6月22日(日)10:30-12:30に東京IPS勉強会が対面開催されました。14名の参加でした。
引き続き、IPSで大切にしている4つのことと、助けから学びへ、個人から関係へ、おそれから希望へ、の3つの原則について、話してみたい方に話していただきました。
IPSの原則と前回までの振り返りについて、自由に話しました。
- 相手の世界観を理解しながら、それぞれの当たり前が違うことを理解する
- お互いにどうしようかと話すのが相互性
- 学びについては、自分を学んでいる、自分の世界観を学んでいる
- 人は、つながりたいという思いと恐れとがある。恐れながらもつながりたい
- つながってるっていう感覚よりも、つながりが切れたことへの意識や、つながりが切れること、不安への感度が高い。つながりが切れるショックが大きい
- 世界観は、言葉以外にもいろいろ。発した言葉以外の何か
- 反応しちゃう。ジャッジしちゃう。アドバイスしたいという欲求
- 相手の言葉で自分の反応に気づいたり
- 自分の反応を知ることがつながることに通じると思う
- IPSの説明で、ピアサポートはこころの健康を築くことを目的にしています、と前回の資料にあった。「メンタルヘルス」と言われるよりも「こころの健康」の方が入ってきた
- テレビとかではほとんどの人は聞き流すけれど、当事者は深いところまで理解しようとする気がする
今回から、ワークブック2巻「最初の会話とことば」に入ります。
- “最初の会話”が持つ意味と重要性について理解する
- “最初の会話”ができるようになる
- 言語があらわしている世界観に気づき、言葉を意識的に使う大切さを理解する
という目標がこの項では書いてありました。
まず、シェリーさんの「私の周りには、精神医療・福祉関係の支援者しかいないように感じていた時期がありました。~~~。しばらくそういう時期が続いていたのですが、やがて、私の考えを認めてくれ、私が自分自身や人との関係で責任を引き受けるのを期待し、時には私に助けと支えを求める人たちと出会い、~~~。」という文を皆で読み、それから二人組になってロールプレイです。
その後ロールプレイと勉強会への感想を共有しました。
- 自分がほかの人とそれほど違っているわけではないと思い始めたシェリーさんがうらやましいと思った
- 相手のことを受け止める、大事なこと
- (IPSの考え方について)ある程度理解はできたと思うけれど、実践がまだ。助けたくなっちゃう。
- ピアサポートって、治療じゃなくて仲間、というのが強い。支援提供しているくせに支援するされるじゃなくて、とか。でも、医療の場では支援するされるが必要であるときもある
- IPSはロープをほどいて一緒に、分けて考えていい
- これまでなんとなくわかったような気持ちになっていたけれど、今日初めていらした方とペアになって、自分にとっての新鮮な驚きがあってとてもよかった。慣れちゃっていてはだめだと思った
- 福祉の施設で厳しくしていることをやめたい
- 人は自分を変えることはできない。自分で自分を癒すことしかできない
- 自分を攻撃するくせがあるとかいろいろ演習の中で気づいていけたけれど、途中で終わってしまった。演習が一人7分では短い
- 気づきがいろいろあった。ピアに聞いてもらうことの良さ感じた
- 今日の机の並びが新鮮だった
- 自分の中で、支援者であるという背景は、自分のほんの一部分であるのに、支援の関係ではない間柄の友人から支援者として扱われる、支援者扱いしないでほしい、と思う関係がある
- 待つこと。これまで、恐れから動いていたと気づいた
- ゆっくり時間をとって考えたりシェアし合うこと、大事
- 依存先をたくさんもつ。見捨てられ経験はこわい
【次回以降の勉強会予定】
7月20日(日)10時-11:30 (オンライン:ZOOM)
8月21日(木)19:30‐21時 (オンライン:ZOOM)
9月13日(土)~14日(日)拡大勉強会
ゆっきぃのひとりごと:今日もありがとうございました。前回から、はじまりの確認とかをお願いするようになったのですが、自分もやっぱり進行したい部分もあるんだとあらためて気づき、まだまだ試行錯誤中です。また、今日は机もいつものテーブルの形ではなく、ロの字というか、ひしがたみたいな形で、それもまた新鮮で、いろんな当たり前を変えて試してみることにもひらかれていたいなと思いました。そうそう、午前に勉強会を行うことを歓迎してくださる方もいて、私自身は、対面の勉強会を午前に行うと朝出ないといけないのでちょっとな、とか思っていましたが、人によって皆違うなと改めて感じ、発見の多い勉強会となりました。
このところ、勉強会後に15分程度、勉強会の進行の振り返りや次に試してみたいことを有志で話し合っています。その内容も、このブログにも記載してみようと思います。
勉強会の振り返り:
- IPSについての考えや学びを、全体の輪ではなくて、小さいグループに分けて話してみようって前回話していたのに、それをすっかり忘れて全体で話してしまった、あれ?って思ったら、ぜひ声をかけてほしい
- みんなにも進行を、と思っていたのに自分が進めてしまった、という思いと共に、自分もこの勉強会に強い思い入れやこだわりがあるのだなということを自覚した
- 二人組になるときに、はじめていらした方とIPS勉強会歴が長い方とで組めるようにすることも考えたのだが、それはなんとなく先輩風を吹かすみたいな感じになるかな、と思って、もう気にせず二人組にしてしまった
- ZOOMのブレイクアウトも、気にせずランダムに組んでいる
- 演習の時間が短いと思う。チェックインに時間がかかるのはもったいない
- はじまりの確認は、お互いにこんな仲間たちと一緒にはじめるんだ、という意味で、大切に思ってきていて、ここで、急がずに、ちゃんと皆で耳を傾け合うことが重要なのではないかと思ってきた
- しかし、勉強会なので、演習をしっかりしたいという気持ちもとてもわかるし、いろいろ試してみたい
- 先日出た別のグループでは、最初に概要説明みたいなのがあって、そのあとは小グループに分かれてやっていた。この勉強会もチェックイン(はじまりの確認)を小グループでやってみるのはどうか?
- オンラインの勉強会はただでさえ90分と短い。
- 8月はオンラインで夜はどうだろう?→8/21(木)に。この日は、IPSの勉強会について何でも話す会にするのはどうか?
次回試してみること:次回オンラインのZOOMでは、その時の様子も見つつも、チェックインから小グループに分かれて、2のIPSについての理解のところも小グループで自由に話してみることにしよう。8月の勉強会内容についても、次回7月の勉強会で意見を募集しよう。
6/22の勉強会の資料内容です。
IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2025年6月22日(日)10:30-12:30 場所:東京大学医学部3号館1階S10
1.はじまりの確認(チェックイン)①呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートとは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすることです。 IPSはトラウマの経験(圧倒されるような体験)を考慮したピアサポートです。
IPSで大切だと考えている4つのこと:
(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
IPSの3つの原則(principles):「助け」から「学び」へ、「個人」から「関係」へ、「恐れ」から「希望」へ
3.前回までの振り返り(前回は4/12土対面,5/17 ZOOM)前回:ピアサポートの任務
4.最初の会話とことば(2巻 p.3~ )
1. 最初の会話が持つ意味と重要性について理解すること
2. 最初の会話が出来るようになること
3. 言語が現わしている世界観に気づき、言葉を意識的に使う大切さを理解すること。
精神科の治療を受け始めたとき、援助(支援、助け)について、どのように伝えられたかを考えてみてください。
ピアサポートでは、初めて会うときから、違った会話で始めることがとても大切です。
シェリーミードさんの場合:
「私の周りには、精神医療・福祉関係の支援者しかいないように感じていた時期がありました。
あなたは、そう感じたことはありませんか?
問題を抱えているのはいつも私で、人は私の問題を解決し、私を援助するためだけに、私と時間を過ごしているかのようでした。そのような助ける側-助けられる側という一方通行の関係のあり方が、支援者以外の人間関係にも及んできて、私は自分を問題の塊のように感じ始めました。
しばらくそういう時期が続いていたのですが、やがて、私の考えを認めてくれ、私が自分自身や人との関係で責任を引き受けるのを期待し、時には私に助けと支えを求める人たちと出会い、私は自分が他の人とそれほど違っているわけではないと思い始めました。私にとって最高の関係は、その時々の、ありのままの私でいられるスペースを与えてくれ、そして、私に気づきを促すような問いかけをしてくれる人たちとの関係でした。それをお互いにできる関係です。
そういう関係の中で会話をしていると、病気についてはそれほど話すことはなく、その代わり、お互いにとって新しい視点を導き出すような、いろいろな考えを出しあうようになりました。このような人との関わりが、私の人生を変えるのに役立ちました。
あなたは、そんなふうにお互いを認め、学びを促しあえる人と出会ったことがありますか?」
♪演習:最初の出会いのロールプレイ
1.各自が意図的なピアサポートの自分自身の理解を確認します
2.意図的なピアサポートを自分の人生の中に位置づけてみます(それぞれが考える時間を皆でとります)
3.ペアになって、相手にその話をしてみます。会話がどう進むかに注目してください。
(うまく話したり、相手を説得する必要はありません。浮かんだことを言葉にしてみてください。)
あなたにとって優先度の高いことがあったら、その話をするのもOK。
その場合、その相手になる方は、:話し手の見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。
(話し手の世界観を味わいながら、お互いの間に流れているものにも意識を向けてみながら。)
5.勉強会の感想:心に響いた事、印象的だったこと、あなたの世界観に影響したことはありましたか?
★次回までに今日のテーマについて考えたり、他者の世界観も意識してみるのはいかがでしょう
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IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。
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