2024年10月19日(土)のIPS勉強会(ZOOM)のご報告

10月19日(土)13:00-14:30に、東京IPS勉強会がオンライン(ZOOM)で開催されました。この日は18名での勉強会でした。

毎回同様、呼ばれたい名前と何に動かされてここに来たかを伝え合いました。その後で、意図的なピアサポートの意図とは「お互いが学び、成長するようにしようとしている」ということと、「IPS」で大切にしている4つのこと:(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと について話しました。

前回までの振り返りということで、「通じ合う感覚」について、話し合いました。

  • 通じ合う、つながる、100パーセント、つながったね!風が通ったね!みたいな感じを考えていたけれど、ちょっとだけでも、つながっている感覚が大切なんだ、というのを感じた
  • つながる、通じ合う感覚、体験、いろんな人々が求めている。長続きしない、自分自身の孤独とか自分自身を見つめ直すとか、そこからもう一度繋がった体験を含めて戻ってくる 通じ合わない感覚も自分で見つめていくということを感じた
  • 通じ合うことが難しい ただつながりたいということが前提にあって、お互いに努力するから、お互いの世界観を理解し合うということが発生する
  • わからないから、相手が何を考えているんだろうという思いが発生する
今回も、IPSでいうところの、ピアサポートの任務(1)つながり・通じ合う感覚です。

  • 通じ合った感覚、自分の中では体感としては、気持ちいい感覚、くつろいだ感覚、ゆるやかになった感覚、こころが広くなった感覚、あるないではなくて、ある程度ある、とか
  • そんな感覚をもったことがない。対立したときに、相手の価値観とか、そういう風に我慢してたんだな、とか見え始めたとき、「そういう風に考えていたんだ!」というような感覚、それがつながりの感覚
  • うわべだけで仲良くというのがあまり好きではない、あとで裏切られるのがつらいので、本音で話したい
  • 裏切られて傷ついている経験がつらいので、相手の話を実際に会って話しを聞くのは、日常的な関係性ができていないとなかなか難しい。
  • 自分は聴覚過敏が激しいので、静かな場所でゆっくり、ああそうなんだーと思いながら聞いているだけでも。
  • ここに来ることが感じ合う感覚を取り戻す、つかむ、気付くために来ている。日常生活の中で、あまり人としゃべらない。地活とかで、似たような経験があるね、っていうのがもしかしたら通じ合う感覚。
  • バチバチになっている相手とは関わりを持ちたくない。深くつながろうということはしようと思わない。うっすら、いるだけでいいのかなと思っている
  • いろんな感覚を持ち合っているので、そうなんだ、と聞いているだけで、話してる人の人となりを感じることができる。
  • そんな風に思ってたの?と言われたら昔だったら攻撃だと受け止めてしまったと思うけれど、今だったらそんな風に思ってたの、は、「わかった!」みたいな感覚
  • 社交的にやっていけるほうだと思っているが、本心では人のことを信用できない。うわべの話しはいくらでもできる。でも言ってることとうらはらなことはある。
  • ぽそっと本音が出てきたよね、というときに、共感を感じ合える
  • この人だったらいろいろ話してもいいかなと思えるときがある
  • また会えたね、みたいな感じ それが、自分とは違う世界ではなくて、また会うことができたうれしさみたいな。
  • IPSではないのだけれど、医療者に対する恨みとかが出てくると、わかるような気がします、という深い部分からつながった時とか
  • 人に依存していたと思う。100パーセントとか思っていたけれど、でも全然続かなくていつも寂しい。ピアサポートに出会ってから、何パーセントとかでも、通じ合うところがあれば大丈夫なんだとぼんやりと考えながら話しを聞いていた でもやっぱりときどき100パーセントわかってもらえないんだろうと怒りを感じたりすることもあって。
  • ちょっとしたことでありがとうと言ってもらえたり、逆に助けられたりしたときに、その人と通じ合えたと思うことが多い
  • 100パーセントという点では、100パーセントでなくていいのでは。へっこんだ部分では離れていいのではないかなと言う思い。
  • 負の感情、12ステップを学んでいる。負の感情を出していいんだよ、と言われる。素の部分でもいいんだよ、という感じ。言いっぱなし聞きっぱなしじゃなくて、個人攻撃にならずに、良い分かち合いができるクロストークができるこの場が安全安心な場。
  • つながりとか通じ合う感覚、地球アース。生物と関連してるっていう感覚。そういうものと関連している。必要な感覚。要素。
  • スピリチュアルなものにつながっていくような。
  • 深く、広く、豊かなものがあるのかなと思った
  • 「なるほどそういうことですか」みたいな、相手の言葉や振る舞いに対して同じ考えや同じ気持ちになり納得できたことかな。
  • 誰かと通じ合う感覚、話をちゃんと聞いてもらえたと感じた時。共感や批判、説得ではなく、話を聞いて感じたこと浮かんだ事を返して頂けた時にさらに繋がりを感じる
  • 同じ病名の人の自助会、つながり、通じ合う感覚があるということを前提としているからこそ、同じ体験をしているからこそ、通じ合う感覚があるという前提で集まっていた
  • 自分の体験・体感としては、一つの病名として共通認識があって、その上で通じ合うという感覚はある。同じ病気を持っていたとしても、ものの見方はいろいろ。相手を理解する必要はある。その上で助け合う必要がある。という流れ。その会が安心して話せる場であることが第一条件。
いろいろな話しをして、2人組での演習です。今回は5分ずつ、話すと聞くの練習をしました。

感想です
  • お互いにしがみつくつながり、他に行く場所がない感覚でお互いに助け合うことを思い出した。しがみつく感覚が、うらやましくもあり、うっとおしい気持ちもあった気持ちを思い出した。
  • 改めて、つながるとは何か?と考えてしまった。つながる感覚って、心地よい。
  • 自分にとっては難しかった。つながる感覚についてこれからも考えていきたい。
  • 相手と繋がる、人と繋がる、他人とつながる、必要なのかなと思うけれど、それを求めていたけれど、自分とつながる、という感覚、自分の身体の感覚とつながると、それを外に求めなくなった。自分とつながるようになると自然とまわりともつながってくる
  • 感覚を言語化するのは難しかった。感覚を麻痺させてきたから、本心から目をそらしてきたから、感覚の言語化は難しい。
  • つながりたいです、と求めてくるけれど、それはいや
  • 絵とか図に書いて感覚を。その方が自分にはその方が楽
  • 負の感情をもったときとかこの感覚が切れたときに感じられて、今までつながってたんだなと感じられる、絆が強くなれるのかなと思った
  • 同じ目的、同じ目標をお互いに持っているときには通じ合うことができるのかなと思ったり
  • つながりについて考えると、過去のやらかしを思い出してしんどいなと思いながら聞いていた。極端な依存的なものじゃなくて、人と人との間に流れる電流のようなもの 努力、毎日少しずつやっていくというのを頭に置いていたらいいのかなと思ってる
  • 自分とつながるような感覚を持てると他ともつながれるようになる、示唆的。自分と繋がるという方法を持って。自分とつながるってどういうことなのかなと思った。
  • つながり、と考えるとすごく難しい。感覚的なもの。それをどうするとかどう扱うって、とても難しい。自然体に感じるままにやっていこうかなと思う。話してても心通じない人もいる。
  • つながりを意図的に作っていこう、切れちゃったらそれに気付いて、修正していこう、要求水準は高度。それぞれに自分なりの感覚があるので、そこに注目する、その感覚があるかないかという感覚をつかんでいく
  • 自分は感覚の言語化がへた。自分が困っていた人とは共依存におちいっていたのかな。
  • つながりあえるためには、一人の人間として扱われることが前提
今回も、短時間ながら二人組の演習を入れてみました(二人組のワークには入らない方は休憩していてもらいました)。5分では短かったというご意見多数でした。次回からはもう少し長く確保しますね。 
ご参加くださったみなさま、どうもありがとうございました! 

 【次回以降の勉強会予定】
11月に拡大勉強会(東京大学医学部3号館) 
12月21日(土)15時~(対面)勉強会後に1時間程度 忘年焼き大会 

ゆっきぃのひとりごと:通じ合う感覚について、みなさんのいろいろな感覚をお聞きできてとてもよかったです。通じ合う感覚は、私にとっては対面しているとき(同じ空間にいるとき)が一番感じやすいですが、ネット越し(ZOOM内)でも感じました。このあたり、もっと深めていきたいなと感じました。

10/19の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2024年10月19日(土)13時~14:30 場所:オンライン(ZOOM)
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。
「IPS」でピアサポートを達成するために大切だと考えている4つのこと:
(1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
3.前回までの振り返り(前回は2024年9月21日(土)対面) 前回:ピアサポートの任務
4.ピアサポートの任務(ピアサポートですること)(1巻 p.12~ )
任務1 つながり・通じ合う感覚:これがピアサポートの核心です。
任務2 世界観:ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するよう、お互いに助けあう
任務3 相互性:助けるということを、ともに学び、ともに成長する過程として、とらえ直す
任務4 向かうこと:望まないことを避けるためではなく、望むことに向かって進むよう、お互いに助けあう

任務1:つながり・通じ合う感覚(Connection) 誰かと通じ合う感覚とはどのような体験・体感でしょうか?
つながり・通じ合う感覚こそが、ピアサポートの核心です。~中略~ 信頼関係を築く最初の一歩です。しかし、それは長続きしないことがよくあります。そのために努力し、この感覚があるときと、その感覚がないときに気が付き、つながり・通じ合う感覚を作るために努力する意思を持っていなければなりません。
通じ合っていないとき、判断・審判(Judgment)を下していることがあります。(「あの人は私のことを怒っているに違いない」とか、「なんであんなこと言うのだろう!?」というように)。再び通じ合うためには、それが起きた状況を相手にとっての文脈も含めて理解しようとする必要があります。時には、深呼吸をして、“つながり・通じ合いを断(た)った”ことの自分のパートについて謝ることも必要です。(「ごめんなさい、あなたの言葉に強く反応してしまいました」など)・・・<前回ここまで>
気持ちが傷つけられたり、相手にされなかったり、誤解されたり、他のことに気をとられていたときに、つながり(通じ合う感覚)を取り戻すのは難しいことがあります。つながりが切れた直後には、それは回復出来ないかもしれません。けれども、つながりを取り戻すための方法がいくつかあります。
1. 何が起きたのかを口に出して言う(例:今、つながり・通じ合う感覚が切れていたようだったね)
2. 自分のパートを引き受ける(自分がつながり・通じ合いを切ってしまったと感じたときに、そのことを伝える)
3. 謝る(何が起きたのかに気が付き、その状況での自分のパートについて謝っても良いのです)
4. 尋ねる(例:何か私の言ったことが気になっているのかしら?)
♪つながり・通じ合いを取り戻すために、他にどのようなことが出来そうですか?
♪つながり・通じ合いの演習
Aさん役:誰かとの間で通じ合う感覚が切れてしまった時のことを思い出して、そのとき相手に言われた言葉をBさんに言ってもらうなどしてBさんにそのときの相手役をしてもらいます。その上で、起きたことに気付く言葉、あるいはつながり・通じ合いを取り戻すための言葉を言ってみてください。(関係を続けたい人との間で、傷ついたとか、話したくないと思った場面などを用いての演習)
Bさん役:Aさんの相手役をしてください。
5.勉強会の感想:今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2024年9月21日(土)勉強会(対面)のご報告

9月21日(土)15時~17時に、東京IPS勉強会が対面で開催されました。この日は8名での勉強会でした。

前回の振り返りと、参加者の何人かの方の体験した別のピアサポーター研修の話しなどからはじまりです。

  • サービスというマインドから抜け出せない、支援という考えがやきついている
  • お仕事マインドだと簡潔に、スピーディに、となってしまう
  • 効率にピアサポーターが組み込まれていくような現在のストーリーから抜け出す
  • 相互関係というよりも、支援するされるの関係が明確になっていないと嫌という人もいる
  • 双方が現在のストーリーから抜け出す

ピアサポートとはいったいなんなのか?ということを考える時間にもなった気がします。

続いて、今日のお題、ピアサポートの任務(IPSで言うところのピアサポートですること)です。
(ちなみに、この任務という言葉は、もともと執筆者のSheryさんはtaskという言葉を使っていて、それを何と日本語で言うと良いのかも少し皆で話したことがあります。「タスク」というとちょっと外資系ビジネスっぽい、「大切なこと」という表現も間違いないのだが、やっぱりこれは、ピアサポートでやるべきことなのではないか、というような話があり、今回の勉強会では「任務」と訳しました。)

任務1から4まで、((1)つながり:通じ合う感覚  (2)世界観を理解するために助け合う  (3)相互性  (4)向かうこと)について、です。

  • 少なくともこのIPSの勉強会の2時間の間はこれを思い続けよう
  • IPSは安心のための合意を作ったりしないけど、この4つの考えを共有しているから一緒にこの場を過ごせるのだなと感じた
  • 安心のための合意はしないけれど、勇気を出していつもと違うことにチャレンジしてみようというような考えをIPSではやってみている
  • みんながいっぱい話しちゃうという風になるということか?
    • 何かを発言することがいつも難しい人は、場に自分の考えも出すというチャレンジをしてその場を豊かにする、いつも発言してしまう人は、自分の発言を控えるというチャレンジをすることでほかの人の声が場に出しやすいようにしてその場を豊かにする、というような考えもできる
    • 話すことと聞くこと、その両方ともチャレンジすることができそう
そして今日の勉強会は特に任務1の「つながり:通じ合う感覚」です。もともと「つながり」とだけ訳していたのですが、ここで言っているのは絆というような強い意味ではなくて、もっと瞬間瞬間で変わっていくような、そんな感覚を扱っていると思い、「通じ合う感覚」という言葉を足しています。それぞれのこの、通じ合う感覚について話し合いました。
  • 砂のトンネルを両側から掘って行って、相手の指、手とつながった時の「あー!」という感覚
  • 言葉じゃなくてわかるときめきのようなもの
  • 音楽の話し、あの曲いいよね~、とか
  • そのような通じ合う感覚に意識を向けてみて、その場にそのような感覚があるかを意識してみる、それがIPSでやろうと言っていることなのだろう
  • 少しかすかにあるその感覚を育てたり、その感度を高めたり
  • 自分にとっては電流のようなもの。とても強く感じるときもあれば微弱な感じも。この場にも今、心地のよい何か空気というか弱い電流みたいなものを感じる
  • 一体感が高まるのはこわい。個人でいたい

このまま感想の時間に入っていきます

  • 人数が少なくてゆったりと話せてよかった
  • 話し過ぎる自分は、人の話を聞くこと、人の時間を取り過ぎずに考えてから話すことも大事と気づいてよかった
  • どうしたら通じ合えるような場を作れるかなと思った
  • 通じ合うのは100が良いと思ってしまっていた時もあったが、少なくてもいいんだと思えた
  • 自分と違う世界観を敵だと思っていた
  • 通じ合う感覚の電流のスイッチをオンにするのもオフにするのも自分でできそう。こわいと思うとすぐスイッチを切ってしまうけれど、オンにして通じ合う感覚に意識を向けてみるのも良いと思った
  • 牧師さんの話しで犯罪をおかした人がつながりがたたれちゃうのだけれど、そうではなくて困っている人同士話すというような場をつくる、とか非審判的態度というのを思い出した
  • 通じ合う感覚と察することは違う、日本人の察する感覚というのは違う

今回は通じ合う感覚についていろいろ話ができて、とてもおもしろかったです。ご参加くださったみなさま、ありがとうございました!


 【次回以降の勉強会予定】

10月19日(土)13時~14:30(オンライン:ZOOM)
11月2日(土)3日(日)拡大勉強会 (有料)(東京)

ゆっきぃのひとりごと:通じ合う感覚に意識を向ける、通じ合う感覚の感度を高める、という話がありました。この、通じ合う感買について、ああ、あんな感じか、と自分の退官として感じられると、すごく通じ合える気がします。この感覚、人によって違いそうなので、その感覚をそれぞれの言葉で表現してみる、自分の日常の中でそんなことを感じるときというのを探してみるというのは面白そうだなと思いました。

9/21の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2024年9月21日(土)15:00-17:00 場所:東京大学医学部3号館1階S101
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。
「IPS」で大切だと考えている4つのこと:
(1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
3.前回までの振り返り(前回は2024年8月20日(火夜)ZOOM)
前回:ピアサポートとはそもそもなんなのか?

4.ピアサポートの任務(ピアサポートですること)(1巻 p.12~ )
ピアサポートを達成するためにはどうしたらよいでしょうか?私は4つの中心的な任務があると考えています。
任務1 つながり・通じ合う感覚:これがピアサポートの核心です。
任務2 世界観:ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するよう、お互いに助けあう
任務3 相互性:助けるということを、ともに学び、ともに成長する過程として、とらえ直す
任務4 向かうこと:望まないことを避けるためではなく、望むことに向かって進むよう、お互いに助けあう

任務1:つながり・通じ合う感覚(Connection)
考えてみると、つながり・通じ合う感覚こそが、ピアサポートの核心です。誰か他の人が“わかってくれている”と気が付いたときは夢のようなすばらしい瞬間です。信頼関係を築く最初の一歩です。しかし、それは長続きしないことがよくあります。そのために努力し、この感覚があるときと、その感覚がないときに気が付き、つながり・通じ合う感覚を作るために努力する意思を持っていなければなりません。
♪誰かとつながり・通じ合う感覚があるときは、どのように感じ取っていますか?そうでないときは?

つながりを失っているとき、判断・審判(Judgment)を下していることがあります。(「あの人は私のことを怒っているに違いない」とか、「なんであんなこと言うのだろう!?」というように)再びつながりを作るためには、それが起きた状況を相手にとっての文脈も含めて理解しようとする必要があります。(たとえば「彼は、どういう意味でそう言ったんだろう?」とか。)時には、深呼吸をして、“つながりを断った”ことにおける自分のパートについて謝ることも必要です。(「ごめんなさい、あなたの言葉に強く反応してしまいました」など)
あなたにとって、つながりや通じ合う感覚が断たれる原因となるものとしてどのようなことがありますか?

♪聞く演習・感じる演習
Aさん役:誰かとつながり・通じ合う感覚が断たれた時のことや、そこから思ったことを話して下さい。
Bさん役:Aさんの話を、Aさんに見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。(相手の中で何が起きているか聞いてもよい)

5.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2024年8月20日(火)夜のIPS勉強会(ZOOM)のご報告

8月20日(火)19時30分~21時に、東京IPS勉強会がオンライン(ZOOM)で開催されました。この日は19名での勉強会でした。

毎回同様、呼ばれたい名前と何に動かされてここに来たかを伝え合い、「IPS」で大切にしている4つのこと:(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと について話しました。

前回までの振り返りということで、「ピアサポートとはそもそもなんなのか?」のこれまでに出てきた項目をざっと振り返りました。

  • 「大丈夫な関係」自分も相手も大丈夫な関係性。相手を尊重するがゆえに自分が我慢してしまう関係は大丈夫じゃない
  • 「病名をよりどころにしていない」大事なんじゃないか。気になった。
  • 常にトラウマに配慮してても、どこかで良い方向に行って欲しいって思っちゃって、あるがままを見つめられているのかなって。自分が急ぎすぎているかもしれないし。一歩立ち止まって、目の前の人のそのままを一旦受け止めるっていう作業が大事なんじゃないかなと思ってる。スピード感を求められる時に、目の前の人との関係が難しくなるときがある。
  • ピアサポートとはそもそもなんなのか?病名をよりどころにしない、を強調しないと、なんとか病の患者さん、とか。そこにフォーカスしがち。お互いが人として学び、成長する、っていうことが大事。
  • 生きてく限り、選択する、選んでく。そういう場でピアサポートの関係、ものの見方を再検討するようお互いを励ます、って難しい
  • ものの見方が一致しないと違和感、ざらつき、ちょっと嫌な感じがしたりすることがある。やり方が気に入らないとかそんなときがある。むしろそれを成長の糧にする
  • セッションが音楽に聞こえてよかった

などなどさまざまな話が出てきました。
今日のテーマは、「ピアサポートは意図をもったものです」というものです。健康的な関係、と言うことも出てきました。

  • 健康的な関係?
  • 不健康じゃない 広い意味;お互いが平行線 みたいな関係性;お互いに敬意を感じる
  • お互いに嫌な感じがしない;建設的
  • 健康的な関係は難しい。でもお互いに誰かにしがみつきたいで保っている関係がある。あちこちで追い出された経験を持つもの同士だから、頑張って相手の話を聞こうとする関係。
  • 健康的な行動は早く寝る、とか。IPSみたいな時間を増やすと夜遅くまで お酒飲もうぜ、とかギャンブルしようぜ、とかじゃなくて 長くは続けたくない生活に繋がるような関係は減ってくる
そんな話をしたあとに、二人組になって、聞く・感じる演習をしました。
演習の感想や今日の勉強会の感想です↓
  • 傾聴がすごく難しい。黙って聞いていられない。話してる
  • 数分で相手の見える世界を理解するのは、自分の力量では難しそうだが、姿勢は大事にしたい。
  • 黙って聞いて相手を理解するっていう姿勢は重要なんだろうな
  • こたえがあるわけではないので、聞いてもらって、話してるだけで楽になった。
  • 目の前の相手は自分のことを理解しようとしてくれているんだ、という前提があるので、普段だったらいわないような話も、安心安全だった
  • 話している時には、相手の人が基本黙っているというのは心地が良い なんでかはちょっとわからないのだが。話していて静まる、落ち着いてくるというところを味わった
  • 黙って聞く方も、世界観が伝わって、よい体験だった。効果的な会話。
  • 楽になった。いろんなしがらみの中にいるから大人の事情で話せないこととかも、ピアとの中では話せる。パワーから脱却する。いろんな力が支援関係でも友達関係でもどこでもある。そういうところから抜け出すことが、もしかしたら可能なのかなと。
  • 話す勇気みたいなのと、話して傷つくときのリスクみたいなのも。失敗するときもある。力のある人と力をシェアするというのが自分の一番の課題
  • 数分では理解できないのはそうだが、100年あったとしても理解はできない。でもこの人は聞いてくれない、この人には話したくない、というのはすぐにわかる
  • 理解はできない、難しいけれど、知りたいという気持ち
  • 相手の困りごととか弱さとかしんどいことを聞くと自分がやさしくなる感覚がある。不思議。人の話を黙って聞くと、やさしくなれる自分がいる。それがすごくうれしい。
  • IPSの場にいる人の感覚ってすごくいい。無心に聞けた。フィルターをなくして無心に聞けた。
  • 聞いてもらったときに、医療として治療しようとか治そうというものが感じられず、ただ聞いてくれて、自分の言葉が流れていく、安心して話せる感覚。「ストーリーから抜け出す」自分の悩みを話すことで自分だけではできないことができた
  • こういう空間をどう作るか、枠組みを作っていくというのが大事なことなんだなと思った。回復の空間をどうやって作っていけるか。
  • 話を聞くときって、共感、共感的理解 相手のことをわかろうとする、相手と世界観や価値観は違うかもしれないけれど、それを理解しようとする、それで相手も信用してくれる。話して元気になっていく。価値観や世界観も、良い悪いもない、正解もない
  • こんな風に相手のことを気遣わずに、好きなように話したのってすごく久しぶり。日常生活って、相手が話し終われって思ってるだろうな、とか思いながら。今日は6分間があっという間で。こんな風に話をするってことがなかった。黙っているけど寄り添ってもらってたのかなっていう体験ができた
  • 聞いて頂く場のありがたさが身に染みる体験ができた
  • 人の話を聴く時に、大切なことを改めて考える時間だった
  • 先入観をはずすというワーク 理解するプロセスでなじんでくる フィルターを一回はずす。私たちは先入観にいかにとらわれているか。
  • 支援者はフィルターをつけていく、ピアはフィルターをはずしていく。フィルターをかけるのは医師、はずすのは自分。
  • バイアスのかかってないところで自分の心配事を話す、こたえがないってわかっていても聞いてもらうことは楽だなと体験できた。ジャッジしないというのを大切にしている。整理がつく
  • 自分は安全圏を作りながら話してることが多い。誰と話すかも分からない状況の中で話をしてみる、ということが、ほかのところでもなんとか話せるかもしれないという感じに自分がちょっとなった。自分でもびっくり。変化を感じた気もする。抜け出ても抜け出なくてもどちらでもいい、自分は自由なんだなと
  • 居心地が悪いって言える関係性というのがとても大事なはずなのになぜ言えないのか
今回は、ZOOMでしたが、短時間ながら二人組の演習を入れてみました(二人組のワークには入らない方は休憩していてもらいました)。
ご参加くださったみなさま、どうもありがとうございました!

 【次回以降の勉強会予定】

9月21日(土)15時~17時(対面)
10月19日(土)13時~14:30(オンライン:ZOOM)
11月に拡大勉強会(東京大学医学部3号館)

ゆっきぃのひとりごと:平日の夜の開催が、年に一度くらいあります。夏の夜の対話、静かな良い時間でした。静かに人と話す。こんなこと言ってよいかな、と思うことも話してみようと思えるくらい安全を感じられる場で話す、って私にとって大事な時間なんだな、と思いました。そんな時間を、良い時間と思う仲間がいることがとてもうれしいです。

8/20の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2024年8月20日(火)19:30-20:00 場所:オンライン(ZOOM)
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。
「IPS」で大切だと考えている4つのこと:
(1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
3.前回までの振り返り(前回は2024年7月21日(日)10-12時 対面)
前回:ピアサポートとはそもそもなんなのか?
お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすること
4.ピアサポートとはそもそもなんなのか?(1巻 p.7~ ) (2月からの続き)
私たちがピアサポートと呼んでいることは何なのでしょう?誰かの面倒をみる?治療を提供?違います。
お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすることです。 これまでの項目:(1)提供することと受け取ること;(2)病名をよりどころにしていない;(3)ピアサポートの関係では、ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を再検討するようお互いを励ます;(4)ピアとの間で大丈夫な関係を築くだけでなく、この世の中での振る舞い方をどんな風に学んできたのか考察する;(5)トラウマの経験を考慮したピアサポート

(6)ピアサポートは意図をもったものです
意図を持ったというのは、特定の目的をもって関係を結んでいるということです。ピアサポートでは、健康的な関係であることを前提にしているのですが、そこには、特定の意図があります。
この意図とは、双方が、現在のストーリーから抜け出す助けになるようなやり方で、意識的にコミュニケーションを行うということです。
私たちが聞いたり、話したりすることは、“私たちの物事の見方(どのようにしてそう思うようになったのか)”に由来するということを常に意識して、コミュニケーションをします。会話の中で、自分が信じている真実から一歩引いて、自分にとっての真実を保ちながら、他の人の真実にも深く心を開くということです。このような対話をしているときには、どちらか一方だけでは知り得なかったようなやり方で、物事を見、聞き、知る可能性を、どちらもが得ることになります。

♪聞く演習・感じる演習
Aさん役:何か自分の困りごと・心配を話す。感覚を味わう。
Bさん役:Aさんの話を聞く。(相手に見える世界を理解しようとしながら)。黙って聞くだけでよい。(相手の中で何が起きているか聞いてもよい)
5.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2024年7月21日(日)勉強会(対面)のご報告

 7月21日(日)10時~12時に、東京IPS勉強会が対面で開催されました。この日は13名での勉強会でした。

いつものように、呼ばれたい名前と何に動かされてここに来たかを伝え合い、「IPS」で大切だと考えている4つのこと:(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと について話しました。

前回の振り返りやIPSについて思うことを話し、今日のお題「トラウマの経験を考慮したピアサポート」についてのお話しになりました。

IPSは、そもそもシェリーミードさんが、トラウマの経験に配慮したピアサポート(Trauma Informed Peer Support)と当初からずっと言ってらして、しかしその頃のトラウマインフォームドケアの提唱をされていた組織等からのいろいろによりトラウマインフォームドと名乗ることは断念したとお聞きしたことがありました。しかしそのように名乗らなかったとしても、IPSがその人のこれまでの経験に意識を受けるものであって、トラウマの経験を考慮したものであることは感じられていました。

  • 何があったのですか?
  • 手が上にあがると叩かれると思って逃げちゃう
  • 以前は、家族を怒らせているのではないか、何か悪いことしたかな?とか、嫌われたらいやだな、とか、そんな思いがある
  • 反応モードに入りやすい
  • 不機嫌な人を見たときに思ってるしまう認知パターン
  • いつも怒鳴ってる人も本人は怒鳴っているつもりはなかったり

等の話しをしたあと、二人組になって、それぞれの困りごとの話しのあとに続ける言葉を2パターンやってみてどのように違うかを体験するということをしました。その二つのパターンは、①どうしちゃったんですか?具合が悪いんですか? ②何かあったんですか? です。

やってみた後の感想としては

  • 「何があったの?」と聞かれることで外部に視野が向く
  • 深くまでいける
  • 「あなたの中で起こっていることはなんですか?」と聞いてくれたので、自分の中のこととその背景も話すことができた。感情の言語化は難しいけれど、聞いてくれた
  • 「何があったんですか?」はよく聞かれる言葉なので、また診断がはじまった、と思う
  • 「どうしちゃったんですか?」は責めてる、「何かあった?」は理由を聞いている
  • どこが悪いの?はジャッジする言葉。何があったの?も言い方だったり、醸し出される感覚だったり、言葉以上に表情や感じで違うと思う
  • お互いにゆっくり話すと良い。早く話すと間隔が狭まる
  • 安心できる場所だからできたこと。こういう環境をつくっていけるとよい。関係性が前提にある
  • 何を言ったとしてもクライアントを傷つける前提でいろいろ考える
  • 自分とのつながりが大事。私の気持ちを大事にする。相手の世界観を大切にしつつ、でも自分の言えなくなっていることにも気付く
  • 私のことを理解しようとしてくれる誰か一人がいてくれること

などを話しました。二人組で実際に話してみるというのはさまざまな気づきがあるなと感じました。ご参加くださったみなさま、どうもありがとうございました!

【次回以降の勉強会予定】
8月20日(火)19時30分~21時(ZOOM)
9月21日(土)15時~17時 対面(東京大学医学部3号館)
11月に拡大勉強会(東京大学医学部3号館)

ゆっきぃのひとりごと:トラウマの影響に配慮するというのは、おそらく、なんという言葉を使うかというよりも、相手へのまなざし、人にはいろいろな事情がある、さまざまな経験をしてきて、人は自分の経験からさまざまな対処をしている、ということへの敬意が大事なのかな、と思いました。そしてそのように感じるために、さまざまな経験について話をしたり聞いたりすることは、まだ知らない相手の経験への敬意の幅が広がるような気がしました。

7/21の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2024年7月21日(日)10:00-12:00 場所:東京大学医学部3号館1階S102
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。
「IPS」で大切だと考えている4つのこと:
(1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
3.前回までの振り返り(前回は2024年6月16日(日)ZOOM)
前回:ピアサポートとはそもそもなんなのか?
お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすること
4.ピアサポートとはそもそもなんなのか?(1巻 p.7~ ) (2月からの続き)
私たちがピアサポートと呼んでいることは何なのでしょう?誰かの面倒をみること?治療を提供?違います。
お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすることです。
(1)提供することと受け取ること;(2)病名をよりどころにしていません;(3)ピアサポートの関係では、ものの
見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を再検討するようにお互いを励まします;(4)ピアとの間で大丈夫な関係を築くだけでなく、この世の中での振る舞い方をどんな風に学んできたのか考察する
(5)これはトラウマの経験を考慮したピアサポートです
トラウマの経験を視野に入れたピアサポート(トラウマインフォームドなピアサポート)は、他のいくつかのピアサポートのモデルとは異なっています。ここでは、「何があったのですか?」という根本的な問いかけをすることから始めます。従来の「どこが悪いのですか?」という問いではなく。このように視点を移すと、お互いからとても多くのことを学ぶことが出来ます。これについては、ワークブックの後半で詳しくお話します。
強い感情があるときや、行動(遅刻した、言葉が出ないなど)が出たときに、「どうしちゃったの?」と言われるのと「何があったの?」と言われるのとで、あなたの回答や思い起こされることに違いはありますか?
♪聞く演習・感じる演習
Aさん役:何か自分の困りごと・心配を話す。2回。Bさんの問いかけに適宜こたえる。感覚を味わう。
Bさん役:Aさんの話を受けて、①どうしちゃったんですか?(具合が悪いんですか?)と聞く。しばらく聞き続けて区切りの良いところで一旦会話を終える。もう一度、Aさんに最初から困りごとを話してもらい、②何があったんですか?と聞く。(相手に見える世界を理解しようとしながら)。
5.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。


2024年6月16日(日)勉強会(ZOOM)のご報告

6月16日(日)15時~16:30に、ZOOMで東京IPS勉強会が開催されました。この日は21名での勉強会でした。

いつものように、はじまりの確認をして、「IPS」で大切だと考えている4つのこと:(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと について話しました。

テレビを見るようにではなくて、互いに通じ合うように話を聞く、という思いや、うんうん、っていう相づちの感じ、との声を出してくださった方々がいて、ほんとにその通りだなぁと思いました。

次いで、前回の「(3) ピアサポートの関係では、ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を再検討するようにお互いを励まします。」の振り返りをしました。そのことともつながる今日のお題が、「(4) ピアサポートは、ピアとの間であれば大丈夫でいられる関係を作るだけでなく、さらに視野を広げて、この世の中での振舞い方をどんなふうに学んできたのかを、その関係を通して、考察するためのものです。」です。

  • なんでそこに置いたの?という一言を聞いたときに、ごめんなさい、と思ってしまう自分がいるけれど、ただ純粋にそこに置いた理由を聞いているだけなのかもしれない
  • 入院していた時に、あなたはずっとそのままでいたいのか?とスタッフから聞かれてはっとしたというシェリーさんの話し

そんな話が全体で出てから、3-4人組にわかれてそれぞれの話をしました。また全体に戻ってから

  • ちょっと離れた人と会ったときに新たな発見、気付きがある
  • それまで、この人の言うことが正しいとか、自分より良いものを持っていて取り入れたいと思ってしまっていたけれど、その人は自身の経験の話をしていて、自分には自分の経験があって、それぞれに経験があるということで対等だよね、と話し合うことができた
  • 自分にも守るものがある。怒りを覚えるもの、悲しみをおぼえるものの内側には守りたいものがあったと気づいた
  • 自分の気持ちを正直にテーブルの上に出したときに、相手から否定されたりすると、にそんな否定しなくてもいいじゃんと思ってしまったりしていたけれど、今は感情を横に置いて、この人(相手)はこんな風に思うタイプなんだな、とか思えるようになった。すぐにやり合わないでできるようになってきたのは、いろんな人と話したから。いろんな人との関わりを経験したから。たくさんの人と話をして、正直にテーブルの上に出していく
  • WRAPやIPSと出会って、そこで知り合った人たちと関わって、新しい見方にひらかれた。自分に対しても世界に対しても、見え方が変わった
  • ピアサポートという言葉を知る前の自分の主治医。あなたはどうしたいの?自分の主体性を尊重してくれた人がいた。自尊感情が低かったけれどそこで育まれて、WRAPとかIPSに対する興味も育まれてきたのかな
  • 信頼関係とか、時間をかけてとかいうけど、初めてであった人でも、安心感を得たり気づかせてくれたりすることある
  • グループの人のこととか、どこかで自分で決めつけてしまっていたことに気付いた
  • ほかのスタッフの見方にしっくりこないと思ったこともあったけれど、自分がイライラすることでもないと思った。そのスタッフもその人のためを思ってやっているのであって、そのスタッフとその相手の二人の間の問題
  • 立場を超えてもフラットに人として話のできる関係性ができると良い
  • WRAPとかIPSを学んで、互いに学び合う関係性の中から、自分の見方が変わったし、いろんな人に世界観があるんだなと学んだ
  • 学び合うって勇気が必要。自分の思いを伝えたり、相手に聞いたりとか、チャレンジとか勇気も必要。チャレンジして得るものは貴重な学び
  • 新しいものの見方。出会ってすぐに取り入れることもあれば、ちょっと抵抗があったり、いぶかしんで、取り入れるまでに時間がかかるものも自分にはあった。あきらめずに伝え続けることも大事。ぶつかる関係性になってるときって受け入れるのが難しいこともある
  • 何人もの先生に出会ってきたけれど、恩師として名前が浮かぶ先生たちがいる。貴重な出会い。
  • ピアスタッフとスタッフ
    • 現実には対等ではない 稼ぎが違う、という話をされたことがある。そういう目線があるということを心に留めておく。
    • どういう立場にあろうが、ものの見方のありよう
    • 人と人として分けずにどうあれるか

などなど、さまざまな話をしました。

ご参加くださったみなさん、どうもありがとうございました!

【次回以降の勉強会予定】
7月21日(日)10~12時 対面(東京大学医学部3号館)
8月20日(火)19:30-21時(ZOOM)

ゆっきぃのひとりごと:今日はZOOMだったこともあり、全国各地からのご参加がありました。九州地方の方もたくさんいらしてくださり、ありがとうございました。私は、WRAPとIPSに出会ってから、ずいぶん元気になりました。こんな風に考えていいんだな、と知って(いいも何もないはずなんですけどね)、自分や他者の声を聴くことの大切さに気付くことができて、自分に対する見方も、世界の見え方も変わったように思います。WRAPやIPSで出会った人たちとの関係が、そうさせてくれたんだな、としみじみと考えていました。

6/16の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2024 年6月16日(日)15:00-16:30 場所:ZOOM
1.はじまりの確認(チェックイン): 呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。
「IPS」で大切だと考えている4つのこと:
(1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
3.前回までの振り返り(前回は2024年5月18日(土))
前回:ピアサポートとはそもそもなんなのか?
お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすること
「成長」とは何か?
4.ピアサポートとはそもそもなんなのか?(1 巻 p.7~ ) (2 月からの続き)
私たちがピアサポートと呼んでいることは何なのでしょう?誰かの面倒をみること?治療を提供?違います。お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすること?その通りです。
(1)提供することと受け取ること;(2)病名をよりどころにしていません;(3)ピアサポートの関係では、ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を再検討するようにお互いを励まします。
(4) ピアサポートは、ピアとの間であれば大丈夫でいられる関係を作るだけでなく、さらに視野を広げて、この世の中での振舞い方をどんなふうに学んできたのかを、その関係を通して、考察するためのものです。
ここが、ピアサポートの核心をつくところです。ピアサポートの関係は、人との関わり方のパターンの中で、私たちがどこで行き詰まるのかを探る機会を与えてくれます。難しいのは、居心地よく感じられず、支持されている気がしなくても、やり通すことです。お互いの違いを乗り越えようとしている過程をあきらめず、新たなものの見方を試す不安な気持ちに耐えて、やり通すことです。これは“言っていることを実行する”ために、お互いに支えあい、挑戦しあうつもりがあることを意味しています。
♪ 新しい見方で自分を見るように導いてくれた関係について思い当たるものはありますか?
5.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2024年5月18日(土)勉強会(対面)のご報告

5月18日(土)15時~17時に、対面で東京IPS勉強会が開催されました。この日は13名での勉強会でした。

いつものように、はじまりの確認をして、「IPS」で大切だと考えている4つのこと:(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと について話しました。

前回の「(2)ピアサポートは、精神医学のモデルや病名をよりどころにしていません。」の振り返りをしました。

この日のお題は「(3) ピアサポートの関係では、ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を再検討するようにお互いを励まします。」です。

  • 支援、クライアントみたいな言葉、上下関係
  • 仕事モードに入ると上下関係
  • いやしてあげるのではなくて、癒しとは、相互関係があるから癒し
  • 共感した時点で成長
  • 共感できるって稀有なこと
  • 症状と強い感情について、精神科経験のない人の方が、「落ち着いて」とか「少し休んだら」って言ってくれたりする(症状としてではなく人間の感情として扱ってくれる)
  • 強い感情が出るのには理由がある
  • 丁寧に対応しようとすると時間がかかる。時間を短くしようとして薬を使っちゃったり。スローライフに慣れないと。
  • 眠れない→頓服 じゃなくて。
  • 世の中も変わってきている。昔は「皆勤賞」というものがあったり、我慢することが美徳、24時間闘えますか、だったけれど、社会も変わってきている
  • WRAPの権利擁護、自分の声を出してみる 合理的配慮の使い方、自分なりの付き合い方、社会との向き合い方
  • 人権についてよく考える。症状があるままで幸せになれる
  • でも自分は普通になりたい
  • 治す、まくす、解決、そういう価値観
  • 50年後の人はどう見るでしょうね。精神疾患がどう扱われているのか、見てみたい
  • バリケードをはって締め出す「強い感情」
  • いつも向き合ってると大変なので、元気になったら考えてみようかな

などなど。少人数での対話の時間も含め、さまざまな話をしました。

ご参加くださったみなさん、どうもありがとうございました!


【次回以降の勉強会予定】

6月16日(日)15時~16時30分(ZOOM)

7月21日(日)10~12時 対面(東京大学医学部3号館)

ゆっきぃのひとりごと:スローライフに慣れること、急がないこと、さまざまな意見が出ることこそが豊かなことであること、そんな考え方をいいねと言えたり、安心して自分の考えたことを言える場というのは貴重だなと感じました。確かに、50年後には精神疾患がまた全然違うものになっていたり、違う扱われ方をされていそうだなと感じました。

5/18の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2024 年 5 月 18 日(土)15:00-17:00 場所:東京大学医学部3号館2階 S201/202
1.はじまりの確認(チェックイン): 呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。
「IPS」で大切だと考えている4つのこと:
(1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
3.前回までの振り返り(前回は 2024 年 4 月 20 日(土))
前回:ピアサポートとはそもそもなんなのか?
お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすること
「成長」とは何か?
4.ピアサポートとはそもそもなんなのか?(1 巻 p.7~ ) (2 月からの続き)
私たちがピアサポートと呼んでいることは何なのでしょう?誰かの面倒をみること?治療を提供?違います。
お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすること?その通りです。
(1)提供することと受け取ること;(2)病名をよりどころにしていません
(3) ピアサポートの関係では、ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を
再検討するようにお互いを励まします。
物事の見方や人との関わり方は、これまでの人生で受け取ってきた、数多くのメッセージの結果です。
つまり、これまで経験したことに基づいて、私たちは世界観を形成し、物事を理解します。こう考えてみるだけで、
他に沢山の真実があるかもしれないという可能性に気付くきっかけになるでしょう。
後に、“世界観”について多くの時間をとりますが、あなたが、自分の経験をどのように理解しているか
考えてみることが大切です。
♪ 強い感情と症状の違いは何でしょうか?どうして、その区別をするようになったのでしょう?
5.勉強会の感想:今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2024年4月20日(土)勉強会(ZOOM)のご報告

2024年4月20日(土)14:00-15:30にIPSの勉強会がオンライン(ZOOM)でありました。

この日は12人のご参加がありました。

いつものように、はじまりの確認をして、IPSで大切にしていることと、前回(2月と3月)の振り返りをしました。

  • わずかなことでも成長
  • 普通の支援関係は相互性がない。支援関係はわかりやすくて、良い面もあるけれど、それだけだと一方的で、支援されるだけだと幸せになれない
  • 自分が相手から学ぶばかりで、自分が相手に提供できることなんて何もない、「相互に」なんてないと思っていたけれど、自分にはこう思えていた世界が、あなたから学んだことでこんな風に広がった、と伝えるだけでも、もしかしたら相手にとっても新たな視野が広がることにつながっていたかもと今では思う
  • 教えるんじゃなくて傾聴が大事
  • お互いの正直な即興の中で、変わっていくそれぞれを楽しむ、変化していくことを喜ぶおとが成長
  • 自分にとって大事なこととか、自分はこれを当たり前に思っていたということに気付く、ということが大事

そして今月のお題は、「(2) ピアサポートは、精神医学のモデルや病名をよりどころにしていません。」です。今回は、4人ずつのグループに分かれてそれぞれ話し合いました。

全体に戻ってから

  • 精神疾患の歴史。対等にというのが難しい。
  • ついそのように思っていまって後で反省したり
  • ほかの人がそのようなことを言って、それは違うと思ったときにうまく言えない。私はこう思うんですって言える自分になれたらいい
  • 診断名を道具として使うことがある
  • 本当はどんな背景があるんだろうとか私はこう感じるとか交渉をするところを、「病気だから」って思考停止しちゃって、箱に入れて片付けちゃうところがある
  • 病気だから、とか、精神医学のことではないけれど、その人の立場とか位とか評価を通して誰かを見ちゃうことがある
  • それはないだろう!と思ったときに言えるようになっていきたい。IPSで連封もできそう
  • 何か思ったことを一人で抱えるのではなくて、IPSの勉強会の場とかで共有して、今度はどんな風に世の中に返していけるのかを一緒に考えていきたい
  • 積み重ねて考えている仲間がいると思えるだけで頑張れる
  • バリアを作りたがる自分。隔たりを作らずに。
  • 立場を一回脱いでもらって話せたらいい
  • クロストークでこういう話をできたのは、自分の回復への手がかり、手助けになった
  • 病気って肩書みたいな扱われ方をしちゃっているときがある
  • グルーピングをしたり短絡は、他人に対しての無精
  • IPSの価値観を伝わりそうな人に伝える。伝わりにくい人に伝えようとしても難しいから、まずは伝わりやすい人に
  • 自分はけっこう傷ついている部分があったと気づいた。そこに気付けたのはまず一歩。昔だったら傷ついたまま人を傷つけていたかもしれないけれど、そうではない関係を作っていく
  • 「病気だから」は考えることをやめて、つながりを切ってしまっていること、相互性もなくなっていまっていることに気付いた

というような意見交換がありました。

ご参加くださったみなさん、どうもありがとうございました!

【次回以降の勉強会予定】

5月18日(土)15時~17時 対面 東京大学医学部3号館 2階S201/202

6月16日(日)15時~16時30分(ZOOM)

    ゆっきぃのひとりごと:精神科の前提や、病気だから、とかだけじゃなくて、地位とか肩書とか他者の評価とかを通して相手を見てしまい、話し合ったり交渉したりを省略したり、あきらめてしまったりしていることがたくさんあるなと思い当たりました。今日は久しぶりにブレイクアウトルームも使い、少人数でお話しできたのもよかったです。本当にありがとうございました。

4/20の勉強会の資料内容です。

    IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
    日時:2024年4月18日(土)14:00-15:30 場所:東京大学医学部3号館S102
    1.はじまりの確認(チェックイン): 呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
    2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
    (IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。
    「IPS」で大切だと考えている4つのこと:
    (1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
    3.前回までの振り返り(前回は2024年2/10(土)ZOOM, 3/16(土)対面)
    ピアサポートとはそもそもなんなのか? 
    お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすること 「成長」とは何か?(2月)
    受け取る関係?人間関係? 話を聞く二人組(3月) 
    4.ピアサポートとはそもそもなんなのか?(1巻 p.7~ ) (2月からの続き)
    私たちがピアサポートと呼んでいることは何なのでしょう?
    お金を払って得る友達?誰かの面倒をみること?治療を提供しているの?違います。
    お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすること?その通りです。
    (2) ピアサポートは、精神医学のモデルや病名をよりどころにしていません。
    これは当たり前に聞こえるかもしれませんが、多くの人にとって、ネックになっています。IPSを学ぶ中で、このことは何度も話題になるでしょう。思ったより実行が難しいことです。物事がうまくいかなかったり、混乱したり、恐れや不安を感じたときに、病気のレンズを通してお互いを見てしまいがちです。トレーニングの最中に、自分や人に対して、精神医学的な前提を持ち込んでしまっているとき、それに気付くことが大切です。
    ♪あなたは、「病気だから」と自分や他者に対して思ったりしたことはありますか? 
    「病気のレンズ」を通して自分や他者を見ること、「精神科の前提」について、思い当たることはありますか?
    5.勉強会の感想:今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。