2023年7月16日(日)のIPS勉強会(ZOOM)のご報告

 7月16日(日)10:00~11:30頃  ZOOMでIPSの勉強会が開催されました。この日は16人の参加者でお話ししました。

この日もクライシス関連のお話しの続きです。

まずは前回までの振り返りです。(6月は対面開催でしたのでその振り返りも含めて。)

前回のお題:「誰かがチャレンジしてくれて、新しいことを試せた経験はありますか?関わっていたのは誰でしたか?その人たちは何をしましたか? • ここにいる人たちからのチャレンジに“耳を傾ける(聞く)”ために、あなたはどのようなことが必要ですか? • 私たちが“行き詰っている”と感じたら、あなただったらどんなふうにチャレンジしますか?」

  • 友だちからラインがきて、狙われてる、怖いというような内容の連絡がきた。自分の感じている感じをお伝えして、どんな感じでしょう?ってお話しできたことがあった
  • あなたこのままでいいの? と言われると置いていかれる感じがする 今、どんな感じ?って聞いてみたい
  • チャレンジという言葉:ちょっと大げさ。これからどうしたい?って話を友達とすることはある。こういうのを使ってみるのがいいんじゃないかとか。
  • チャレンジに耳を傾ける。勇気を出して言ってみる。どうしても自分の生きてきた経験の中から、自分の価値観でものごとを見てしまう。自分の価値観にも気づきながら、話をしてくれる人の伝えたいことは何かを理解するには、どんなふうに聞けるといいのかな、とか、自分の価値観が邪魔してるんだろうなと思ってる。
  • チャレンジって、つらい部分があって、反応したくなっちゃう。そんなこと言わなくていいのに、とか、言われちゃった、とか、そんなこと言いやがって、とか。でもそこでがんばって一回受け取って、考える。いいこと言ってる可能性が十分にある。と考えられるといい。受け止めて考えるくせをつけておくと、チャレンジに耳を傾けることができる
  • つらいってことを相談受けたってことは、その人から信頼されていると思う。ほかの人も失敗が多い。カウンセラーさんでも失敗が多い。人は誰でも呼吸するだけで、誰かを傷つける。相手のことはわからない、よいとおもって言ったことでも傷つけちゃう
  • 言いにくいことを言うのは苦手で、そこから逃げ回っていた。言いにくいことを言う、チャレンジする、対立までいかないけれど、しっかりと向き合っていかないといけないところ。どちらが正しいとか、どっちが間違ってるとか、そういう思考回路におちいらないようにする。自分を責めすぎたり、相手を攻撃したりしないというような、そういうところが大事。意見の対立がちらほらおきていて、それに対して疲弊している。そういうのを大事にすると、お互いに成長していける
  • 何か月たってからでも関係をこの先続けていきたい人には言いたい。でも自分はなかなか言えない人生で。つらい人間関係しか作れなかった。大切な人とか、関係を続けていきたい人にはチャレンジしていきたい気持ちがあって。がんばって、この前はじめて、今の言葉、自分は冷たく感じる、って勇気を出して言った。どきどきしながら。でもはじめてそんなことを言ったので、相手も反応してしまい。言葉でわーっとかえってきてしまって自分もフリーズしちゃって。距離を置くことになっちゃった。あなたとは難しいから距離を取らせてね、と。でも言えたことが自分を大切にすることなんだな、と思った。チャレンジするというのは、相手のことを大切にする気持ちと、自分の気持ちを大切にすることなんだな。
  • 受け止めなくていいよという気持ちがある。それを赦してあげる自分もいていいんだな。
  • チャレンジすると必ず理解してくれるというわけではなくて。向こうから反応が来ちゃうこともあり得る。うまくいかないということも、その可能性もありながらチャレンジしていく。
  • 居心地の悪さを感じる相手がいて、チャレンジすることなく一緒に働いている。言っちゃおうと思うときと、言ったらこういうことが起きてしまうだろうな、とシミュレーションをして。数か月たって、そのことがどうでもよくなることが増えてきていて。その人にはチャレンジしなくてもいいかと。居心地の悪さはあるけど、もうしばらく様子を見ていけたらなと思っている。
  • まぁいっか、と、時にはそれを解き放つということもあっていい。

前回の振り返りだけでもずっと話していたかったのですが、ここから本日のお題です。

本日のお題:3.精神科医療の用語・言葉がない世界を想像してみてください。

• とてもいい日の自分について描写してください(あなたは何を感じ、何をし、誰といますか?)

• とても気分の悪い日は?

  • 気分のいい日:誰が中心というわけでもなく、その人の価値観を許せる。間違ってる間違ってないとかいうことなく、この人は私のことを好きとか嫌いとかそういうことも考えず。
    気分の悪い日:誰か居心地の悪い人が中心にいて、その人の周りを右往左往している
  • 気分のいい日:気持ちがすっきりして気持ちよくできる。客観性をもちながら、余裕を持って話をする。普段やるべき日常の作業が進む。あまり気分がよいと、躁みたいになっちゃう。
    眠れないと気分が悪い、眠いな、何もはかどらない。将来を悲観しはじめて。俺の人生はもう終わりだとか、そういう気持ちが出てくる。そういうことに気付いて、悲観的にならずに。
  • 何も考えていない。自分が入った空間が、非常に落ち着いている。
    誰かにふりまわされる。モヤモヤする。どよんと落ち込む。殻に閉じこもる。
  • 姿勢がよい。本が読める。文字がすっとはいってくる。一人の時間を楽しむことができる。
    今を生きていない。将来を気にしてしまったり、過去にあったことを悔やんでしまったり。落ち着かなくなって。人の目が気になって。
  • 気分の良い日:公園にいきたくなる。花が咲いてる、犬が走ってる、とかいろんなことに目がいく。それが全部気持ちよくて。それが自分のいい日。
    気分の悪い日:部屋から出たくない。自分の好きな食べ物の美味しい店にわざと行く。美味しいものを食べて、そういうことをすると、気分が悪い日なりによくなる。
  • とてもいい日:生まれ変わったような気持ちになったことがある。
    しんどいときは、トイレに行くのもつらい。片腕を立てることにも一生懸命意識を向ける
  • 気分の悪い時はフレデリック.パールズの「ゲシュタルトの祈り」を心でつぶやくと気持ちが切り替わります
    「Ich lebe mein Leben und du lebst dein Leben.
    私は私のために生きる。あなたはあなたのために生きる。
    Ich bin nicht auf dieser Welt, um deinen Erwartungen zu entsprechen -
    私は何もあなたの期待に応えるために、この世に生きているわけじゃない。
    und du bist nicht auf dieser Welt, um meinen Erwartungen zu entsprechen.
    そして、あなたも私の期待に応えるために、この世にいるわけじゃない。
    ICH BIN ich und DU BIST du -
    私は私。あなたはあなた。
    und wenn wir uns zufallig treffen und finden, dann ist das schön,
    でも、偶然が私たちを出会わせるなら、それは素敵なことだ。
    wenn nicht, dann ist auch das gut so.
    たとえ出会えなくても、それもまた同じように素晴らしいことだ。」
  • 薬を自分の生活をととのえるために飲んで、評価とかをされない世界を想像していた。
    気分の悪い日であっても安心につながる
  • 新しいことをやりたくて、ウィンドウショッピングとか、街に行動的に出る
    眠れない、だるい、前言ったことの自責のグルグル思考などで固まる。
  • 同じ状態に見えても、そこで何が起きているかは違う
  • 家族とかにはその状態を見せられても、そうじゃない人には見せられなかったり。
  • クライシスの時はどうなりますか、と聞かれても答えにくい
  • 一人でいたいんだけど誰かと話したい。
  • 精神科医療の言葉を使うと「うつ」で終わっちゃう。そこを言語化することが、クライシスに飲み込まれないためにする効果がある気がする。できるだけ精密に、自分の気分の悪さに気づいていくというのが大事
  • その人に問題があるような話の方向性になっていく気がしたのでクライシスインタビューを意識して、医療の言葉を使わずに話すことを心掛けたことがある。そのときには、その人のつらさがどこからくるものだったのかを話してくれたことがあった。
  • 医療につとめていたときに、アウトリーチで自宅に訪問をしていた。とてもいい日の自分、いい自分について思うことのできない人がいた。そう簡単には心境も変わらないし、希望の感覚を感じることができないとかそういう話をできたことがよかった。お互いに行き交うものがあった。
  • 精神科医療の言葉がない世界を想像してみるのはおもしろかった。用語であてはめて、自分のことを分析して、自分の体調と向き合ってるけれど、言葉って自分をしばる。自分の病名をあらためて思うと、病名とか一般的なものに、自分がしばられていくような不自由さがある。自分でもそうなのだから、ほかの人を見るときにそういう色眼鏡をつけてしまう。そういうこわさをいつも自覚しておかないといけないと思った。
  • とてもいい日とあんまりよくない日って、出会ってすぐにそういう話をするのは難しいのかもしれないけれど、関係性ができて、雑談レベルで、あんまりいまいちな日ってどうかなぁってそんな話をできたら。
  • クライシスって混乱して、自分は意識がないととらえている。これを伝えることによって、相手に、自分で判断するように仕向けるというようなことがあると思う。
  • 精神科医療の用語を使わない場合に、対応が医療から離れる。
  • これこれこういう症状があって、とか、「症状」とか「病状」とかの言葉を使ったとたんに、薬を飲んでゆっくりしてくださいね、とかなっちゃう。
  • 精神とかと関係ない話を友達としているときには、「精神」って意識しないと思った。
  • クライシスのときのことではないが、障害者就労のときに、何かができないということは、わかりました。どこができないか、まわりがそのときにどうサポートすればよいかかを教えて欲しいと言われ、「私のトリセツ」というA4の紙を出して、マルチタスクが苦手なので順番を付けてほしいって言ったら、医療関係者じゃないけど優先順位をつけてくれた。今日は眠そうだけど大丈夫?って声をかけてくれた。助かった。

さまざまな声や感じたこと、考えたことが行き交う時間となりました。ご参加くださった皆様、どうもありがとうございました。

【次回以降の勉強会予定】

8月:8月19日(土)15:00-16:30頃(ZOOM)

9月:9月16日(土)15:00-16:30頃(ZOOM)

    参加費無料、申し込み不要です。
    東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

    ゆっきぃのひとりごと:思い切って言ってみる、というあたりは皆、試行錯誤しているのだと感じました。うまくいかなくても、チャレンジしていきたい時期、と教えてくださる方がいたり。上手く出来ない自分を許しつつ、またできるときにやっていこうと思えた回でした。気分の良い日、悪い日の話も楽しかったですし、今後していきたい会話や使っていきたい言葉がいろいろ出てきてワクワクしました!ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

7/16の勉強会資料内容です。

日時:2023 年7 月16 日(日)10:00-11:30 場所:ZOOM
1.はじまりの確認(チェックイン)
① 呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.前回までの振り返り(前回は2023 年6 月24 日土曜日:対面)
ピアが運営するクライシスハウスでは、利用するかもしれないゲストは研修を受けたピアサポートワー
カーと前もってプランを作ります。インタビュー(Inter-view=お互いの視点)は調子の整っていると
きに行います。(乱れから距離を置き、相互の責任、パワーの共有などの交渉から始めることができる)
前回:ピアとしてクライシスワークをする・面談するときに(7巻 p.28~)
クライシス インタビュー
2.誰かがチャレンジしてくれて、新しいことを試せた経験はありますか?関わっていたのは誰でした
か?その人たちは何をしましたか?
• ここにいる人たちからのチャレンジに“耳を傾ける(聞く)”ために、あなたはどのようなことが必要
ですか?
• 私たちが“行き詰っている”と感じたら、あなただったらどんなふうにチャレンジしますか?
3.クライシスでピアサポートを活用する・面談するときに(7 巻 p.28~ )
↓今月考えてみたい例↓ クライシスインタビュー
3.精神科医療の用語・言葉がない世界を想像してみてください。
• とてもいい日の自分について描写してください(あなたは何を感じ、何をし、誰といますか?)
• とても気分の悪い日は?
4.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
5.今後の予定
8 月ZOOM:8 月19 日(土)15:00-16:30 頃 ZOOM

IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。


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