12月21日(土)15:00-17:00に、東京IPS勉強会が開催されました。この日は13名での勉強会でした。
毎回同様、呼ばれたい名前と何に動かされてここに来たか、その後で、意図的なピアサポートの意図とは「お互いが学び、成長するようにしようとしている」ということと、「IPS」で大切にしている4つのこと:(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと について話しました。
特に、IPSの勉強会の最中(例えば今日の2時間)、この4つのことに取り組んでみよう、通じ合う感覚は、理解し合おうと努力する、たとえばちゃんと聞く、ということに取り組んでみよう、というような話が出ました。
また、助けから学びへ、個人から関係へ、恐れから希望へ、というIPSの原則の話しから、恐れから希望へ、は、恐れてはいけない、と言っているように感じたというお話がありましたが、おそらくこれは、こうなったら嫌だから言わないでおこう、とか、こうなると困るから相手を制限しようというような「恐れ」に基づいた考え方の関係になるのではなくて、ということでしょうかね、というような話しもしました。
たとえば精神保健福祉の場で、少し具合が悪くなった人がいた場合に、「大丈夫?」「帰る?」と支援者がすぐに聞くなどが気になった、というようなことはまさに、助けから学びへ、恐れから希望へ、というようなところと関係してそうだなぁと感じました。
また、「意図的」というのはどのあたりだろうね?というお話では
- こういうところに私たちは向かっている、というあたりが意図なのではないか?
- 自分がこういう考え方に陥っているなと一歩引いて考える
- おそれている自分に気付く
- 怖いにもいろいろ、わからないにもいろいろ
- 揺れ動きがあってもいい
- 助けもあるけど学びもある
- 一方向ではなくて行ったり来たり
などなど皆さんとお話ししました。
前回の振り返りで、「通じ合う感覚」の体感の話しも出てきて、
- 自分とつながっている感じは、足が地に着いているという感じがしたときに感じる
- 肩に力が入っていたことに気付いて肩をストンと落とすとき
- ケンカをしたパートナーと手をにぎると、それまで離れていたのがまたつながる感じ
- 通じ合っているときは心地よく集中している。恐れがあるとき、うまいこと言わなきゃなどのときはそういう感覚がない
などなど身体の感覚などとも含めた話しもしました。
そして今回は、「世界観」です。
こちらについて、皆でいろいろ話した後に、二人組になって、話す人と、相手の世界観を理解しようとしながら聞く人になって、練習をしました。
- 世界観を聞くっていうのは、相手の周りの人の顔まで浮かんでくるような、こんな感じなんだな、と感じた
- こういう会に来ようと思うことがすでに意図的と感じた
- 一人でいると自分にダメ出ししちゃったりするけれど、「個人から関係へ」。ダメ出しと恐れはつながるけれど、ダメ出しをしたり恐れたりする必要のなくなる関係にあると、押さえ込まれていた希望があらわれてきたりもするのかなと思えた
- 聞いてもらえた感がとてもあった
- 理解しようとしてくれている、話してくれようとしてくれているのを体験して、大切にされている感覚を感じることができた。温泉につかっているような感覚
- 今日のお題の「〇〇という人のことをどのように表したり説明したりしますか?」言葉が気になった。その人がいるならその人が自分で言うことだし、その人がいない場でその人のことを言うのはしたくないと思った
といった感想がありました。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました!
【次回以降の勉強会予定】
1月26日(日)14時~15:30(オンライン:ZOOM)
2月15日(土)14時~16時(対面:東京大学医学部3号館)
ゆっきぃのひとりごと:今日もたくさん気付きがありました!恐れとか助けとかを禁止したいわけではなくて、どんな関係、どんな方向へ向かいたいかについてなんだなぁ、と思いました。また、「〇〇という人のことをどのように表したり説明したり~」は、おっしゃるとおりで、私の資料への書き方はまさにそう受け取れてしまうよな、と思いました。「〇〇という状況のことを、」という場面設定なんだなと再確認できました。こういった気になってしまう表現についてとか、言いにくいだろうとも思いつつ、そういうコメントや感想を言って頂ける場であることもうれしく思いました。
12/21の勉強会の資料内容です。
IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2024年12月21日(土)15:00-17:00 場所:東京大学医学部3号館1階S102
1.はじまりの確認(チェックイン)
① 呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。
「IPS」でピアサポートを達成するために大切だと考えている4つのこと:
(1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
3.前回までの振り返り(前回は2024年10月19日(土)ZOOM)前回:ピアサポートの任務
4.ピアサポートの任務(ピアサポートですること)(1巻 p.12~ )
任務1 つながり・通じ合う感覚:これがピアサポートの核心です。
任務2 世界観:ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するよう、お互いに助けあう
任務3 相互性:助けるということを、ともに学び、ともに成長する過程として、とらえ直す
任務4 向かうこと:望まないことを避けるためではなく、望むことに向かって進むよう、お互いに助けあう
任務2:世界観;ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解するために、お互いに助けあうこと(Worldview)
どのようにしてそう思うようになったのかを理解するのを助けあうとは、自分たちの“認識”から一歩引き下がり、その認識をどのようにして獲得したのかについて考えてみることです。文化的な背景、家族の背景、これまでの個人的な経験のすべてが関わっています。これは時に、ある経験に対していく通りもの理解の仕方があるということを、心から信じられるようになるための重要な一歩になります。
♪他の人には聞こえない声が聞こえるという人を、あなたはどのように表したり説明したりしますか?
♪そのように考えるようになったのはどうしてでしょう?
♪そのように考えたとき、その人を援助する、とは、どのようなものになると思いますか?
♪もし、他の人には聞こえない声が聞こえることは貴重な経験だと考えられている文化の中で育ったとしたら、そのような声が聞こえる人のことをどう思うでしょうか?
私たちのものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を理解することを助けあうとしたら、まずはじめにすべきことは、自分のものの見方(私は、どのようにしてそう思うようになったのか)について探索してみることです。私自身がとらわれていたら、ほかの人のとらわれを解消する助けになることはできません。
♪聞く演習・感じる演習
Aさん役:自分のことをどのように表現しますか?そう考えるようになったのはどうしてでしょう?
そのことについて話してください。
Bさん役:Aさんの話を、Aさんに見える世界を理解しようとしながら聞く。黙って聞くだけでよい。(相手の中で何が起きているか聞いてもよい)
5.勉強会の感想:今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
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IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。