2024年6月16日(日)勉強会(ZOOM)のご報告

6月16日(日)15時~16:30に、ZOOMで東京IPS勉強会が開催されました。この日は21名での勉強会でした。

いつものように、はじまりの確認をして、「IPS」で大切だと考えている4つのこと:(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと について話しました。

テレビを見るようにではなくて、互いに通じ合うように話を聞く、という思いや、うんうん、っていう相づちの感じ、との声を出してくださった方々がいて、ほんとにその通りだなぁと思いました。

次いで、前回の「(3) ピアサポートの関係では、ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を再検討するようにお互いを励まします。」の振り返りをしました。そのことともつながる今日のお題が、「(4) ピアサポートは、ピアとの間であれば大丈夫でいられる関係を作るだけでなく、さらに視野を広げて、この世の中での振舞い方をどんなふうに学んできたのかを、その関係を通して、考察するためのものです。」です。

  • なんでそこに置いたの?という一言を聞いたときに、ごめんなさい、と思ってしまう自分がいるけれど、ただ純粋にそこに置いた理由を聞いているだけなのかもしれない
  • 入院していた時に、あなたはずっとそのままでいたいのか?とスタッフから聞かれてはっとしたというシェリーさんの話し

そんな話が全体で出てから、3-4人組にわかれてそれぞれの話をしました。また全体に戻ってから

  • ちょっと離れた人と会ったときに新たな発見、気付きがある
  • それまで、この人の言うことが正しいとか、自分より良いものを持っていて取り入れたいと思ってしまっていたけれど、その人は自身の経験の話をしていて、自分には自分の経験があって、それぞれに経験があるということで対等だよね、と話し合うことができた
  • 自分にも守るものがある。怒りを覚えるもの、悲しみをおぼえるものの内側には守りたいものがあったと気づいた
  • 自分の気持ちを正直にテーブルの上に出したときに、相手から否定されたりすると、にそんな否定しなくてもいいじゃんと思ってしまったりしていたけれど、今は感情を横に置いて、この人(相手)はこんな風に思うタイプなんだな、とか思えるようになった。すぐにやり合わないでできるようになってきたのは、いろんな人と話したから。いろんな人との関わりを経験したから。たくさんの人と話をして、正直にテーブルの上に出していく
  • WRAPやIPSと出会って、そこで知り合った人たちと関わって、新しい見方にひらかれた。自分に対しても世界に対しても、見え方が変わった
  • ピアサポートという言葉を知る前の自分の主治医。あなたはどうしたいの?自分の主体性を尊重してくれた人がいた。自尊感情が低かったけれどそこで育まれて、WRAPとかIPSに対する興味も育まれてきたのかな
  • 信頼関係とか、時間をかけてとかいうけど、初めてであった人でも、安心感を得たり気づかせてくれたりすることある
  • グループの人のこととか、どこかで自分で決めつけてしまっていたことに気付いた
  • ほかのスタッフの見方にしっくりこないと思ったこともあったけれど、自分がイライラすることでもないと思った。そのスタッフもその人のためを思ってやっているのであって、そのスタッフとその相手の二人の間の問題
  • 立場を超えてもフラットに人として話のできる関係性ができると良い
  • WRAPとかIPSを学んで、互いに学び合う関係性の中から、自分の見方が変わったし、いろんな人に世界観があるんだなと学んだ
  • 学び合うって勇気が必要。自分の思いを伝えたり、相手に聞いたりとか、チャレンジとか勇気も必要。チャレンジして得るものは貴重な学び
  • 新しいものの見方。出会ってすぐに取り入れることもあれば、ちょっと抵抗があったり、いぶかしんで、取り入れるまでに時間がかかるものも自分にはあった。あきらめずに伝え続けることも大事。ぶつかる関係性になってるときって受け入れるのが難しいこともある
  • 何人もの先生に出会ってきたけれど、恩師として名前が浮かぶ先生たちがいる。貴重な出会い。
  • ピアスタッフとスタッフ
    • 現実には対等ではない 稼ぎが違う、という話をされたことがある。そういう目線があるということを心に留めておく。
    • どういう立場にあろうが、ものの見方のありよう
    • 人と人として分けずにどうあれるか

などなど、さまざまな話をしました。

ご参加くださったみなさん、どうもありがとうございました!

【次回以降の勉強会予定】
7月21日(日)10~12時 対面(東京大学医学部3号館)
8月20日(火)19:30-21時(ZOOM)

ゆっきぃのひとりごと:今日はZOOMだったこともあり、全国各地からのご参加がありました。九州地方の方もたくさんいらしてくださり、ありがとうございました。私は、WRAPとIPSに出会ってから、ずいぶん元気になりました。こんな風に考えていいんだな、と知って(いいも何もないはずなんですけどね)、自分や他者の声を聴くことの大切さに気付くことができて、自分に対する見方も、世界の見え方も変わったように思います。WRAPやIPSで出会った人たちとの関係が、そうさせてくれたんだな、としみじみと考えていました。

6/16の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2024 年6月16日(日)15:00-16:30 場所:ZOOM
1.はじまりの確認(チェックイン): 呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。
「IPS」で大切だと考えている4つのこと:
(1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
3.前回までの振り返り(前回は2024年5月18日(土))
前回:ピアサポートとはそもそもなんなのか?
お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすること
「成長」とは何か?
4.ピアサポートとはそもそもなんなのか?(1 巻 p.7~ ) (2 月からの続き)
私たちがピアサポートと呼んでいることは何なのでしょう?誰かの面倒をみること?治療を提供?違います。お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすること?その通りです。
(1)提供することと受け取ること;(2)病名をよりどころにしていません;(3)ピアサポートの関係では、ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を再検討するようにお互いを励まします。
(4) ピアサポートは、ピアとの間であれば大丈夫でいられる関係を作るだけでなく、さらに視野を広げて、この世の中での振舞い方をどんなふうに学んできたのかを、その関係を通して、考察するためのものです。
ここが、ピアサポートの核心をつくところです。ピアサポートの関係は、人との関わり方のパターンの中で、私たちがどこで行き詰まるのかを探る機会を与えてくれます。難しいのは、居心地よく感じられず、支持されている気がしなくても、やり通すことです。お互いの違いを乗り越えようとしている過程をあきらめず、新たなものの見方を試す不安な気持ちに耐えて、やり通すことです。これは“言っていることを実行する”ために、お互いに支えあい、挑戦しあうつもりがあることを意味しています。
♪ 新しい見方で自分を見るように導いてくれた関係について思い当たるものはありますか?
5.勉強会の感想
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

ーー
IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。

2024年5月18日(土)勉強会(対面)のご報告

5月18日(土)15時~17時に、対面で東京IPS勉強会が開催されました。この日は13名での勉強会でした。

いつものように、はじまりの確認をして、「IPS」で大切だと考えている4つのこと:(1)つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと について話しました。

前回の「(2)ピアサポートは、精神医学のモデルや病名をよりどころにしていません。」の振り返りをしました。

この日のお題は「(3) ピアサポートの関係では、ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を再検討するようにお互いを励まします。」です。

  • 支援、クライアントみたいな言葉、上下関係
  • 仕事モードに入ると上下関係
  • いやしてあげるのではなくて、癒しとは、相互関係があるから癒し
  • 共感した時点で成長
  • 共感できるって稀有なこと
  • 症状と強い感情について、精神科経験のない人の方が、「落ち着いて」とか「少し休んだら」って言ってくれたりする(症状としてではなく人間の感情として扱ってくれる)
  • 強い感情が出るのには理由がある
  • 丁寧に対応しようとすると時間がかかる。時間を短くしようとして薬を使っちゃったり。スローライフに慣れないと。
  • 眠れない→頓服 じゃなくて。
  • 世の中も変わってきている。昔は「皆勤賞」というものがあったり、我慢することが美徳、24時間闘えますか、だったけれど、社会も変わってきている
  • WRAPの権利擁護、自分の声を出してみる 合理的配慮の使い方、自分なりの付き合い方、社会との向き合い方
  • 人権についてよく考える。症状があるままで幸せになれる
  • でも自分は普通になりたい
  • 治す、まくす、解決、そういう価値観
  • 50年後の人はどう見るでしょうね。精神疾患がどう扱われているのか、見てみたい
  • バリケードをはって締め出す「強い感情」
  • いつも向き合ってると大変なので、元気になったら考えてみようかな

などなど。少人数での対話の時間も含め、さまざまな話をしました。

ご参加くださったみなさん、どうもありがとうございました!


【次回以降の勉強会予定】

6月16日(日)15時~16時30分(ZOOM)

7月21日(日)10~12時 対面(東京大学医学部3号館)

ゆっきぃのひとりごと:スローライフに慣れること、急がないこと、さまざまな意見が出ることこそが豊かなことであること、そんな考え方をいいねと言えたり、安心して自分の考えたことを言える場というのは貴重だなと感じました。確かに、50年後には精神疾患がまた全然違うものになっていたり、違う扱われ方をされていそうだなと感じました。

5/18の勉強会の資料内容です。

IPS(インテンショナルピアサポート=意図的なピアサポート)東京での勉強会
日時:2024 年 5 月 18 日(土)15:00-17:00 場所:東京大学医学部3号館2階 S201/202
1.はじまりの確認(チェックイン): 呼んで欲しい名前 ②何に動かされてここに来ましたか?
2.意図的なピアサポート(IPS)で学ぼうとしている関係と、この場でしたいこと
(IPSでの)ピアサポートは、お互いが学び成長するのに役立つような関わりをします。
「IPS」で大切だと考えている4つのこと:
(1) つながり:通じ合う感覚 (2)世界観を理解するために助け合う (3)相互性 (4)向かうこと
3.前回までの振り返り(前回は 2024 年 4 月 20 日(土))
前回:ピアサポートとはそもそもなんなのか?
お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすること
「成長」とは何か?
4.ピアサポートとはそもそもなんなのか?(1 巻 p.7~ ) (2 月からの続き)
私たちがピアサポートと呼んでいることは何なのでしょう?誰かの面倒をみること?治療を提供?違います。
お互いが学び成長するのに役立つような関わりをすること?その通りです。
(1)提供することと受け取ること;(2)病名をよりどころにしていません
(3) ピアサポートの関係では、ものの見方(どのようにしてそう思うようになったのか)を
再検討するようにお互いを励まします。
物事の見方や人との関わり方は、これまでの人生で受け取ってきた、数多くのメッセージの結果です。
つまり、これまで経験したことに基づいて、私たちは世界観を形成し、物事を理解します。こう考えてみるだけで、
他に沢山の真実があるかもしれないという可能性に気付くきっかけになるでしょう。
後に、“世界観”について多くの時間をとりますが、あなたが、自分の経験をどのように理解しているか
考えてみることが大切です。
♪ 強い感情と症状の違いは何でしょうか?どうして、その区別をするようになったのでしょう?
5.勉強会の感想:今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?

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IPS勉強会ブログに勉強会でのやりとりの抜粋を報告しています。個人を特定する情報は載せません。ご自身の発言と思われることへの削除や修正をされたい方はいつでもご連絡ください。