2021年8月17日(火)のZOOMでのIPS勉強会のご報告

8月17日(火)19:30-21:00にIPS東京勉強会がZOOMで開催されました。今回は、3月以来の夜の会です。さまざまな地域からのご参加をありがとうございました。この日は17名での勉強会でした。

まずは前回の振り返りで「居心地の悪さと共にいること 学びにひらかれるために」について出たご意見の一部をご紹介します。

  • 自分の安心だけを求めるのではなく、新しいことをこころみる、自分の安心を乗り越えたチャレンジというのがあるのでは。
  • 以前の自分がはまっていた罠は、離脱症状を恐れるということ。中毒的なところから抜けようと思ったら離脱症状が起きる、でもそれを乗り越えることもタイミングによっては必要。つらいことを我慢して乗り切るという精神論との区別が難しいんだけど、「我慢しちゃダメ」と「自分を守ってしまう」と「乗り切って乗り越えていきたい」の区別。乗り越えるための健全なハードルなのか、自分を傷付ける苦しみなのかを丁寧に感じられるようになりたい。
  • 学ぶということは、以前の自分と変わるということであり、変わるというのは居心地の悪いことでもある。

そして、前回(7月)からの引き続きの今日のお題「クライシスでピアサポートを活用する」
①困難なときにあなたが取る反応について考えてください。その反応は、あなたにとってどのような役目を果たしてきましたか?
②将来はどのように対応したいですか?
について自由に話しました。

  • 望ましくないことを避けるのではなく、望むことにむかって進むことがポイントだと思うけど、自分が望むことをいつもわかっているとは限らない。自分は何を望むんだろうってわからないと、親の言ったことを望んじゃうとか、世間一般の言うことを望んじゃうとか、注意が必要。
  • WRAPの印象から、クライシスの状態というとコントロール不能で自分の主体性をほかのひとにゆだねると感じちゃう。どうしたいか言える状態というのは、クライシスのちょっと前か、ポストクライシスじゃないとどうにかできないという感覚がある。なので、自分が望ましい状態に行く、というのはクライシスにならないようにする、クライシスになりそうなきっかけを先に気付くとか、そういうことが必要になるのかな。
  • ピアサポート。誰かと、人間関係を取っておいて、周りの人に気付いてもらうというのもあり。今後、まわりの人に気付いてもらえるような人間関係を作っておくということが、今後自分のしたいこと。
  • 家族も仲間になり得るんだと思った。親の気持ちがわかってきた。家族会とメールのやりとりをしたり。今は意図して、親に話しかけるようにしてる。
  • コントロール不能なときのことを経験することで、学んだ。自分の信じる人達の声を聞けていなかった。わかってもらって、対応してもらうのが大事。
  • 「自分のことを冷静に伝える。」自分が爆発してしまいそうだ、って冷静に伝えるのって難しいけれど、怒りをぶつけられる立場の視点になったら、脅威。怒ってるっていう情報しか入ってこない。だとすると自分のわかってもらいたい部分は全く相手にはわかってもらえてない。怒ることは大切だし、ダメじゃない。でも怒っちゃうと自分が本来求めたいことが相手に届かなくて、これでは意味がないと気付いた。大声を出したいくらい怒ってるんだよ、ということを冷静に伝えるのは難しいとは思うのだけれど。
  • ①黙り込む。”緘黙状態”。からだは"硬直状態”。この態度は、鎧として自分を守る手立て。②言語化したい。「わたしは混乱してます」のような子供のようなボキャブラリーでもいいので、説明したい。メモでもいい。
  • ①最初にカッとなって怒りが湧いてすぐに相手に反論したくなる。自分がバカにされたような気になるから。ずっとそういう反応をしてきた。今思えば、そうすることで自分を守っていた。②これからは反論ではなく、気持ちを丁寧に言葉にして、相手とやりとりをしたい。
  • 気持ちを言語化したい、対話をしたい
  • 花屋さんに行ったり、声かけたり。支援者とか精神の領域とかじゃない人と話すのはいい。そういうところから対話の糸口をみつける。
今日の感想です。
  • 安住の地から出るのは怖い。安住の地の壁から外に出ようとすると意識が飛んでしまう。身体反応レベルで無意識に。
  • 乗り越えるべき困難と、世間的な常識に支配されて我慢していることを区別をつけるようにしている最中。
  • 怒っている人、落ち込んでいる人、泣いてる人に、どんな風にできるだろう。自分だったらどうして欲しいだろう。あなたのその状況に気付いている、という空気を出しながら、ただ黙って頷いたり。へたな言葉は何も言えない。
  • 井戸端会議は、なんだか居心地が良さそう。内容がわからなくても、何を言っても話を引き取ってもらえるような、そんな場なのだろうか。
  • クライシスが医療の分野でいうと入院しないといけないような危機的状況だと考えると、今の精神科医療で「クライシスでピアサポートを活用する」というのは難しかったり、支援者が優位な支援になってしまうこともあるかもなと思った。
  • 怒ってる相手に限らないけれど「今どんなことが浮かんでますか?」と聞くことがあります。
  • 自分の感情に敏感になり、自分の感情を大切にすることができると、相手の気持ちも想像することができるかも。
このほかに、当事者としての経験を持ちながら福祉など支援の資格を取ることについてや、怒りについて、ピアサポートという言葉は使っていないけれど仲間との関わりの良さなどなどいろいろな話がありました。みなさま、ありがとうございました!

次回:9月11日(土)13:30-15:00
東京周辺のIPS勉強会のメーリングリストにzoomのログイン先をお知らせしています。 zoom勉強会にご参加になられたい方でゆっきぃをご存じの方はゆっきぃへ直接、そうでない方は「IPS東京勉強会」 ipstky@gmail.com までご連絡ください。

-私(ゆっきぃ)のひとりごとです-
自分がありたい方向へ向かうために乗り越える困難と、世間的な常識にとらわれて越えねばならぬと思い込んでいる困難の区別についてのお話がありました。それがつけられて、自分で選んでいけるといいなぁと思いました。自分の進みたい方向ではないところから飛び出てくるもので自分を追い込んでることが私は多いなぁと感じました。自分の中心に戻って自分の感情を感じること、大事なんだなぁと思います。

今日の勉強会の進行↓
IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2021年8月17日(火)19:30-21:00 場所:zoom
1.はじまりの確認(チェックイン)
呼んで欲しい名前  ②何に動かされてここに来ましたか?
2.前回までの振り返り   クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.16~)
3.居心地の悪さと共にいること 学びにひらかれるために
4.クライシスでピアサポートを活用する(7巻 p.16~)
クライシスが“治療”の経験になってしまうことがあります。私たちの多くにとって、クライシスは、困難な経験に対する、パターン化された反応になっています。しかし、精神保健システムでは、それは私たちに降りかかる何かだと教えられてきました。もしその信念を持ち続けているとすると、私たちに出来る最善のことは、できるだけ体裁よくそれを通り抜けることです。そのような困難なときを“通り抜け”続けているとしたら、私たちはどうやって、その経験を全く新たに考え直すことが出来るでしょうか?ピアサポートではどのような問題であれ、私たちには、3つの基本的な課題があることをお互いに思い出すようにすることが大切です。 
  • 私たちのものの見方(どうしてそう思うようになったのか)を見出し、新しい見方・行動の仕方を試すこと 
  • 助けが両方向であるように、お互いに責任を持つ関係を作ること 
  • 望ましくないこと(たとえば、鎮静)を避けるのではなく、私たちが望むことにむかって進むこと 
①困難なときにあなたが取る反応について考えてください。その反応は、あなたにとってどのような役目を果たしてきましたか? 
5.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
【今後の予定】ZOOM 9/11(土)13:30-15:00

IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

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