2025年2月15日(土)勉強会(対面)のご報告

2月15日(土)14:00-16:00に、東京IPS勉強会が開催されました。この日は9名での勉強会でした。

毎回同様、呼ばれたい名前と何に動かされてここに来たかを話します。

その後で、意図的なピアサポートの意図とは「お互いが学び、成長するようにしようとしている」ということと、「IPS」で大切にしている4つのこと:(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと についてと、IPSの3つの原則、助けから学びへ、個人から関係へ、恐れから希望へのお話がありました。

助けから学びへ、とは、相手の人が自身を知ることを助ける、それがIPSなのでは。そして、IPSやこの勉強会でしようとしていることは、そんな場を作ることに貢献することなのでは、というお話です。

その際に、お互いに理解するために助け合う、そこで自分の思ったことや感じたことを言うのはとても大事なのだけれど、それをなかなか言えなかったり、過去に否定されたことを思い出して発言できない人もいる。そんなときにどうしたら言いやすいような、そんな場になるのだろう、とのことについて

  • 自分は過去に、まわりが全部正しいと思っていた。自分が言うことなんてダメだと思っていた。意見をもたないのが安全だと思っていた
  • 頑張らなくていい、と言われたときに、その意味がわからなかった。自分が頑張っていたことを自覚できていなかったから。どうしたいの?と聞かれても、相手はどうして欲しいと思っているのだろう?と思っていた
  • 意見を言っちゃいけないと思っていた。自分の意見を押し殺してばかりいたので意見をもたないようになっていた。自分は意見を言っていいといわれて自分が意見をもっていなかったことに気付いた
  • 誰かの近くでその人を支援していたりすると、医療者も家族も本人のことを知っていると思ってしまう。そのような状況では本人も意見の持ちようもない
というようなことが出されました。

この日のテーマは「相互性:共に学び、成長する過程として助けをとらえ直すこと」です。その中で、IPSのワークブックに載っているパット・ディーガンさんのウェブサイトからの抜粋を皆で読み、役割を演じるように社会化されることについて話し合いました。
そして、その後、二人組での聞く演習・感じる演習をしました。
勉強会の終了時には以下のような感想がありました。
  • 演習を何回もやって、話すやり方がわかってきた気がする。具体的な場面を思い浮かべてそのときにどんな風に感じていたのかを思い出してみる、深く振り返るのがよさそうだと感じている
  • 自分の体験を振り返ったり、思いを語れる場、そんな空間をたくさん作っていくことが大事なのだと感じた
  • 7分(の演習の時間)が難しい。尻切れトンボで終わりたくない気持ちや、時間が余る感じとか
  • 皆さんと話しをできて、自分の課題に向き合うことができるかも
  • 過去の自分の存在は不確かだった。生きているか死んでいるかわからない自分がいた。でもあの頃の自分がいるから今の自分があるんだなと思う
  • いつから人から変に思われることを気にするようになったんだろう
  • グループができるとそれぞれの役割ができてしまって違う考え方をするのが難しくなることもある。今日の例は学校でそうだったと感じた
  • アメリカで、患者という言葉ではなくコンシューマーという言葉が使われる様になった頃の文章で、消費者、っていう言葉には、ただ消費しているだけで相互に貢献するとか双方向性は感じられないというところは、確かにそうだな、と思った。いろいろな言葉で受け取られることというのも興味深いなと思った
  • 社会化について。精神科領域では、グループホームとか、就労のところとか、治療をする場ではないのに、調子がどうかと聞かれるのは、人として互いを気にかける以上の精神科的な何かがありそうだと気付いた
ご参加くださった皆様、ありがとうございました!


 【次回以降の勉強会予定】
3月16日(日)10時~11:30(オンライン:ZOOM)

ゆっきぃのひとりごと:今日もありがとうございました。今日皆さんとお話をする中で、意見を持たない方が安全と思っていたという話しを聞いて、私はこれまで生きてくる中で、意見はみんなも自分も言った方がよい、互いの声は聴かれるべきだ、と思う機会を重ねてきたのだなと感じました。それは、私の重ねてきた経験とは異なる人の経験を聞いたからこそ気付いたことだとも思いました。IPSの世界観や相互性、どれも重なり合っているテーマで、お互いに、自分の世界観に気付いていく、そんなことをしようとしているのだな、と思いましたし、IPSの勉強会でそんな時間をもつことができてとてもうれしいです。

2/15の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2025年2月15日(土)14:00-16:00 場所:東京大学医学部3号館1階S102
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。
「IPS」でピアサポートを達成するために大切だと考えている4つのこと:
(1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
3.前回までの振り返り(前回は2024年10月19日(土)ZOOM)前回:ピアサポートの任務
4.ピアサポートの任務(ピアサポートですること)(1巻 p.12~ )
任務1 つながり・通じ合う感覚:これがピアサポートの核心です。
任務2 世界観:ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するよう、お互いに助けあう
任務3 相互性:助けるということを、ともに学び、ともに成長する過程として、とらえ直す
任務4 向かうこと:望まないことを避けるためではなく、望むことに向かって進むよう、お互いに助けあう

任務3:相互性:ともに学び、成長する過程として、「助け」をとらえ直すこと(Mutuality)
「ピアサポートは相互的で持ちつ持たれつの関係です。これは、長い間、患者あるいは利用者の立場を取ってきた人にとって、とても癒されるものです。“よい”精神疾患患者の役割を演じるように社会化され(慣れさせられ)、つまり、“私”に関することだけに没頭するようになっているからです。自分に没頭するように社会化されることは、病院で看護師に、お通じはあったか、夜眠れたかなどを毎日、聞かれることから始まります。「自分のことに目を向ける」ことは、それから何年にも渡って、ケアマネージャー、セラピスト、グループホームの世話人、就労支援者らのすべてからそれぞれに、“調子はどう?”と聞かれることで、引き継がれていきます。“調子はどう?”というのは通常の社会の会話では挨拶の決まり文句ですが、精神科領域の会話では、利用者はその問いを真に受けて、“自分”について、さらにさらけ出して答えることが求められます。そして、たいていの場では、利用者はお互いに助けあったり、誰かを助けたりすることは奨励されていません。そう考えると、今人気の“コンシューマー(消費者)”という呼び方はぴったりです。何かをお返しする可能性のかけらもなく、大きな口をあけてひたすら消費するイメージが思い浮かびます。
自分中心、自分に没頭すること、消費者であることへの社会化は、自分には他の人に提供できる何かがあると気付く機会を多くの人から奪っています。関係がいかに癒しになりうるかという別の理由は、この医原性(医療が原因となる)の傷を負っているからです。必要とし必要とされる、気遣い気遣われる、受け取ることが出来、与えることが出来ると知ることは癒しになります。」(パット・ディーガンのウェブサイトからの抜粋:https://www.patdeegan.com/blog/relationships-can-heal
どのように“援助”を受けてきたかが、自分たちの中にも受け継がれている可能性に、しっかりと注意を払う必要があります。たとえば、いろんな人が、私たちのために何かをすることで援助をしていると思ったり、私たちは不安定だと思い込んでいたとしたら、私たちも、助けとはそういうこと(何かをしてあげること)だと思うかもしれません。

♪聞く演習・感じる演習
Aさん役:①自分が助けられる人/助ける人の役割をとるように慣れさせられてきたかも?と思い当たることはありますか? ②自分にはほかの人に提供できる何かがあると気づいたことはありますか? ①または②、あるいは①②両方について、思い浮かぶことがあればお話しください。沈黙でもOK。
Bさん役:Aさんの話を、Aさんに見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。

5.勉強会の感想:今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2025年1月26日(日)勉強会(ZOOM)のご報告

1月26日(日)14:00-15:30に、東京IPS勉強会が開催されました。この日は14名での勉強会でした。

毎回同様、呼ばれたい名前と何に動かされてここに来たか、その後で、意図的なピアサポートの意図とは「お互いが学び、成長するようにしようとしている」ということと、「IPS」で大切にしている4つのこと:(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと について話しました。

この日も「世界観を理解するために助け合う」がテーマです。

自由な話しがいろいろ出ました。

  • 価値観について:何かを自由にやっている人に対して、なんであんなこと勝手にやってんの、と思っていたけれど、そういうときは我慢すべきだって価値観を持ってたんだなと気づくことがあった
  • 相互性はお互いの正義(正しいと思ったこと)がぶつかった時に相手の世界観が違う時に起こり、お互いの世界観を理解していく過程かなと思っている
  • お互いの正義がぶつかるとき。一緒に学ぼうとしている関係であれば話ができそうだけど、ふつうのときに、そういうアプローチができるか。なかなか
  • 自分の世界観に相手をつれこもうとしてしまう、相手を正そうとしてしまうからぶつかるのかなと思った。自分はただしい。 We Are Right=WAR
  • 価値観がぶつかると、怒りの感情がおきがち
  • 理論武装することある 自分の声、自分が生活の中で出ている声を場に差し出すことはおそれがあったり、こわいと思うことがある
  • 自分が場に差し出すことがこわいことほど、場に差し出すと、場がゆたかな場になる
  • 理屈じゃないのだけれど、その人を感じられたり。悲痛な叫びも含めてその場におかれたときに、明日一日がんばろうという気持ちになることある。頑張っているのは自分だけじゃないと思える
  • 本当はできる人だと思われたい。正しさというのはあると思うけれど、すみません、と言えると楽になったり。本音。差し出すもの、差し出しにくいものほど、人の心には響くのではないか
  • 自分は未熟だなと思いつつ。先行く仲間に囲まれてうれしい
  • WRAPクラスで道具箱で、医師のいうようにやってればいいんだ、っていう当事者がいて、主体性を当事者が放棄してどうするんだ、と怒ってしまった。そういう世界観が自分にはあった。でもあとで話を聞いてみると、医師の言うとおりにやっていればいいんだ、と思うくらい落ち込んでいたといういことがわかった。相手の話を聞こうとしなかった自分がいる。自分がこれが正しいと思っていると、何が起こっているんだろうという思考になかなか変われない。相手のことを思いやれない自分
  • 自分の経験を差し出すことにおそれを覚える
  • 経験を差し出すときのおそれ:つながりの感覚、世界観が影響している
  • 自分のどんな思いで参加しているか。IPSに参加してきて、つながり、世界観、相互性まではいろいろ深まってきた気がする でも、向かうこと はあまりやっていないかも。自分の経験にあまり置き換えていないんだなと感じながらいた
  • 先行く仲間に昨日言われた。「相手だけが本当に悪いのか?」と言われた。説明が具体的でなくて、相手に共有できなかった、とか、そういうことの方が多いのではないか?と言われて
  • 人との対話で、話し合えばわかりあえる、というのはちょっと違うと思う。話し合うと違いがわかる。言ってることが理解できないことがあっても、この人と私はここが違うんだな、とか。そこが自分にとっては大切なのかもしれない。違うところは合わないかもしれないけれど、違いがあるんだ、と認めた上で、その人はそれを大切にしているんだなと思えれば、無理にすり合わせたりする必要もなさそう
  • 世界観というと、それが自分だけの世界観だと気付けないことが圧倒的に多くて
この日も二人組のワークをブレイクアウトして行いました。

  • いろんなことを考えて刺激となった。そんな経験をできてありがとうございました。世界観、自分を知る。それってわかりにくい
  • お互いに会話できた気がした
  • 聞く演習、リラックスしてできるようになった 
  • 「私たちのものの見方を助け合う」を見て、自分も理解してもらうって気持ちが抜け落ちていた。相手のことを理解することにばっかり意識が向いていた 自分も言いたいことがあるのに我慢してたから息苦しかったのかも、と気付いた
  • 豊かな声が聞けた 相手の声を聞きながらの学びでおとしこまれたのか、これが自分の声なんだなと思った
  • 安全安心な場を提供してくれてありがとうございました。他の人の話からも、人生いろいろ経験があって、考えを変えることができてきたり、ワークでも安全安心な場で話をできてよかった。対応できる自分を作っていきたい
  • 話したい人と話すことができた 聞き役のときは話を理解しようとしながら聞くのだが、自分が話してるときはそうじゃない。一方的に思うようになっていることに気付きながら
  • 居場所にさせてもらった
  • 自分の中で感じるものがまだまとまってない。何かを感じながら、涙が出ている自分がいた
といった感想をお聞きしました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました!

 【次回以降の勉強会予定】
2月15日(土)14時~16時(対面:東京大学医学部3号館)
3月16日(日)10時~11:30(オンライン:ZOOM)

ゆっきぃのひとりごと:このところ毎回、2人組になって、聞く演習・感じる演習というのをしています。そのときに、話さなくてもよい、黙っていてもよい、ということもとても大事だと思っているのですが、ZOOMで二人になると、焦って何か話さなきゃ、と思ってしまうこともあるかもしれないな、とか、いろいろ思っています。対面の長時間のワークショップとかだと、一人あたり20分とか時間を取ってゆったりと湧き出る思いを話したり黙ったりしているのですが、そんな時間を勉強会でも持てたらなと思っています。

1/26の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2025年1月26日(日)14:00-15:30 場所:ZOOM
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。
「IPS」でピアサポートを達成するために大切だと考えている4つのこと:
(1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
3.前回までの振り返り(前回は2024年10月19日(土)ZOOM)前回:ピアサポートの任務
4.ピアサポートの任務(ピアサポートですること)(1巻 p.12~ )
任務1 つながり・通じ合う感覚:これがピアサポートの核心です。
任務2 世界観:ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するよう、お互いに助けあう
任務3 相互性:助けるということを、ともに学び、ともに成長する過程として、とらえ直す
任務4 向かうこと:望まないことを避けるためではなく、望むことに向かって進むよう、お互いに助けあう

任務2:世界観;ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するために、お互いに助けあうこと(Worldview)
どのようにしてそう思うようになったのかを理解するのを助けあうとは、自分たちの“認識”から一歩引き下がり、その認識をどのようにして獲得したのかについて考えてみることです。文化的な背景、家族の背景、これまでの個人的な経験のすべてが関わっています。これは時に、ある経験に対していく通りもの理解の仕方があるということを、心から信じられるようになるための重要な一歩になります。
♪他の人には聞こえない声が聞こえるという人を、あなたはどのように表したり説明したりしますか?
♪そのように考えるようになったのはどうしてでしょう?
♪そのように考えたとき、その人を援助する、とは、どのようなものになると思いますか?
♪もし、他の人には聞こえない声が聞こえることは貴重な経験だと考えられている文化の中で育ったとしたら、そのような声が聞こえる人のことをどう思うでしょうか?

私たちのものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解することを助けあうとしたら、まずはじめにすべきことは、自分のものの見方(私は、どのようにしてそう思うようになったのか)について探索してみることです。私自身がとらわれていたら、ほかの人のとらわれを解消する助けになることはできません。

♪聞く演習・感じる演習
Aさん役:自分のことをどのように表現しますか?そう考えるようになったのはどうしてでしょう?
そのことについて話してください。
Bさん役:Aさんの話を、Aさんに見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。(相手の中で何が起きているか聞いてもよい)

5.勉強会の感想:今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2024年12月21日(土)勉強会(対面)のご報告

12月21日(土)15:00-17:00に、東京IPS勉強会が開催されました。この日は13名での勉強会でした。

毎回同様、呼ばれたい名前と何に動かされてここに来たか、その後で、意図的なピアサポートの意図とは「お互いが学び、成長するようにしようとしている」ということと、「IPS」で大切にしている4つのこと:(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと について話しました。

特に、IPSの勉強会の最中(例えば今日の2時間)、この4つのことに取り組んでみよう、通じ合う感覚は、理解し合おうと努力する、たとえばちゃんと聞く、ということに取り組んでみよう、というような話が出ました。

また、助けから学びへ、個人から関係へ、恐れから希望へ、というIPSの原則の話しから、恐れから希望へ、は、恐れてはいけない、と言っているように感じたというお話がありましたが、おそらくこれは、こうなったら嫌だから言わないでおこう、とか、こうなると困るから相手を制限しようというような「恐れ」に基づいた考え方の関係になるのではなくて、ということでしょうかね、というような話しもしました。

たとえば精神保健福祉の場で、少し具合が悪くなった人がいた場合に、「大丈夫?」「帰る?」と支援者がすぐに聞くなどが気になった、というようなことはまさに、助けから学びへ、恐れから希望へ、というようなところと関係してそうだなぁと感じました。

また、「意図的」というのはどのあたりだろうね?というお話では

  • こういうところに私たちは向かっている、というあたりが意図なのではないか?
  • 自分がこういう考え方に陥っているなと一歩引いて考える
  • おそれている自分に気付く
  • 怖いにもいろいろ、わからないにもいろいろ
  • 揺れ動きがあってもいい
  • 助けもあるけど学びもある
  • 一方向ではなくて行ったり来たり

などなど皆さんとお話ししました。

前回の振り返りで、「通じ合う感覚」の体感の話しも出てきて、

  • 自分とつながっている感じは、足が地に着いているという感じがしたときに感じる
  • 肩に力が入っていたことに気付いて肩をストンと落とすとき
  • ケンカをしたパートナーと手をにぎると、それまで離れていたのがまたつながる感じ
  • 通じ合っているときは心地よく集中している。恐れがあるとき、うまいこと言わなきゃなどのときはそういう感覚がない

などなど身体の感覚などとも含めた話しもしました。

そして今回は、「世界観」です。

こちらについて、皆でいろいろ話した後に、二人組になって、話す人と、相手の世界観を理解しようとしながら聞く人になって、練習をしました。

  • 世界観を聞くっていうのは、相手の周りの人の顔まで浮かんでくるような、こんな感じなんだな、と感じた
  • こういう会に来ようと思うことがすでに意図的と感じた
  • 一人でいると自分にダメ出ししちゃったりするけれど、「個人から関係へ」。ダメ出しと恐れはつながるけれど、ダメ出しをしたり恐れたりする必要のなくなる関係にあると、押さえ込まれていた希望があらわれてきたりもするのかなと思えた
  • 聞いてもらえた感がとてもあった
  • 理解しようとしてくれている、話してくれようとしてくれているのを体験して、大切にされている感覚を感じることができた。温泉につかっているような感覚
  • 今日のお題の「〇〇という人のことをどのように表したり説明したりしますか?」言葉が気になった。その人がいるならその人が自分で言うことだし、その人がいない場でその人のことを言うのはしたくないと思った

といった感想がありました。

ご参加くださった皆様、ありがとうございました!

 【次回以降の勉強会予定】
1月26日(日)14時~15:30(オンライン:ZOOM)
2月15日(土)14時~16時(対面:東京大学医学部3号館)

ゆっきぃのひとりごと:今日もたくさん気付きがありました!恐れとか助けとかを禁止したいわけではなくて、どんな関係、どんな方向へ向かいたいかについてなんだなぁ、と思いました。また、「〇〇という人のことをどのように表したり説明したり~」は、おっしゃるとおりで、私の資料への書き方はまさにそう受け取れてしまうよな、と思いました。「〇〇という状況のことを、」という場面設定なんだなと再確認できました。こういった気になってしまう表現についてとか、言いにくいだろうとも思いつつ、そういうコメントや感想を言って頂ける場であることもうれしく思いました。

12/21の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2024年12月21日(土)15:00-17:00 場所:東京大学医学部3号館1階S102
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。
「IPS」でピアサポートを達成するために大切だと考えている4つのこと:
(1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
3.前回までの振り返り(前回は2024年10月19日(土)ZOOM)前回:ピアサポートの任務
4.ピアサポートの任務(ピアサポートですること)(1巻 p.12~ )
任務1 つながり・通じ合う感覚:これがピアサポートの核心です。
任務2 世界観:ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するよう、お互いに助けあう
任務3 相互性:助けるということを、ともに学び、ともに成長する過程として、とらえ直す
任務4 向かうこと:望まないことを避けるためではなく、望むことに向かって進むよう、お互いに助けあう

任務2:世界観;ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するために、お互いに助けあうこと(Worldview)
どのようにしてそう思うようになったのかを理解するのを助けあうとは、自分たちの“認識”から一歩引き下がり、その認識をどのようにして獲得したのかについて考えてみることです。文化的な背景、家族の背景、これまでの個人的な経験のすべてが関わっています。これは時に、ある経験に対していく通りもの理解の仕方があるということを、心から信じられるようになるための重要な一歩になります。
♪他の人には聞こえない声が聞こえるという人を、あなたはどのように表したり説明したりしますか?
♪そのように考えるようになったのはどうしてでしょう?
♪そのように考えたとき、その人を援助する、とは、どのようなものになると思いますか?
♪もし、他の人には聞こえない声が聞こえることは貴重な経験だと考えられている文化の中で育ったとしたら、そのような声が聞こえる人のことをどう思うでしょうか?

私たちのものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解することを助けあうとしたら、まずはじめにすべきことは、自分のものの見方(私は、どのようにしてそう思うようになったのか)について探索してみることです。私自身がとらわれていたら、ほかの人のとらわれを解消する助けになることはできません。

♪聞く演習・感じる演習
Aさん役:自分のことをどのように表現しますか?そう考えるようになったのはどうしてでしょう?
そのことについて話してください。
Bさん役:Aさんの話を、Aさんに見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。(相手の中で何が起きているか聞いてもよい)

5.勉強会の感想:今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。


2024年12月21日(土)忘年焼き大会のご報告

 2024年12月21日(土)の勉強会の後の忘年焼き大会の模様です。

この日に味わったもの(順不同)

ドーナツ、マシュマロ大福(?)、干し芋、あぶらあげ、さきいか、チータラ、オールレーズン、パウンドケーキなど。

みなさま、ご協力どうもありがとうございました。楽しかったです!



IPS拡大勉強会(11月2日(土)、3日(日))のご報告

 11月2日(土)、3日(日)にIPS東京勉強会の拡大勉強会がありました。

拡大勉強会は、いつもの勉強会(90-120分)よりも時間を拡大し(1日とか2日とか)、ゆったりたっぷりIPSについて取り組む時間です。

参加者17名で、居心地の悪さを迎え入れるってどんなことだろう、とか、批判されたと感じたときの会話、とか、知らない立場から聞く、とか、パワーの関係とか、今年も二人組の演習の時間もたくさんとりながら皆で学びました。

ご参加ありがとうございました。また今後も月例勉強会のほかに、拡大勉強会も続けていけたらと思いました。

参加者の方にブログ掲載の同意を得て撮影した写真です。



2024年10月19日(土)のIPS勉強会(ZOOM)のご報告

10月19日(土)13:00-14:30に、東京IPS勉強会がオンライン(ZOOM)で開催されました。この日は18名での勉強会でした。

毎回同様、呼ばれたい名前と何に動かされてここに来たかを伝え合いました。その後で、意図的なピアサポートの意図とは「お互いが学び、成長するようにしようとしている」ということと、「IPS」で大切にしている4つのこと:(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと について話しました。

前回までの振り返りということで、「通じ合う感覚」について、話し合いました。

  • 通じ合う、つながる、100パーセント、つながったね!風が通ったね!みたいな感じを考えていたけれど、ちょっとだけでも、つながっている感覚が大切なんだ、というのを感じた
  • つながる、通じ合う感覚、体験、いろんな人々が求めている。長続きしない、自分自身の孤独とか自分自身を見つめ直すとか、そこからもう一度繋がった体験を含めて戻ってくる 通じ合わない感覚も自分で見つめていくということを感じた
  • 通じ合うことが難しい ただつながりたいということが前提にあって、お互いに努力するから、お互いの世界観を理解し合うということが発生する
  • わからないから、相手が何を考えているんだろうという思いが発生する
今回も、IPSでいうところの、ピアサポートの任務(1)つながり・通じ合う感覚です。

  • 通じ合った感覚、自分の中では体感としては、気持ちいい感覚、くつろいだ感覚、ゆるやかになった感覚、こころが広くなった感覚、あるないではなくて、ある程度ある、とか
  • そんな感覚をもったことがない。対立したときに、相手の価値観とか、そういう風に我慢してたんだな、とか見え始めたとき、「そういう風に考えていたんだ!」というような感覚、それがつながりの感覚
  • うわべだけで仲良くというのがあまり好きではない、あとで裏切られるのがつらいので、本音で話したい
  • 裏切られて傷ついている経験がつらいので、相手の話を実際に会って話しを聞くのは、日常的な関係性ができていないとなかなか難しい。
  • 自分は聴覚過敏が激しいので、静かな場所でゆっくり、ああそうなんだーと思いながら聞いているだけでも。
  • ここに来ることが感じ合う感覚を取り戻す、つかむ、気付くために来ている。日常生活の中で、あまり人としゃべらない。地活とかで、似たような経験があるね、っていうのがもしかしたら通じ合う感覚。
  • バチバチになっている相手とは関わりを持ちたくない。深くつながろうということはしようと思わない。うっすら、いるだけでいいのかなと思っている
  • いろんな感覚を持ち合っているので、そうなんだ、と聞いているだけで、話してる人の人となりを感じることができる。
  • そんな風に思ってたの?と言われたら昔だったら攻撃だと受け止めてしまったと思うけれど、今だったらそんな風に思ってたの、は、「わかった!」みたいな感覚
  • 社交的にやっていけるほうだと思っているが、本心では人のことを信用できない。うわべの話しはいくらでもできる。でも言ってることとうらはらなことはある。
  • ぽそっと本音が出てきたよね、というときに、共感を感じ合える
  • この人だったらいろいろ話してもいいかなと思えるときがある
  • また会えたね、みたいな感じ それが、自分とは違う世界ではなくて、また会うことができたうれしさみたいな。
  • IPSではないのだけれど、医療者に対する恨みとかが出てくると、わかるような気がします、という深い部分からつながった時とか
  • 人に依存していたと思う。100パーセントとか思っていたけれど、でも全然続かなくていつも寂しい。ピアサポートに出会ってから、何パーセントとかでも、通じ合うところがあれば大丈夫なんだとぼんやりと考えながら話しを聞いていた でもやっぱりときどき100パーセントわかってもらえないんだろうと怒りを感じたりすることもあって。
  • ちょっとしたことでありがとうと言ってもらえたり、逆に助けられたりしたときに、その人と通じ合えたと思うことが多い
  • 100パーセントという点では、100パーセントでなくていいのでは。へっこんだ部分では離れていいのではないかなと言う思い。
  • 負の感情、12ステップを学んでいる。負の感情を出していいんだよ、と言われる。素の部分でもいいんだよ、という感じ。言いっぱなし聞きっぱなしじゃなくて、個人攻撃にならずに、良い分かち合いができるクロストークができるこの場が安全安心な場。
  • つながりとか通じ合う感覚、地球アース。生物と関連してるっていう感覚。そういうものと関連している。必要な感覚。要素。
  • スピリチュアルなものにつながっていくような。
  • 深く、広く、豊かなものがあるのかなと思った
  • 「なるほどそういうことですか」みたいな、相手の言葉や振る舞いに対して同じ考えや同じ気持ちになり納得できたことかな。
  • 誰かと通じ合う感覚、話をちゃんと聞いてもらえたと感じた時。共感や批判、説得ではなく、話を聞いて感じたこと浮かんだ事を返して頂けた時にさらに繋がりを感じる
  • 同じ病名の人の自助会、つながり、通じ合う感覚があるということを前提としているからこそ、同じ体験をしているからこそ、通じ合う感覚があるという前提で集まっていた
  • 自分の体験・体感としては、一つの病名として共通認識があって、その上で通じ合うという感覚はある。同じ病気を持っていたとしても、ものの見方はいろいろ。相手を理解する必要はある。その上で助け合う必要がある。という流れ。その会が安心して話せる場であることが第一条件。
いろいろな話しをして、2人組での演習です。今回は5分ずつ、話すと聞くの練習をしました。

感想です
  • お互いにしがみつくつながり、他に行く場所がない感覚でお互いに助け合うことを思い出した。しがみつく感覚が、うらやましくもあり、うっとおしい気持ちもあった気持ちを思い出した。
  • 改めて、つながるとは何か?と考えてしまった。つながる感覚って、心地よい。
  • 自分にとっては難しかった。つながる感覚についてこれからも考えていきたい。
  • 相手と繋がる、人と繋がる、他人とつながる、必要なのかなと思うけれど、それを求めていたけれど、自分とつながる、という感覚、自分の身体の感覚とつながると、それを外に求めなくなった。自分とつながるようになると自然とまわりともつながってくる
  • 感覚を言語化するのは難しかった。感覚を麻痺させてきたから、本心から目をそらしてきたから、感覚の言語化は難しい。
  • つながりたいです、と求めてくるけれど、それはいや
  • 絵とか図に書いて感覚を。その方が自分にはその方が楽
  • 負の感情をもったときとかこの感覚が切れたときに感じられて、今までつながってたんだなと感じられる、絆が強くなれるのかなと思った
  • 同じ目的、同じ目標をお互いに持っているときには通じ合うことができるのかなと思ったり
  • つながりについて考えると、過去のやらかしを思い出してしんどいなと思いながら聞いていた。極端な依存的なものじゃなくて、人と人との間に流れる電流のようなもの 努力、毎日少しずつやっていくというのを頭に置いていたらいいのかなと思ってる
  • 自分とつながるような感覚を持てると他ともつながれるようになる、示唆的。自分と繋がるという方法を持って。自分とつながるってどういうことなのかなと思った。
  • つながり、と考えるとすごく難しい。感覚的なもの。それをどうするとかどう扱うって、とても難しい。自然体に感じるままにやっていこうかなと思う。話してても心通じない人もいる。
  • つながりを意図的に作っていこう、切れちゃったらそれに気付いて、修正していこう、要求水準は高度。それぞれに自分なりの感覚があるので、そこに注目する、その感覚があるかないかという感覚をつかんでいく
  • 自分は感覚の言語化がへた。自分が困っていた人とは共依存におちいっていたのかな。
  • つながりあえるためには、一人の人間として扱われることが前提
今回も、短時間ながら二人組の演習を入れてみました(二人組のワークには入らない方は休憩していてもらいました)。5分では短かったというご意見多数でした。次回からはもう少し長く確保しますね。 
ご参加くださったみなさま、どうもありがとうございました! 

 【次回以降の勉強会予定】
11月に拡大勉強会(東京大学医学部3号館) 
12月21日(土)15時~(対面)勉強会後に1時間程度 忘年焼き大会 

ゆっきぃのひとりごと:通じ合う感覚について、みなさんのいろいろな感覚をお聞きできてとてもよかったです。通じ合う感覚は、私にとっては対面しているとき(同じ空間にいるとき)が一番感じやすいですが、ネット越し(ZOOM内)でも感じました。このあたり、もっと深めていきたいなと感じました。

10/19の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2024年10月19日(土)13時~14:30 場所:オンライン(ZOOM)
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。
「IPS」でピアサポートを達成するために大切だと考えている4つのこと:
(1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
3.前回までの振り返り(前回は2024年9月21日(土)対面) 前回:ピアサポートの任務
4.ピアサポートの任務(ピアサポートですること)(1巻 p.12~ )
任務1 つながり・通じ合う感覚:これがピアサポートの核心です。
任務2 世界観:ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するよう、お互いに助けあう
任務3 相互性:助けるということを、ともに学び、ともに成長する過程として、とらえ直す
任務4 向かうこと:望まないことを避けるためではなく、望むことに向かって進むよう、お互いに助けあう

任務1:つながり・通じ合う感覚(Connection) 誰かと通じ合う感覚とはどのような体験・体感でしょうか?
つながり・通じ合う感覚こそが、ピアサポートの核心です。~中略~ 信頼関係を築く最初の一歩です。しかし、それは長続きしないことがよくあります。そのために努力し、この感覚があるときと、その感覚がないときに気が付き、つながり・通じ合う感覚を作るために努力する意思を持っていなければなりません。
通じ合っていないとき、判断・審判(Judgment)を下していることがあります。(「あの人は私のことを怒っているに違いない」とか、「なんであんなこと言うのだろう!?」というように)。再び通じ合うためには、それが起きた状況を相手にとっての文脈も含めて理解しようとする必要があります。時には、深呼吸をして、“つながり・通じ合いを断(た)った”ことの自分のパートについて謝ることも必要です。(「ごめんなさい、あなたの言葉に強く反応してしまいました」など)・・・<前回ここまで>
気持ちが傷つけられたり、相手にされなかったり、誤解されたり、他のことに気をとられていたときに、つながり(通じ合う感覚)を取り戻すのは難しいことがあります。つながりが切れた直後には、それは回復出来ないかもしれません。けれども、つながりを取り戻すための方法がいくつかあります。
1. 何が起きたのかを口に出して言う(例:今、つながり・通じ合う感覚が切れていたようだったね)
2. 自分のパートを引き受ける(自分がつながり・通じ合いを切ってしまったと感じたときに、そのことを伝える)
3. 謝る(何が起きたのかに気が付き、その状況での自分のパートについて謝っても良いのです)
4. 尋ねる(例:何か私の言ったことが気になっているのかしら?)
♪つながり・通じ合いを取り戻すために、他にどのようなことが出来そうですか?
♪つながり・通じ合いの演習
Aさん役:誰かとの間で通じ合う感覚が切れてしまった時のことを思い出して、そのとき相手に言われた言葉をBさんに言ってもらうなどしてBさんにそのときの相手役をしてもらいます。その上で、起きたことに気付く言葉、あるいはつながり・通じ合いを取り戻すための言葉を言ってみてください。(関係を続けたい人との間で、傷ついたとか、話したくないと思った場面などを用いての演習)
Bさん役:Aさんの相手役をしてください。
5.勉強会の感想:今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

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IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2024年9月21日(土)勉強会(対面)のご報告

9月21日(土)15時~17時に、東京IPS勉強会が対面で開催されました。この日は8名での勉強会でした。

前回の振り返りと、参加者の何人かの方の体験した別のピアサポーター研修の話しなどからはじまりです。

  • サービスというマインドから抜け出せない、支援という考えがやきついている
  • お仕事マインドだと簡潔に、スピーディに、となってしまう
  • 効率にピアサポーターが組み込まれていくような現在のストーリーから抜け出す
  • 相互関係というよりも、支援するされるの関係が明確になっていないと嫌という人もいる
  • 双方が現在のストーリーから抜け出す

ピアサポートとはいったいなんなのか?ということを考える時間にもなった気がします。

続いて、今日のお題、ピアサポートの任務(IPSで言うところのピアサポートですること)です。
(ちなみに、この任務という言葉は、もともと執筆者のSheryさんはtaskという言葉を使っていて、それを何と日本語で言うと良いのかも少し皆で話したことがあります。「タスク」というとちょっと外資系ビジネスっぽい、「大切なこと」という表現も間違いないのだが、やっぱりこれは、ピアサポートでやるべきことなのではないか、というような話があり、今回の勉強会では「任務」と訳しました。)

任務1から4まで、((1)つながり:通じ合う感覚  (2)世界観を理解するために助け合う  (3)相互性  (4)向かうこと)について、です。

  • 少なくともこのIPSの勉強会の2時間の間はこれを思い続けよう
  • IPSは安心のための合意を作ったりしないけど、この4つの考えを共有しているから一緒にこの場を過ごせるのだなと感じた
  • 安心のための合意はしないけれど、勇気を出していつもと違うことにチャレンジしてみようというような考えをIPSではやってみている
  • みんながいっぱい話しちゃうという風になるということか?
    • 何かを発言することがいつも難しい人は、場に自分の考えも出すというチャレンジをしてその場を豊かにする、いつも発言してしまう人は、自分の発言を控えるというチャレンジをすることでほかの人の声が場に出しやすいようにしてその場を豊かにする、というような考えもできる
    • 話すことと聞くこと、その両方ともチャレンジすることができそう
そして今日の勉強会は特に任務1の「つながり:通じ合う感覚」です。もともと「つながり」とだけ訳していたのですが、ここで言っているのは絆というような強い意味ではなくて、もっと瞬間瞬間で変わっていくような、そんな感覚を扱っていると思い、「通じ合う感覚」という言葉を足しています。それぞれのこの、通じ合う感覚について話し合いました。
  • 砂のトンネルを両側から掘って行って、相手の指、手とつながった時の「あー!」という感覚
  • 言葉じゃなくてわかるときめきのようなもの
  • 音楽の話し、あの曲いいよね~、とか
  • そのような通じ合う感覚に意識を向けてみて、その場にそのような感覚があるかを意識してみる、それがIPSでやろうと言っていることなのだろう
  • 少しかすかにあるその感覚を育てたり、その感度を高めたり
  • 自分にとっては電流のようなもの。とても強く感じるときもあれば微弱な感じも。この場にも今、心地のよい何か空気というか弱い電流みたいなものを感じる
  • 一体感が高まるのはこわい。個人でいたい

このまま感想の時間に入っていきます

  • 人数が少なくてゆったりと話せてよかった
  • 話し過ぎる自分は、人の話を聞くこと、人の時間を取り過ぎずに考えてから話すことも大事と気づいてよかった
  • どうしたら通じ合えるような場を作れるかなと思った
  • 通じ合うのは100が良いと思ってしまっていた時もあったが、少なくてもいいんだと思えた
  • 自分と違う世界観を敵だと思っていた
  • 通じ合う感覚の電流のスイッチをオンにするのもオフにするのも自分でできそう。こわいと思うとすぐスイッチを切ってしまうけれど、オンにして通じ合う感覚に意識を向けてみるのも良いと思った
  • 牧師さんの話しで犯罪をおかした人がつながりがたたれちゃうのだけれど、そうではなくて困っている人同士話すというような場をつくる、とか非審判的態度というのを思い出した
  • 通じ合う感覚と察することは違う、日本人の察する感覚というのは違う

今回は通じ合う感覚についていろいろ話ができて、とてもおもしろかったです。ご参加くださったみなさま、ありがとうございました!


 【次回以降の勉強会予定】

10月19日(土)13時~14:30(オンライン:ZOOM)
11月2日(土)3日(日)拡大勉強会 (有料)(東京)

ゆっきぃのひとりごと:通じ合う感覚に意識を向ける、通じ合う感覚の感度を高める、という話がありました。この、通じ合う感買について、ああ、あんな感じか、と自分の退官として感じられると、すごく通じ合える気がします。この感覚、人によって違いそうなので、その感覚をそれぞれの言葉で表現してみる、自分の日常の中でそんなことを感じるときというのを探してみるというのは面白そうだなと思いました。

9/21の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2024年9月21日(土)15:00-17:00 場所:東京大学医学部3号館1階S101
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。
「IPS」で大切だと考えている4つのこと:
(1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
3.前回までの振り返り(前回は2024年8月20日(火夜)ZOOM)
前回:ピアサポートとはそもそもなんなのか?

4.ピアサポートの任務(ピアサポートですること)(1巻 p.12~ )
ピアサポートを達成するためにはどうしたらよいでしょうか?私は4つの中心的な任務があると考えています。
任務1 つながり・通じ合う感覚:これがピアサポートの核心です。
任務2 世界観:ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するよう、お互いに助けあう
任務3 相互性:助けるということを、ともに学び、ともに成長する過程として、とらえ直す
任務4 向かうこと:望まないことを避けるためではなく、望むことに向かって進むよう、お互いに助けあう

任務1:つながり・通じ合う感覚(Connection)
考えてみると、つながり・通じ合う感覚こそが、ピアサポートの核心です。誰か他の人が“わかってくれている”と気が付いたときは夢のようなすばらしい瞬間です。信頼関係を築く最初の一歩です。しかし、それは長続きしないことがよくあります。そのために努力し、この感覚があるときと、その感覚がないときに気が付き、つながり・通じ合う感覚を作るために努力する意思を持っていなければなりません。
♪誰かとつながり・通じ合う感覚があるときは、どのように感じ取っていますか?そうでないときは?

つながりを失っているとき、判断・審判(Judgment)を下していることがあります。(「あの人は私のことを怒っているに違いない」とか、「なんであんなこと言うのだろう!?」というように)再びつながりを作るためには、それが起きた状況を相手にとっての文脈も含めて理解しようとする必要があります。(たとえば「彼は、どういう意味でそう言ったんだろう?」とか。)時には、深呼吸をして、“つながりを断った”ことにおける自分のパートについて謝ることも必要です。(「ごめんなさい、あなたの言葉に強く反応してしまいました」など)
あなたにとって、つながりや通じ合う感覚が断たれる原因となるものとしてどのようなことがありますか?

♪聞く演習・感じる演習
Aさん役:誰かとつながり・通じ合う感覚が断たれた時のことや、そこから思ったことを話して下さい。
Bさん役:Aさんの話を、Aさんに見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。(相手の中で何が起きているか聞いてもよい)

5.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
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IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。