないのです!しかしながら、クライシスハウスの状況では、より強烈で、もっとボタン(反応のスイッチ)が押されるかもしれないという点を考えたいと思います。

試してみたいこと:小グループまたは大部屋で①~③、または自由なテーマで
①あなたのボタンを押すような状況(あなたが冷静でいられなくなる状況)はどのようなものがありますか?
②それについてどうするつもりですか?

限度を設けることと衝突を交渉することについて思い出してみましょう。これらの技法は、他の状況と同じように、クライシスでも使えます。呼吸をし、誠実に、敬意をもって!あなたが見、必要とし、望んでいることを話してください。パワーについてと、双方向の関係を作ることについて話してください。そして、家のたとえを思い出してください。その人は、他の部屋からは閉ざされた部屋にいるのかもしれません。ドアを少し開けるのをどうやって手助け出来るでしょうか?ピアサポートをするとは、自分の居心地の悪さとともにいられるようになることです。

4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
【今後の予定】 2022年4月16日(土)13:30-15:30  医学部3号館S102(対面)

IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。