4月12日(土)15:00-17:00に東京IPS勉強会が対面で開催されました。
15人の参加者でした。
IPSは助けから学びへ、個人から関係へ、おそれから希望へ、という三つの原則と
大切にしている4つのこととして
通じあう感覚(つながり)、世界観を理解するために助け合う、相互性、向かうこと
というものがあります。
このところ、参加者の方からこれらIPSで大切にしていることや原則について、それぞれの視点からお話をしていただいています。
- 学ぶことは相手を理解すること、自分を理解すること
- 一対一の関係だけではなく、場の中の関係も
- 希望、向かいたいのは、ありたいのは、どんなありようなのか
- 利害関係が出てくるとぶつかりあう
- なんで達成したいんだっけ
- 抽象的でIPSわからない
- 何かの答えがなきゃいけないと思って育ってしまった
- 自分のこうしたいと相手のああしたいが合わないときもある
- 安心して心を開いたときに傷つけられた
- 意外で簡単なことでも人って傷つく
- 傷ついてもよいのでは
- 自分が辛い経験をしたとしても何か糸口があるのでは
- 自分は難しい、わからないがあるとわくわくする
- 違いがあるねと俯瞰したい
など皆さんからもいろいろなつぶやきも出てきました。
そして、今日は、任務4:むかうこと です。
- どこに向かいたいかわからない、どうしたいかわからない
- ビジョンと行動をみつけるのを助けて欲しい
- ピアサポートはつながりを感じる力のこと
- 学び、成長しながら
- 不安を感じる関係では、つながりを感じる力は弱まる
- 「退院促進」と言うと、退院に向かわせようとしちゃう。けれど、ピアサポートでは、どうなってたら心が落ち着くか、とか、そういうことをできるとよいのかな
また、ワークでは、自分はどんなことにエネルギーを使っているのかなどを話してみました。
今日の勉強会の感想の一部です:
- エネルギーの使い方について考えた
- 問題を解決しないことが解決だった。
- ことばにすることで整理できた
- 安全安心な場でつながりのある場で整理できた
- 無意識のうちに医療に毒されていた自分に気付いた。ここでは医療のフレームをはずせるからここに来ている
- 相手の言葉に反応してしまい理解しようとしていない自分に気付いた
- 伝わるだろうかと考えながら話してしまう自分に気付いた
- 仕事中はフル回転したり逆回転したり空回りしたりしちゃってる。久しぶりに自分と向き合えた
- ピアサポートで心の健康を築くこと、ってことは、平温に過ごすこと、できるだけ嫌な人には接さないということも大事なのかな。
- 聞き方を間違えると一日嫌な気分になって自分の一日をダメにしてしまう
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
【次回以降の勉強会予定】
5 月17 日(土)13:30~15 時(オンライン:ZOOM)
6月22日(日)10:30-12:30(対面) 場所:医学部3号館S102
ゆっきぃのひとりごと:今日もありがとうございました。「ピアサポートは心の健康を築くことも目指している」「ピアサポートは、共に学び合い、成長し、人とのつながりを感じる力を強めること」というシェリーさんの文言がワークブックにあって、心に響きました。馬鹿にされないように、嫌がられないようにとかじゃなく、お花を見る、美味しいものを食べる、とかそういうときの心持ちをいつもまとっていられるとよいのかしら、とか、いろんなことを感じ考えました。
4/12の勉強会の資料内容です。
IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2025年4月12日(土)15:00-17:00 場所:東京大学医学部3号館1階S102
1.はじまりの確認(チェックイン)①呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートとは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすることです。 IPSはトラウマの経験(圧倒されるような体験)を考慮したピアサポートです。
IPSで大切だと考えている4つのこと:
(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
IPSの3つの原則(principles):「助け」から「学び」へ、「個人」から「関係」へ、「恐れ」から「希望」へ
3.前回までの振り返り(前回は2025年3月16日ZOOM)前回:ピアサポートの任務
4.ピアサポートの任務(ピアサポートですること)(1巻 p.12~ )
任務1 つながり・通じ合う感覚:これがピアサポートの核心です。
任務2 世界観:ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するよう、お互いに助けあう
任務3 相互性:助けるということを、ともに学び、ともに成長する過程として、とらえ直す
任務4 向かうこと:望まないことを避けるためではなく、望むことに向かって進むよう、お互いに助けあう
任務4 向かうこと(Moving Towards)
うまくいっていないことから逃れるためにお互いに助けあうのではなく、自分たちが望んでいること(ビジョンと行動)に向かって進むために、お互いに助けあいます。従来の精神科領域では、問題解決や問題を取り扱う方策を見つけることに焦点が置かれていて、話すことのほとんどは、何がうまくいっていないかに向けられていました。しかし、うまくいっていないことから逃れようとしているときには、その問題にとらわれ続けているのです。私たちは望むことに向かっているときに、そこに到達出来るという信念と行動を生み出すことが出来ます。これは考え方の大変革で、「助け」に関する従来の前提への挑戦です。
精神科領域ではここ10年以上、リカバリーについて語られ始め、研究と経験から、人々は元気になることができ、よい状態になり、精神科医療福祉から離れて生活し、地域の他の人たちと見分けがつかなくなることが出来るとわかってきました。そして精神科医療福祉領域の人たちは、どうしたらリカバリーに導けるかを考えることに長い時間を費やしています。ですが問題なのは、依然として病気の視点から取り組んでいることです。病気に上手に対処することが出来るようになれば、あるいはトラウマと依存の問題を取り扱えば、自立出来るかもしれないと考えています。このような考え方が悪いとか間違っているということではありませんが、ピアサポートで焦点を当てていることではありません。
ピアサポートは心の健康を築くことを目的にしていますが、心の健康は、精神の病の反対ではありません。私にとっては、 心の健康は、引き続き学び成長しながら、家族(あなたにとって、それがどのようなものであれ)の中で、そしてこの世の中で、つながりを感じる力のことです。
♪感じる演習・聴く演習(A さんが自分の世界観や感情に気づくためのワークです。B さんは聴きます)
Aさん:1.“問題”を寄せ付けないように常に努力しているとき、どのようなエネルギーの使い方をしていますか? 2.自分が望むことに向かって進むことに関心が向いているとき、どのようなエネルギーの使い方をしていますか? (うまく話す必要はありません。浮かんだことを言葉にしてみてください。考え込むのも沈黙もOK。)
Bさん:Aさんの話を、Aさんに見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。 (Aさんの世界観を味わいながら、Aさんの立場にたってみて、共感しながら。)
5.勉強会の感想:心に響いた事、印象的だったこと、あなたの世界観に影響したことはありましたか?
★次回までに今日のテーマについて考えたり、他者の世界観を意識して関わってみましょう
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IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。勉強会の後に勉強会の振り返り、次回やりたいことなどの話し合いをしています。
そのときの様子の写真です。(ブログへの掲載OKの方だけで撮影しました)
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