2022年11月19日(土)のIPS勉強会(ZOOM)のご報告 (2)お題と次回

 -勉強会ご報告(1) からの続きです-

チェックインとカメラオンオフについて思うことに続いて、前回の振り返りと、今日のお題です。

このところ、クライシスハウスを使う状況になる前に話し合うとき(このことを「インタビュー」とワークブックでは表現しています)のことがテーマとなっています。

前回は、

1.クライシスハウスは何であり、何ではないのかを説明する。

  • 治療に関することではない
  • 病気だとはみなされない
  • 何かを学ぼうとしている大人の人としてみなされる

今回は

2.関係性と相互の癒しの重要性(クライシスハウスを利用する状態の前に話し合う)

  • どちらにとってもうまくいく(どちらかが無理をするのではなく)必要があります。
  • 双方向の関係が、過去にいかに助けになったかを見出し、ときに、「援助」の関係がいかに私たちの力を奪い去ったかを探索する。
  • 相手の人に、相互的な癒しの関係を描いてもらう。
がお題です。
これらについて参加者の思ったこと・感じたことなど、挙げられたことの順不同なメモです↓
  • 大人の人として:力を持っている人として ということだと感じた
  • 誰かのアセスメント(評価とか何が問題ですか、みたいな)をしながら相手と話すことは、「話を聞く」とは違いそう。双方向かそうじゃないか。一方的なことが起こりやすい
  • 自分の利用していた医療施設の所属の医療専門職ではない人(職人さん)。その人とはOTとかソーシャルワーカーさんとは違う関係が築けていた。どのように違うか言葉にできないけれど、それがピアサポートの関係だと感じる
  • 自分が落ち込んでいた時に、健常者の友達から、こもってるなら一緒に飲もうよって言われて一緒に飲んだ。自分は専門職じゃないから専門的なことはわからない。話を聞くことはできる。その代わり、自分の話を聞いてほしい。と言われて、その友達の仕事や家庭内のことも聞いてあげた。お互いに自分の話をしてお互いにすっきりしたことが思い起こされた
  • 過去にピアサポートの関係で勇気が出たし、救われたという経験をしたから、学びの場に参加するようになっていたのに、仕事をするようになったら、ちゃんとしなきゃってがんじがらめになっていた。無理をしてしまってお互いに疲れてしまうような関係が普通になってしまっていたなとはっとさせられた
  • 当事者かどうかよりも、その人が自分の話をしてくれるか。どんな背景を持っているか、人間らしさやふと笑える瞬間、その人らしさがあったりするのが好き
  • 多様性に凝縮されている。無駄な時間や雑談が自分にとって大事。リカバリーってすぐできるもんじゃない。生き延びるまでの時間の過ごし方とか、いきいきとなっていく時間の過ごし方とか
  • 専門職の支援の話、こうすることでその人(支援の対象者)が楽になるというストーリーのもと、話が続いていくのだけれど、、、。自分がたどりついたのがIPS。IPSの世界観にいると、自分が癒されていくのを経験した
  • 一方的な関係って、人の力を奪ってしまう。お互い様だよね、というところが大事かなと
  • 友達からの連絡がほしいとのメッセージに気づくのが遅くなって。しまった!と思って、自分が(都合があまりよくないのに)我慢しなくちゃいけないかなと思ったけれど、そんなことではない、いつまでも自分が悪かったなって思う必要もない、って救われたような気がした
上記のテーマと引き続き、いろいろな感想です
  • 年より向けのIPSがあるとよいな。みんな若い人ばかりに見える。でも居心地の悪さは感じない、なぜ発言しないんだみたいな圧力もないし
  • リアルで同じ空気の中にいて、ため息とかが聴こえるようなことが大事だなと思ってたんだけど、遠方の人とも同じ場にいられるオンラインの良さもすごく感じてる
  • カメラオンオフの話をできてよかった。誰かを従わせたりしたいわけではなくて、ルールを決めたいわけでもなくて、ただ、こんな思いを感じているというそれぞれの思いが共有されるだけで、安心感が全然違う
  • 支援者の人って、、、と思ってしまったこともあったけれど、支援職の人も、一つのパターンにしばられた声かけとか関わりしかできなかったり、上司から求められたり評価につながったりしちゃってる背景もあるのだろう。そういうことに関心のある人たちと行動を変えていきたい。IPSとか対話に興味を持っている人たちとの出会いが、いろんな変化につながってる
  • 自分がさみしかったんだと気づいた。IPSでみんなとつながれる経験をした中で癒されていくことを感じた
  • 主治医との関係も、最初は全然癒しじゃなかった、癒しになるまで時間がかかる。そもそも自分が癒しの時間をもててるかなと考えていた
  • メンタル弱くてもいいじゃんって思えたのがよかった。しんどいんだけど、みんなでいられて幸せだなと

皆さま、今日も心にしみました。さまざまな状況の中ご参加くださり本当にありがとうございました。

【次回以降の勉強会予定】
12月:12/24(土)15:00-16:30 ZOOM
参加費無料、申し込み不要です。

東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

ゆっきぃのひとりごと:今日はZOOMのビデオ(カメラ)をつけるつけないについて、話ができてとても良かったなと思いました。つけている人もつけていない人も、いろいろな思いや事情があって、つけるとかつけないとかの人数比(?)とかは同じでも、そんな風に見えるんだな、とかそ、そんな事情があるんだなとわかることで、その場で一緒にいる心持が全然違うなと感じました。おそらくこれが、IPSでいうところの「世界観」だなと感じました。IPSの研修会で、明日の仕事を休む、とか、いつも遅れてくる人、毎晩電話をかけてくる人の例で、その人との対話のロールプレイなどがあるのですが、IPSに触れ始めた最初の頃は、なんとかして来させようとか、枠や決まりを作ろうという発想の(いわゆる支援の関係みたいな)会話に向かいがちだったのですが、相手の世界観と自分の世界観をテーブルの上に出し合うだけでいいんだな、とだんだん気づいていったことが思い出されました。今回も、全員カメラを付けてほしいとかそういうことではなくて、いろんな思いがあって、それをお互いに知るだけで関係性が変わるという、そんな瞬間を体感しました。

11/19の勉強会資料内容です↓。

IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2022年11月19日(土)15:30-17:00 場所:ZOOM
1.カメラについてご相談 & はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?  ③カメラをつけること、うつることについて思うこと

2.前回までの振り返り  ピアとしてクライシスワークをする:インタビューのとき(7巻 p.25~)
1.クライシスハウスは何であり、何ではないのかを説明する。
• 治療に関することではない
• 病気だとはみなされない
• 何かを学ぼうとしている大人の人としてみなされる
ピアサポーターとして、自分がクライシスを成長の機会として使った体験談を共有出来るかもしれません。

3.クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.22~ ピアとしてクライシスワークをする)
ピアサポートの原理は何があろうと変わりません。もし、どちらかにとってうまくいってないとすれば、それはうまくいっていないのです!しかしながら、クライシスハウスの状況では、より強烈で、もっとボタン(反応のスイッチ)が押されるかもしれないという点を考えたいと思います。
↓4月・5月・6月にやったこと↓
困難な状況に寛容になること:自分が反応していることに気づきやすくなり、何が自分の反応で、何がそうでないのかを見分けることを意味します。
その場にいること:(判断・審判をせずに)今現在の状況に集中していること。あなたの評価や思い込みをたくさん持ち込むのではなく、その状況に、十分に心を開くつもりでいることです。
あなたが信じていることを見失わず、同時に、新しい見方を試すこと:どうしたら複数の真実を手にすることを出来るようになるでしょう?同じことを、あなたが同じように経験していないからといって、それが真実でないというわけではない、ということを忘れないで下さい。
“立ち去る”ことと、飲み込まれることのバランスをとること:その経験の中に入り込みすぎて、ある種、“消えてしまう”ことがあります。あるいは、とても些細なことが気になって、姿を消してしまうことも。この二つのバランスをとることで、どこまで行くと行き過ぎかを交渉することが出来ます。

↓今月考えてみたい例↓
関係性と相互の癒しの重要性(クライシスハウスを利用する状態の前に話し合う)
どちらにとってもうまくいく(どちらかが無理をするのではなく)必要があります。
双方向の関係が、過去にいかに助けになったかを見出し、ときに、「援助」の関係がいかに私たちの力を奪い去ったかを探索する。
相手の人に、相互的な癒しの関係を描いてもらう。
クライシスハウス利用中と同じように関係を築きます。(ピアサポーターであるあなたは、)相手の人の使う言葉に注意を払い、相手がどのようなストーリーを語り、どのようなストーリーで通じ合えそうかに注意を払います。これは、どちらにとっても“ひらめきを得る”ような会話であるべきです。

4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

5.今後の予定のご相談 ZOOMで12/24(土)15:00―

IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。




2022年11月19日(土)のIPS勉強会(ZOOM)のご報告 (1)カメラのオンオフ

2022年11月19日(土)15:30-17:00に東京でのIPS勉強会がZOOMで開催されました。この日は16人での勉強会でした。

この日は、はじまりの確認(チェックイン)のときに、呼ばれたい名前や何に動かされてここに来たかに加え、カメラオン、カメラオフでの参加についてみなさんの気持ちやお考えについてもお話していただく形ではじめました。

このIPS東京勉強会は、ZOOMで開催するときには、カメラオフマイクオフでも、なんでも、ご自身のご事情にあわせてご参加ください、とこれまでお伝えしてきました。それは、体調が悪くてもその場にいたい、インターネット回線の負荷を減らしたい、接続機器の問題など、どのようなご事情のある方でもご参加いただける場だったらいいなと思ってのことでした。ですが、IPSの勉強会では内面の話や関係性の話などのさまざまな話が出ることもあり、知らない人で、顔の見えない人の参加している場では自分の気持ちを話すことに安心できないと感じることもあるかと思い、そんなあたりもご参加の皆さんはどんな風に感じているのかをお聞きできたらと考えました。

  • 自分はいらしている皆さんのお顔を見ながら話せるとうれしい
  • このIPSの場はいろんな人が参加していて、カメラがオンになることでさまざまな人が参加していることがわかってよい
  • カメラがうつると親近感がわく
  • 会によっては、部外者がまぎれこんでいるというようなことのないよう、必ず顔を出して、本名記載しての参加をお願いしているところもあるらしいが、IPSには自分はそのような警戒は特にない
  • 顔もわからず発言もせずに参加している人がいて、陰から見られているというような気持がしたことがあった
  • 自分は自分がカメラでうつること自体は嫌ではないのだけれど、パソコンの関係で、カメラをオンにするとラグが起きたりZOOMから落ちてしまうので、カメラオフで参加している
  • 今日の自分は疲れた顔をしていて、疲れた顔が見られるのは恥ずかしいという思いもある
  • ZOOMの会とかで顔を出すのが普通だと思っていたけれど、それが苦手だという人もいるんだなという新たな気付きを得た
  • 自分は人が怖いことがあって。IPSの勉強会、参加し始めた頃はカメラオフで参加していた。もしもカメラオンでお願いしますって言われていたら参加できていなかったと思う。でもみんなの顔が見れるとうれしいなというのがある
  • カメラオンにできないのは気持ちの面で出せないと思っていたけれど、機械の関係で出せないこともあるんだなと気づきがあった
  • カメラにうつること、少し緊張している、得意ではない
  • 前回まで、カメラをオンにしようとしてもうつらなくて、周りの人はうつしているのに自分だけうつさないということで、相手が感情を害しちゃうのではという思いがあった。自分の場合は、パソコンの使い方がわからなかったので、家族に使い方を教わって、それで今日はうつすことができた。
  • 今日は作業中で部屋の中もぐしゃぐしゃで、でも聞いていたい。今日は画面を切ります
  • 今日は静かに参加します
  • 画面を見ていると、人の表情を読もうとしてしまってグルグルしちゃうので画面から離れて声で話そうと思ったりしています
  • うつしてほしいという要請があっても、画面を落とすことがある。申し訳ないなという気持ちもあるけれど、その場にいられない瞬間がある
  • 自分の容姿に自信がなくて、見せることに対する恐怖があったりする
  • 画面を凝視してしまう癖もあって視力が下がるくらいまで集中しちゃうこともある
  • このIPSの場は強制される場ではなくて楽だなと思う反面、姿をかくした状態じゃないと話せないというのは自分の問題のような気がして、そういう背景を話さないまま画面をオフにしていることの後ろめたさもあったので、自分のことを知ってもらうという意味でも、このような話をできる機会があってよかった
  • 以前別の会で、画面オフで発言もなく何のコメントもなく過ごされた方がいて、それも参加の仕方の一つだと思う一方で、その会の後になって、何か偵察みたいに参加しに来た人だったらこわいなという思いが急に出てきた。顔を出さずにZOOMに参加している人がいるとこわいという気持ちが反応してしまう時期があった。でもIPSの集まりの場で、たとえ顔を出さずに参加している人がいても、ここの誰かとつながりのある人なんだなとわかると安心できる
  • 事情が言えると楽になるし、理由を言わなくても、過ごせるのもいいかなと。画面オフにしながら申し訳なく過ごしている人もいると思っていたので意見交換するのはうれしかった
  • IPSは安心して顔出しができる
  • 聴覚過敏があって、話す人によって音量を調整しながら参加している。音量調整をずっとしているのとか恥ずかしい
などなど、さまざまな思っていることがその場で共有されました。

(毎回記事が長くなっちゃって我ながら読みにくいので、分割してみようと思います)
勉強会報告(2)に続きます。

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