2025年10月12日(日)IPS勉強会 対面 ご報告

10月12日(日)14時-16時に東京IPS勉強会が対面開催されました。10名の参加でした。

このところ、限られた勉強会の時間の中でどんな風に時間配分できるか、皆で試行錯誤中です。できるだけ演習(対話・聴くことの練習)に時間を取りたい、多くの人が自分の考えたことなどを話せるようにもしたい、そう考えると冒頭の始まりの確認やIPSで何をしようとしているか、前回の振り返りなどをどんなふうにできるか、というようなことに関する投げかけから今回は始まりました。具体的には、全体で話す時間と小さいグループに分かれて話す時間を組み合わせて使いたい、というあたりです。

参加している人たちと、今回のところは、全体ではじまりの確認(呼ばれたい名前と何に動かされてここに来たか)を簡単にして、IPSとは?を全体で聞いて、そのあと小さいグループに分かれて(今回は5人ずつの2グループ)、IPSについて感じた事などを話すことにしました。

  • 会話をしやすかった
  • もう片方のグループではどんな話が出たか知りたい気持ちになった
    • そのメンバーだから話せたこともあるかもしれないと考えると出た話の内容を共有するのは避けた気持ちも
    • それぞれの個人が自分の感じたことなどを聞きたいかも
  • 5人くらいがちょうどよいように感じた。3人だと少なすぎるかも

というような意見がでました。

このあと、今日のテーマである「言語(ことば)について」です。「リカバリーのレベルが低い」? 「どうしたらこの人をエンパワーメントできるのだろうか」といった言葉には、どのような思い込みが入っているでしょうか?

  • どうしたらエンパワーできるだろうか、とかつい言っちゃいそう
  • 支援者が、「どうしたらリカバリーさせることができるだろう」と言ったりするが、悪気がないのはわかるが、リカバリーするのが良いこと、という前提、本人じゃない人がリカバリーさせることができると思ってるところとか、いろいろ気になる
  • 何かの看護だったかの雑誌で、「リカバリー志向の援助」というような特集があって、リカバリーって言ってるのに「援助」と言っていて、受け入れがたいと感じた
  • 相手のためと思っているようで、自分のために言っちゃうこともある。たとえば、ふさいでいる人に「元気出せよ」って言っちゃうのとかは、相手のことというよりも、自分がその人と早く遊びに行きたい、というような気持があることがある
  • 被災者に「がんばれ」と言うこと
    • 何を言っても、当事者ではなく、ただいる、ということしかできないときも
  • メサイヤコンプレックス
  • 支援することで達成感を得たり、やってる感を感じたり

といった、さまざまな思いが共有されました。

このあと、3人組に別れて、話す人、聞く人、観察者を全員が体験しながら以下の演習をしました。
①自分が言われたり、人の言っているのを聞いてなんだかモヤモヤしたしたこと、あるいは自分が言ってしまったことで気になっていることがあれば話してみてください。②そこにはどんな思い込みや前提があったのでしょう。

最後の「演習どうだった?」と「勉強会全体の感想」の共有は全体で行いました。

  • 世界観に至るまでのプロセスなども聞いてみたい
  • 観察者としている(3人組)のは良い
  • 5分は短かった。もう少し時間があるとよい
  • 話を聞いてもらえてよかった
  • 正直な気持ちを話しているのを聞けて良かった
  • ①について話したのだが、②を考えることで、①のモヤモヤしていたところが楽になった
  • 聞いてもらえて涙が出てきてしまった。話してみて、自分には怒りもあったと気づいた
  • 皆の感想を今聞いていて、①について自分にも怒りや悲しみがあったと気づいた。そして、②について考えてみると、私たちはそうやって学校とか社会の中で育ってきちゃった部分があるんだな、と感じた
  • IPSの4つのタスクとかを全部を意識し続けるのは難しいけれど、繰り返しなのだなと思う
  • 自分がキツイことを言っちゃうときって、自分の状況にもよるので、今の自分がどんな感じなのかを意識することも大事なんだろうなと思う
  • 自分が言ったことにもモヤモヤすること
  • 何か突っ込まれたりせず黙って聞いてもらえて、自分の言葉が自分に入って来ることを体験できた
  • 自分のことが嫌いと思っていた頃もあったけれど、自分は自分のことを知りたいんだなと思う
  • 難しいからまた来たい
  • 「リカバリーするのが良いという思い込み」ということ。こうなるのがラクだから、そうなりなよ、と思っていた自分
  • 「大丈夫だよ、できるよ」って言ったときに「あなたはできるかもしれないけれど自分にはできないんだよ!」と相手が怒った
  • 手順のこととか「そのことについては気にしないでいいですよ」って、気にしてるのは相手なのに、自分が上から言っちゃってた
  • 同じ言葉でも、イントネーションで、親切にしているのか、小馬鹿にしているのかわかる
  • 過剰にうなずかれたりとか
  • IPSはトラウマの経験を考慮したピアサポートとあるが、トラウマの経験を話させるのは相手にとってつらいのでは?
    • トラウマの経験を考慮するというのは、相手の経験を話させるのではなくて、人はさまざまなトラウマを経験しているかもしれない、と思いを馳せ、配慮する、そんなピアサポートだ、という意味

というような感想や思いを共有しました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。


【次回以降の勉強会予定】

11 月15 日(土)17:30~(ZOOM)

12 月27 日(土)15 時~(対面)場所:医学部3号館S102 (忘年焼き大会)


ゆっきぃのひとりごと:今日もありがとうございました。今回は、はじまりの確認は、みんなでやって、IPSと自分のところを小グループでやってみました。今回は10人といつもより少人数だったので全体でできたのですが、大きい輪のときに、いかに参加している人を歓迎し合い、お互いに知り合うことができるのかな、でも手順になっちゃうのは嫌だな、と思います。
今回、モヤモヤしたことと、そこにある前提や思い込みについて話をしました。いろんな自分の思い込みにも気付いたし、誰かとの関係の中でモヤモヤしたことについても、相手がそういう言動になるのも、その人のせいというよりは、その人がそう思い込んだりそういった前提を持ってしまう事情や背景があるんだよな、、、と思わされました。もっと皆さんとお話ししたいという思いもありつつ、そう思いながらこの勉強会を続けられることのありがたさを感じつつ、です。

勉強会の振り返り:

  • はじまりの確認は全体でやったのよかった。
    • はじめて来る人とかもいるし、お互いの雰囲気がわかる。
    • それぞれが一度声を出しておくことで、小グループに行っても話しやすい。
  • 演習の時間がやっぱり短かったね。
    • 今回は3人組で、話すの5分、静かな時間1分を3回。
    • 2人組にすれば7分、1分でできるのだけれど。
    • 3人組でできるのはよかった。
    • 感想共有をもっと短くする?(今日は20分取ったけど)
      • でも、やってみてどうだった?というのが大事という意見あり。
    • だとすると、前半を短くするしかないかー。
  • IPSでやろうとしていることや前回までの振り返りの説明はわかりやすかった。
    • 資料に書いてあることを読むだけだったら、グループに別れてからでもよさそう。
    • 振り返りは、覚えていることをちょっと出してもらうくらいで構わないと思う。
    • 小グループの中での時間の使い方はそれぞれのグループにまかせてよさそう。
    • 小グループ、4~5人くらいが話しやすくてよさそう。3人だとグループが小さすぎる気がする。
  • 今日は10人だったから、全体で名乗り合うことができたけれど、もっと多い人数の時はどうしたらよいだろう。
    • 順番にぐるっと言ってもらって、パスあり、というやり方もあるけど、準備のできたときに、ってのも大事にしたい気持ちもある。
    • いちばん最初のところって、来た人にとってすごく大事なところだから、そこでIPSの大事にしたいことが伝わることも大事なのではないか。
    • もしも順番にぐるっと言うことをやってみるときでも、「こういうことを大事にしたい」という思いと、「演習の時間を取りたい」という思いとがあって、こういうふうにやろうと思う、ということを伝えるのが大事そう。
  • ZOOMの時にはさらに時間が短い(90分)。
    • ZOOMも2時間にするか?いやでも集中力がもたない。
    • 対面の場合には途中休憩を10分間入れているけれど、ZOOMは入れずに90分にしている。
    • ただ、ZOOMの場合は席移動とかの時間がいらない。
    • まぁやっぱりやってみるしかない。
  • 次回にもう3巻に入るという選択肢と、言葉遣い(2つのストーリー)をやるという選択肢がある。
    • ぜひ2つのストーリーをやりたい。
    • 自分はここを読んだ時、なんでこれをやるのか意味がわからなかった。どうしてこれが大事だと思うのかを話すの大事そう。
10/12の勉強会の資料内容です。
IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2025 年10 月12 日(日)14:00-16:00   場所:東京大学医学部3号館1階S102
1.はじまりの確認(チェックイン)①呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートとは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすることです。 IPSはトラウマの経験(こころが傷ついたり、おさえられるような体験)を考慮したピアサポートです。
IPSで大切だと考えている4つのこと:
(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
IPSの3つの原則(principles):「助け」から「学び」へ、「個人」から「関係」へ、「恐れ」から「希望」へ
3.前回までの振り返り(前回は6/22 日対面,7/20 8/21 ZOOM, )前回:最初の会話とことば
最初の会話が持つ意味と重要性/言語が現わしている世界観に気づき、言葉を意識的に使う大切さを理解する
4.言語(ことば)について(2 巻 p.8〜 )
近年、精神保健の領域では、使われている言葉に根本的な変化が起きています。たとえば、“慢性的な精神病”という考えを持つ人はほとんどおらず、その代わり、誰もが成長や発達の段階のいろいろな過程にいるに過ぎないと考えています(そう考えていて欲しい、と思います)。いくつかの言葉は良い方向に変わってきているようですが、いろいろなところに、思い込みが見え隠れしています。たとえば、誰かのことを「リカバリーや癒しの到達レベルが低い」と言うときや、「どうしたら、この人をエンパワーメントする(力を与える)ことが出来るでしょうか」と質問するとき、そこにどのような思い込みが入っているのかを考えてみてください。ただ単に、違う言葉を使えばよいという問題ではないのです(それは良い方向への第一歩なのですが)。問題なのは、私たちが口にしたり、耳にする言葉の背後に何が示唆されていて、どのような前提が潜んでいるのかに気づくことです。
私たちが、敬意を示して言っているつもりでも、実際には、人に対して否定的な思い込みにあふれた言い方が数多くあります。そのような話し方をしているときには、上から目線で、相手の人がどのように反応するかがわかっていると思っています。ですから、まずは、そのことに気が付いていることが大切です。
精神保健の領域で使われている言葉
「リカバリーのレベルが低い」? 「どうしたらこの人をエンパワーメントできるのだろうか」?
上から目線/言葉が暗黙のうちに示してしまう立場関係
♪演習:
1.「宮本さんって、自分を変える気がないよね」「こういうことを言うと森田さんがキレちゃうんじゃないかな」
こういった発言にはどんな思い込みや前提があるでしょう?
2. ①自分が言われたり、人の言っているのを聞いてなんだかモヤモヤしたしたこと、あるいは自分が言ってしまったことで気になっていることがあれば話してみてください。
②そこにはどんな思い込みや前提があったのでしょう。
(うまく話さなくてよいです。浮かんだことを言葉にしてみてください。)
あなたにとって優先度の高いことがあったら、その話をするのもOK。
その場合、その相手になる方は、:話し手の見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。(話し手の世界観を味わいながら、お互いの間に流れているものにも意識を向けてみながら。)
5.勉強会の感想:心に響いた事、印象的だったこと、あなたの世界観に影響したことはありましたか?
★次回までに今日のテーマについて考えたり、他者の世界観も意識してみるのはいかがでしょう
ーー

IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。



IPS拡大勉強会(9月13日(土)、14日(日))のご報告

9月13日(土)、14日(日)にIPS東京勉強会の拡大勉強会がありました。

拡大勉強会は、いつもの勉強会(90-120分)よりも時間を拡大し、ゆったりたっぷりIPSについて取り組む時間で、このところ毎年行っております。

今年は参加者19名で、ただ聴く、とか、対話の練習とか、自分をメンテナンスするとか、今年も2人組や3人組の演習の時間もたくさんとりながら皆で学びました。

ご参加ありがとうございました。皆様にお会いできて、ご一緒に時間を過ごせてありがたかったです。

また今後も月例勉強会も重ねていき、拡大勉強会も年に一度程度は続けていけたらと思いました。

参加者の方にブログ掲載の同意を得て撮影した写真です。



2025年8月21日(木)IPS勉強会 ZOOM ご報告

 8月21日(木)19:30-から、ZOOMでIPSの東京勉強会がありました。8月は、平日夜間にZOOMで勉強会をすることが多いです。そして今回は、時間帯が特別なだけではなく、内容も、夏休み企画として、テキスト(ワークブック)を進めずに、皆が日ごろIPSをどう活用しているか、などを話すことにしました。

今回は15人の参加者で、耳だけ参加の人等、さまざまな参加の仕方でご参加いただきました。

日頃どんな風にIPSを活用しているか、IPSがどんなふうに役立っているかなど自由に話しました。

  • 世の中いろんな人がいる。でも、相手の価値観みたいなものがあるんだなと思って。なるべく反応しないように。やり合わないようにしてる
  • いろんな人に会っていろんな人に関わることが大事なんだなと思ってる
  • 「つながり」「世界観」を学ぶっていうのが難しい
  • これまでは、「なに?!」とか思ってしまっていたところを、相手にも相手の経験があるんだな、と思えるようになったのと、自分の思いを言ってみてもよいかな、と思えるようになった
  • 自分がトラウマと思っていないことに気付いたり、自分の思い込みや世界観に気付いたりしている
  • 会話をしたときに、相手に自分の感情が向かっているか、自分に対して向かっているかとか、意識がまわるようになってきた
  • 自己内会話をするときにIPS。立場から見える自分と自分の中の自分は違う。意見交換をするような感じで、こっちから見える世界とあっちから見える世界を覗いてみたり。自分の立ち場だとこんなだけど自分はこう思ってるんだな、と。立場ではこうだけれど、一個人としてはこう思います、と伝えるようにしている。
  • 孤独な作業をしているが、利用者のアドボカシーとかを考えるときに立場から言えることと一個人として見えることを、仕事にいかしている。
  • 利用者とIPSできているかは不確かだけど。自分の中では成立している。
  • 自己反省会がはじまったときに、場で話してしまう、だめもとで言うようになってきた。周りからも、ことばにしないとわからないからね、とか1人の問題じゃないからねと言ってもらえた
  • 世界観はみんなそれぞれある。自分にもあるし、ほかの人もみんなそうだ、っていうことを意識するようになると、会話に深みがでる
  • 会話するときに、背後にある世界観を想像しながら聞くようにすると、コミュニケーションが前よりうまくいく感じ
  • 自分の世界観が客観的にわかるようになる。世界観は大事だけれど、世界観に過ぎない。
  • IPSと関係ない友達もいる。IPSを知らなくても、IPS的なことができている人が世の中にはたくさんいると感じる
  • IPSは、お互いの価値観や背景を尊重しながら、新たな可能性が探求できるのが魅力。ただ、日常場面では、IPSを活用できるほどの関係性のある人は思いつかない現況。
  • 相手の価値観や世界観を理解するために、まず自分のパターンを理解するのが大事と思った。自分ってこういうパターンが苦手だな、こういうシチュエーションになると黙っちゃうな、攻撃的な人よりも自己憐憫の強い人(罪悪感をあおってくる人)が苦手、とか。それを知っておくことで、相手を理解できるってことかな。
  • 3つの原理を聞いたときにひびいたのが「恐れ」より「希望」。制御がむずかしい。こわい。人とまじわったり交流するのがこわい。でもつながりたいという思いがあって、出かけてしまう。とはいえ、つながりたいという思いだけだと、相手に対して失礼な態度を取ってしまう自分もいる。
  • 希望だけだとあつかましいし、恐れだけだと、逃げちゃう。
  • 相手の話をひたすら聞くというのが身についてしまい、自分自身のことを語る相手がいない。自分のことを伝えたいのだけれど、伝えられなくて、というのがこのところ何年も続いている。
  • 仲間内で話すことが大事じゃないかなと思う
  • 相互性とか個人から関係へ、というあたりになるのではないか
  • カウンセラーと話したりということよりも、相互性が大事なんじゃないか
  • 助ける人助けられる人じゃなくて。相互の関係。通じ合う関係。
  • こんなことが好き、あんなことが好きっていうあなたがいるのを忘れないでね、とカウンセラーさんに言われた。カウンセラーに関係ない話をしちゃいけないとか、主治医には薬の話をしないと、とか思っちゃってたけど、好きなことの話をしていいって言われた。
  • 支援関係って特殊な関係。それが全面になるのは問題。なんとなく一緒にいて、それだけで支え合えるような、それが人間。
  • ピアサポート何?って、ただ雑談してるだけでも支え合ってるような状況になるっていうのが重要だろうな。
  • IPSを意識したつながりを味わいたくてこの場所に参加している。日々の中ではIPSを知ってる人はいない。ここ数年ほど「つながりたい」なと感じる相手との関係性について自分なりに試行錯誤している状態。相手の反応に驚いたり、違和感を感じたりしても、なぜ自分がそう感じたのか、起きた出来事について相手とどう話し合いたかったのか考えて、伝えれる時は相手に伝えている。伝えた時の相手の反応は様々だけど、びっくりした様子でその話題をそれ以上広げることを避けたり、内省?反省?のような反応が返ってくることが多い。
  • 伝えるって難しい。自分のタイミングもあるし、相手のタイミングもあるから。
  • AIに相談したら、「ちょっとずつやるといい、一気にやらずに。時間かけて、ちょっとしたことから。」って。
  • 自分のまわりはIPSについて、聞いたこともないという人ばかり。
  • 「相互の学び」 学んでる感覚がないと、関係性が崩れちゃう。自分の考えを押し付けちゃうときがあって。そうすると関係がおかしくなることが多い
  • 助けたいと思ってしまう自分がいる
  • 助けてもらう側に安住してしまうことがある
  • 自分も相手に影響を与えていることある
  • ピアサポートとは、居心地の悪さと一緒にいることだ
  • つらいよ、苦しいよ、できないよ、と思ってる人がいるときに、どうやって話を聞くことができるか
  • 何があったんですか?助けよう、ではなく、あなたのことを教えてください、って。
  • 助けるっておごりがある。一緒によりよくなっていくために
  • 一番つらかったとき、一緒に困ってくれる人がほしかった。1人で困っているのがつらくて、一緒に困ってくれる人がほしかった。どうするかは自分が決めたかった。
  • 世界観を理解するために助け合う
  • IPSをするまで、自分ほど差別の感覚がない人はいないだろう、と思っていたけれど、IPSをしてから、これ偏見だって気づくことがあって。
  • 反応してしまう自分がいる
  • うまくいかなかったことから学ぶことが大きい
  • これまで助けてって言えなかった
  • こんなに助けてもらえる(助けられる)んだと思えた
  • 相手を信頼して甘える感じとか大事な気がする。相手を信頼できないと完璧にやりたくなる。ある程度相手は受け止めてくれるだろうと期待するのは大事な気がする
  • 最近マインドフルネスしていて、IPSと近いなと思う時がたくさんあって。仕事で生きてる感じ。価値判断をしないってことが、私によい影響を与えてくれている。それが役立っている。
  • 人が私を精神障害者だと思ったとしても、私はどう考えるだろうか、と思うようになってきた。
今回は二人組や三人組のワークや少人数に分かれての話はしませんでした。
以下は感想の抜粋です。
  • 価値判断をくださないという言葉が、人を信頼するってそういうことなのかな、って思い始めた。価値判断をくださないという関係性でいれば、その人を信じていける。価値観を尊重できるってそういうことなのかなと思って聞いていた。
  • 相互性、助け合う。IPSに限らず、助け合う関係であることを意識するのが大事な気がする
  • 今自分は、助け合う関係を作るんだという気持ちが大事だと思った。
  • IPSの東京勉強会は、助け合うという気持ちでしっかりのぞむということを実感できるといいなと思った
  • IPSが好きってシンプルなお話がささりました。
  • 助け合う、自然に目の前の人に何かしてあげたいという自然なわきあがってくる気持ち、それが大事だと思っている。
  • 支援するとか、役割とか、義務感とか、自分の存在意義を確かめる自分、いい患者になるとかそういうことじゃなくて。自分の内側からわいてくる、自分を強くしてくれるあったかい気持ち、そこに自分はいきつく。改めて思えた。
  • 学び合う、と言う言葉がひびいている。自分のことも相手のことも、知ってるとかわかってるということになっちゃうと、自分も相手も変わっていくことを信じられない。決めつけたり、ジャッジしてしまう自分がいるということを意識するだけでも違うと思う。自分と相手の間におきることはなかなか変わらないけれど、ちょっとずつ変わって行ったり。川の流れやゆらぎ、みたいなのを感じたり。
  • この場はこうじゃなきゃ、と思っていることのゆらぎが感じられる。
  • いろんな話、いろんな受け止め方を聞いて、いろんなものがクリアになっている自分がいる。
ご参加くださったみなさま、ありがとうございました!

【次回以降の勉強会予定】
9月13日(土)~14日(日)拡大勉強会(有料)
(案)いずれも開始時間含め案です。
10月12日(日)14時~ (対面)
11月15日(土)17:30~(ZOOM)
12月27日(土)15時~(対面)

ゆっきぃのひとりごと:
今回はいつものようなワークをやらずに夏の夜にZOOMでゆっくりお話をしました。
こんなふうに人との関係性についてゆったり話すというのは貴重な機会だなと思いました。
皆さんありがとうございました。

有志での勉強会の振り返り:
  • 勉強会自体についての話を聞けなかったのは残念
  • はじまりの確認、みんなで作っていくことを考えたときに、うまい人がやってよかったね、ということでもない
  • 今日の内容は、IPSの勉強会の経験が浅めの人にとって、話に入れただろうか?
  • IPSって意識してやってることは特になかったので聞いてるばかりになってしまったが。IPSで二人組でワークをする感じはとても好き。
  • 日常生活でIPSを知っている人はいないので、実践しているという感じではないが、人がこわかったり、相手の目が見えなかったりするけれど、そういうことに通じていくような気がしながら
  • 今日の話しとか、テキストを読むときも、自分は当事者なので、自分の体験が先にあって、仲間に助けてもらった経験とかが先にあって、それを確かめている。体験の答え合わせをしている感じ。なるほど。って。自分ではIPSが何かをわかっていないけれど、これはもしかしてIPSっぽいことなのかな、と。自分なりにゆたかな時間を過ごしている。
  • 普段は普通の会社員で、医療とか福祉の場にいるわけではないので、こういう話をする場があるのがありがたい。この場の雰囲気、思い思いに自分のことをしゃべって、ただ聞くというのが好き。
  • IPSの相手の価値観とかつながりとかって、当たり前のこと過ぎて、ピアサポートとか関係なく、つながりとか関係性ってなかなか。これをあらためて時間を設けてこの話をするのは特別な場所。参加できてうれしい。何やってるの?と言われて、そうとも言えるね、とか。
  • チェックイン:IPSではない別の集まりでは強制力に感じるとたいへんだろうという思いがある
  • 耳だけでもチッェクインが大事だと考える。見学じゃないよと他の参加者に明言することも重要かとも感じた。
  • 助けとか学び合い、お互いに意見を出し合っているうちに流れが出てくる
  • 感じ取りつつも、そこで何を言えばいいのか、考えているときがある。言いそびれちゃったなとなることある。テキスト読んでても、シェリーミードさんが、テキストに書いてあることって、水から上のちょっとの部分。あとは各自で意見を出し合って、自分なりのものを。IPSを理解するってそういうことなんだなと思ったり。
  • ここでやってることも、IPSの4つのタスクと思う
  • 進行については、ブレイクアウトが時間的に余裕があって、しばらくそれを続けていくのがよいかなと思う。小さい時間で時間を多めに取る
  • 毎回対話の演習が必要だと思う
  • 聞きっぱなしをやる人と技法をやる人となどもありか
  • ストーリーという言葉が出てくるがどういう意味なのかな。ストーリーと関連して行う演習なんだなとわかったのだけれど、わからないまま
  • →ストーリーが出てきたときに
ーー

IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2025年7月20日(日)IPS勉強会 ZOOM ご報告

7月20日(日)10:00-11:30に東京IPS勉強会がZOOMで開催されました。今回、13人の参加者でした。


今回は、「はじまりの確認」(チェックインと呼んだりもしています)を3-4人ずつに分かれて(ブレイクアウトルームを使って)、呼ばれたい名前と、何に動かされて参加したかを話しました。そして一度全体に戻り、次に自分にとってのIPSあるいはIPSについて思っていることなどについて、こちらもまた別の小グループに分かれ6人ずつで話をしました。

そしてまた全体で、「最初の会話とことば」についてです。精神科の治療を受け始めたとき、援助(支援、助け)についてどう伝えられたか、ピアサポートでは、どんな風に出会ってどんな風な会話をできるか、についてです。

  • 「自分がほかの人とそれほど違っているわけではないと気づき始めた」という箇所を読んで、それまで孤立していたってことなのかなと感じた
  • 自分の場合、調子が悪いから控えめに話すよ、とか、調子が悪いよってことを聞いてくれる、ありのままでいさせてくれることのありがたさを思い起こしていた
  • ぴあの場で、批判されるのが常だった、という方がいて、アイディアを出す場だから、どんな意見でもいいんだよ、って伝えたら安心したと言われた
  • 「問題を抱えているのはいつも私」 私は問題だらけなんだと思っていた。150%私が問題で、医療者とか支援者にはまったく問題がないんだと思っていた
  • 支援者とか医療者も人間なのに、この人にゆだねればいいんだ、早くなおしてくださいっておごりもあったように思う
  • 援助者だって体調悪いときもあるし、自分だってやろう、よくなろうって思わないと、って当たり前のことに気付けていなかったときがあった。自分だって努力というか、あゆみよったり、進まないといけないんだと。手ばなしで治療者にゆだねるのも違うんだなと思った

というような全体での意見交換をしてから、今度は二人組になっての演習です。2人組では、自分の人生の中にそれぞれIPSを位置づけて話してみる、相手は話し手の見える世界を理解しようとしながら聞く、という演習でした。
全体の感想:
  • ブレイクアウトで少人数になって、安心して話せた。
  • 二人組の演習で、「相手の世界観を味わいながら聞く」って演習だったので、自分が話す側の時にも、相手は自分のことを理解しようとしながら聞いてくれているんだなという前提をもてた。相手が理解してくれようとしていると思えたら、「言葉でうめなくていい、相手はわかろうとしてくれるんだから」と思えて、安心安全だった。理解しようとする気持ちが根本にお互いにあるということが大切なことだと思った。
  • 沈黙の時の方が伝わってくる、味わえることがあるように感じて、不思議な時間だった
  • 最初の会話がどうだったらよかったのかな、と結論は出ないんだけど、あっちの話しこっちの話をしながら話せた
  • 今日は体調がいまひとつでうまく話せないんじゃないかという不安がすごくあったけれど、ブレイクアウトで話しやすかった。話していくうちに不安も消えて自分らしくいることができた。くいう場を現実の場でつくっていけたらいいなと思った
  • 自分は人間関係がへた。個人から関係、というのを、空間の中で気付いた。空間の中に自分がいる、支援者の中にいること気づいたことがよかった
  • 自分の一助になった。
  • ペアで15分は短かった。相手の話しと似ている自分のことが出てきて、それについて話すことで自分のことを整理できた
  • IPSを自分の人生に位置づけるというテーマで、自分の人生をある程度のスパンで振り返るところがあった
  • 相手の話を聞いていて、すごく伝わってきた。分析しなくても伝わる感じがあって、力強いものを感じてとても感動した。
というような感想をいただきました。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

【次回以降の勉強会予定】
8月21日(木)19:30‐21時 (オンライン:ZOOM)
9月13日(土)~14日(日)拡大勉強会

ゆっきぃのひとりごと:今日もありがとうございました。今回は、前回の振り返りで出たアイディアを早速やってみて、はじまりの確認と、IPSと自分のところを小グループでやってみました。最初は、みんなの話しが聞けないのは寂しいのではないかと思っていたのですが、大グループで話しているときよりも焦らずに話をできるし話を聞くことができたと私は感じましたし、皆さんからも好評だったように思います。そして、話をしっかりできた感じを受けつつ、オンラインの予定の90分で勉強会が最後まで行き(いつもは結局90分では終わらなくて延長している)、皆さんと話し合いながら一緒にこの場を作って行けること、とてもありがたくうれしく思っています。
勉強会後に15分程度、勉強会の進行の振り返りや次に試してみたいことを有志で話し合っています。その内容も、このブログに記載することについても振り返りにいたメンバーがOKだったので、今後も残すことにします。

勉強会の振り返り:
  • ブレイクアウトルームの前に全体でまず2人くらいがしゃべってからブレイクアウトでも良いかもしれない
    • いきなりグループワークは唐突かなと心配していたので、最初に少し話してからはよいアイディアだと思った
    • 小グループにするとしゃべらない人がいるんじゃないかと思っていたけれど、自分が属したところでは活発だった
  • ロールプレイについて
    • ゆっきぃが余ってしまって二人組に入れなかったとのことだが、三人組になるところもあってよいのでは
    • ロールプレイを観察する人がいるのも良いのではと思う。世界観とか、スペースに何を持ち込んでいるか、という人もいるのもありかなと思った。話してる本人たちはわからない気づきにくいところが出されてくるのが勉強になるのではないかなと思った。
    • 時間の問題(3人で回すとなると必要な時間が長くなる)
    • 観察者がフィードバックするとしたら、批判とかダメ出しではないという留意は必要。観察者もIPSを意識して感想を伝える
  • ブレイクアウトルームだと話しやすくなる。安心できる。ほかのルームにいる人にも聞かれないようにすることができる
  • この振り返りの時間がとても大切。ここでしゃべってることとかを、1人でもんもんしちゃうから。振り返りの時間も大切な時間
  • 東京でのIPS勉強会のブログのURLがわからなくなっちゃう
    • メーリングリストに投稿されるメールの末尾に毎回表示されるように設定する
  • この勉強会の振り返りも、IPSの共同振り返り コリフレクションをしながら進んでいくということと合致していると思う
  • 今日のテーマの「最初の会話がもつ意味」で、もとのテキストには「出会い」を「会話」にかえたのはよかった
    • であい方というと、出会う場に意識をもっていかれてしまうかなと思って「会話」にしてみた
  • 会話の方がつながり感が深い 出会いも大切なんだけど、会話の方がつながり感がある
  • IPSのテキスト ワークブック 勉強会をしているが、言葉がわかりにくいところがあるので言葉をわかりやすくしていきたい
  • 3章(違った聞き方をするとか、家のたとえとか、技法もいろいろ)どうやったらいいかなと考えている
    • みなさんも3章についてアイディアがあったら教えてもらえるとうれしい
  • (IPSの学びの場)ありのままの自分を受け入れてもらえる、それがIPSそのものだなと思った。いろんなことを学んでいるけれど、そのものだなと思った。
  • 次回 8/21(木)
    • 勉強をすすめずに、夏休み企画的に。IPSどうやってるとか。IPSの原理とか。こうやって活用してますとか。
    • チェックイン:普段来ない人がいるなら、全体
    • はじめは全体でやって、活用はブレイクアウト、報告的な時間を長めにとる
    • IPSの勉強会という時間は取りたい
    • →はじまり(大または小)、IPSの原則(小)、IPSの活用(小)、共有・感想(大)

7/20の勉強会の資料内容です。
IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2025 年7 月20 日(日)10:00-11:30 場所:ZOOM
1.はじまりの確認(チェックイン)①呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートとは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすることです。 IPSはトラウマの経験(圧倒されるような体験)を考慮したピアサポートです。
IPSで大切だと考えている4つのこと:
(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
IPSの3つの原則(principles):「助け」から「学び」へ、「個人」から「関係」へ、「恐れ」から「希望」へ
3.前回までの振り返り(前回は6/22 土対面,5/17 ZOOM)前回:最初の会話とことば
4.最初の会話とことば(2巻 p.3~ )
  1. 最初の会話が持つ意味と重要性について理解すること
  2. 最初の会話が出来るようになること
  3. 言語が現わしている世界観に気づき、言葉を意識的に使う大切さを理解すること。

精神科の治療を受け始めたとき、援助(支援、助け)について、どのように伝えられたかを考えてみてください。
ピアサポートでは、初めて会うときから、違った会話で始めることがとても大切です。

シェリーミードさんの場合: 
「私の周りには、精神医療・福祉関係の支援者しかいないように感じていた時期がありました。
あなたは、そう感じたことはありませんか?
問題を抱えているのはいつも私で、人は私の問題を解決し、私を援助するためだけに、私と時間を過ごしているかのようでした。そのような助ける側-助けられる側という一方通行の関係のあり方が、支援者以外の人間関係にも及んできて、私は自分を問題の塊のように感じ始めました。
しばらくそういう時期が続いていたのですが、やがて、私の考えを認めてくれ、私が自分自身や人との関係で責任を引き受けるのを期待し、時には私に助けと支えを求める人たちと出会い、私は自分が他の人とそれほど違っているわけではないと思い始めました。私にとって最高の関係は、その時々の、ありのままの私でいられるスペースを与えてくれ、そして、私に気づきを促すような問いかけをしてくれる人たちとの関係でした。それをお互いにできる関係です。
そういう関係の中で会話をしていると、病気についてはそれほど話すことはなく、その代わり、お互いにとって新しい視点を導き出すような、いろいろな考えを出しあうようになりました。このような人との関わりが、私の人生を変えるのに役立ちました。
あなたは、そんなふうにお互いを認め、学びを促しあえる人と出会ったことがありますか?」

♪演習:最初の出会いのロールプレイ
 1.各自が意図的なピアサポートの自分自身の理解を確認します
 2.意図的なピアサポートを自分の人生の中に位置づけてみます(それぞれが考える時間を皆でとります)
 3.ペアになって、相手にその話をしてみます。会話がどう進むかに注目してください。
 (うまく話したり、相手を説得する必要はありません。浮かんだことを言葉にしてみてください。)

 あなたにとって優先度の高いことがあったら、その話をするのもOK。
 その場合、その相手になる方は、:話し手の見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。
 (話し手の世界観を味わいながら、お互いの間に流れているものにも意識を向けてみながら。)

5.勉強会の感想:心に響いた事、印象的だったこと、あなたの世界観に影響したことはありましたか?
  ★次回までに今日のテーマについて考えたり、他者の世界観も意識してみるのはいかがでしょう
ーー

IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2025年6月22日(日)IPS勉強会 対面

 6月22日(日)10:30-12:30に東京IPS勉強会が対面開催されました。14名の参加でした。

引き続き、IPSで大切にしている4つのことと、助けから学びへ、個人から関係へ、おそれから希望へ、の3つの原則について、話してみたい方に話していただきました。

IPSの原則と前回までの振り返りについて、自由に話しました。

  • 相手の世界観を理解しながら、それぞれの当たり前が違うことを理解する
  • お互いにどうしようかと話すのが相互性
  • 学びについては、自分を学んでいる、自分の世界観を学んでいる
  • 人は、つながりたいという思いと恐れとがある。恐れながらもつながりたい
  • つながってるっていう感覚よりも、つながりが切れたことへの意識や、つながりが切れること、不安への感度が高い。つながりが切れるショックが大きい
  • 世界観は、言葉以外にもいろいろ。発した言葉以外の何か
  • 反応しちゃう。ジャッジしちゃう。アドバイスしたいという欲求
  • 相手の言葉で自分の反応に気づいたり
  • 自分の反応を知ることがつながることに通じると思う
  • IPSの説明で、ピアサポートはこころの健康を築くことを目的にしています、と前回の資料にあった。「メンタルヘルス」と言われるよりも「こころの健康」の方が入ってきた
  • テレビとかではほとんどの人は聞き流すけれど、当事者は深いところまで理解しようとする気がする

今回から、ワークブック2巻「最初の会話とことば」に入ります。

  1. “最初の会話”が持つ意味と重要性について理解する
  2. “最初の会話”ができるようになる
  3. 言語があらわしている世界観に気づき、言葉を意識的に使う大切さを理解する

という目標がこの項では書いてありました。

まず、シェリーさんの「私の周りには、精神医療・福祉関係の支援者しかいないように感じていた時期がありました。~~~。しばらくそういう時期が続いていたのですが、やがて、私の考えを認めてくれ、私が自分自身や人との関係で責任を引き受けるのを期待し、時には私に助けと支えを求める人たちと出会い、~~~。」という文を皆で読み、それから二人組になってロールプレイです。

その後ロールプレイと勉強会への感想を共有しました。

  • 自分がほかの人とそれほど違っているわけではないと思い始めたシェリーさんがうらやましいと思った
  • 相手のことを受け止める、大事なこと
  • (IPSの考え方について)ある程度理解はできたと思うけれど、実践がまだ。助けたくなっちゃう。
  • ピアサポートって、治療じゃなくて仲間、というのが強い。支援提供しているくせに支援するされるじゃなくて、とか。でも、医療の場では支援するされるが必要であるときもある
  • IPSはロープをほどいて一緒に、分けて考えていい
  • これまでなんとなくわかったような気持ちになっていたけれど、今日初めていらした方とペアになって、自分にとっての新鮮な驚きがあってとてもよかった。慣れちゃっていてはだめだと思った
  • 福祉の施設で厳しくしていることをやめたい
  • 人は自分を変えることはできない。自分で自分を癒すことしかできない
  • 自分を攻撃するくせがあるとかいろいろ演習の中で気づいていけたけれど、途中で終わってしまった。演習が一人7分では短い
  • 気づきがいろいろあった。ピアに聞いてもらうことの良さ感じた
  • 今日の机の並びが新鮮だった
  • 自分の中で、支援者であるという背景は、自分のほんの一部分であるのに、支援の関係ではない間柄の友人から支援者として扱われる、支援者扱いしないでほしい、と思う関係がある
  • 待つこと。これまで、恐れから動いていたと気づいた
  • ゆっくり時間をとって考えたりシェアし合うこと、大事
  • 依存先をたくさんもつ。見捨てられ経験はこわい

ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

【次回以降の勉強会予定】
7月20日(日)10時-11:30 (オンライン:ZOOM)
8月21日(木)19:30‐21時 (オンライン:ZOOM)
9月13日(土)~14日(日)拡大勉強会

ゆっきぃのひとりごと:今日もありがとうございました。前回から、はじまりの確認とかをお願いするようになったのですが、自分もやっぱり進行したい部分もあるんだとあらためて気づき、まだまだ試行錯誤中です。また、今日は机もいつものテーブルの形ではなく、ロの字というか、ひしがたみたいな形で、それもまた新鮮で、いろんな当たり前を変えて試してみることにもひらかれていたいなと思いました。そうそう、午前に勉強会を行うことを歓迎してくださる方もいて、私自身は、対面の勉強会を午前に行うと朝出ないといけないのでちょっとな、とか思っていましたが、人によって皆違うなと改めて感じ、発見の多い勉強会となりました。
このところ、勉強会後に15分程度、勉強会の進行の振り返りや次に試してみたいことを有志で話し合っています。その内容も、このブログにも記載してみようと思います。

勉強会の振り返り:
  • IPSについての考えや学びを、全体の輪ではなくて、小さいグループに分けて話してみようって前回話していたのに、それをすっかり忘れて全体で話してしまった、あれ?って思ったら、ぜひ声をかけてほしい
  • みんなにも進行を、と思っていたのに自分が進めてしまった、という思いと共に、自分もこの勉強会に強い思い入れやこだわりがあるのだなということを自覚した
  • 二人組になるときに、はじめていらした方とIPS勉強会歴が長い方とで組めるようにすることも考えたのだが、それはなんとなく先輩風を吹かすみたいな感じになるかな、と思って、もう気にせず二人組にしてしまった
  • ZOOMのブレイクアウトも、気にせずランダムに組んでいる
  • 演習の時間が短いと思う。チェックインに時間がかかるのはもったいない
  • はじまりの確認は、お互いにこんな仲間たちと一緒にはじめるんだ、という意味で、大切に思ってきていて、ここで、急がずに、ちゃんと皆で耳を傾け合うことが重要なのではないかと思ってきた
  • しかし、勉強会なので、演習をしっかりしたいという気持ちもとてもわかるし、いろいろ試してみたい
  • 先日出た別のグループでは、最初に概要説明みたいなのがあって、そのあとは小グループに分かれてやっていた。この勉強会もチェックイン(はじまりの確認)を小グループでやってみるのはどうか?
  • オンラインの勉強会はただでさえ90分と短い。
  • 8月はオンラインで夜はどうだろう?→8/21(木)に。この日は、IPSの勉強会について何でも話す会にするのはどうか?
次回試してみること:次回オンラインのZOOMでは、その時の様子も見つつも、チェックインから小グループに分かれて、2のIPSについての理解のところも小グループで自由に話してみることにしよう。8月の勉強会内容についても、次回7月の勉強会で意見を募集しよう。

6/22の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2025年6月22日(日)10:30-12:30 場所:東京大学医学部3号館1階S10
1.はじまりの確認(チェックイン)①呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートとは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすることです。 IPSはトラウマの経験(圧倒されるような体験)を考慮したピアサポートです。
IPSで大切だと考えている4つのこと:
(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
IPSの3つの原則(principles):「助け」から「学び」へ、「個人」から「関係」へ、「恐れ」から「希望」へ
3.前回までの振り返り(前回は4/12土対面,5/17 ZOOM)前回:ピアサポートの任務
4.最初の会話とことば(2巻 p.3~ )
 1. 最初の会話が持つ意味と重要性について理解すること
 2. 最初の会話が出来るようになること
 3. 言語が現わしている世界観に気づき、言葉を意識的に使う大切さを理解すること。

精神科の治療を受け始めたとき、援助(支援、助け)について、どのように伝えられたかを考えてみてください。
ピアサポートでは、初めて会うときから、違った会話で始めることがとても大切です。

シェリーミードさんの場合: 
「私の周りには、精神医療・福祉関係の支援者しかいないように感じていた時期がありました。
あなたは、そう感じたことはありませんか?
問題を抱えているのはいつも私で、人は私の問題を解決し、私を援助するためだけに、私と時間を過ごしているかのようでした。そのような助ける側-助けられる側という一方通行の関係のあり方が、支援者以外の人間関係にも及んできて、私は自分を問題の塊のように感じ始めました。
しばらくそういう時期が続いていたのですが、やがて、私の考えを認めてくれ、私が自分自身や人との関係で責任を引き受けるのを期待し、時には私に助けと支えを求める人たちと出会い、私は自分が他の人とそれほど違っているわけではないと思い始めました。私にとって最高の関係は、その時々の、ありのままの私でいられるスペースを与えてくれ、そして、私に気づきを促すような問いかけをしてくれる人たちとの関係でした。それをお互いにできる関係です。
そういう関係の中で会話をしていると、病気についてはそれほど話すことはなく、その代わり、お互いにとって新しい視点を導き出すような、いろいろな考えを出しあうようになりました。このような人との関わりが、私の人生を変えるのに役立ちました。
あなたは、そんなふうにお互いを認め、学びを促しあえる人と出会ったことがありますか?」

♪演習:最初の出会いのロールプレイ
1.各自が意図的なピアサポートの自分自身の理解を確認します
2.意図的なピアサポートを自分の人生の中に位置づけてみます(それぞれが考える時間を皆でとります)
3.ペアになって、相手にその話をしてみます。会話がどう進むかに注目してください。
(うまく話したり、相手を説得する必要はありません。浮かんだことを言葉にしてみてください。)

あなたにとって優先度の高いことがあったら、その話をするのもOK。
その場合、その相手になる方は、:話し手の見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。
(話し手の世界観を味わいながら、お互いの間に流れているものにも意識を向けてみながら。)

5.勉強会の感想:心に響いた事、印象的だったこと、あなたの世界観に影響したことはありましたか?
  ★次回までに今日のテーマについて考えたり、他者の世界観も意識してみるのはいかがでしょう

ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。


2025年5月17日(土)IPS勉強会 ZOOM ご報告

5月17日(土)13:30-15:00に東京IPS勉強会がZOOMで開催されました。今回、15人の参加者でした。

今回から、「はじまりの確認」(チェックインと呼んだりもしています)の進行も参加者の方にお願いするようになりました!お久しぶりの方とお会いできたりもして、それぞれに何に動かされてこの勉強会に参加したのかを話していきます。

また引き続き、IPSで大切にしている4つのことと、助けから学びへ、個人から関係へ、おそれから希望へ、という三つの原則について、それぞれの視点からお話をしていただきました。そこからさまざまな言葉が参加者から出てきます。

  • 過去に米国のピアサポートワーカーから見せられた謎の絵、人と人との間でエネルギーが循環していた。エネルギーが流れていくこととピアサポートって似ていると感じ、そこから自分なりのピアサポートを言葉にできて。
  • ピアサポートって、相手を見つめて相手に集中するのではなく、一緒にお風呂につかってる感じ。「トラウマの体験に配慮する」って言うと、私があなたに配慮する、みたいな感じになっちゃうけど、あなたも私もトラウマの影響があるよね。って。
  • 人類全員がトラウマを抱えていると思っている。トラウマのない人っていないんじゃないかな。僕もトラウマあるだろうし、あなたもあるよね。でもそれを特に口にすることではないし。
  • お風呂、確かにそんな感じ。はだかになってお風呂はいる。さらけ出すのははずかしいことでもないし、さらけ出されたら、ただ受け止める。それだけのこと。
  • そこに、愛情がある。
  • クリニックのカウンセラーさんに対して、「カウンセラーの先生」って思ってたけど、同じ趣味があることを知ったり、自分よりひどい頭痛持ちってわかった。それからは、この人も頭痛いんだな、とか、昨日のあの番組見た!?って話せたりとか、安全感安心感を抱いて、もっと知ってもらいたいって思った。友達とかじゃないんだけど、この人と強くつながりたいなという気持ちがあった。
  • あるプログラムで、参加者が同じ動物の絵を見て、ブロックで作ってみるということをやったら、みんな違うものができた。同じものを見ても、みんな違う。一部の人だけがやるんじゃなくて、みんなやって、みんなの違いを受け止める。
  • 自分の作っている場、みんな特徴は違うけれど、お互いが楽しむという部分でつながってる感じ。通じている感じ。

まだまだお話ししたかったですが、今日のお題「向かうこと」へと進みます。ワークブックの説明についても話しました。
  • 従来の精神科領域とIPSの違い?
    医療:薬を飲みましょう、症状があるね
    IPS:Moving Towards 症状とかをおいておいて、どうなりたいの?何をしたいの?ってところに気持ちを向けていく。
    症状じゃなくてそっちに目を向けていくとそれだけで減るというのを大事にしている
  • 「心の健康は、精神の病の反対ではありません。」が印象的。精神の病を抱えている人として見るのではない
  • 「精神科医療は、どうしたらリカバリーに導けるかを考えることに長い時間を費やしています」の部分を読んで、自分が精神科医療につながったときに、早く治してください、みたいな思いやおごりがあったことを思い出した。
  • 一方で、リカバリーに「導ける」という表現にもおごりがある
  • もともと、治療者と回復者とか、スタートはそこじゃない
そんな話をして、二人組で対話の演習をし、あっという間に感想の時間です。
  • 勉強会のメーリングリストに問いかけてくれている方のメールでいろいろ考えることができた。さらに今日の勉強会で深めることができた
  • こうしなければならない、こうさせなければならないということの違いを話すことで、自分のインテンショナルピアサポートのインテンションがよくわかった。主体性みたいなものがインテンショナルなのではないかと直感的にわかった。一番の学び。
  • 精神医学で学んだことをIPSで学んだことに置き換えることをやってみようと思った。こうしないためにこう、じゃなくて、こういう危険もあるけど、それと一緒にいること、共にいることをちょっとしてみようかなと。居心地が悪かったとしても、不全感があったとしても、その人と共に歩む道があるとしたらその方が価値があるのではないかと。そういうことをしていけば世界観が変わるのでは。
  • 二人組の演習で、しっかりと話を聞いているうちに、すてきなものを相手からすごく感じて、すごくいい人だなーと思った。久しぶりに参加できていい気持ち。
  • 言葉にしてしゃべることでからまっていることが整理されていくタイプの自分。自己完結がすごいと言われることもある。聞き手にやっぱり伝えたい、ちゃんと説明したいという気持ちがあって、しゃべっていくうちに気づいていくことがある。聞き手がいてくれることの大きさを感じながら。否定したりしなくて、受け止めてくれている人だという根本がある。聞き手の人いるだけで、自分の頭の中が整理されていく感覚。
  • IPSのテキストを素直によめない。「恐れから希望へ。希望は大事なんだけど、今は恐れを大事にしている。仲間の中で、ふるえるほど緊張していたり、ということをワークの中で分かち合い。
  • 自分は新しい風や新しい生き方を見つけていくことを仲間と一緒にやっていくことを大事にしているんだなと思った。
  • やりたいことをはじめると、嫌なことはいつの間にかどこかにいってしまって、病名の事とかどっかにいっちゃう。そのことを改めて感じた
  • 来るか悩んだが来てよかった。自分が関係することについての構造的なことで悩んでて、もやっとしていることを抱えていて。今日はそれを吐き出した。
  • 嫌な人から逃げられずに、トラウマの傷つきになっちゃうところがあったが、この会で安心なところでゆっくりお話を聞いて、考えられることで、社会も、徐々に態度が変わったりするかもなと思った。みなの前向きな話がとてもよかった。
  • 日常生活が常に聞き手で自分のことを話す機会がほぼほぼなくて。ワクワクすることについて話すと、変に刺激になってしまって相手が嫉妬したりの原因になると思うので、話せずにいた。聞く人がその場にいると話しやすくなる。
  • 向かうことの、向かう先が望むことなんだな、と今日改めて思って、望むことって、どこかでそれでいいの?とか、大丈夫?って思う自分がいたな、ということを再発見した。
  • わからないので教えていただく、なるべく理解したいと思いながら目の前の人の話を聞こうと思っていたが、複雑な思いになってきて、理解したいという自分の欲の中にはまりこんで、自分の理解できる枠の中に相手の話を押し込めようとしている自分がいるかもしれないなと。わからないままのこと、わからないってことも含めて一緒にいることなんだろうな、と思った。
  • みなさんの話聞けて良かった。
  • 向かうこと、ってすごく目的っぽい感じで捉えていたけれど、どこに向かいたいとか意識してなかったり事前にはわからなかったとしても、へー!と思う瞬間とか新たなことに開かれている瞬間、っていうのが、自分にとっての向かってる感じなのかもしれないと気づいた。何かを避けようとしているときは、義務感とかのエネルギーを使ってしまっているけれど、ひらかれているときは軽くて、エネルギーとかいらない。
  • 自分の状況が体感できた。今、とにかく、「何が何でもやる」の状態で、大砲みたいなので弾き飛ばされて、とにかくやらなきゃみたいな速度で、落としどころなんかどうでもいいからとにかく生きていくんだよみたいな感覚でいると感じた。ここに来なければ、そういう体感もなかった、貴重な体験をできた。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

【次回以降の勉強会予定】
6月22日(日)10:30-12:30(対面) 場所:医学部3号館S102
7月20日(日)10時-11:30 (オンライン:ZOOM)

ゆっきぃのひとりごと:今日もありがとうございました。これまで、進行をほぼほぼ私が独占してきてしまっておりましたが、この1年くらいでIPSで大切にしていることを皆さんの言葉でお話ししてもらったり、テキストの部分を読んでもらったりをその日に勉強会に参加している方にお願いするようになり、そして今回からはじまりの確認もお願いするようになりました。自分はIPSが大好きだし、勉強会の司会も好きなのでずっとやってきてしまいましたが、こうやって交代しながら一緒にやっていくの、すごく楽しいな、これまで私が皆さんの機会を奪っていたんだな、とあらためて感じました(反省はしているけれど、自分を責めているというほどではないです)。こういう風に変化していけているのも、一緒に取り組んで、考えてくれる人たちと積み重ねてきているからなんだな、とあらためて感謝しています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

5/17の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2025年5月17日(土)13:30-15:00 場所:ZOOM
1.はじまりの確認(チェックイン)①呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートとは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすることです。 IPSはトラウマの経験(圧倒されるような体験)を考慮したピアサポートです。
IPSで大切だと考えている4つのこと:
(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
IPSの3つの原則(principles):「助け」から「学び」へ、「個人」から「関係」へ、「恐れ」から「希望」へ
3.前回までの振り返り(前回は2025/3/16日 ZOOM,4/12土対面)前回:ピアサポートの任務
4.ピアサポートの任務(ピアサポートですること)(1巻 p.12~ )
任務1 つながり・通じ合う感覚:これがピアサポートの核心です。
任務2 世界観:ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するよう、お互いに助けあう
任務3 相互性:助けるということを、ともに学び、ともに成長する過程として、とらえ直す
任務4 向かうこと:望まないことを避けるためではなく、望むことに向かって進むよう、お互いに助けあう

任務4 向かうこと(Moving Towards)
うまくいっていないことから逃れるためにお互いに助けあうのではなく、自分たちが望んでいること(ビジョンと行動)に向かって進むために、お互いに助けあいます。従来の精神科領域では、問題解決や問題を取り扱う方策を見つけることに焦点が置かれていて、話すことのほとんどは、何がうまくいっていないかに向けられていました。しかし、うまくいっていないことから逃れようとしているときには、その問題にとらわれ続けているのです。私たちは望むことに向かっているときに、そこに到達出来るという信念と行動を生み出すことが出来ます。これは考え方の大変革で、「助け」に関する従来の前提への挑戦です。
精神科領域ではここ10年以上、リカバリーについて語られ始め、研究と経験から、人々は元気になることができ、よい状態になり、精神科医療福祉から離れて生活し、地域の他の人たちと見分けがつかなくなることが出来るとわかってきました。そして精神科医療福祉領域の人たちは、どうしたらリカバリーに導けるかを考えることに長い時間を費やしています。ですが問題なのは、依然として病気の視点から取り組んでいることです。病気に上手に対処することが出来るようになれば、あるいはトラウマと依存の問題を取り扱えば、自立出来るかもしれないと考えています。このような考え方が悪いとか間違っているということではありませんが、ピアサポートで焦点を当てていることではありません。
ピアサポートは心の健康を築くことを目的にしていますが、心の健康は、精神の病の反対ではありません。私にとっては、 心の健康は、引き続き学び成長しながら、家族(あなたにとって、それがどのようなものであれ)の中で、そしてこの世の中で、つながりを感じる力のことです。

♪感じる演習・聴く演習(A さんが自分の世界観や感情に気づくためのワークです。B さんは聴きます)
Aさん:1.“問題”を寄せ付けないように常に努力しているとき、どのようなエネルギーの使い方をしていますか? 
 2.自分が望むことに向かって進むことに関心が向いているとき、どのようなエネルギーの使い方をしていますか? 
 (うまく話す必要はありません。浮かんだことを言葉にしてみてください。考え込むのも沈黙もOK。)
Bさん:Aさんの話を、Aさんに見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。
 (Aさんの世界観を味わいながら、Aさんの立場にたってみて、共感しながら。)

5.勉強会の感想:心に響いた事、印象的だったこと、あなたの世界観に影響したことはありましたか?
  ★次回までに今日のテーマについて考えたり、他者の世界観を意識して関わってみましょう

ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2025年4月12日(土)IPS勉強会 対面

4月12日(土)15:00-17:00に東京IPS勉強会が対面で開催されました。
15人の参加者でした。

IPSは助けから学びへ、個人から関係へ、おそれから希望へ、という三つの原則と
大切にしている4つのこととして
通じあう感覚(つながり)、世界観を理解するために助け合う、相互性、向かうこと
というものがあります。

このところ、参加者の方からこれらIPSで大切にしていることや原則について、それぞれの視点からお話をしていただいています。
  • 学ぶことは相手を理解すること、自分を理解すること
  • 一対一の関係だけではなく、場の中の関係も
  • 希望、向かいたいのは、ありたいのは、どんなありようなのか

  • 利害関係が出てくるとぶつかりあう
  • なんで達成したいんだっけ
  • 抽象的でIPSわからない
  • 何かの答えがなきゃいけないと思って育ってしまった
  • 自分のこうしたいと相手のああしたいが合わないときもある
  • 安心して心を開いたときに傷つけられた
  • 意外で簡単なことでも人って傷つく
  • 傷ついてもよいのでは
  • 自分が辛い経験をしたとしても何か糸口があるのでは
  • 自分は難しい、わからないがあるとわくわくする
  • 違いがあるねと俯瞰したい
など皆さんからもいろいろなつぶやきも出てきました。

そして、今日は、任務4:むかうこと です。
  • どこに向かいたいかわからない、どうしたいかわからない
  • ビジョンと行動をみつけるのを助けて欲しい
  • ピアサポートはつながりを感じる力のこと
  • 学び、成長しながら
  • 不安を感じる関係では、つながりを感じる力は弱まる
  • 「退院促進」と言うと、退院に向かわせようとしちゃう。けれど、ピアサポートでは、どうなってたら心が落ち着くか、とか、そういうことをできるとよいのかな

また、ワークでは、自分はどんなことにエネルギーを使っているのかなどを話してみました。

今日の勉強会の感想の一部です:
  • エネルギーの使い方について考えた
  • 問題を解決しないことが解決だった。
  • ことばにすることで整理できた
  • 安全安心な場でつながりのある場で整理できた
  • 無意識のうちに医療に毒されていた自分に気付いた。ここでは医療のフレームをはずせるからここに来ている
  • 相手の言葉に反応してしまい理解しようとしていない自分に気付いた
  • 伝わるだろうかと考えながら話してしまう自分に気付いた
  • 仕事中はフル回転したり逆回転したり空回りしたりしちゃってる。久しぶりに自分と向き合えた
  • ピアサポートで心の健康を築くこと、ってことは、平温に過ごすこと、できるだけ嫌な人には接さないということも大事なのかな。
  • 聞き方を間違えると一日嫌な気分になって自分の一日をダメにしてしまう

ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

【次回以降の勉強会予定】
5 月17 日(土)13:30~15 時(オンライン:ZOOM)
6月22日(日)10:30-12:30(対面) 場所:医学部3号館S102

ゆっきぃのひとりごと:今日もありがとうございました。「ピアサポートは心の健康を築くことも目指している」「ピアサポートは、共に学び合い、成長し、人とのつながりを感じる力を強めること」というシェリーさんの文言がワークブックにあって、心に響きました。馬鹿にされないように、嫌がられないようにとかじゃなく、お花を見る、美味しいものを食べる、とかそういうときの心持ちをいつもまとっていられるとよいのかしら、とか、いろんなことを感じ考えました。

4/12の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2025年4月12日(土)15:00-17:00 場所:東京大学医学部3号館1階S102
1.はじまりの確認(チェックイン)①呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートとは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすることです。 IPSはトラウマの経験(圧倒されるような体験)を考慮したピアサポートです。
IPSで大切だと考えている4つのこと:
(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
IPSの3つの原則(principles):「助け」から「学び」へ、「個人」から「関係」へ、「恐れ」から「希望」へ
3.前回までの振り返り(前回は2025年3月16日ZOOM)前回:ピアサポートの任務
4.ピアサポートの任務(ピアサポートですること)(1巻 p.12~ )
任務1 つながり・通じ合う感覚:これがピアサポートの核心です。
任務2 世界観:ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するよう、お互いに助けあう
任務3 相互性:助けるということを、ともに学び、ともに成長する過程として、とらえ直す
任務4 向かうこと:望まないことを避けるためではなく、望むことに向かって進むよう、お互いに助けあう

任務4 向かうこと(Moving Towards)
うまくいっていないことから逃れるためにお互いに助けあうのではなく、自分たちが望んでいること(ビジョンと行動)に向かって進むために、お互いに助けあいます。従来の精神科領域では、問題解決や問題を取り扱う方策を見つけることに焦点が置かれていて、話すことのほとんどは、何がうまくいっていないかに向けられていました。しかし、うまくいっていないことから逃れようとしているときには、その問題にとらわれ続けているのです。私たちは望むことに向かっているときに、そこに到達出来るという信念と行動を生み出すことが出来ます。これは考え方の大変革で、「助け」に関する従来の前提への挑戦です。
精神科領域ではここ10年以上、リカバリーについて語られ始め、研究と経験から、人々は元気になることができ、よい状態になり、精神科医療福祉から離れて生活し、地域の他の人たちと見分けがつかなくなることが出来るとわかってきました。そして精神科医療福祉領域の人たちは、どうしたらリカバリーに導けるかを考えることに長い時間を費やしています。ですが問題なのは、依然として病気の視点から取り組んでいることです。病気に上手に対処することが出来るようになれば、あるいはトラウマと依存の問題を取り扱えば、自立出来るかもしれないと考えています。このような考え方が悪いとか間違っているということではありませんが、ピアサポートで焦点を当てていることではありません。
ピアサポートは心の健康を築くことを目的にしていますが、心の健康は、精神の病の反対ではありません。私にとっては、 心の健康は、引き続き学び成長しながら、家族(あなたにとって、それがどのようなものであれ)の中で、そしてこの世の中で、つながりを感じる力のことです。

♪感じる演習・聴く演習(A さんが自分の世界観や感情に気づくためのワークです。B さんは聴きます)
Aさん:1.“問題”を寄せ付けないように常に努力しているとき、どのようなエネルギーの使い方をしていますか? 2.自分が望むことに向かって進むことに関心が向いているとき、どのようなエネルギーの使い方をしていますか? (うまく話す必要はありません。浮かんだことを言葉にしてみてください。考え込むのも沈黙もOK。)
Bさん:Aさんの話を、Aさんに見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。 (Aさんの世界観を味わいながら、Aさんの立場にたってみて、共感しながら。)

5.勉強会の感想:心に響いた事、印象的だったこと、あなたの世界観に影響したことはありましたか?
  ★次回までに今日のテーマについて考えたり、他者の世界観を意識して関わってみましょう

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IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

勉強会の後に勉強会の振り返り、次回やりたいことなどの話し合いをしています。
そのときの様子の写真です。(ブログへの掲載OKの方だけで撮影しました)