7月10日(日)は、晴れて気温も高くなりました。そんな中、10時-12時にIPSの東京勉強会が開催されました。
この日も静岡県や栃木県からもご参加いただきました。近い方も遠い方もみなさまどうもありがとうございます。
今回も、前回に引き続き「衝突」についてでした。
前半は、木になる感じとか、怒りは6秒(その間に何か言ったりしない)とか、話した後に、神田さんにリードしていただき、呼吸や気が通る感じ、足が地に着く感じなどを体感しました。
後半は、衝突についてテキスト内容を読みつつ、日常の中での衝突の話や、解決を求めているわけではなくてあぁそう見えてたんだ、と気付くような、そんな関係になれたらよいのでは、などお話ししました。
来月8月はお休みの予定で、
9月は9月の三連休のどこかの夜あたりを予定しております。
以下は、7月の東京のIPS勉強会で用いたアジェンダ(進行)です。
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IPS(インテンショナルピアサポート)東京での勉強会
日時:2016年7月10日(日)10:00-12:00 場所:東京大学医学部3号館S102
1.チェックイン(10:00~10:20)
• 呼んで欲しい名前
• 何に動かされてここに来ましたか?
2.前回6月の振り返り(10:20~10:30)
前回:「衝突」続き トラウマの再演と衝突(5巻 p.7-8)
3.静かな時間を味わう や 太極拳(10:30~11:00)
• 息を吸って、息を吸っていることに気付く。息を吐いて、息を吐いていることに気付く。
• 息をコントロールしなくて良い、ありのままの呼吸を感じ取る。
• ただ受け取る。「沈黙」と共に過ごす。自分の心の声に耳を傾ける。室内でもどこでも。
• できれば、身体を感じ、身体の声を聴いてみられるような?
~休憩~
4.第6章「衝突」 対話をなす (11:10~11:45) (5巻 p.8-9)
・対話は、技法のあれこれとは、それほど関係ありません。それよりは、相手の情熱と真実に深く心を開きながら、自分の 情熱や経験を手にしようと実践する意図に関わっています。 これはピアサポートの究極的なゴールで、ここまで言い続けてきたように、本当の学びと成長が起きるところです。
・物事が比較的うまくいっているとき、対話は楽しく、流れていきます。しかし、私たちの情熱が衝突するときには、順番 に聞くのではなく、順番に話すようになる傾向があります。
・自分の現実について相手を説得しようとし、いくつもの見方や考え方があるということを忘れてしまいます。言い換えると、一緒に何が作り出せるのかを見出すのではなく、相手の見方の間違い探しに終始します。
例: 川村さんと野中さんは、ピアが運営するクライシス宿泊プロ グラムでピア・スペシャリストとして一緒に働いています。 このところ、野中さんは休みがちで、川村さんは、野中さんの代役を務めなければならず、それに嫌気がさしています。 野中さんはいつ休むかわからないと言い、川村さんは野中さんがちゃんと責任を取ろうとしていないと思います。ついに衝突が起きたとき、状況はかなりの緊張状態になっています。(裏面に続く…)
衝突1
川村さんは野中さんに、こう言います。
「 野中さんのせいで、僕の生活は無茶苦茶だ。 自分のリカバリーに真剣に取り組み始めるまで、仕事をやめるべきだよ。」
野中さんの反応は、
「自分が何を言っているのか全くわかってないだろ。 僕は 川村さんよりずっと長い間リカバリーに取り組んできてるよ。 でも、自分のコントロールの及ばないことがあるんだよ。」
川村さんはこう言います。
「 そうかもしれないけど、僕たちは誰でも問題を抱えているんだよ。ちゃんと問題を解決して、 決まったときに出てこな い なら 、やめさせてもらうように頼む しかないね。 」
野中さんは
「勝手にすればいい。こっちは弁護士を雇うだけだ。」
これはいくらか誇張されているかもしれないですが、衝突があるとき、この種のパワーの力動が働くのはそれほど珍しくはありません。振りかえってみましょう。川村さんの(必ずしも情報に基づいていない)思い込みは何だったでしょう か?どのようにして彼はそのような思い込みをしたのだと思いますか?
野中さんの視点からこの状況をもう少し良くわかるためには、 どうする必要があったでしょうか?川村さんは、どうすれば、その情報を手に入れることが出来たでしょうか?
☆やり直してみましょう。
川村さんと野中さんは、ピアが運営するクライシス時宿泊プ ログラムでピア・スペシャリストとして一緒に働いています。 このところ、野中さんは休みがちで、川村さんは、野中さん の代役を務めなければならず、それに嫌気が差しています。 野中さんはいつ休むかわからないと言い、川村さんは野中さ んがちゃんと責任を取ろうとしていないと思います。ついに衝突が起きたとき、状況はかなりの緊張状態になっています。 野中さんと顔をあわせたとき、今度は、川村さんは、ピアサ ポートについて考えました。
川村さん:
「野中さん、このところ、遅れてくる か、全くこないことが多いね。 気がついていないかもしれないけど、野中さん の担当の時間を僕が埋めていて、ちょっと、不満に感じ始めているんだ。どうして遅れてきたり、 来なかったりするのか、そういえば、事情を全く知らなかったことに気づいたんだけど。 よかったら、どうしたのか 話してもらえる かな。 」
野中さん:
「川村さんが 全部埋めてくれているとは知らなかった。 補助の人がいると思っていたよ。娘が最近引越しをしてから 、てんかん発作がひどくて困っているんだ。それがいつ起こるか予測がつかなくて。」
川村さん:
「そうだったの。大変だね。 野中さんも娘さんも気分が晴れないだろうね。 お互いにとってうまくいくようなスケジュー ルにするにはどうしたらいいだろう?」
野中さん:
「僕の担当のシフトを 緊急にバックアップしてくれる人がいて、15分以上しても来なかったら来てもらえるようにしたらいいかもしれない。バックアップの人が電話で確かめてくれて、準備をしておいてくれればいいね。 」
川村さん:
「いいかもしれないね、だったら、僕は自分のシフトだけ心 積もりしていればいい。娘さんのことで
もし僕に出来ること があれば、いつでも連絡して。」
この会話に導くために、川村さんが使ったピアサポートの技法は何でしょう?
相手がどうしてそのような行動の仕方をしているのかについて思い込みをしているとき、私たちはその思い込みを会話の中に持ち込みます。そして、そうしているときに出来ることといえば、自分の望んでいることを手に入れるためにパワーを使うことでしょう。もし私たちが、自分の真実を保ちながら、相手の人の見方にも誠実な好奇心を持つことが出来たら、全く違ったストーリーが展開するでしょう。
5.勉強会の感想(11:45~12:00)
今日、心に響いた事、印象に残っていることはありますか?
次回:2016年8月は、お休みです。